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個人再生後もキャリア決済(携帯決済・かんたん決済)は利用できる?

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リーガライフラボ

「個人再生をすると、携帯電話やスマホのキャリア決済はできなくなってしまうのかな…?」

実は、個人再生をしたからといって、全ての方が携帯電話やスマホのキャリア決済が利用できなくなるわけではありません。

ただ、携帯電話やスマホの本体代金を分割払いしている場合や利用料金を滞納している場合は、基本的には個人再生によって携帯電話やスマホを解約されますので、キャリア決済もできなくなります。

この記事では、『個人再生と携帯電話/スマホのキャリア決済』について、弁護士がご説明します。

この記事の監修弁護士
弁護士 谷崎 翔

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。

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帯電話・スマホのキャリア決済は、個人再生をしても利用できる場合がある

キャリア決済サービスとは、通信会社(キャリア)の提供するIDとパスワードを使い、携帯電話やスマホなどの利用料金と合算して商品やサービスの代金を支払う仕組みです。

契約中の携帯電話・スマホのキャリア決済を利用している方は、携帯電話・スマホを解約すると、基本的にはキャリア決済を利用し続けることはできなくなります。
(※通信会社によっては、携帯電話やスマホを契約していなくても、対象となる通信サービスを利用していればキャリア決済を利用できることもあります)

そして、個人再生とは、借金が返済できないことを裁判所に認めてもらい、減額された借金を、原則として3年間(最長5年間)で返済していく手続です(※減額の程度は、借金の額、保有している財産によって異なり、大きな財産がある場合あまり減額できない可能性があります。また、税金等個人再生によっても減額されない負債もあります)。

個人再生は裁判所を通じて行う手続で、全ての債権者に対する債務が手続の対象になります。
したがって、次のようなケースでは、携帯電話会社も債権者として、個人再生の手続に参加します。

  • 携帯電話・スマホ端末の分割払いが残っている場合
  • 毎月の通話料などの利用料金を滞納している場合         など

個人再生の流れについて、詳しくはこちらの記事もご確認ください。

個人再生のスケジュールと手続終了までにかかる時間を解説

個人再生をする際に端末の代金を分割払いにしていたり、利用料金を滞納しているため携帯電話会社が債権者となる場合、契約中の携帯電話やスマホは強制解約されて使用できなくなる可能性があります。

個人再生が認められると、携帯電話会社は減額された滞納分の支払いを受けられないことになります。そこで、そのような利用者とは携帯電話・スマホの契約を継続できないと判断されて、強制解約されてしまうのです。

ですので、その場合には、基本的には、それ以降キャリア決済を利用することはできなくなります。

(1)端末代金は支払済み、利用料金の滞納もない場合は?

他方、既に携帯電話・スマホの端末代金の支払が終了しており、携帯電話・スマホ等の利用料金の滞納もない場合には、基本的には個人再生をしてもその端末を使い続けることができますので、キャリア決済も継続して利用できます。

個人再生をしたら、クレジットカードを作れなくなると聞いたことはあります。キャリア決済は個人再生をしても使い続けられるのですか?

確かに、個人再生をしたり、個人再生の前に一定期間支払を滞納したりすると、信用情報機関にいわゆる「事故情報」が登録されます(いわゆる「ブラックリスト」に載る)。そのため一定期間は与信審査に通らず、新たにクレジットカードを作ることは難しくなります。
他方、キャリア決済の利用には原則として与信審査がありません。ですから、利用料金の滞納などがなければ、基本的には、個人再生をしても継続して利用することができます(ただし、後でも述べるように、新たに携帯電話やスマホを契約する際には審査があります)。

個人再生とクレジットカードについて詳しくはこちらの記事をご確認ください。

もっとも、キャリア決済は、基本的にはクレジットカードと同様、後払いの決済方法です。個人再生の手続中にキャリア決済を利用すると、新たな「借金」をすることと同じことですので、個人再生の手続中は、キャリア決済の利用を控えるべきでしょう。

(2)個人再生を機に携帯電話・スマホが解約された!後日、新たに契約はできる?

