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夫の死後も今の家に住める?配偶者居住権を取得するための要件とは(4)

作成日:更新日:
リーガライフラボ

配偶者居住権について、これまで、次の3記事にてご説明してきました。
今回の記事では、配偶者居住権を取得するための要件についてご説明します。
配偶者であれば、どんな場合であっても配偶者居住権を取得できるわけではありませんので、ご注意ください。

夫の死後も今の家に住める?配偶者居住権の意味とメリット(1)
夫の死後も今の家に住める?配偶者居住権のデメリット・注意点(2)
夫の死後も今の家に住める?相続人が配偶者居住権付き建物を所有するデメリット(3)

配偶者居住権を取得するためには、次の要件が必要です(民法1028条1項)。

  1. 配偶者居住権を取得するものが、「配偶者」であること
  2. この配偶者が相続開始のときに、遺産である建物に「居住」していたこと
  3. 当該建物が、
    • 亡くなった配偶者の単独所有
      あるいは
    • 亡くなった配偶者と残された配偶者との2人の共有
      であること
  4. 当該建物について、配偶者に配偶者居住権を取得させる旨の
    • 遺産分割
      または
    • 遺贈
      または
    • 死因贈与
      がなされたこと

では、これらの要件について詳しくみていきましょう。

この記事の監修弁護士
弁護士 谷崎 翔

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。

要件

(1)法律上の「配偶者」であること

配偶者とは、相続開始時点(死亡時点)において、法律上、亡くなった配偶者と、婚姻していた人に限られます。

Q.内縁の妻(夫)でも、配偶者居住権を取得できますか?

A.できません。「法律上」、婚姻していることが必要です。

Q.相続開始時点では、離婚している場合でも配偶者居住権を取得できますか。

A.できません。「相続開始の時点」で法律上、婚姻していることが必要です。

(2)配偶者が相続開始のときに、遺産である建物に居住していたこと

相続開始の時点において、残された配偶者が、遺産である建物に居住していたことが必要です。

この「居住」とは、残された配偶者が、当該建物を生活の本拠地としていたことを意味します。

Q.相続開始時に、残された配偶者が、一時的に入院していた場合でも、「居住」していたといえますか?

A.「居住」していたといえる場合があります。
例えば、居住建物に家財道具を置いたままであるなど、一時的に居住建物にいなかったに過ぎない場合には、相続開始時に「居住」していた、と解釈される可能性があります。

Q.遺言書に、居住建物を孫に遺贈すると記載されていましたが、この場合でも配偶者居住権を取得できますか?

A.原則としてできません。
配偶者居住権を取得するためには、居住建物が「遺産分割の対象である遺産」であることが必要です。
居住建物が配偶者以外の第三者に遺贈されてしまっていると、遺産分割の対象ではなくなりますので、原則として、配偶者居住権を取得できなくなります。
ただし、次の条件をいずれも満たす場合には、配偶者居住権を取得できます。

  1. 遺贈を受けたほかの相続人を含めた当事者全員が、居住建物を遺産とすることに合意する
  2. 遺贈を受けた相続人が、配偶者居住権の負担が付いた居住建物の所有権を取得するとの遺産分割を行うこと

(3)当該建物が、亡くなった配偶者の単独所有あるいは残された配偶者と2人の共有であること

亡くなった配偶者が、相続開始の時(亡くなった時)に、残された配偶者以外の第三者と居住建物を共有していた場合は、配偶者居住権は成立しません。

相続時の居住建物の所有者配偶者居住権の成否(〇=成立、×=不成立)
夫の単独所有
夫と妻の共有
夫と子の共有×
子の単独所有×
※【図】亡くなった配偶者=夫、残された配偶者=妻、第三者=子の場合

(4)配偶者居住権を取得させる旨の遺産分割、遺贈または死因贈与がされたこと

配偶者居住権を取得させる旨の

  1. 遺産分割
  2. 遺贈
  3. 死因贈与

のいずれかがあった場合のみ、配偶者居住権を取得できます。
専門用語が並んでいますが、この3つの手続きについて、簡単にご説明いたします。

  1. 遺産分割
    遺産分割とは、相続人が遺産を分ける手続きです。
    原則として、話し合いをして遺産分割をしますが、話し合いがまとまらない場合は、裁判所で調停や審判をして遺産分割をすることになります。
  1. 遺贈
    遺贈とは、遺言書によって財産を第三者に贈与する手続きです。
    財産を与える人と、もらう人との間で贈与契約をする必要はありません。
    財産をもらう人の承諾なしに、遺言書によって、一方的に贈与をすることができます。
  1. 死因贈与
    死因贈与とは、「第三者に財産を与える」という贈与契約を生前に行うものの、実際にその財産の贈与の効力が発生するのが死後になる手続きです。

【まとめ】配偶者であること以外にも要件がある

今回の記事をまとめると、配偶者居住権を取得するための要件は、次のとおりです。

  1. 法律上の「配偶者」であること
  2. 配偶者が相続開始のときに、遺産である建物に「居住」していたこと
  3. 当該建物が、亡くなった配偶者の単独所有あるいは残された配偶者と2人の共有であること
  4. 配偶者居住権を取得させる旨の遺産分割、遺贈または死因贈与がされたこと

次回の記事「夫の死後も今の家に住める?配偶者居住権が消滅するのはこういう場合(5)」では、配偶者居住権がどういう場合に消滅してしまうのか、についてご説明します。

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この記事の監修弁護士
弁護士 谷崎 翔

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。

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※¹:2024年2月時点。拠点数は、弁護士法人アディーレ法律事務所と弁護士法人AdIre法律事務所の合計です。