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サラリーマンが自己破産すると、会社にバレる?給料はどうなる?

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借金を抱えるに至った事情はさまざまなので、借金を抱えているからといって一概にその人のイメージが悪くなるとは限りません。そうはいっても、できることなら借金の存在が会社にバレたくないと思う人が多いのではないでしょうか。借金の存在だけでなく、自己破産をしたことまでバレてしまうと、会社での居心地が悪くなるのではないかと不安になるかもしれません。
そこで、今回の記事では、弁護士が「自己破産が会社にバレるのか」等を解説します。

サラリーマンの自己破産は何がきっかけで発覚する?

サラリーマンの自己破産が勤務先に発覚する可能性が高いのは、次の3つのケースです。

  1. 勤務先からお金を借りている場合(勤務先が債権者になっている場合)
  2. 支払不能後に勤務先に借金を返済してしまったなど破産管財人が勤務先に連絡する必要のある場合
  3. 勤務先が定期的に官報をチェックしている場合

それでは、この3つのケースについてさらに詳しく解説します。

(1)勤務先からお金を借りている場合(勤務先が債権者になっている場合)

自己破産手続きを進めるうえでは、原則として全ての債権者を平等に扱わなければなりません。そのため、勤務先からお金を借りている場合など勤務先が債権者にあたる場合には、自己破産の依頼を受けた弁護士から勤務先に対して受任通知が送られるのが通例です。受任通知には、そのサラリーマンの方が自己破産をその弁護士に依頼したことなどが記載されているため、会社に自己破産をすることがバレてしまうでしょう。
その後、自己破産を裁判所に申立てると、債権者一覧表に記載されている全ての債権者に裁判所から「破産手続開始決定の通知」が送られますので、このタイミングで会社は自己破産手続きが開始されたことを把握するでしょう。

勤務先から直接借金をしていない場合であっても、グループ会社から借入れをしている場合にも勤務先に自己破産をすることがバレてしまう可能性は否定できません。さらに、給与天引きで何らかのローンを返済している場合にも、そのローンの支払いが止まることで、会社に借金が発覚してしまうことがあります。

勤務先からの借金を弁護士に伝えなかったとしても、弁護士には自己破産に必要な資料として給与明細を提出しなければならないため、少なくとも給与天引きされている場合にはその借金を隠すことはできません。自己破産を依頼した弁護士には借入先を正直にお伝えください。最悪の場合、虚偽の債権者一覧表を提出したことなどを理由として、せっかく申立てた自己破産手続きが免責が許可されずに終わってしまいます。

詳しくはこちらの記事もご確認ください。

免責不許可事由とは?該当すると自己破産できないって本当?

(2)破産管財人が勤務先に連絡する必要のある場合

弁護士から勤務先に受任通知が送られるのを防ぐため、弁護士に自己破産を依頼する前に勤務先からの借金をまとめて返済しようとする人がいます。しかし、既に借金などの支払いができない状況になっているにもかかわらず、一部の債権者にだけ返済すると偏頗弁済(へんぱべんさい)にあたる可能性があります。偏頗弁済にあたると、破産管財人が勤務先から返済したお金を回収する可能性があり、勤務先にさらなる迷惑がかかってしまいかねません。そのため、支払ができなくなった状況で、勤務先など一部の債権者にだけまとめて返済することはおやめください。

詳しくはこちらの記事もご確認ください。

偏頗(へんぱ)行為とは?自己破産における扱いと否認について解説

(3)勤務先が定期的に官報をチェックしている場合

自己破産手続きでは、1.開始決定時と2.免責の許可が決定したときに官報(国が行政機関の休日を除き毎日刊行する機関紙)に破産者の氏名・住所が掲載されます。
一般的に官報を定期的に購読している人は多くありませんが、特定の業界では定期的に官報がチェックされていますし、会社内に官報を購読している人がいないとは限りません。
そのため、官報をきっかけに会社に自己破産がバレてしまう可能性はあります。

そのほか、自己破産手続きを進めるうえで、「退職金計算書」「退職金見込額証明書」など勤務先に対して資料の提出を求めることがあります。もっとも、この場合には、資料の交付を求める理由として、自己破産をすることを伝える必要はないので、会社に借金がバレない可能性もそれなりにあります。

詳しくはこちらの記事もご確認ください。

自己破産は仕事に影響する?会社にバレてクビになる可能性は?

