時効の援用とは?失敗するリスクやデメリット・安全な進め方を解説

時効の援用とは?

借金の返済義務は、一定期間(原則5年)が過ぎると時効により消滅します。ただし、自動的に消えるわけではなく、「時効の援用」という手続をして初めて借金をゼロにできる可能性があります。

もし今、手元に裁判所からの書類(支払督促や訴状)が届いているなら、一刻の猶予もありません。「2週間以内」に対応しなければ、時効が主張できなくなり、給料差し押さえのリスクが一気に高まります。

本ページでは、時効援用の手続を安全に進める正しい手順や、万が一認められなかった場合の対策まで、弁護士がわかりやすく解説します。まずはご自身の状況が危険かどうか、確認していきましょう。

本ページでわかること

  • 時効の援用とは?(自動的には消えない借金の時効)
  • 裁判所から書類が届いた場合の緊急対処法
  • 時効を援用する正しい手順と流れ
  • 時効の援用のメリット・デメリット
  • 時効が認められなかった場合の対策

届いた書類は、まず弁護士へ。
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時効の援用とは?

①依頼 ②時効を迎えていることを主張 ③時効成立 ④借金が消滅し、返済が不要になる

時効の援用とは、時効の完成によって利益を受ける者が、時効の完成を主張することです。

もっと簡単に説明すると、お金を借りた人がお金を貸した人に「借金は消滅時効を迎えているから、返済義務はありません。だから返済はしません」と伝えるのが時効の援用です。

5年以上返済していない貸金業者に対して時効の援用を行い成功した場合、その貸金業者からの借金をゼロにできる可能性があります。

借金の消滅時効とは?

借金にも時効があることはご存じでしょうか?
正確には”借金の消滅時効”といい、お金を貸した人がお金を借りた人に対して返済の要求をせず、法律で定められた期間が経過した場合に、お金を貸した人の法的な権利を消滅させられる制度です。

たとえば、あなたがカード会社から借金をしていたものの、5年以上一切請求されず、返済もしていなかった場合です。

あなたがそのカード会社に消滅時効を主張すれば(時効の援用を行えば)、そのカード会社はあなたに返済を請求できなくなります。

【チェック】借金の消滅時効が完成する2つの条件

時効の援用の手続を行うには、前提としてあなたの借金が「消滅時効を迎えている(完成している)」必要があります。具体的には、次の条件をどちらも満たしていることが基準となります。

  • 条件1:最後の返済や連絡から「5年以上」が経過している

    消費者金融やカード会社からの借金の場合、原則として「最後に返済した日の翌日」から5年間、1円も返済していないことが条件です。

  • 条件2:5年の間に時効が「ストップ(猶予・更新)」していない

    この5年間の間に、以下のような出来事があった場合、時効のカウントが一時停止したり、リセット(最初の0年目に戻る)されたりします。これを法律で「時効の猶予・更新」と呼びます。

    • 裁判を起こされた(判決が出ると時効はさらに10年延びます)
    • 業者に「お金を返します」と認めた(少額でも返済したり、電話で「待ってほしい」と言ったりした場合もリセットされます)
    • 財産を差し押さえられた

自分が条件を満たしているかどうかわからない場合

「最後に返したのがいつか覚えていない」「昔、裁判を起こされたかもしれない」という場合でも、ご自身で業者に問い合わせてはいけません。その電話一本で時効がリセットされてしまう危険があります。まずはアディーレの無料相談で当時の状況をお聞かせください。

裁判所から書類(支払督促・訴状)が届いた場合の注意点

ある日突然、裁判所から「支払督促」や「訴状」という書類が届いたら、誰でも頭が真っ白になってしまうものです。

「何年も前の借金なのに、今さら裁判所から連絡が来るなんて」とパニックになるかもしれませんが、まずは落ち着いてください。書類が届いたからといって、今すぐ給料や財産を取られたりするわけではありません。
ただし、やってはいけないのが「放置すること」です。

期限内に対応しないと差押えのリスクがある

裁判所から届いた書類には、法律で定められた明確な期限があります。「支払督促」であれば一定期間内の異議申立て、「訴状」であれば指定された期日までの答弁書の提出など、それぞれ適切な対応をとらなければなりません。

もし何も対応せずに期限を過ぎてしまうと、相手(貸金業者など)の言い分通りに、あなたの財産を差押え(強制執行)できる状態になってしまうのです。
放置して手遅れ(※)になる前に、書類が届いたらできるだけ早く専門家へ相談しましょう。

※「支払督促」の場合、仮に一度期限を過ぎてしまっても、その後の手続やタイミングによっては、時効を主張して借金をゼロにできるチャンスが残されているケースもあります。諦めず、弁護士にご相談ください。

時効がさらに10年延長される

せっかく最後の取引から5年以上が経過して時効を主張できる状態だったとしても、訴訟を提起され判決が確定してしまうと時効が更新(リセット)され、その日から新たに10年間の時効期間が始まってしまいます。

