「ショッピングをリボ払いにしているけれど、支払が終わらなくてヤバい!」
クレジットカードでショッピングをした分をリボ払いにすると、月々の支払を安定させられる一方、リボ払いは手数料が高く、返済が長期化しやすい傾向があります。
リボ払いの残高が膨らむと、毎月返済をしても手数料に充てられる割合も高くなり、なかなか元金が減りません。
リボ払いの残高がふくらみ、返済が苦しいという方は、早めに任意整理などを検討することをお勧めします。
今回は、「リボ払いが『ヤバい』と言われる理由」や「返済が苦しい場合の解決策」などについて、アディーレの弁護士が解説します。
この記事を読んでわかること
- リボ払いが「ヤバい」と言われる理由
- リボ払いの支払が苦しい時の解決方法
- リボ払いを任意整理するメリット/デメリット

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。
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リボ払いが「ヤバい」と言われる理由とは?
「『リボ払いはヤバい。リボ払いは絶対やめた方が良い。』と言われるけど、なんで?」
リボ払いが「ヤバい」と言われる主な理由は、次の点です。
(1)手数料が高い
(2) 毎月の返済額が低めに設定されている
(3)利用者が利用残高を意識しにくい
それぞれご説明します。
(1)【リボ払いがヤバい理由(1)】手数料が高い
クレジットカードでショッピングをした利用分をリボ払いにすると、毎月決められた金額だけを支払うことができます。
ただし、リボ払いは利用残高に対して手数料がかかります。
リボ払いの手数料率は、年15%程度に設定されていることが多いです。
手数料は、リボ払いの残高を支払い終わるまでかかりますので、最終的に支払った手数料の総額は思いがけぬほど高額になることが少なくありません。
【リボ払いの支払方法】
定額方式 | 元金定額 | 毎月一定額の支払に加えて、その時点での手数料を支払う方式 *利用残高が増えると手数料分の支払が増え、毎月の返済額は変わる |
元利定額 | 毎月一定額の支払に、手数料も含まれている方式 *利用残高が増えても毎月一定額の支払で良いが、元金定額と比較して支払総額は増える |
|
残高スライド方式 | 利用残高に応じて、毎月の支払額が段階的に増減する方式 |
リボ払いの支払方法は主に上の3つですが、特に「元利定額方式」は、元金定額と比較しても残高が減りにくい支払方法です。
例えば、50万円のショッピング利用分を元利定額のリボ払いにして、毎月1万円を払うとします。手数料率が年15%とすると、1回目の支払分の実に6割以上が手数料の支払に充てられるのです。

なお、この場合、50万円分のリボ払いが終わるのは、約79ヶ月後、手数料の支払総額は約29万円です(*具体的な金額は、リボ払いの利用日と支払日によって異なります)。
他方、この場合に「元金定額」にすると、50万円分のリボ払いが終わるのは、約50ヶ月後、手数料の支払総額は約15万9000円です(*利用日と支払日によって異なります)。
(2)【リボ払いがヤバい理由(2)】毎月の返済額が低めに設定されている
リボ払いでは、通常、毎月の最低返済額が決められていますが、最低返済額は低額に設定されています。
もちろん、ご自身で毎月の返済額を多めに設定することもできますが、最低返済額をそのまま設定している方も多いです。
毎月の返済額が少ないと、それだけ、利用残高が減るスピードも遅くなります。
ですので、いつまでもリボ払いが終わらないという事態になるのです。
先ほど見た例のように、50万円の利用分を毎月1万円のリボ払い(元利定額/手数料率15%)にすると、1回目の支払の6割以上が手数料に充てられ、利用残高は3836円分しか減りません。
他方、毎月2万円返済する場合には、利用残高は1万3836円分減りますので、毎月の返済額を上げれば、利用残高が減るスピードも速くなります。
(3)【リボ払いがヤバい理由(3)】利用者が利用残高を意識しにくい
リボ払いは、毎月一定額の返済をしているため、利用者は「残高も減っているだろう」と思いがちです。
ですが、今ご説明したとおり、毎月の支払額が低いと手数料の支払に充てられる割合が高くなり、利用者の認識よりも残高が減っていないことは多いです。
また、毎月の支払が一定に抑えられるため、クレジットカードを利用しても「使いすぎた」実感がわきにくいため、利用者が気が付いた時には利用限度額近くまで膨らんでいることもあります。
リボ払いを利用する時は、支払総額がいくらになるのか、支払が終了するのがいつになるのか、常に意識しながら利用することをお勧めします。
リボ払いの仕組みなどについて詳しくはこちらの記事をご確認ください。
クレジットカードによっては、支払方法が自動的にリボ払いの設定になっていることもあります。クレジットカードの明細は必ず毎月確認しましょう!
リボ払いの支払が苦しい時の解決策

