特集:中小企業金融円滑化法が終了

特集:中小企業金融円滑化法が終了

2008年に起きたリーマン・ショックによる急激な経済不況のなか,中小企業の倒産や破産を防ぐ目的として「中小企業金融円滑化法(正式名称は「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律」。以下「金融円滑化法」といいます)」が,亀井静香郵政・金融担当相(当時)の主導のもと,2009年末に実施されました。もともとは時限立法として2011年3月末で終了する予定でしたが,11年3月11日に発生した東日本大震災の混乱と影響により2回の延長が決定し,そして,2013年3月で終了となりました。

中小企業金融円滑化法とは?

金融円滑化法は別名「モラトリアム法案」ともいわれ,金融機関は債務の弁済に支障がある,または,そのおそれのある中小企業に対して,返済の猶予(リスケジュール)等をする努力義務が課されました(金融円滑化法第4条)。金融円滑化法の施行後,資金繰りに苦しい多くの中小企業は,いっせいに返済猶予(リスケジュール)や金利引き下げの申込をし,リスケジュール等が同法に基づいて認められました。

金融庁の発表によると,2013年3月末までの申し込み件数は436万9962件,金額は119兆6000億円に達し,そのうち認可件数は407万5064件,金額は112兆3490億円となり,認可率93.3%でした。東京商工リサーチによると,2012年9月末時点で普通法人および個人事業主の8.2%にあたる32万5430社がこの金融円滑化法の申請をおこなったといわれております。

金融円滑化終了。金融機関の努力義務が消滅!

金融円滑化法が2013年3月末で終了し,法律としての効力を失った(失効した)ため,金融機関は中小企業からの条件変更等に応じる努力義務がなくなりました。金融庁は円滑化法失効後も金融機関の姿勢が変わらないよう,検査を通じて指導すると公表しておりますが,現実には,今までどおりに金融機関がリスケジュールに応じるのでしょうか。

たとえば,金融円滑化法の適用を受け,元本の弁済猶予をしていた中小企業が,失効後にリスケジュールの申込を再びした場合,金融機関から拒否され,結果,破綻に追い込まれるというケースが考えられます。本来であれば,金融円滑化法の適用を受けている間に,経営者は事業を根本的に立て直し,利益を安定的に生み出す体質に変える必要があったのです。しかし,安易にリスケジュールができてしまったために経営改革はおこなわず,赤字の会社であったため,そのような会社が銀行へリスケジュールを申請したとしても,結果,拒否されてしまいます。このような事例の会社は,今後ますます増えるだろうと予測しています。

資金繰りに苦しいなら,ぜひ弁護士にご相談を

では,金融円滑化法終了後,中小企業の経営者はどのように対応すればいいのでしょうか。まずは弁護士などの支援を受けながら経営改善計画を立案し,金融機関に交渉することが大切です。改善計画のなかには,売上に貢献しない不採算部門のカットや人員削減(リストラ)を断行するなど痛みを伴う改革が必要になる場合もあります。その後,金融機関に対して,金利の引き下げやリスケジュール等を交渉し成功すればいいのですが,なかにはうまくいかず,最悪の場合,破産に追い込まれる場合もあります。その際は事前に「会社の破産」に対する知識と準備等が必要となります。

「会社は,私の人生そのものです」…私たち弁護士がこれまでお会いした経営者の皆様は口を揃えて,こういいます。金融円滑化法が終了し,経営者の多くが次々と苦境に立たされ,会社経営にピリオドを打たざるをえないときがいつか訪れます。しかし,「倒産」という事実に対し,債務整理に詳しい弁護士とともに対応すれば,経営者自身ならびにその家族,取引先,従業員に迷惑をかけずに,いち早く次の人生を再スタートすることができます。

金融円滑化法が終了し,「金融機関に対して何も準備していない」「会社の資金繰りが苦しい」「取引先にお金を返済することができなくなって困った」「従業員に給与が払えない」等でお悩みの経営者の方がいらっしゃいましたら,ぜひ私たち弁護士にご相談ください。経営者の皆様とともにこの問題を解決し,ご支援してまいります。また,当事務所は関東財務局・関東経済産業局から認められた,中小企業を支援する「経営革新等支援機関」です。ご相談は何度でも無料です。どうぞお気軽にお問い合せください。

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