自己破産したら会社をクビになったり懲戒解雇されたりする可能性は?

自己破産が会社にバレてしまう可能性は否定できません。
では、自己破産が会社にバレてしまうとどのような不利益があるのでしょうか。

(1)会社をクビになることは原則としてない

サラリーマンは、会社に対して労務を提供する義務を負っています。労務と借金は無関係ですから、会社は従業員の自己破産を理由にクビにすることはできません。
会社が従業員をクビにするには、解雇権の濫用に当たらないような相当の理由が必要であり、従業員が自己破産をしたことのみでは相当の理由に当たらないと考えられています。もっとも、自己破産の原因となった借金トラブルによって労働能力が低下し、十分な労務提供ができていないと客観的にも認められる場合には、会社を解雇される可能性は否定できません。また、警備員など、破産手続き中に行うことが制限される職業(制限職種)に就いている場合には、その期間仕事をすることができないので、職を失ってしまう可能性があります。

(2)資格をはく奪されることはない

制限職種に就かれている方であれば自己破産手続き中、仕事に支障が生じる可能性があります。しかし、一生その資格がはく奪される訳ではないため、無事復権すれば、再びその仕事に就ける可能性は十分にあります。
また、個人再生の手続きにはそのような資格制限はありませんので、制限職種で働いている場合には、個人再生の申立てを検討するのも良いでしょう。

詳しくはこちらの記事もご確認ください。

自己破産後の復権とは?制約を解除させるための方法を紹介

(3)自己破産を理由としない異動・配置転換や降格処分などはありうる?

自己破産をするほどお金に困っているからといって、他の従業員と異なる扱いをされるわけではありません。そのため、会社の経営状況の悪化を理由とする整理解雇の対象となるなど、自己破産を直接の理由としない処分はありえます。
それが不当解雇だと主張したい場合には、自己破産手続きとは別に、別途弁護士等に相談するなどすることになります。

自己破産すると給与や賞与、退職金の扱いはどうなる?

自己破産をすると給料や退職金を受け取れなくなってしまうのではないか、と不安に感じる人がいるかもしれません。では、給与や賞与、退職金がどうなるのかを解説しましょう。

(1)給与には特に影響なし!

自己破産は、破産者の経済生活を再建することをその目的の1つとしています(破産法1条)ので、自己破産によって破産者が今日・明日の生活にさえ困る状態になっては意味がありません。給与をギャンブルなどに浪費してはならないなど制約はあるものの、給与は原則受け取ることができます(自己破産手続きの開始前に給与を差し押さえられている場合などは除きます)。
なお、自己破産の開始決定後に受け取る給与や賞与に影響はありません。

(2)自由財産の枠を超える場合に要注意!

自己破産の開始決定後に新たに取得した財産や法律で差押えが禁止された財産は「自由財産」として手元に残すことができます。
たとえば、99万円以下の現金は自由財産として手元に残せます。
逆にいえば、99万円を超えると、超えた分だけ手元に残すことができないというわけです。破産手続きが開始されるまでに給与や賞与が支給されて所持現金が99万円を超えてしまった場合のように、自由財産の枠を超えた場合には、自己破産手続きに際して給与・賞与の全部または一部を破産管財人に支払わなければならないことになります。
また、東京地裁では、20万円以下の預貯金など一定の基準の範囲内にある財産は手元に残すことができる運用とされています。
したがって、給与・賞与が支給されて預貯金の額が20万円を超えてしまった場合は、その給与・賞与の金額を支払わなければならなくなる可能性があります。

詳しくはこちらの記事もご確認ください。

自由財産とは?自己破産をした後でも残せる財産について解説

また、注意したいのが将来支払われる予定の退職金の扱いです。
支給見込額の8分の1(※退職が間近であれば4分の1)相当額が20万円を超える場合には、原則として、超えた分だけ自己破産手続きに際して破産管財人に支払う必要があります。
例外的に、退職金が差押禁止財産にあたる場合には、支給見込額に関係なく、別途支払わなければならないお金はありません。

差押え禁止である退職金としては、たとえば次のものが挙げられます。

  • 確定給付企業年金
  • 確定拠出年金
  • 社会福祉施設職員等退職手当共済法に基づく退職金

このほかにもいろいろあるので、退職金規定などを弁護士に見てもらうと良いでしょう。

詳しくはこちらの記事もご確認ください。

差押えの仕組みと手続きを徹底解説!差押可能な財産や必要費用も紹介
退職金が差押えの対象って本当?差押えを回避する方法は?