「リボ払いの支払が終わらず、先が見えない…。」
そんな方に、リボ払いの解決策をご説明します。
(1)返済額を増やす
リボ払いが「ヤバい」のは、手数料率が高いため、毎月の返済額が低いと利用残高がなかなか減らず、長期間返済が終わらないリスクがあるためです。

毎月の返済額を増やせばそれだけ利用残高も減っていきますので、リボ払いを完済する時期も早まります。

そのため、毎月の返済額を増やせるのであれば、少しでも増やすことをお勧めします。
さらに、継続的に毎月の返済額を増やすことは不安がある方は、一時的に繰り上げ返済をしてみてください。一時的であっても、繰り上げ返済をすればそれだけ利用残高が減りますので、その分手数料も減ります!
(2)「債務整理」を検討する
債務整理とは、借金を減らしたり、支払に猶予を持たせたりすることによって、借金問題の解決を図る手続です。債務整理には、主に次の3つがあります。

「ショッピングの支払をリボ払いにしているけれどなかなか残高が減らなくて支払が苦しい…。」
そんな方は、リボ払いを任意整理することにより、今後の支払の負担を軽減できる可能性があります。
(3)リボ払いと任意整理
任意整理とは、簡単に言うと、将来発生する利息をカットしてもらうなど月々の支払の減額などを目指し、借入先と交渉することです。
リボ払いは、手数料の支払が高額なために利用残高がなかなか減らず、支払が長期化して苦しいという方も多いです。
リボ払いの手数料の負担が軽減できたり、利用残高を長期分割して毎月の支払額を減らすことができれば毎月の支払もできるという方などは、是非リボ払いの任意整理を検討されることをお勧めします。
リボ払いについて任意整理をすることの主なメリットは、次の点です。
支払総額を減らせる可能性があること
リボ払いを任意整理する場合、通常は、今後発生する手数料をカットできないか、クレジットカード会社と交渉します。
今後発生する手数料をカットできれば、その分の負担が減らせますので、今後の支払が軽減できるのです。
例えば、元利定額のリボ払いの利用残高が100万円、毎月の支払が3万円、手数料率15%だとすると、今後もリボ払いを継続すると最終的に約30万円の手数料を支払う必要があります。
元金定額であっても、最終的に支払う手数料は約21万円です。
任意整理によって今後発生する手数料がカットできれば、それらの手数料を支払う必要がなくなりますので、支払の負担が軽減できるのです。
任意整理は、基本的には交渉の相手方を選ぶことができますので、他にも借金があるけれど、とにかくリボ払いを何とかしたいという方もすることができます(*他に支払が滞る債権者がいる場合など、交渉の相手方を選べないこともあります)。
任意整理は、債務整理の中でも最も負担の軽い手続です。他にも借金があるという場合にも、早めにリボ払いの任意整理をすることによって借金問題を解決できる可能性があります。
リボ払いの返済が苦しいという方は、まずは現状について弁護士にご相談ください。
キャッシングのリボ払いは「過払い金」が発生している可能性も
ショッピング利用分のリボ払いにはいわゆる『過払い金』が発生しません。
他方、キャッシング利用分をリボ払いにしている場合、キャッシングをした時期などによっては、『過払い金』が発生している可能性があります。
キャッシングの返済をリボ払いにしている場合、借りたお金に対して「利息」が発生します。
利息制限法の上限利率を上回る利率で借入れ・返済をしていた場合、利息を支払いすぎており、利息制限法の上限利率に基づいて計算し直した結果(引き直し計算)、借入残高が減額できたり、既に元金もなくなっていれば支払いすぎた分を金融業者から取り戻すことができることがあります。
その場合には、大幅に支払の負担が軽減できる可能性があります。
リボ払いと過払い金について詳しくはこちらの記事をご確認ください。

リボ払いを任意整理するデメリット
他方、リボ払いを任意整理する場合、次のようなデメリットがあります。
(1)【デメリット(1)】信用情報機関に登録される可能性がある
現在、わが国には、次の3つの信用情報機関があります。

