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任意整理しない方がいい目安は?任意整理の概要と任意整理の手続き

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弁護士事務所を訪れる方の中には、もちろん任意整理をするデメリットを知らない方も大勢いらっしゃいます。そして、弁護士から任意整理をすると信用情報機関に事故情報が登録されてしまうこと(いわゆるブラックリストに載ってしまうこと)を聞かされ、「私は任意整理をしたほうがいいんだろうか、やめておいたほうがいいんだろうか」と疑問を抱く方もいらっしゃいます。
そのような方々でも、弁護士としては、任意整理をしたほうがいいと考えるケースの方が多いのが実感です。もっとも、そのような相談者の方のご不安な気持ちもわかります。
そこで、今回は弁護士が「任意整理をしない方がいいケース」について解説します。

任意整理の概要・条件

そもそも、「任意整理(にんいせいり)」とはどのような手続きなのでしょうか。

(1)任意整理は債務整理の手続きの1つ

任意整理とは、

債権者が債務者に対して有するとみられる債権について、弁済の額、方法等について裁判外で債権者と交渉をして処理する

引用:債務整理事件処理の規律を定める規程2条3号|日本弁護士連合会

ことです(日本弁護士連合会「債務整理事件処理の規律を定める規程」2条3号)。任意整理にあたって弁護士が交渉するのは、返済期間や月々の弁済額、将来利息のカットです。

たとえば、100万円を15%の金利で借り、3年で返済する計画を立てたとしましょう。
そうすると、毎月3万4665円を返済するうち、その一部が利息に充当され、利息は3年間の合計で24万7934円となります。任意整理によって、この将来利息をカットできれば、和解以降利息を支払わずに済み、借金返済の負担は大きく軽減されます。
また、任意整理ではできるだけ返済期間を長くするように交渉します。もし、90万円を2年で返済しなければならないとすると、月々3万7500円ずつ返済する必要があります。これに対して、90万円を5年で返済すると仮定すると、月々1万5000円ずつ返せば済みます。
このように、任意整理では、将来利息のカット、月々の返済額の減額を期待できます。

引用:債務整理事件処理の規律を定める規程|日本弁護士連合会

(2)任意整理できる条件

法律上、任意整理をできる条件は定められていません。消費者金融などから借りたお金について返済意思・返済能力があれば、誰でも行うことのできる手続きです。自己破産や個人再生といった法的整理をしたほうが良いケースはあるものの、自身の収入がなくても家族からお金を援助してもらえるのであれば任意整理ができないわけではありません。
もっとも、返済回数や将来利息の有無などに関して、借主が望んだとおりの和解契約になるとは限りません。また、2回目の任意整理であるケースなど債権者が交渉に応じてくれず、弁護士に依頼したのに結果的に和解契約を締結できない可能性もあります。

詳しくはこちらの記事もご確認ください。

2回目の任意整理の注意点と成功に近づく3つのポイント

債権者が和解に応じなければ和解契約を締結することはできませんので、弁護士に依頼する時点では任意整理が可能かどうかはわかりません。もっとも、任意整理の解決実績が豊富な法律事務所であれば、主要な貸金業者が和解に応じる条件などをある程度把握していますので、弁護士にお尋ねください。

任意整理の明確な目安はない?

任意整理を弁護士に依頼するにあたって、目安となる借入金額の基準はありません。
確かに弁護士費用よりも任意整理をしたい債権者に対する借金のほうが低ければ、任意整理をする経済的メリットがないといえるかもしれません。しかし、債権者からすでに裁判を提起されているため訴訟対応を弁護士に依頼したいという方や、債権者と直接やりとりするのが怖いという方など、経済的にはメリットがなくても弁護士に依頼したいと考える方も多いはずです。

一般的に借金の返済が重くなってきたと感じるタイミングや借金返済のプレッシャーから早く解放されたいと思い立ったタイミングで、弁護士に任意整理を依頼することを検討すると良いでしょう。

(3)任意整理と個人再生の違い

任意整理と同様、手続き終了後に支払いを続けていく債務整理の手段に「個人再生」があります。個人再生と任意整理の大きな違いは、次の3点です。

  • 裁判所の利用の要否
  • 支払不能のおそれの要否
  • 借金の減額される幅

個人再生と任意整理の違いを表にまとめると、次のようになります。

個人再生任意整理
裁判所の利用の要否利用する利用しない
支払不能のおそれの要否必要不要
借金の減額される幅5分の1など
※ケースにより減額幅は異なる
※住宅ローンは減額されない
原則、将来金利のみ
※過払い金請求できる場合を除く

詳しくは、こちらの記事もご確認ください。

個人再生をするとクレジットカードはどうなるの?任意整理との違いも解説

任意整理ではなく個人再生をしたほうがいい典型的なケースは、借金の総額が多い場合でしょう。一方、個人再生ではなく任意整理をしたほうがいいケースは、職場で官報を定期的にチェックしているため法的整理をすると借金が会社にバレてしまう場合や連帯保証人のいる借金があるけど連帯保証人に請求されるのを防ぎたい場合などです。