時効の援用のイメージ 滞納→時効期間5年経過 時効援用が可能→訴訟提起→判決確定→判決確定日から新たな時効期間10年

財産や給料の差押え(強制執行)が始まる

相手に差押えをするための公的な書面(債務名義)を取られてしまうため、ある日突然、あなたの給料や銀行口座が差し押さえられるリスクが高まります。そうなれば、会社や同居しているご家族にも借金の存在が隠せなくなってしまいます。

「身に覚えがないから」「もう5年以上経っているから大丈夫」と無視することは、避けてください。

借金が時効を迎えているかどうか
まずはアディーレにご相談ください

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時効を援用する方法と大まかな流れ

債権者に、時効であることを主張することで、時効の援用ができます。
時効の援用には決まった形式はなく、電話で伝えることも、郵便で書面を送って伝えることも可能です。ただし、のちのち争いになった場合に、言った言わないの水掛け論を防ぐため、内容証明郵便で「時効援用通知書」を送るのがよいでしょう。

時効援用通知書の送付は、弁護士に依頼することも可能ですし、あなた自身で行うこともできます。

【自分でやる場合】手続の手順と書き方

あなた自身で時効の援用を行う場合、債権者(貸金業者など)へ「時効が成立しているので、支払いません」という意思表示をする必要があります。自分で作成して送る場合、時効援用通知書に決まった書式はありませんが、基本的には次の内容を記載します。

  • 時効援用通知書の作成日
  • 債権者の住所・会社名
  • 債務者の住所・氏名
  • 「時効の援用を行う」という意思表示
  • 借金を特定できる情報
    (債務者の生年月日・借入契約年月日、借入額、契約番号など)
  • 信用情報機関からの事故情報削除依頼

自分で送る場合は、これらの内容を記載し、郵便局の窓口から内容証明郵便で発送します。

【弁護士に頼む場合】手続の手順と流れ

時効の援用を弁護士に依頼する場合、手続のほとんどをお願いできるため、あなた自身の負担やリスクはほぼなくなります。具体的な流れは以下の通りです。

  • 弁護士への相談・状況の確認
    手元にある督促状や裁判所からの書類を弁護士に見せ、時効が主張できる状態かどうかを診断します。
  • 弁護士との契約・手続きの開始
    正式に依頼が完了した時点で、弁護士があなたの「代理人」となります。
  • 書類作成から発送・業者交渉までおまかせ
    「時効援用通知書」の作成や内容証明郵便の発送はもちろん、債権者(貸金業者)とのやり取りもすべて弁護士が行います。

時効の援用をするメリットとデメリット

時効の援用をするメリット 喜ぶ女性

時効の援用には、借金の苦しみから解放される大きなメリットがある反面、進め方を間違えると状況が悪化する深刻なデメリット(リスク)も存在します。とくに重要な3点について解説します。

【メリット1】借金がなくなる

時効の援用を行う最大のメリットは、債権者からの借金がゼロになることです。消滅時効を迎えていれば、1,000万円以上の借金であってもゼロにできます。

【事例】170万円以上の一括請求から一変!時効の援用で借金がゼロに

返済が滞り数年が経過したころ、170万円以上を一括請求されてしまったAさん。
ご依頼を受けた弁護士が、カード会社へAさんの借金の詳細がわかる資料を請求したところ、消滅時効期間が経過しており時効の援用が可能であることがわかりました。そこで時効の援用をした結果、Aさんの借金はゼロになりました!

Aさん(50代・男性)

Aさん(50代・男性)
の場合

  • 借金の期間:10年
  • 借金の状況:176万円
  • 借金の理由:生活費の補填
  • 借入先の数:1社

月々の返済額

  • 相談時:0
  • 手続後:0

借金総額

  • 相談時:176万円
  • 手続後:0

Aさんの事例を詳しく見る

【メリット2】一部の信用情報機関からブラックリストの情報が抹消される

長期間にわたって借金を滞納しているため、信用機関の事故情報に登録されている(俗にいうブラックリストに載っている)状態だと思われます。
時効の援用に成功すれば、借金は完済したのと同じ状態になるため、一部の信用情報機関から事故情報が抹消されます(※)。

その結果、滞納していたころと比べて、ローンやクレジットカードの審査に通りやすくなります。

※信用情報機関は複数あり、すべての事故情報が消されるとは限りません

【デメリット】失敗すると遅延損害金を含めた一括請求が再開する

時効の援用をするデメリット 悩む男性

時効の援用をするデメリットは、失敗したときに遅延損害金を含めた借金の元本を一括請求されるリスクがあることです。

失敗には、まだ時効を迎えていない借金に対して時効の援用を行う等のケースがあります。この場合、借金がなくならないのに加えて、債権者が借金の存在に気づいてしまうかもしれません。
そして借金が残っていることに気づいた債権者が、遅延損害金を含めた借金の全額を一括請求してくる可能性もあります。