自己破産以外の債務整理手続きなら会社に借金がバレない!?

債務整理には、自己破産以外にも民事再生と任意整理の2種類があります。

「民事再生(個人再生)」とは、住宅等の財産を維持したまま、大幅に減額された借金を(減額の程度は、借金の額、保有している財産などによって異なります)、原則として3年間で分割して返済していくという手続です。減額後の借金を完済すれば、再生計画の対象となった借金については、原則として法律上返済する義務を免除されます。
民事再生は、自己破産のように借金全額の返済義務がなくなるわけではありませんが、自己破産のように高価な財産(主に住宅)が処分されることもありません。

「任意整理」とは、取引開始時にさかのぼって利息制限法の上限金利(15~20%)に金利を引き下げて再計算すること(引き直し計算)により借金を減額した上で、原則として金利をカットし、元本のみを3~5年程度の分割で返済する内容の和解契約を債権者と結び、以後この和解内容に従って返済を続けることで、借金を整理する手続きです。
任意整理の特徴として、弁護士に任意整理を依頼する債権者を選ぶことができる点があります。そのため、保証人のいる債権者、自動車や住宅のローンに関する債権者を対象から外すことができる場合があります。また、裁判所を通さないので個人再生や自己破産より手続きが簡便といえます。

このうち、個人再生は自己破産同様、裁判所を利用する手続きであるため、会社に個人再生をすることがバレてしまうリスクがあります。たとえば、個人再生でも自己破産同様、官報に氏名・住所が掲載されることになりますし、勤務先からの借入れがある場合には、弁護士から勤務先に対して受任通知が送られることになります。もっとも、制限職種であることを理由に自己破産をすることを避けたい場合など、自己破産ではなく個人再生をする方がメリットがあるケースはあります。
勤務先が債権者であるなど法的整理をすると会社にバレてしまう場合に、どうしても会社にバレたくないのであれば、任意整理をするほかないでしょう。しかし、到底完済できない借金を抱えている中で任意整理をしてもいずれ自己破産や民事再生をしなければならない可能性が高く、それだけ経済生活を立て直せる時期が遅くなってしまいます。

会社に借金が発覚したとしても、それを理由にクビになることはないため、意を決して自己破産や民事再生をしたほうが将来的にメリットが大きい場合が多いでしょう。

自力では返済しきれないような借金を抱えているのであれば、弁護士に依頼する日を遅らせると、利息によって借金総額が膨れ上がっていきます。借金の返済が滞ると、債権者は裁判を提起するなどして給料などの財産を差し押さえようとするでしょう。給与を差し押さえられると、会社にはその従業員ではなく差押債権者にお金を支払う法的義務が生じるため、否応なく借金の存在が発覚します。
会社に借金がバレるリスクを少しでも下げるため任意整理をしたいのであればなおさら、1日でも早く弁護士に相談することをおすすめします。

【まとめ】自己破産を含む債務整理でお悩みの方はアディーレ法律事務所にご相談ください

残念ながら自己破産をする場合には、「絶対に自己破産が会社にバレない」との保証はありません。しかし、自己破産をするからといって、サラリーマンの方が仕事を解雇されるわけではありませんし、財産が一定の基準を超えない限りは給与も従来どおり受け取ることができます。
返済しきれない借金を抱え続けていても、経済的に人生をやり直すタイミングが遅くなってしまうだけでしょうから、漠然とした不安を抱えている状況でもまずは弁護士に相談してみることをおすすめします。
アディーレ法律事務所では、借金問題に関する相談を何度でも無料でお受けしていますので、お気軽にご相談ください。