クレジットカードのリボ払いについて任意整理をすると、その内容は、次のとおり、信用情報機関に登録されます。
【任意整理をした場合の信用情報機関への登録】
信用情報機関 | 任意整理に関し登録される内容 | 登録期間 |
---|---|---|
CIC | ・支払条件変更 ・支払総額変更 | 契約期間中+契約終了後5年以内 |
JICC 【クレジットなどの 契約について】 | ・返済条件変更 (※本人が払えなくなった等の事情により、弁済期間を延ばすなど返済条件が変更された情報) ・返済総額変更 (契約上の返済総額等が変更された情報) | 【契約日または貸付日が2019年9月30日以前】 ⇒発生日から5年以内 【契約日または貸付日が2019年10月1日以降】 ⇒契約継続中+契約終了後(完済後など)から5年以内 |
KSC (全国銀行協会) | 任意整理をしたという事実の登録はない | ― |
※任意整理に先立ち、代位弁済・保証債務履行などがされたり、2~3ヶ月以上支払を滞納した場合、別途それらの情報が信用情報に登録される可能性があります。
信用情報機関に任意整理に関する情報が登録されると、情報が登録されている間は新たにクレジットカードを作ったり、借入れをすることができなくなる可能性があります。
今使っているクレジットカードは使えなくなりますか?
任意整理の相手方となったクレジットカード会社が発行するカードは、通常、強制解約されて使えなくなります。
その他のクレジットカード会社の発行するカードは、各会社によって対応が異なります。一般的に、規約上は「信用状態に重要な変化が生じた場合」に強制解約事由となっていることが多く、更新の際などに信用情報を確認されると、その時点で強制解約をされてしまう可能性があります。
任意整理と「ブラックリスト」について詳しくはこちらの記事をご確認ください。
(2)【デメリット(2)】リボ払いで購入した物を引き揚げられてしまう可能性がある
クレジットカードのリボ払いで購入した物の所有権は、規約上、支払が終わるまではカード会社にあります。
ですから、リボ払いの支払が終わる前に任意整理をすると、カード会社がリボ払いで購入した物を引き揚げる可能性があります。
それは、絶対に引き揚げられてしまいますか?
必ず引き揚げられるとは限りません。購入した商品や残高などによって異なります。
カード会社によっても対応は異なりますが、引き揚げられる可能性があるということは注意しておいてくださいね。
リボ払いやその他の借金額が多すぎるなど、任意整理をしても支払可能な金額まで月々の支払いを減額できる見込みがない場合など、任意整理により借金問題を解決できない場合は、「個人再生」や「自己破産」をご検討ください。
【まとめ】リボ払いが「ヤバい」と言われるのは、なかなか支払が終わらないため。リボ払いの支払に悩む方は、任意整理によって負担を軽減できないか弁護士に相談しましょう!
今回の記事のまとめは、次のとおりです。
・リボ払いが「ヤバい」と言われるのは、主に次の理由から、支払期間が長期化して、支払総額が多額になる可能性があるため。
(1)手数料が高い
(2)毎月の返済額が低い
(3)利用者が利用残高を意識しにくい
・リボ払いの支払が終わらないと悩んでいる方は、繰り上げ返済などを行い、早期に利用残高を減らすべき。
・リボ払いを任意整理すれば、今後発生する手数料をカットして支払総額を減らせる可能性がある。
・リボ払いを任意整理すると、信用情報機関に任意整理に関する情報が登録されたり、リボ払いで購入した物をカード会社に引き揚げられる可能性がある。
・任意整理に応じるかどうかはクレジットカード会社次第。任意整理に応じない場合や、リボ払いの任意整理によっては借金問題が解決できない場合には、個人再生や自己破産も選択肢に入れるべき。
リボ払いにお悩みの方は、リボ払いの任意整理が可能か、そもそも任意整理によって借金問題の解決が可能かなど、まずは弁護士にご相談ください。
弁護士があなたに1番良い借金問題の解決方法を、あなたと一緒に考えます。
アディーレ法律事務所では、所定の債務整理手続につき、所定の成果を得られなかった場合、原則として、当該手続に関してお支払いただいた弁護士費用を全額ご返金しております。
また、完済した業者への過払い金返還請求の手続の場合は、原則として過払い金を回収できた場合のみ、成果に応じた弁護士費用をいただいておりますので、費用をあらかじめご用意いただく必要はありません(2023年5月時点)。
リボ払いの返済についてお悩みの方は、債務整理を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。
