「「ブラックリスト」に載ってしまって、クレジットカードが作れない。それでも作れるETCカードはあるのかな。」
日ごろから自動車を運転する皆様はETCカードを利用していますか?
国土交通省によると、ETCの利用率は2016年11月以降現在まで常に9割を超えています。高速道路をストレスなく利用するためには必須ともいえるETCカード。
しかし、クレジットカードにETCカードが付いている場合、いわゆる「ブラックリスト」(※正式名称ではありません。信用情報機関の信用情報の内、滞納等の事故情報のことです。)に載ると、やがて使えなくなってしまうでしょう。
これまでETCカードを利用していた方が、カードを利用できなくなるととても不便に感じることでしょう。
ですが、実は、ETCカードはクレジットカードに付帯するものだけではありません。
いわゆる「ブラックリスト」(信用情報機関の事故情報)に載っていても、作ることのできるETCカードもあります。
そこで、今回の記事では
- いわゆる「ブラックリスト」に載っていても作ることのできるETCカード
についてご説明します。
参照:ETCの利用状況|国土交通省
参照:信用情報機関 株式会社 日本信用情報機構(JICC)
参照:割賦販売法・貸金業法指定信用情報機(CIC)
参照:全国銀行個人信用情報センター|一般社団法人 全国銀行協会
早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。
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ブラックリストに載っていても作れるETCカード
いわゆる「ブラックリスト」(事故情報)に載っている方が使うことのできるETCカードは、次の3つです。
家族カード用のETCカード
ETCパーソナルカード
ETC法人カード・ETCコーポレートカード
※なお、事故情報は永久に登録されるわけではなく、一定期間が経過すると情報は抹消されます。事故情報に登録される条件や登録期間について詳しくはこちらの記事をご参照ください。
家族カード用のETCカード

「家族カード」とは、クレジットカードの名義人(本会員)の家族が、本会員と同じカードを追加で発行してもらうカードのことです。
家族カードは、本会員の信用情報に問題がなければ、基本的に発行可能です。
ですから、ご家族のクレジットカードの家族カードを申し込み、その際にETCカードを付帯させれば、ETCカードを利用することができます(※カード会社によっては、家族カードではETCカードを申し込めない場合もあります)。
もっとも、「事故情報」に載った原因がお金の使い方に問題があったという場合には、家族カードを利用することは慎重になるべきでしょう。
やむを得ずに家族カード付帯のETCカードを作る場合にも、家族カード自体は本会員である家族に預かってもらうなど、その使い方については家族としっかりと話し合うことをお勧めします。
ETCパーソナルカード

ETCパーソナルカードは、高速道路6社が共同で発行している高速道路料金支払専用のカードです。
ETCパーソナルカードを利用した高速道路などの料金は、後から口座引落しの方法により支払います。
ただし、カードの申込みの際、月間の平均利用額に応じて数万円(最低2万から。2万円きざみで8万円まで※2021年8月時点)のデポジットを預けなければいけません。
(※デポジットとは、口座引落しによる支払がなかった時に備えて最初に預ける保証金です。)
未払分の利用料金がデポジットの8割に達すると、基本的にETCカードが利用できなくなります。
なお、デポジットは、ETCパーソナルカードを解約すれば返金を受けられます(ただし、未払の料金があれば、その分は差し引かれます)。
ETCパーソナルカードはクレジット機能はついていませんので、信用情報機関の登録情報は確認されません。
ですから、事故情報に登録されている場合であっても作ることができます。
申込の際にデポジットのための初期費用が必要になるなどのデメリットはありますが、家族カードを作ることに家族が同意してくれなくてもETCカードを作ることができます。
参照:ETCパソカとは|ETCパーソナルカードWebサービス
ETC法人カード・ETCコーポレートカード
個人事業主や会社代表者の方で、その事業活動をする上でETCの利用が必要な場合には、ETC法人カードや、ETCコーポレートカードを利用するのも良いでしょう。
ETC法人カードは、ETCカードに関する事業を行っている協同組合に加入した上で、組合からカードの貸与を受けるものです。
カードを利用するためには、各協同組合に加入する必要がありますので、通常は協同組合に加入する際の出資金が必要になります(脱退時に返金されます)。
また、各組合によって異なりますが、手数料や年会費が必要になる場合もあります。
ETCコーポレートカードは、東日本・中日本・西日本高速道路株式会社(NEXCO)が、大口・多頻度でETCを利用する個人・法人を対象に特別に割引を行うために発行するカードです。
ETCコーポレートカードは、NEXCOに直接申し込む場合と、ETCコーポレートカードを扱っている各協同組合に加入した上で、組合を経由して申し込む場合があります。
NEXCOに直接申し込む場合には、保証金(支払見込月額の4倍相当額。見込月額が10万円を下回る場合には10万円)が必要になります。
各協同組合に加入したうえで組合を経由して申し込む場合の費用については各組合によって異なりますが、直接申し込むよりはかなり費用を抑えられるようです。
ETC法人カード、ETCコーポレートカードにもETCパーソナルカード同様クレジットカード機能はありませんので、事故情報に載っている方であっても、他の条件を満たせばETCカードが作れます。
ただし、あくまでも事業活動の上でETCカードが必要な方向けですので、個人の方がETCカードを作るには、ETCパーソナルカードが良いでしょう。
【まとめ】ブラックリストに載っていても作ることのできるETCカードがある
今回の記事のまとめは、次のとおりです。
- 信用情報機関に事故情報が登録される(いわゆる「ブラックリスト」に載る)とクレジットカードが強制解約されるため、クレジットカードに付帯するETCカードもいずれ使えなくなる。
- 家族のクレジットカードの家族カードと付帯のETCカードを申し込む場合、家族の信用情報に問題がなければ、事故情報に載っていてもETCカードを作ることができる。
- ETCパーソナルカードはクレジット機能がないため、事故情報に載っていてもETCカードを作ることができる。
- 事業で車を運転している場合には、協同組合に加入して法人ETCカードや法人コーポレートカードを作ることができる。
カード会社の利用規約上、家族や友人同士でのETCカードの貸し借りは認められていません。そのため、信用情報に事故情報が載った状態でETCカードを利用したいのであれば、ここでご紹介した方法でETCカードを作ることをおすすめします。