債権者と債務者の関係とは?債権はどんな権利か、わかりやすく説明

債権,回収 借金返済

お金の貸し借りなどで出てくる、債権者・債務者という言葉。

「お金を貸す側・借りる側の違いかな?」

と、何となく思っているけれど、「実際のところよくわからない…」という方がほとんどではないでしょうか?債権者と債務者の関係をきちんと理解するためには、そもそも「債権」とはどんな権利なのか?というところから紐解いていく必要があります。

そこで本記事では弁護士が、わかっているようできちんとわかっていない、債権者と債務者について解説していきます。権利や義務の話が出てきたり、複雑になりがちな内容ですが、できるだけわかりやすく説明します。加えて借金をした場合に、債権者が回収のためにどのような手段を取ることができるのか、といったことも具体的にご紹介します。

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債務者と債権者とはどんな関係?身近な例

まず債権とは、特定の人が、別の特定の人に対して、一定の給付をするように請求できる権利のことです。債務はこの逆です。ある特定の人が、一定の給付をしなければならない義務を背負うということです。債権を有して一定の給付をするように請求できる人が債権者、義務を負っていて一定の給付をしなければならない人が債務者となります。債権者や債務者は、個人だけでなく会社などの法人もなることがあります。なんだかわかりにくいですね。次は具体例で見ていきましょう。

土地を売買した(売買契約)

身近なものでいえば物の売り買いでも債務者と債権者の関係が生まれます。土地の売買をした場合を例にします。土地を購入した買主は売主に対して、土地を明け渡し、登記簿上の所有者を変更する手続に協力するように請求することができます。逆に売主は買主に対して、土地を明け渡して、登記簿上の所有者を変更する手続に協力する義務を負うことになります。一方で、もし買主がお金を支払わないということが起こると、売主は買主に対し土地の代金を支払うよう請求することができます。対して、買主は売主に対して代金を支払う義務を負うことになるわけです。

お金を消費者金融から借りた(金銭消費貸借契約)

さて、当ブログの読者の方にもっとも関係するのはこの場合ですよね。消費者金融から借入をしている方は、お金を借りる際に消費者金融と契約を結んでいるはずです。お金を貸した消費者金融は、お金を借りたお客さまに対して、契約に従ってお金を返すように請求することができます。同様にお金を借りた人は契約に従って消費者金融にお金を返す義務を負います。

債権にはそのほかにどんなものがある?

少し余談になりますが、一言で債権と言ってもさまざまなものがありますので説明したいと思います。たとえば、あなたがあるお店で一点物のお皿に一目ぼれしたとします。このお皿の購入を決めた場合、目にしたそのお皿がほしいわけですよね?もし購入して、少し違う別のお皿を引き渡されても、あなたにとっては何の価値もありません。その特定のお皿を引き渡すように請求する権利を特定物債権と言います。逆に、何枚も同じ形のお皿が生産されていて、そのお皿の内どれでもいいので1枚を引き渡してもらえたらそれでOKである場合を、種類物債権もしくは不特定物債権と言います。
消費者金融からお金を借りた場合で、例えば1万円を返済しないといけないとき、新札の一万円札で返済しても、折り目のついた一万円札で返済しても、千円札を10枚で返済したとしても、返済をしたことに変わりはありません。お金を支払ってもらう権利は金銭債権と言います。
また、債権には担保権をつけているものがあります。たとえば、住宅ローンを組んで不動産を購入すると、ほとんどの場合、不動産に抵当権という担保権がつけられます。そして約束どおり支払われなくなった場合は、抵当権を実行して強制競売にかけ、不動産を売った代金から優先的に回収をすることができます。担保のついた債権のことを、被担保債権と言います。

債権のもつ効力とは?債権者は債務者に何ができるのか?

