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自己破産後に銀行融資は受けられる?破産後の起業について解説

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kiriu_sakura

「自己破産なんてしたら、もう事業を立ち上げることなんてできないのでは?」

自己破産について、このような不安をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。

確かに自己破産の手続を取ると、その後事業を立ち上げる際に制約が生じることもあります。

しかし、自己破産の手続をしたからといって永遠に融資を受けられなくなってしまうわけではありません。
自己破産の手続を行ったという情報は、5~10年程度で、銀行等の金融機関が融資の審査の際に参照する「信用情報」から削除されるからです。
また、自己破産の手続を取った人の事業への再チャレンジを応援する融資も存在します。

この記事では、

  • 自己破産の手続後に銀行からの融資は受けられるのか
  • 再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)とは何か
  • 自己破産の手続後に起業する場合、どのような制約があり得るか

について弁護士が解説します。

この記事の監修弁護士
弁護士 谷崎 翔

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。

自己破産の手続後に銀行から融資を受けることはできる?

まず、自己破産の手続を取った後に、銀行から融資を受けられるのかを説明します。

(1)5~10年間は難しい

「自己破産をするとブラックリストに載ってしまう」

こんなことを聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。

ブラックリストという名称のリストが存在するわけではありませんが、個人のカードやローンの申込み、契約状況、支払状況等の情報(信用情報といいます)を管理している「信用情報機関」という組織があります。

信用情報の中でも、支払の滞納や自己破産等の債務整理といった、当初の契約どおりの支払ができていないという情報を事故情報と呼ぶことがあります。
信用情報機関に事故情報が登録されている状態を俗に「ブラックリスト入り」と呼ぶことがあるのです。

融資の申込みを受けた金融機関は、支払能力の審査のために、信用情報機関に対して信用情報の照会を行います。
そのため、自己破産の手続を取ったという事故情報が登録されている期間は、融資を受けることが困難になります。

自己破産の場合の事故情報の登録期間は、5~10年程度です(信用情報機関ごとに、期間や起算点が異なります)。
自己破産について事故情報が保持される期間について、詳しくはこちらをご覧ください。

自己破産者リストは存在する?官報やブラックリストに載る情報とは

(2)事故情報が抹消された後でも、同じ銀行からの融資は難しい可能性も

事故情報が信用情報機関から削除されても、全ての銀行から再び融資を受けられるようになるとは限りません。

自己破産の手続を取った際に取引があった銀行や、同じグループの会社の中では、自己破産の手続をしたという事実が残ってしまう可能性があるためです。
銀行側は、「一度自己破産したことがある人は、また繰り返すかもしれない」と警戒するためです。

再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)とは?

事故情報が登録されている期間は、一般の金融機関から融資や借入れを受けることは困難です。

しかし、事故情報が登録されていても利用できる可能性のある融資制度があります。
それは、日本政策金融公庫の「再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)」です。

再挑戦支援資金とは、過去に廃業歴等がある経営者の、事業への再挑戦を支援する制度です。

再挑戦支援資金を利用できる人は、新たに開業する人または開業から概ね7年以内の人のうち、廃業時の負債が新規事業に影響しない程度には整理される見込み等であること、廃業の理由・事情がやむを得ないもの等であることなどの要件を満たしている人です。

裁判所での自己破産の手続は、債権者への配当を行う「破産手続」と、残っている負債の免除を認めてよいかの審査がなされる「免責手続」からなります。
免責手続において、免責許可決定が出なかった場合には負債が残ってしまうこととなります。
そのため、免責不許可となってしまった場合には、負債が新規事業に影響しない程度に整理される見込み等であることの要件を満たさない、と判断される可能性があります。

免責不許可の可能性について、詳しくはこちらをご覧ください。

免責不許可事由とは?該当すると自己破産できないって本当?

再挑戦支援資金について、詳しくは日本政策金融公庫のホームページをご覧ください。

自己破産の手続後に起業する時、制約はある?

それでは、自己破産の手続を取った後の起業に、融資の場面以外で考えられる制約を説明します。

(1)起業自体に制限はない

自己破産の手続において、無事免責許可決定が出れば、手続中の職種制限等から解放され、復権することができます。

裁判所での自己破産の手続中、例えば弁護士や司法書士、警備員、保険募集人等、一定の職種への従事は制限されます。これが制限職種です。
しかし、免責許可決定によって、これらの制限職種にも復帰できるようになります(職種により、復帰の手続の要否は異なります)。

復権について詳しくはこちらをご覧ください。

そのため、免責許可決定が確定すれば制限職種も含め、また起業できるようになります。

(2)事務所やオフィスの契約が難しいことも

事業に当たって事務所やオフィスの賃貸借契約を結ぼうとする場合、事故情報が登録されている間は、保証人になることが原則としてできません。

そのため、事故情報が特に登録されていない他の人を保証人とする必要が出てきます。

(3)元の会社の取締役に復帰できる可能性もある

会社の役員をしていた場合には、破産手続開始決定が出ると一旦は退任することとなります(民法653条2号)。
しかし、自己破産の手続中であっても株主総会で改めて選任されれば元の地位に復帰することが可能です。

ただし、会社が融資を受ける際、自己破産の経歴がある取締役が保証人となろうとすると金融機関は慎重になる場合があります。

融資にあたって、役員の自己破産歴を重く見られる場合があり得ることには留意が必要です。

【まとめ】自己破産の手続を取ったからといって永遠に融資を受けられなくなるわけではない

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 自己破産の手続を取った場合、事故情報の登録によって金融機関からの融資を受けにくくなる期間は5~10年程度。また、事故情報が抹消されても自己破産の当時に債権者だった金融機関や同グループの会社からは融資を受けられない可能性がある。
  • 自己破産の事故情報が登録されている間でも、再挑戦支援資金の制度で融資を受けて起業できる可能性はある。
  • 自己破産の手続が無事終われば、制限職種も含めてまた起業できるようになる。

事業を営んでいる方は、今まで築いてきたものを手放さねばならない、と自己破産をためらわれることが少なくありません。
確かに、自己破産の手続では、一定の財産は手放さねばならないのが原則です。

しかし、自己破産は経済的な立て直し、再出発のための制度です。
負債をリセットすることで、また事業をやり直せる可能性はあります。

個人事業主の方が自己破産の手続を検討する際の注意点について詳しくはこちらをご覧ください。

個人事業主破産の影響は?事業継続の可否や売掛金の扱いなどを解説

アディーレ法律事務所では、万が一免責不許可となってしまった場合、当該手続にあたってアディーレ法律事務所にお支払いいただいた弁護士費用は原則として、全額返金しております(2021年7月時点)。

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