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借金の和解とは?任意整理の和解案で決める内容と和解できないケース

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ニュースやドラマで「和解(わかい)」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。

借金問題においても、貸主と借主の間で和解をすることがあります。今回、弁護士が解説するのは、そのような「借金問題に関する和解」です。

「和解」は借金問題の解決策のひとつ

「和解」することで、借金問題を解決できることがあります。

具体的なケースを想定してみましょう。

2021年3月25日から毎月5万円ずつ返済する約束で、2021年2月25日X社から100万円を貸してもらったAさん。ところが、2021年8月25日から支払うことができないまま半年が経過したため、X社から残金75万円と利息・遅延損害金を一括で返済するように求められました。

5万円さえも返済できない状況で、75万円と利息・遅延損害金を一括で返済することは簡単ではありません。このような状況において、AさんとしてはX社からの請求を無視するのではなく、まずは双方の話し合いにより、今後の返済のための計画を立てたほうが結果的に穏便に解決することができるでしょう。

このような返済計画に関する合意を「和解」と呼びます。
では、この状況についてもう少し詳しく解説します。

(1)当事者が互いに譲歩して成立させるのが「和解」

民法695条では、和解について次のように定められています。

和解は、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約することによって、その効力を生ずる。

引用:民法695条

借金問題に関しては「AはXに対して、毎月10万円ずつ支払う」「Xは、AのXに対する将来利息や遅延損害金の支払いを免除する」といった約束をするのが和解です。

(2)借金問題で和解をする3つの場面

借金問題で和解をすることが多いのは、次の3つの場面です。

  1. 任意整理をしたとき
  2. 特定調停をしたとき
  3. 債権者に裁判を提起されたとき

任意整理とは、裁判外で、双方話し合って借金の返済方法などについて話し合って和解することを目指す手続きです(詳しくは後述します)。

特定調停とは、債務者(借主)の申立により、簡易裁判所が、借金について、債務者と債権者(貸主)との話し合いを仲裁する手続きです。
裁判所での手続きのため、任意整理とは異なり申立書類の作成などが必要です。
また、任意整理とは異なり、特定調停が成立すると調停調書が作成されますが、債権者はこの調停調書により直ちに強制執行(財産の差押えなど)ができる状況になる点に注意が必要です。
さらに、任意整理とは異なり、過払い金が発生していても特定調停の手続きの中では返ってきません。別途、過払い金の返還請求の手続きが必要です。

債権者に裁判を提起されたときとは、債権者が訴訟起こす手続きで、債権者の主張が正しいかを審理します。裁判の途中で和解することも可能ですが、和解ができなければ、裁判所が、判決など(例:「債務者は債権者に借金を返すように」といった内容を命じるなど)を下します。

裁判までされると和解交渉が難航することも

3の裁判の状況になってしまうと、債権者としては裁判費用や最終的に強制執行(財産の差押えなど)の費用をかけてでもお金を回収したいと考えている可能性も高いため、和解はなかなかまとまりにくいと言えます。和解がまとまったとしても、債務者にとって、裁判する前の和解よりも不利な条件になる可能性があるでしょう。

3 債権者に裁判を提起される場面にまで至る可能性が高いのは、債権者からの請求をある程度の間、無視し続けてしまった場合です。

弁護士としては、支払いが滞りがちになり、裁判などを起こされるようなことになる前の段階で、以下でご紹介する任意整理を検討することをおすすめします。

任意整理

任意整理とは、次のような手続きです。

・引き直し計算(適正な利息で計算し直すこと)をして、払いすぎたお金があれば、その分負債残高を減らし、

・引き直し計算しても残った負債については、今後発生する利息(将来利息)をゼロにして、元本だけを分割で払っていくことを、借入先と交渉する

任意整理をすることにより、返済の負担を現状よりも減らすことができる可能性があります。

任意整理ではそれぞれの債権者について手続の対象とするかどうかを選ぶことができます(ただし、特定の債権者だけ任意整理から除外すると、支払が滞る借入先がいるという状態にあるという場合、任意整理の対象とする業者を選べないこともあります)。

そのため、例えば、支払っていける見込みがあるならば、自動車のローンは任意整理をせずにこれまでどおり支払い続けて、その他の借金を任意整理するというように、柔軟に対処できることもあります。


なお、任意整理をすると信用情報に事故情報が載る(いわゆるブラックリストに載る)ことがありますが、完済してから最長で5年経過すると事故情報は削除されます。

任意整理をした場合の事故情報について知りたい方はこちらの記事もご確認ください。

任意整理をするとブラックリスト入り?ブラックリストにはいつまで載る?