給付保持力

債権のもつ、もっとも基本的な効力で、債務者から受けた給付を適法に保持することができる力です。わかりやすく説明すると、約束どおりに支払ってもらったものを返さなくていいということです。たとえば1万円を支払ってもらう約束で、そのとおりに1万円を支払ってもらったところ、債務者があとになって「やっぱり返してほしいと」と言ってきたとしても、返さなくていいという当然のことを説明するものです。

訴求力

債権者は、債務者が約束どおりに給付をしてくれない場合、訴訟を起こして請求することができます。

執行力(貫徹力と掴取力)

執行力は、厳密には、貫徹力(かんてつりょく)と掴取力(かくしゅりょく)に分かれます。貫徹力とは、訴訟で確定した債権の給付内容をそのとおりに請求できる効力のことですが、これは当然のことですね。それに加えて、債権者は強制執行の手続を通じて、債務者の財産を差し押さえて満足を得ることもできます。これが掴取力です。たとえば、勤務先がわかっていればお給料を差し押さえたり、預金口座を知っていれば預金を差し押さえたりすることができるのです。これが、債務者にとってはもっとも怖い効力でしょう。

損害賠償請求権

約束どおりに給付がされず、そのために債権者に損害が発生した場合、債権者は債務者に対して損害賠償請求ができることがあります。たとえば、飲食店をするために店舗を借りて期限までに引き渡してもらうことになっていたのに、貸主の不注意で期限までに引き渡してもらえず、その分営業ができなくなって損害が発生したときなどです。
消費者金融からお金を借りて、約束どおりに返済をしなかった場合の損害賠償は、「遅延損害金」を支払うことで解決されます。

契約の解除

約束どおりに給付がされなかった場合、債権者は契約を解除できることがあります。なお、消費者金融からお金を借りていたが約束どおりに返済をしなかった場合は、契約の解除ではなく、一括返済をするように求められます。

借金回収のために債権者が行うこと

債権者が行う法的手段

債権者は裁判を起こし、勝利すると、その判決などに基づいて(法律用語で「債務名義」と言います)、裁判所を通じて強制執行をしてきます。強制執行の対象で多いのは、お給料の差押えです。勤務先に裁判所から通知が届くため、勤務先に借金を滞納していることも伝わってしまいます。そのほかにも、預金口座、不動産、自動車などを差し押さえてくることがあります。ただ、強制執行で何でも取り上げることができるかというと、そういうわけではありません。法律により差押えが禁止されている財産も数多くあります。たとえば、どの家にもある家具や家電、食器や衣服などの生活用品は差し押さえることができません。また、借金返済のためにお給料を差し押さえる場合、手取り収入の4分の3(手取り収入が44万円を超えるときは、33万円)は差押えが禁止されています。給料を差し押さえられた場合でも、 最低限の生活をすることはできることが多いです。
また、強制執行は、裁判所を通じて行う必要があります。仮に債権者が裁判所を通さずに、債務者の家に勝手に上がりこんで、家電などを持って行ったというような場合は、債権者は逆に罪に問われます。窃盗罪や住居侵入罪などの犯罪が成立することになるのです。

債権は譲渡されることも

また、債権は、他人に譲渡されることもあります。債権を譲渡するには、原則として債務者の同意はいりません。たとえば、消費者金融から借りた借金をしばらく延滞した場合、債権者の消費者金融において、回収が困難であるとか、回収に手間がかかると考えた場合、債権者は債権回収会社に債権を安く売却して、債権を譲渡することがあります。債権回収会社はその名のとおり、債権を回収することに特化した回収のプロフェッショナルで、回収のための法的手段なども熟知しています。もし債権が債権回収会社に譲渡されてしまった場合は、一般の方では対処するのは困難かもしれません。

債権回収会社について、より詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

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まとめ

ご覧いただいたとおり、強制執行などとても強い効力を持つのが「債権」という権利の特徴です。借金をした債務者が返済できない場合は、債権者はこの力を行使することができるのです。何かの事情で借金の返済に困ったときは、滞納したまま放置したりしないようにしましょう。

特に回収のプロフェッショナルである債権回収会社に債権が渡った場合は、早々に法的手段が使われることも多いので、注意が必要です。万が一、そのような状況になってしまった場合は、法律に詳しい弁護士の協力を得て、適切な対処をするようにしてください。

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