お電話では土日祝日も休まず朝9時~夜10時まで(Webでは24時間対応)法律相談のご予約を受付けています。 万全な管理体制でプライバシーを厳守していますので、安心してお問い合わせください。

ブラックリストに載っていても作れる3種類のETCカード

作成日:更新日:
リーガライフラボ

※アディーレ法律事務所では様々な法律相談を承っておりますが、具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。予め、ご了承ください。

「『ブラックリスト』に載ってしまって、クレジットカードが作れない。それでも作れるETCカードはあるのかな。」

日ごろから自動車を運転する方は、ETCカードを利用していらっしゃる方が多いと思います。
国土交通省によると、ETCの利用率は2016年11月以降常に9割を超え、2022年7月時点では93.9%にのぼっています。

高速道路をストレスなく利用するためには必須ともいえるETCカード。
しかし、いわゆる「ブラックリスト」(※正式名称ではありません。信用情報機関の信用情報の内、滞納等の事故情報のことです)に載ると、やがて途上与信(※契約の途中に契約者の与信審査を行うこと。カードの更新時や増額審査時に行われることが多い)の際にクレジットカードが強制解約され、ETCカードも使えなくなってしまう可能性が高いです。

これまでETCカードを利用していた方が、カードを利用できなくなるととても不便に感じることでしょう。
ですが、実は、ETCカードはクレジットカードに付帯するものだけではありません。
いわゆる「ブラックリスト」(信用情報機関の事故情報)に載っていても、作ることのできるETCカードもあります。

そこで、今回の記事では、次のことについて弁護士がご説明します。

  • いわゆる「ブラックリスト」に載っていても作ることのできるETCカード

についてご説明します。

参照:ETCの利用状況|国土交通省

この記事の監修弁護士
弁護士 谷崎 翔

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。

ブラックリストに載っていても作れるETCカード

いわゆる「ブラックリスト」(事故情報)に載っている方が使うことのできるETCカードは、次の3つです。

  • 家族カード用のETCカード
  • ETCパーソナルカード
  • ETC法人カード/ETCコーポレートカード

※なお、事故情報は永久に登録されるわけではなく、一定期間が経過すると情報は抹消されます。事故情報に登録される条件や登録期間について詳しくはこちらの記事をご参照ください。

何をするとブラックリストに載るの?いつまで情報は残るのか解説

家族カード用のETCカード

「家族カード」とは、クレジットカードの名義人(本会員)の家族が使うために、本会員と同じカードを追加で発行してもらうカードのことです。
家族カードは、本会員の信用情報に問題がなければ、基本的に発行可能です。
ですから、ご自身は事故情報が登録されてクレジットカードを作れないという場合には、ご家族(本会員)のクレジットカードの家族カードを申し込み、その際にETCカードを付帯させれば、ETCカードを利用することができます(※カード会社によっては、家族カードではETCカードを申し込めない場合もあります)。

もっとも、家族カードもクレジットカードです。そもそも「事故情報」に載った原因が、ご自身のお金の使い方に問題があったという場合には、家族カードの利用には慎重になるべきでしょう。
やむを得ずに家族カード付帯のETCカードを作る場合にも、家族カード自体は本会員である家族に預かってもらうなど、その使い方については家族としっかりと話し合うことをお勧めします。

ETCパーソナルカード

ETCパーソナルカードは、高速道路6社が共同で発行している高速道路料金支払専用のETCカードです。
ETCパーソナルカードを利用した高速道路などの料金は、後から口座引落しの方法により支払います。

ただし、カードの申込みの際、月間の平均利用額に応じて数万円(最低2万から。2万円きざみで8万円まで ※2022年7月時点)のデポジットを預けなければいけません。
(※デポジットとは、口座引落しによる支払いがない時に備えて最初に預ける保証金です)
ETCパーソナルカードで利用できるのは、デポジットの8割分です。

未払分の利用料金がデポジットの8割に達すると、基本的にETCカードが利用できなくなります(※デポジットを2万円に設定している場合は、未決済の残高が1万4000円に達した時点で、登録口座から増額デポジットとして2万円が振り替えられます)。

なお、デポジットは、ETCパーソナルカードを解約すれば返金を受けられます(ただし、未払いの料金があれば、その分は差し引かれます)。

ETCパーソナルカードはクレジット機能はついていませんので、信用情報機関の登録情報は確認されません。
ですから、事故情報に登録されている場合であっても作ることができます。
申込みの際にデポジットのための初期費用が必要になるなどのデメリットはありますが、家族カードを作ることに家族が同意してくれなくてもETCカードを作ることができます。

参照:ETCパソカとは|ETCパーソナルカードWebサービス

ETC法人カード・ETCコーポレートカード

個人事業主や会社代表者の方で、その事業活動をする上でETCの利用が必要な場合には、ETC法人カードや、ETCコーポレートカードを利用するのも良いでしょう。

ETC法人カードは、ETCカードに関する事業を行っている協同組合に加入した上で、組合からカードの貸与を受けるものです。
カードを利用するためには、各協同組合に加入する必要がありますので、通常は協同組合に加入する際の出資金が必要になります(脱退時に返金されます)。
また、各組合によって異なりますが、手数料や年会費が必要になる場合もあります。

ETCコーポレートカードは、東日本・中日本・西日本高速道路株式会社(NEXCO)が、大口・多頻度でETCを利用する個人・法人を対象に特別に割引を行うために発行するカードです。
ETCコーポレートカードは、NEXCOに直接申し込む場合と、ETCコーポレートカードを扱っている各協同組合に加入した上で、組合を経由して申し込む場合があります。
NEXCOに直接申し込む場合には、保証金(支払見込月額の4倍相当額以上の額。見込月額が10万円を下回る場合には10万円)が必要になります。
各協同組合に加入したうえで組合を経由して申し込む場合の費用については各組合によって異なりますが、直接申し込むよりはかなり費用を抑えられるようです。

参考:大口・多頻度割引制度の概要|NEXCO中日本

ETC法人カード、ETCコーポレートカードにもETCパーソナルカード同様クレジットカード機能はありませんので、事故情報に載っている方であっても、他の条件を満たせばETCカードが作れます。

ただし、あくまでも事業活動の上でETCカードが必要な方向けですので、個人で利用するためにETCカードを作るには、ETCパーソナルカードが良いでしょう。

【まとめ】ブラックリストに載っていても作ることのできるETCカードがある

今回の記事のまとめは、次のとおりです。

  • 信用情報機関に事故情報が登録される(いわゆる「ブラックリスト」に載る)と、途上与信の際にクレジットカードが強制解約されるため、クレジットカードに付帯するETCカードもいずれ使えなくなる可能性が高い。
  • ご家族が本会員となっているクレジットカードについて、家族カードと付帯のETCカードを申し込む場合、本会員であるご家族の信用情報に問題がなければ、事故情報に載っていてもETCカードを作ることができる。
  • ETCパーソナルカードはクレジット機能がないため、事故情報に載っていてもETCカードを作ることができる。
  • 事業で車を運転している場合には、協同組合に加入して法人ETCカードや法人コーポレートカードを作ることができる。

カード会社の利用規約上、家族や友人同士でのETCカードの貸し借りは認められていません。そのため、信用情報に事故情報が載った状態でETCカードを利用したいのであれば、ここでご紹介した方法でETCカードを作ることをおすすめします。

この記事の監修弁護士
弁護士 谷崎 翔

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

※¹:2024年4月時点。拠点数は、弁護士法人アディーレ法律事務所と弁護士法人AdIre法律事務所の合計です。