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個人再生で愛車を手放さずに済む?知っておくべき車を残す方法とは 

作成日:更新日:
kiriu_sakura

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

個人再生をする場合には、車を残せる可能性があります。 

例えば、次の2つのうちいずれかに当てはまっている車は基本的に手元に残せます。 

  • ローンがない車(一括購入/ローン完済)
  • ローンはあるが、「所有権留保」がない車

また、「ローンがあって、所有権留保がある車」であっても、個人再生に当たって、手元に残せる可能性はあります。

この記事を読んでわかること
  • 個人再生で車を残せる可能性があること
  • 「ローンがあって、所有権留保もある車」を残すための3つの方法
  • なるべく早めに個人再生を検討することがおすすめな理由

ここを押さえればOK!

個人再生とは借金を大幅に減額し、3~5年で返済する法的手続きです。自己破産と異なり、基本的に財産を維持したまま借金を減らすことができます。

【個人再生で車を残せる条件】
1.現金一括購入・ローン完済済みの車:
・所有権は購入者にあるため、ローン会社や裁判所から車を回収されることはない。
2.ローンはあるが所有権留保なしの車:
・銀行などでローンを組んだ場合、所有権留保が付かないことが多い。ローンを完済していなくても所有権留保がない車は原則として残せる。

【ローンも所有権留保もある車を残す方法】
1.家族などにローンを一括返済してもらう(第三者弁済)
2.仕事に欠かせない車などの場合、ローン会社と協定を結び、裁判所の許可を得る(別除権協定を結ぶ)。
3.任意整理をする。車のローンを任意整理の対象から外し、他の負債について利息カットや分割払いの交渉を行う。

個人再生で車を残す可能性を最大限に高めるためには、弁護士のサポートを受けることが有益です。

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この記事の監修弁護士
弁護士 谷崎 翔

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。

個人再生で車を残せる可能性はある!

個人個人再生とは、借金を返済できないおそれがあることを裁判所に認めてもらい、大幅に減額された借金を3年(原則)から5年で返済していく手続です。 

そして、個人再生では、自己破産とは違い、基本的に財産を維持したまま、借金を大幅に減らせるという特徴があります。 

ここでは、個人再生で車が残せる場合について説明します。

(1)現金一括で購入した車・ローンを完済した車

現金一括で購入した車やローンを完済した車の所有権は購入者にあります。 

そのため、ローン会社や裁判所から車を回収されることは、基本的にありません。

(2)ローンはあるが「所有権留保」なしの車

車のローンが残っていても「所有権留保」がない場合には、原則として車を残すことができます。 

所有権留保とは、車のローンを組む際につけられる特約のことです。 

所有権留保がつけられると、ローンを完済するまで、車の所有権はローン会社側にあります。ローンが返済されない場合に備えて、ローン会社が車を担保にとっているのです。 

個人再生を弁護士に依頼すると、全ての借金(ローン)の返済をストップするのが原則です。そのため、返済してもらえなくなったローン会社は、所有権留保に基づき車を回収されてしまいます。 
自分の車に所有権留保があるかどうかは、ローンの契約書や車検証の所有者の記載で確認できます。 

ディーラーや信販会社で自動車ローンを組む場合には所有権留保が付けられ、銀行で自動車ローンを組む場合は、所有権留保が付いていないことが多いです。 

高価な車を残すには、払う金額が増えることも 

個人再生をして高価な車を残す場合、車を残さない場合に比べて支払うこととなる金額が増える可能性があることに注意してください。

個人再生には「清算価値保証の原則」というルールがあります。 

簡単にいうと「現在保有している財産価値(清算価値)の総額は最低限支払わなければならない」というルールです。 

例えば、債務者(借金をしている人)が300万円の価値がある車を持っている場合を考えてみましょう。 

この場合、この車を売れば300万円借金を返せるのに、個人再生での返済額が100万円しかないというのはよくありません。車を残すのであれば、個人再生での返済額も300万円とすべきです。 

このように、個人再生をして高額な車を残す場合には、車を残さない場合と比べて、支払うこととなる金額が増える可能性があります。 

個人再生を検討されている方で車をお持ちの方は、事前に査定額を把握しておくことが必要です!

