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管財事件とは?手続きの流れや注意点についても解説

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これから自己破産を弁護士に依頼しようとするとき、どのような流れで自分の手続きが進んでいくか気になりますよね。今回は自己破産を依頼した弁護士以外にもう1人の弁護士が選任される「(少額)管財事件」の流れをお伝えします。

そもそも自己破産とは

債務整理手続きの一種である「自己破産」とは、返済ができないような状態(支払不能)に陥っていると裁判所から認めてもらった上で、さらに裁判所の免責許可決定を得れば、一定の負債の返済義務を免れることができる手続きです。

自己破産の手続きは2種類

自己破産とは、返済ができないような状態(支払不能)に陥っていると裁判所から認めてもらった上で、さらに裁判所の免責許可決定を得れば、一定の負債の返済義務を免れることができる手続きです。

簡単に言うと、客観的にみて返済ができないので、原則として負債を帳消しにしてもらうよう裁判所に申立てする手続きです(ただし、税金など一部の支払義務は自己破産をしても帳消しにはなりません)。

自己破産の手続きには、同時廃止事件と管財事件(通常管財・少額管財)の2種類があります。同時廃止事件とは、目立った財産や浪費等がなく自己破産を認めても特に問題のない人に関して、破産手続きの開始決定と同時に破産手続きが終了する手続きです。
同時廃止は、管財人への引継予納金などが発生しないため、一般的に費用が安く、手続きも簡略化されていることなどから、破産を申立てるなら同時廃止で終わってほしいと願うことでしょう。しかし、きちんと調査をせずにそのまま破産を認めてしまうと、債権者(お金を貸した人)にとって酷なことがありえます。

たとえば、次のようなケースを想定してみましょう。

必死に稼いだ50万円を貸した友人が破産手続きをすることになりました。「返すお金がないなら仕方ないか…」と諦めかけていたのに、街角で外車を運転している友人を見かけ、その友人に本当にお金がないのかわからなくなりました。

返すお金があるなら返してほしいと思うのはもっともでしょう。そのような債権者の疑問を解消するために、財産調査が必要になるのです。

同時廃止となるか少額管財となるかは、破産を申立てた後に裁判所が決めます。

管財事件とは

管財事件では、破産管財人と呼ばれる弁護士が裁判所から選任され、財産の調査(資産調査)・管理・処分、債権者への配当などを行い、さらに、破産を認めても問題ないか(免責調査)を行います。同時廃止と異なり、破産が認められるまでの間に半年~1年程度を要するケースも少なくありません。

特別管財(通常管財)と少額管財の違い

破産法上、規定されているのは通常管財のみで、少額管財の規定はありません。
通常管財で破産するには、最低予納金(手続き費用)として50万円以上が必要なので、お金のない方は破産することさえできないという問題点がありました。そこで、個人の方でも破産をしやすいように、裁判所は最低予納金(手続き費用)を20万円と低額にした少額管財という手続きを認めたのです。この少額管財は、裁判所によって「小規模管財」「簡易管財」などと呼ばれています。

たとえば、借金総額が多いケースなど管財事件になる可能性が高い場合に、少額管財で手続きを進めたいなら、弁護士に自己破産を依頼することをおすすめします。司法書士に依頼してしまうと、依頼者(本人)が自ら裁判所とやり取りをしなければならず、各裁判所の運用にもよりますが、結果的に少額管財ではなく通常管財となってしまう可能性が高くなってしまうので、注意しましょう。

(1)管財事件になるケース

管財事件となってしまう可能性が高いのは、次のようなケースです。

  • 住宅ローンを除いた借金の額が400万円を超えるケース(東京地裁の場合)
  • 33万円以上の現金のあるケース
  • ギャンブルなど収入に見合わない浪費行為をしているケース
  • 不動産や自動車や保険の解約返戻金など現金以外で20万円以上の価値のつく財産を持っているケース
  • 隠し財産があると疑われるケース
  • 法人の代表者や自営業者のケース(かつてこれらの立場だった者も含まれます)
  • 弁護士に自己破産を依頼した後一部の人にだけ借金を返済してしまったケース

これらは一例にすぎず、破産を申立てる裁判所の運用によっても異なります。そのため、自己破産を依頼するときには自分の状況を正直に弁護士に伝えて、どちらの手続きになる可能性が高いかの見通しを教えてもらいましょう。

(2)管財事件の流れ

弁護士に自己破産を依頼した後、弁護士と打ちあわせを重ね、必要な資料を提出して、裁判所に提出する申立書を作成します。破産管財人を自分で選ぶことはできませんが、自己破産を依頼する弁護士(申立代理人)は自分で決めることができるので、まずは弁護士に相談しましょう。多くの弁護士が借金に関する相談を無料で受け付けています。

ここでは東京地裁で自己破産を申立て、管財事件(少額管財)に振り分けられた場合の流れを解説します。東京地裁では、申立てをしてから開始決定までの間に破産管財人の候補者と打ち合わせをするのが特徴です(候補者は、開始決定と同時に、破産管財人として活動するようになります)。一方、東京地裁以外では、原則として開始決定後に破産管財人が選任されるため、その後打合せをします。
この違いから、東京地裁では開始決定までの間を慌ただしく感じる人が多くいます。