(3)債権者が和解に応じる理由

和解に応じてくれるかどうかは債権者次第であったり、ケースによったりしますが、債権者が和解に応じてくれることも多いです。

債権者が和解に応じるのは、債権者にとっても、「コストを抑えて、お金の回収率を高めることができるかもしれない」というメリットがあるからです。

すなわち、債権者が裁判を起こすと訴訟費用がかかります。

また、裁判で「債務者は債権者にお金を返しなさい」という内容の判決を得ても、債務者が払ってこない可能性があります。

そのため判決が出た後、債権者は給料の差押えなどの強制執行をすることになりますが、借入時に申告のあった勤務先をすでに退職していたり、その他実際に差押えの対象になる財産を特定できないなどの理由により、お金を回収できないリスクもあります。

また、判決となると一括返済となりますが、一括返済できるような財産をもっていない債務者の場合、債務者が自己破産や個人再生という選択肢を取る可能性があります。

自己破産をされてしまうと、税金等の一部の負債を除いて全て支払い義務がなくなっていまいます(債務者の一定の財産から、債権者に配当がされることはありますが、財産をほとんど持っていない債務者だと配当もわずかです)。

また、個人再生をされてしまうと、借金の支払い義務が大幅に減る可能性があります。

そのため、これらのリスクに鑑みると、たとえ債権者にとって多少条件が悪くなるような和解であっても、和解した方が債権者にとってメリットがあると言える場合もあるのです。

任意整理で決めること

任意整理の手続きの中では、通常は、まず債務者が自身の支払える内容のスケジュールを立て、その内容を相手方に提示します。

そのうえで、お互いに条件をすり合わせて、合意(和解)できるかを話し合うのです。
任意整理の和解書面では、次の4点について記載されることが多いといえます。

(1)借金返済総額の確定

たとえば、次のような条項が設けられます。

「甲(X)は、乙(A)に対し、本件借受金債務として●●万円の支払義務があることを認める。」

このように、借金返済総額を確定し、そのうえで一般的に3~5年程度の分割払いとし、二回支払いが遅れた場合には遅延損害金が発生するという内容にするケースが多いです。

また、引き直し計算の結果、過払い金が発生している場合で、従来債権者とされてきた人(X社)が債務者とされてきた人(A)に対して過払い金を支払わなければならないようなケースでは、X社はAに対して支払うという内容の和解となります。

(2)借金の分割払い

たとえば、次のような条項が設けられます。

「乙(A)は、甲(X)に対し、前項の金員を次のとおり分割して、下記口座に送金して支払うものとする。」

任意整理では毎月無理のない金額の支払いにより完済するのが目的であるため、通常、分割払いとされます。

36回払いとされることもあれば、12回払いと短いケース、60回払いと長いケースなどもあります。どのような返済計画となるかは、個別のケースによって異なります。

(3)期限の利益喪失約款

たとえば、次のような条項が設けられます。

「乙(A)は、以下のいずれかに該当する場合には、当然に期限の利益を喪失して、既払金を控除した残金及びこれに対する年14.6%の遅延損害金を付加して直ちに支払う。」

債権者は、分割払いという条件によって、取り決めた期限までの各返済の猶予を与えている(これを期限の利益と言います)のであり、債務者がその支払いを怠り約束が守られなかったときには、一括して請求しようとします。

このような場合、元本一括での支払いに加えて遅延損害金も支払わなければならないケースが多いため、債務者には重い負担となるでしょう。

期限の利益の喪失についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご確認ください。

期限の利益とは?期限の利益喪失通知が届いたときの対処法を解説

(4)清算条項

たとえば、次のような条項が設けられます。

「甲(X)と乙(A)は、本件に関して、本合意書に定めるほか、何らの債権債務のないことを相互に確認する。」

清算条項は、後日のトラブルを防ぐために設けられています。

借金の任意整理に応じてくれない&和解できないケース

任意整理における交渉が難航してしまう可能性があるのは、例えば次のようなケースです。

  • 債権者の要求する月の支払額に見合った原資を用意できないケース
  • 2回目の任意整理であるケース
  • すでに預貯金や給与債権などを差し押さえられているケース

先ほどご説明した通り、強制執行などをするよりも、和解した方がメリットがあると債権者が考えている場合に、和解をすることができます。

そのため、和解するメリットがないと債権者が考える場合には、和解交渉が難航します(例えば2回目の任意整理の場合は、和解しても払ってくれないのでは、と債権者が考えやすくなります)。

ただし、これらのケースに当てはまる場合であっても、任意整理がうまくいくケースはあるので、まずは弁護士に相談してみることをおすすめします。

2回目の任意整理について詳しく知りたい方はこちらの記事もご確認ください。

2回目の任意整理の注意点と成功に近づく3つのポイント

【まとめ】借金の和解により返済の目途が立つことも

借金問題における和解とは、貸主と借主が互いに歩み寄って、返済計画を立て、それに従って返済をしていく合意をすることです。
この和解により、返済の目途が立つ可能性があります。
そして、和解の一つとして任意整理という方法があります
任意整理をすると債務者にとって長期での分割払いによる毎月の返済の負担の軽減、将来利息のカットなどの一定の経済的メリットが見込める可能性があります。
そのため借金問題でお困りならば、弁護士を通じて任意整理を検討してみるのも有用です。

アディーレ法律事務所では、任意整理をご依頼いただいたのに所定のメリットがなかった場合、当該手続きにあたってアディーレ法律事務所に、お支払いいただいた弁護士費用を原則として全額ご返金しております(2021年9月時点)。
詳しくは、こちらをご覧ください。
参考:「損なし宣言」について|弁護士法人アディーレ法律事務所

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