(4)任意整理と自己破産の違い

自己破産の大きな特徴は、任意整理や個人再生と異なって、手続き終了後に原則として借金の返済義務が免除されることです。一方で、自己破産では、住宅や車など一定の基準を上回る財産を原則として手元に残せないなどデメリットがいくつかあります。

何らかの事情で自己破産を避け、任意整理としたいケースもあるでしょう。
しかし、自己破産が視野に入るほど支払困難な状況では、近い将来、支払いができなくなってしまう可能性が高いといえます。自己破産を避けたい理由を弁護士に相談して、その不安が解消されるのであれば、任意整理をするよりも、なるべく早く自己破産をした方が、経済的メリットが高く、生活再建も容易であることが多いといえるでしょう。

任意整理しない方がいい2つのケース

任意整理をしない方がいいケースを知るには、任意整理のデメリットを適切に把握する必要があります。もしそれが「借金返済に苦しむこと」よりもつらい・しんどいと感じないのであれば、任意整理をした方がいいといえるでしょう。

(1)事業を継続したいなど信用情報機関に事故情報を登録されたくない

任意整理を含めた債務整理をすると、信用情報機関に事故情報が登録されてしまいます。
そうなると、新たに借入れをすることができなくなったり、クレジットカードを更新できなくなったりするなどの支障が生じます。特に困るのは、事業資金を自分名義で借り入れることができなくなって、事業を続けられなくなる人でしょう。借金はあるものの事業自体は黒字である場合には、債務整理をすることで、かえって生計を立てる手段を失いかねません。

そのほか、家計を切り詰めれば滞納することなく借金を返済していける場合には、任意整理をするかどうか悩むでしょう。任意整理をせずに返済を続ければ、返済の負担は軽減されなくても従来どおりクレジットカードを使えるという便利さがあります。他方、任意整理をすれば、クレジットカードは使えなくなっても借金返済の負担は軽減されるかもしれません。なお、クレジットカードが使えなくなっても、電子決済やプリペイドカードは使えるため、いざ手続きをしてみると思ったほど生活の利便性は変わらなかったという人も多くいますが。借金返済の負担軽減と生活の利便さのどちらをとるかはその人次第です。

詳しくはこちらの記事もご確認ください。

任意整理をするとブラックリスト入り?ブラックリストにはいつまで載る?

(2)任意整理の返済計画を継続して実行するのが難しい

任意整理は、3~5年間返済を続けていく手続きです。また、過払い金が見込めない限り、個人再生ほど借金が減額されるわけでもありません。そのため、任意整理の返済計画を継続して実行するのが難しいと最初からわかっているのであれば、任意整理をしない方がいいでしょう。
一部の債権者についてのみ任意整理を依頼して、他の債権者の任意整理を依頼しないとすると、後々返済ができなくなって自己破産をしようとするときに、偏頗弁済(へんぱべんさい)の問題も生じかねません。任意整理では完済できない可能性が高いのであれば、法的整理を検討すべきです。

詳しくはこちらの記事もご確認ください。

偏頗(へんぱ)弁済とは?問題となるケースとその回避方法や注意点などについて解説

任意整理に必要な費用・手続きの流れ

任意整理をした方がいいのか、しない方がいいのかを検討するためには、任意整理に必要な費用・手続きの流れを把握することが大切です。これから債権者に支払うことになる利息と弁護士費用を比べてみて、どのくらい違うのかがわかれば依頼するかどうかの1つの基準になります。

任意整理をした場合の流れ

それでは、任意整理を弁護士に依頼した場合の流れをみてみましょう。

(1-1)弁護士が受任通知を送る

弁護士から債権者宛てに受任通知を送ります。債権者から取立てを受けていた場合、通常はこの時点で取立てが一切ストップするので、ストレスが軽減されるはずです。

(1-2)債権者と和解交渉

債権者から開示された取引履歴をもとに、適正な利息に基づく引き直し計算を行い、借金の額を確定します。そして、和解案を提示し、債権者と和解内容について交渉します。話し合いがまとまると、和解内容を確認するため合意書を作成します。
弁護士に任意整理を依頼した場合、借主自ら債権者と話し合う必要はなく、弁護士から随時報告を受け、相談を行うことになります。

(1-3)返済開始

合意書で確認された和解内容に基づき、毎月貸金業者の指定する口座に分割金を振り込みます。

【まとめ】借金返済でお悩みの方はアディーレ法律事務所にご相談ください

弁護士として考える「任意整理をしない方がいいケース」は、「ブラックリストに載ってしまうと生活が立ち行かなくなるケース」「自己破産や個人再生が適切であるケース」です。
借金の金額などにより自己破産や個人再生の申立てをすべきケースもあるとはいえ、借金返済のプレッシャーから解放されたいと願っている人の多くは、任意整理をするメリットがあるはずです。もっとも、実際に生活に不便さを感じるようになるのは、依頼者の方です。任意整理のデメリットをきちんと把握して、弁護士に依頼するかどうかを判断してください。
借金返済でお困りならば、アディーレ法律事務所にお気軽にご相談ください。