(2-1)自己破産の申立て

自己破産に必要な書類を揃え、お住まいの地域を管轄する地方裁判所に申立てます。
少額管財となる可能性のある事件では、最低予納金20万円を貯めてから申立てることになるので、毎月の家計の余剰などから積み立てられる金額にはよるものの、弁護士に依頼した後申立てまでに半年以上はかかると思っておく方がよいでしょう。
例外的に財産を差し押さえられそうなケースなど申立てを急ぐ必要があり、予納金が貯まるのを待つ余裕のない場合には、予納金を分割で入金することになります。

(2-2)裁判官と面接(即日面接や開始前尋問)

東京地方裁判所本庁では自己破産を申立てると、裁判官と弁護士のみで面接を行うことになります。この面接によって、同時廃止事件か管財事件になるのかが振り分けられるので、この面接は非常に大切なものです(同じ東京でも立川支部には即日面接制度はありません)。
なお、地方や事案によっては、裁判所が申立人から直接話を聞くこともあります。

(2-3)破産管財人候補者との打ち合わせ

破産管財人候補者の事務所に、申立代理人とともに出向き、三者で打ち合わせをします(どうしても予定が合わない場合には、申立代理人が1人で事務所に行くこともなくはありません)。
破産管財人候補者の質問に申立人が回答する形で打ち合わせは進められ、一般的には30分~1時間程度で終わります。申立人が分からない質問については、その場で、申立代理人がフォローするのが通常です。打ち合わせで回答できなかった質問については、後日申立代理人を通じて回答することになります。
破産管財人候補者の質問には正直に回答しなければならず、嘘をつくと借金が帳消しにならない可能性があるので、嘘をつくのではなく「後で調べて回答します」などと伝えましょう。

なお、地方では、申立人が1人で管財人との打ち合わせに臨むこともあります。

申立人にとって一番の難関となるのがこの打ち合わせなので、頑張って乗り切りましょう。

(2-4)破産手続き開始の決定

東京地方裁判所では、即日面接を行った週の翌週水曜日に決定を出すのが慣例です。もっとも、裁判所によって扱いは異なりますし、新型コロナウィルスの影響によって東京地方裁判所においても開始決定が出される日が変動する可能性があるので、注意してください。

(2-5)破産管財人が選任・予納金の入金

管財事件になると、裁判所が仕事としての調査を嘱託する破産管財人を選任します。
あわせて管財人の開設した指定の口座に予納金を入金します。申立てまでに毎月申立代理人に送金していたならば、一般的に申立代理人から管財人に予納金が直接振り込まれるので、申立人がすることはありません。

(2-6)破産管財人による財産の調査や処分手続き

申立人の生活に必要な財産を除き、申立人の財産は破産管財人が処分できるようになります。そこで、破産管財人は申立人の財産を調査し、場合によっては財産の売却手続きを行います。申立人には破産管財人の職務遂行に協力する義務があり、非協力的な態度をとると借金が帳消しにならない可能性があるので注意しましょう。

(2-7)債権者集会

破産管財人が裁判所や債権者に対して財産状況や手続きの進行状況について説明します。
「債権者集会」と呼ばれるものの、実際に債権者である金融機関の担当者が足を運ぶことはほとんどありません。

(2-8)免責審尋

債権者集会が終わると、その場で裁判所から破産管財人や債権者に対して、借金を帳消しにするかどうか意見を尋ねます。申立人にも意見を述べる機会がありますが、特になければ「ありません」と答えて構いません。

(2-9)債権者に対する配当

配当可能な財産があれば、債権者に配当するための期日が設定されます。
基本的に申立人に配当できるだけの財産がないのが通常ですので、その場合には債権者集会の段階で異時廃止(破産手続きの終了)という措置がとられることになります。

(2-10)免責許可の決定

免責審尋の終了後、裁判所は1週間程度で最終的に借金を帳消しにするか(免責の可否)を決定します。免責が許可されると、申立人の氏名及び住所が官報に掲載され、2週間以内に債権者から異議が出なければ、申立人の免責が確定することになります。

管財事件の注意点

管財事件では、いくつか生活に支障があるので注意しましょう。

  • 申立人宛の郵便物は破産管財人の事務所に転送され、内容を確認されます
    ゆうパックを含め、郵便物は破産管財人の事務所に転送されるため、破産管財人に宅配便で自宅に送ってもらうか破産管財人の事務所に取りに行く必要があります。仕事で必要な資料や支払期限のある公共料金や携帯電話料金の払込票については、あらかじめ破産管財人に伝えておき、スムーズに受け取れるようにしましょう。
  • 一般に2泊を超える出張や旅行、転居の際には破産管財人の許可が必要になります
    2泊を超える出張や旅行、転居の際には申立代理人を通じて、破産管財人に連絡します。
    ただし許可が下りない可能性は極めて低く、むしろ申請をしない方が問題になりやすいので余裕をもって申請するようにしましょう。

【まとめ】自己破産に関するご相談はアディーレ法律事務所へ

自己破産の手続は管財事件と同時廃止事件の2種類があり、いずれの手続きで進めるかは最終的に裁判所が決めます。その境界線上にあるようなケースの場合、申立代理人がしっかり準備することによって同時廃止で進められる可能性が上がるため、債務整理の実績が豊富な事務所に依頼することが大切です。同時廃止で進められるか不安な場合には、アディーレ法律事務所へご相談ください。

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