個人再生で支払うこととなる金額の決まり方について、詳しくはこちらをご覧ください。

【弁護士が解説】個人再生の「弁済額」の計算方法

「所有権留保」がある車を残す3つの方法

ローンを完済しておらず、所有権留保がある車であっても、残すことができる可能性があります。

ここでは、所有権留保のある車を残す3つの方法を紹介します。 

(1)家族などに代わりに一括返済してもらう(第三者弁済)

車を残すための1つめの対処法が、家族などに代わりにローンを一括返済してもらう方法です。法律の世界では「第三者弁済」といいます。 

所有権留保があっても、ローンが返済されれば所有権はローン会社ではなく車の購入者になります。そのため、ローンを返済してもらえれば、車の回収を回避できます。 

なお、第三者弁済の後には、第三者弁済をしてくれた人から債務者に対して、「あなたの代わりに支払った分を返して」という請求権(求償権)が発生します。そのままにしておくと、この求償権も個人再生の対象となってしまいますので、求償権を放棄してもらいましょう。 

個人再生をする債務者本人が返済するのではダメなんですか?

本人が一部の借金だけを返済をすると、その分他に借金を貸している人が損をしてしまいます。そのため、次のようなペナルティーを受けるおそれがあります。 

  • 偏頗弁済した分の金額が、個人再生で支払うこととなる金額に上乗せされるリスク
  • 再生計画(どのように支払っていくかの計画)を裁判所が認可してくれず、個人再生ができなくなるリスク 

第三者からの援助を見込めず、自分で払うしかなさそうな場合であっても、独断で払わず、まずは個人再生を依頼した弁護士にご相談ください。

また、第三者弁済の場合、債務者本人ではなく第三者が支払ったのだと示せるように、振込明細書などの書類を保存しておきましょう。

(2)「別除権協定」で残せる可能性がある

所有権留保のある車を残すための2つめの対処法が、「別除権協定」を設定できないか検討することです。 

別除権協定とは、簡単に言うと「仕事で欠かせない車なので、車の評価額分のお金を払う代わりに、ローン会社は車を回収しないでほしい」と約束することです。 

ただ、車のローン会社だけに評価額分のお金を支払うことは、他に借金を貸している人との関係では不公平といえます。 

しかし、その車が債務者(借金をしている人)の仕事に欠かせないものであった場合、ローン会社から車を回収されてしまえば債務者の収入が大幅に減ったり、無くなったりするリスクがあります。 

このような事態を避けるために、車が仕事に欠かせないなどの事情があれば、「別除権協定」を結ぶことで車を残すことができるとされています。 

別除権協定の設定には、ローン会社との合意だけでなく裁判所からの許可も必要ですが、いずれも簡単ではありません。別除権協定を結びたいという方は弁護士にご相談ください。

(3)「任意整理」ができないか検討する

所有権留保のある車を残すための3つめの対処法が、「任意整理」を検討することです。 

任意整理とは、利息のカットや長期分割払いの交渉をカード会社やローン会社などと行い、毎月の返済を楽にする手続です。 

例えば、車のローンは任意整理の対象から外し、それ以外の負債について任意整理をして支払の負担減を目指せる可能性があります。 
この場合、車のローンは今までどおりの支払を続けることとなるので、支払が滞らない限り引き揚げを防ぐことができます。 

個人再生をするなら「早め」がおすすめ! 

車を残す「個人再生」をするなら、早めの手続がおすすめです。 

減額されたとしても支払っていける見込みがないという場合には、個人再生ではなく「自己破産」を選択せざるを得なくなってしまいます。 

自己破産になってしまうと、車も含め財産を手放さなければならない可能性が高くなります。 

負債が利息や遅延損害金などで膨らみ「自己破産」になる前に、早めに個人再生を検討することがおすすめです。 

ただし、自己破産であっても車を手放さなくてもよい方法もあります。自己破産で車を手放さない方法についてはこちらの記事をご覧ください。 

車を手放さずに自己破産できる?手元に残すための方法を弁護士が解説

【まとめ】個人再生では車を残せることも!早めの手続がおすすめ

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 個人再生でも、現金一括購入や完済済みの車、ローンがあっても「所有権留保」なしの車は原則残せる
  • ローンや所有権留保もある車を残す3つの方法
    1. 家族などに一括返済してもらう(第三者弁済) 
    2. 「別除権協定」の検討 
    3. 「任意整理」の可能性を探る 
  • 高価な車を残す場合、支払額が増える可能性あり(清算価値保証の原則)

個人再生で車を残したい方は、早めの手続がおすすめです。 

借金が膨らみ、「自己破産」となってしまうと、車を処分せざるを得なくなる可能性があります。自己破産となってしまう前にアディーレ法律事務所にご相談ください。 

アディーレ法律事務所では、ご依頼いただいた個人再生の事案で、万が一再生不認可となってしまった場合、当該手続にあたってアディーレ法律事務所にお支払いいただいた弁護士費用は原則として、全額返金しております(2024年7月時点)。

個人再生についてお悩みの方は、個人再生を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。