たとえば、遅延損害金が年20%発生するカード会社から100万円を借りていた場合、4年間放置していれば80万円もの遅延損害金が発生することになります。
そして時効の援用で失敗した場合には、借金の元本と遅延損害金の合計180万円を一括請求されるリスクがあります。

こういったリスクを減らすためには、時効の援用に詳しい弁護士と相談し、失敗する要因がないかを確認してもらうことが有効です。

時効の援用ができなかった場合の3つの対応策

万が一、条件を満たしていなかったり、手続のミスで時効の援用ができなかった場合でも、以下の3つの「債務整理(借金の返済が楽になったり、減額される仕組み)」によって、生活を立て直せる可能性があります。

1. 任意整理(利息や遅延損害金のカット)

任意整理とは、今後の利息や膨れ上がった遅延損害金のカットをカード会社などと交渉し、原則3年間(場合によっては5年間)の長期分割払いで毎月の返済負担を減らす手続きです。

過去に支払いすぎた利息(過払い金)がないかの計算も同時に行い、過払い金があれば借金元本を減額できたり、手元に現金を取り戻せたりする可能性もあります。

2. 個人再生(借金元本のカット)

個人再生とは、借金の返済が困難であることを裁判所に認めてもらい、借金総額を最大5分の1(※最低弁済額100万円)などへ大幅に減額してもらう手続きです。

減額された借金は原則3年~5年で返済していきます。最大のメリットは、住宅ローン特則を利用することで、マイホームなどの大切な財産を手放さずに維持できる点にあります。

※住宅を維持するためには、住宅ローン以外の抵当権が設定されていないなどの条件があります。

3. 自己破産(借金をゼロにする)

自己破産とは、収入や財産に対して返済が不可能であることを裁判所に認めてもらうことで、法律上、すべての借金の支払義務を免除してもらう仕組みです。

「自己破産をすると人生が終わる」と誤解されがちですが、決してそんなことはありません。
一定の財産(処分が必要なもの)を除き、これからの給料や生活用品は守られます。人生を前向きに再スタートするための法的な救済手段なのです。

時効の援用を弁護士に任せたい理由

時効の援用には、失敗すると一括請求されるリスクがあります。
また、あなた自身で時効の援用を行おうとすると、通知書を受け取った担当者から連絡がきて、時効を更新するための「承認(支払義務があることを自分で認めるような行為)」をさせられてしまう場合もあります。

時効の援用を弁護士に任せれば、承認のリスクを避けつつ、書類の作成や債権者とのやり取りを行ってもらえます。

【理由1】業者からの督促や連絡をストップできる

弁護士に依頼すると、弁護士はあなたに代わって「受任通知(代理人になったというお知らせ)」を速やかに業者へ送付します。この受任通知が業者に届いた時点で、法律に基づき、業者からの直接の取り立てや連絡はピタリと止まります。

依頼後、弁護士が迅速に手続を進めるため、突然のハガキや電話に怯える日々から早期に解放されるのが大きなメリットです。

※裁判上の請求(支払督促、民事訴訟等)は停止されませんので、ご注意ください。

【理由2】業者と一度も話さずに、弁護士におまかせできる

「時効援用通知書」の作成や内容証明郵便の発送はもちろん、その後の業者との交渉もすべて弁護士が代行します。
あなたが業者と直接電話で話したり、会ったりする必要はありません。そのため、「承認」のリスクをなくすことができます。

【理由3】万が一の時も別の解決策にスムーズに移行できる

調査の結果、万が一「過去に(本人が知らない間に)裁判を起こされてすでに判決が確定していた」などの理由で、時効が10年にリセット(更新)されて使えなかった場合でも、弁護士ならその場ですぐに任意整理などの減額手続(債務整理)に切り替えられます。
万が一のときも、業者の出方を見ながら先回りして、あなたを守るための最善策を提案できるため安心です。

時効の援用に関するご相談はアディーレへ!

あなたがこのページを訪れているということは、債権回収会社からの連絡に頭を悩ませているかもしれません。
そしてそのような状況は、決して安心できるものではありません。
時効の援用にはリスクがありますが、それを理由に「昔の借金だから」と連絡を無視し続けると、債権者が時効を更新し、あなたが時効援用を利用できなくなる危険が潜んでいます。

そのようなリスクを背負うくらいなら、借金解決の一歩を踏み出すために少しの勇気を持ってみてはいかがでしょうか?
アディーレ法律事務所の弁護士が、あなたの悩みを受け止め、全力でサポートします!

アディーレの弁護士との無料相談は家族や職場に秘密でできます。書面の送付先指定や郵送物を個人名で送るなど、ご家族や職場に債務整理したことが知られないよう最大限の配慮を行っておりますので、安心してご相談ください。

無料相談からご依頼までの流れ

①無料相談のご予約

②弁護士との無料相談

③ご契約

④受任通知の発送

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このページの監修弁護士

弁護士 谷崎 翔 アディーレ法律事務所

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2010年弁護士登録。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。

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