「通話料を滞納していたからスマホを強制解約された…。個人再生の手続後に新たに契約してキャリア決済は利用できる?」

携帯電話・スマホの利用料金を滞納して強制解約をされた場合、そのままでは、新たな携帯電話・スマホの再契約はできない可能性があります。
その理由をご説明します。

携帯電話・スマホの利用料金の未払い情報は、電気通信事業者協会(TCA)等に登録されている

携帯電話会社への利用料金の未払い情報は、信用情報機関とは別の組織である、次の組織で管理・共有されています。

  • 電気通信事業者協会(TCA)
  • 一般社団法人 テレコムサービス協会(TELESA)

利用料金の滞納が理由で解約となった場合、その旨がTCA等に解約から5年間登録されます。

TCA等に加盟している携帯電話会社やインターネットプロバイダ会社は、新規申込みがあった際に申込者の情報を参照し、料金の滞納歴がないかを確認することができます。そして、過去に利用料金の滞納があると、審査を通過できない可能性が高くなります。

滞納が理由で解約となったことがTCA等に登録されている状態を、俗に「携帯ブラック」と呼ぶこともあります。

「携帯ブラック」について詳しくはこちらの記事をご確認ください。

携帯料金の未払いでブラックリストに載る?載ったらどうしたらいい?

TCAやTELESAに未払いの情報が登録されるのは、基本的には解約から5年間です。
プリペイド式の携帯電話・スマホであれば、基本的には個人再生をしても利用できる可能性が高いですから、しばらくはプリペイド式の携帯電話・スマホを利用するというのも一つの手です。

(3)利用料金を滞納しているなどの場合、第三者弁済により端末を維持することが可能

携帯の代金を分割で支払っています。個人再生で携帯が使えなくなったら困るので、携帯は使い続けたいんですが……。

個人再生では、全ての債権者に対する債務が手続対象となります。
手続の根本には、全ての債権者を手続に乗せ、借金減額につき平等に扱うという「債権者平等の原則」というルールがあります。

そのため一部の債権者のみに対して借金を返済する行為は、他の債権者との関係上不平等であり、「偏頗弁済(へんぱべんさい)」と呼ばれ、借金の支払額が増加するなどのリスクがあります。

したがって、端末が強制解約されるのを防ぐために自分で分割払い中の端末代金や滞納している利用料金を優先して支払うことはできません。偏波弁済となるためです。
強制解約を避けたい場合は、自身ではなく家族などの第三者に滞納料金や端末代金を肩代わりしてもらう「第三者弁済」を検討しましょう。

形式的に家族や友人などに払ってもらい、裏でこっそりその分を返したりしてはいけません。偏頗弁済は再生計画案が認可されない可能性がある行為です。携帯電話・スマホが使えなくなると困るという場合には、まずは弁護士に相談してくださいね。

(4)クレジットカードで利用料金を支払っている場合、支払方法の変更を!

個人再生をしても携帯電話・スマホを強制解約されずに端末を継続利用できる場合、キャリア決済も併せて利用できます。

しかし、そもそも携帯電話やスマホの利用料金をクレジットカードで支払っている場合には注意が必要です。

個人再生を行う場合、基本的にはクレジットカードは強制解約されます。
個人再生をすると返済額が原則として減額され、クレジットカード会社は請求額の全額回収ができなくなるため、個人再生など、信用状態が悪化した場合には会員資格を取り消すなどと利用規約で定めているところが多いためです。

そのため、携帯電話会社への利用料金の支払方法をクレジットカード以外の方法に変更しておかないと、(クレジットカードが強制解約された結果)支払日までに支払いができず、滞納の状態に陥ってしまうのです。

滞納となって振込用紙が送られてきた場合に、それを使ってすぐに支払いを行えば大きな問題にはならないことがほとんどではありますが、クレジットカードで毎月の料金を支払っている場合には注意が必要です。

【まとめ】個人再生をしてもキャリア決済が必ず利用できなくなるわけではない

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 個人再生をする際、携帯電話・スマホの利用料金の滞納などがなければ、基本的には携帯電話・スマホを引き続き使うことができ、キャリア決済の利用も継続できる
  • ただし、クレジットカードで利用料金を支払っている場合、支払方法変更が必要
  • 携帯電話等の端末代金を分割払いで支払い中の場合や、利用料金を滞納中の場合、個人再生を行うと端末解約となるリスクがあり、維持するためには第三者に一括支払いしてもらうという方法がある

アディーレ法律事務所では、個人再生を取り扱っております。

アディーレ法律事務所では、万が一再生不認可となってしまった場合、当該手続にあたってアディーレ法律事務所にお支払いいただいた弁護士費用は原則として、全額返金しております(2023年3月時点)。

個人再生でお悩みの方は、個人再生を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。