「断りにくくて、ついついエステで契約してしまった…。高いし、払えなくなったらどうしよう?」
実際に若者層を中心として、消費者センターにはエステについて多くの相談が寄せられています。
エステローンの契約書を受け取ってから8日以内の場合、所定の条件を満たせば、「クーリング・オフ」をすることにより、「契約をなかったことにできる可能性」があります。しかし、すでに8日経過している場合は、基本的にはクーリング・オフをすることができません。
そして、エステローンを支払えなくなってしまうと、財産の差押えを受ける可能性があります。
しかし、早めに債務整理を始めることで差押えのリスクを下げるとともに、支払いの負担を減らせる可能性もあります。
この記事では、
- クーリング・オフができる条件
- エステローンを支払えなくなった時の差押えまでの流れ
- エステローンを支払えなくなった時の対処法
について、弁護士が解説します。
参照:成人になると巻き込まれやすくなる消費者トラブル-きっぱり断ることも勇気!|独立行政法人 国民生活センター
参照:平成 29 年度消費生活相談のまとめ|大阪市役所
早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。
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契約から8日間はクーリング・オフができる!
エステローンの契約書を受け取ってから8日以内であれば、「クーリング・オフ」をして契約をなかったことにできる可能性があります。
「クーリング・オフ」とは理由を問わずに、客の側から一方的に契約を解除できる制度です。
クーリング・オフをすると、施術を受けていたとしても払ったお金は返金されます。
次の2つの条件を満たすエステサービスの契約である場合、「特定継続的役務提供」としてクーリング・オフの対象となります(特定商取引法41条)。
- 契約金額が5万円を超える
- 契約期間が1ヶ月を超える
ただし、クーリング・オフの手続は、
エステローンの契約書を受け取った日から8日以内(※)
に、「書面」によって行わければなりません(特定商取引法9条1項、5条1項)。
この期間を過ぎてしまうと、基本的にはクーリング・オフができなくなるので気を付けましょう。
例えば契約書を受け取った日が4月1日の場合、4月8日までに手続を行う必要があります。
※ただし、書面に不備がある場合は、まだ契約書面を受け取っていないものみなされます。そのため書面に不備がある場合は、この書面を受け取ってから8日過ぎていてもクーリング・オフができます。
また、クーリング・オフができない場合でも、別の理由により取消し・途中解約をして一定額のお金を取り戻せる場合がありますので、国民生活センターや弁護士などに相談しましょう。
なお、エステに関連する商品(美容液)などをすでに使用している場合、一定の条件を満たさない限り、この関連する商品をクーリング・オフできなくなります。まだ使用していない商品は使用しないままにしておきましょう。
参照:あなたの契約、大丈夫?|消費者庁
参照:全国の消費生活センター等|独立行政法人国民生活センター
ローンの支払ができなくなったときの流れ
エステローンとは、エステ会社が提携している消費者金融でエステ料金分のお金を借りることです。
月々の支払額が少ないからと気軽にローンを組んでしまうかもしれませんが、エステローンも「借金」なのです。そのため、ローンの支払ができなくなったときには、借金の返済ができなくなった場合と同様、通常は次のような流れを辿ります。
催促の電話
催告書など
一括請求
裁判所からの書面
差押え
- 支払予定日を数日過ぎると、支払のできない事情を確認する電話がかかってきます。
また、遅れた日数分の遅延損害金も上乗せされます。 - 「督促状」や「催告書」と書かれた書面が届きます。
- 支払が遅れている分だけでなく、残ったエステ代金全てを一括で支払うことを求める書面が届きます(目安は、滞納から2~3ヶ月程度)。
同じころ、通常は支払の遅れについて事故情報を信用情報機関に登録される(いわゆるブラックリスト)ため、クレジットカードやローンなどの利用に支障が生じる可能性もあります。 - 一括請求に対処せずにいると、ローン会社が裁判所での手続を始めます。裁判所での手続きが始まると、通常は裁判所から「訴状」または「支払督促」などと書かれた書面が届きます。
- 「お金を払いなさい」という判決が下りた後も支払わずにいると、給料の一部や預貯金などの財産を差し押さえられる可能性があります。
事故情報を信用情報機関に登録された場合の影響について、詳しくはこちらをご覧ください。
滞納から差押えまでの流れについて、詳しくはこちらをご覧ください。
ローンを支払えない場合には債務整理を検討する
ローンを支払えない場合には、任意整理や個人再生・自己破産といった債務整理によって支払の負担を軽減できないか検討してみることをお勧めします。
早めに債務整理の手続を始めることによって、差押えを受けるリスクを下げることができます。
- 任意整理
支払い過ぎた利息がないか(負債が減らないか)、負債を再計算します。次に、将来つく利息を無しにすることや、月々の支払金額を減らすなどの支払負担の軽減を目指し、個々の債権者と交渉します。
- 個人再生
抱えている負債を支払えなくなってしまうおそれがある場合に、裁判所の認可を得たうえで、法律に基づき決まった金額を原則3年間で分割して払っていく手続です。
ケースにもよりますが、任意整理よりも大幅に総支払額を減らせる場合があります。
- 自己破産
債務者の収入や財産からは負債を支払えないことを裁判所に認めてもらい、原則全ての負債の支払を免除してもらうことを目指す手続です。
一定の財産は手放さねばならない可能性があるなど注意点はありますが、3つの手続の中で最も支払負担を軽くできる可能性があります。
なお、債務整理を行うと、事故情報が一定期間信用情報機関に登録され、新たな借り入れ等が困難になります。
もっとも、すでに2、3ヶ月支払を滞らせた(延滞)時点で事故情報が登録されている可能性はあります。
どの手続きが最適かは、まずは債務整理の実績が豊富な弁護士に相談しましょう。
また、事故情報がいつまで登録されているかについて詳しくはこちらをご覧ください。
【まとめ】エステローンを滞納すると、財産を差し押さえられてしまうリスクがある
今回の記事のまとめは次のとおりです。
- 次の条件を充たすエステの契約は、契約書を受け取ってから8日以内なら「クーリング・オフ」で契約をなかったことにできる。
- 契約金額が5万円を超える
- 契約期間が1ヶ月を超える
- エステローンを支払えないまま放置していると、次のような流れで財産を差し押さえられてしまうリスクがある。
催告の電話→催告書→一括請求→裁判所からの書面→差押え - エステローンを支払えない場合には、債務整理を行うことで支払負担を軽減できる可能性がある。
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