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借金トラブルで「罪」に問われるケースとは?

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借金をする時は、借入先に対して返済すると約束して借りることとなるので、返済を滞納してしまうとか、返済できなくなってしまうのは約束を破ることになります。

確かに、「返す」という約束を破ることは「良くないこと」ですが、「良くないこと」と「犯罪」は同義ではありません。

そこで、今回は弁護士が「借金で罪に問われるケース」についてお伝えします。

借金の滞納そのものが「罪」に問われる可能性は低い

まず、お金を返せないことによって起こりうる法的リスクをみていきましょう。

(1)基本的に、借金トラブルは民事事件

お金を借りるとき、私たちは金銭消費貸借契約を締結します(民法587条)。
約束した時期にお金を返すことができないことを履行遅滞といいます。履行遅滞は「債務不履行」の1つです。

こちらの記事もご確認ください。

金銭消費貸借契約とは?契約が必要なシーンや書面の作成方法を解説

民法415条1項では、債務不履行について次のように規定されています。

債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

引用:民法415条1項

債務不履行となると、借主(債務者)は遅延損害金を支払わなければなりません。

また、返済の遅れが続くなどして「期限の利益」を失うと、残っている債務を一括で支払わなければならなくなります。

このような状況になると、貸主からと裁判を起こされるリスクがありますし、貸主勝訴の判決が下りるなどすると、給料などの財産を差し押さえられてしまう事態にもなりかねません。

このようにお金を返せないことによって、民事上の問題が生じることがあります。

(2)民事事件が刑事事件化することも……?借金返済を滞納した(履行遅滞)からといって、それだけでは通常犯罪とはならず、告訴などされることも通常ありません。

例えば、いわゆる自転車操業での借金を返済できなくなっても、借主が貸金業者を騙そうとして(偽った事実を申告するなどして)借入れを受けたのでなければ、詐欺罪に該当する行為がなかったということとなり、詐欺罪として告訴される可能性は低いと言えます。

ただし、借主が貸金業者を騙して借金した場合などは、借金の返還を求める訴えなど民事上の請求とは別に、詐欺事件として貸金業者に刑事告訴されたり被害届を提出されたりする可能性があります。

詐欺罪の成立があり得る具体例

この項目では、借金関係で詐欺罪が成立する可能性がある場合の例をいくつかご紹介します。

(1)返済の意思がないのに借入れをした

このような場合は、返すつもりがないのに借りるということで貸金業者から金銭をだまし取ったとして、詐欺罪が成立する可能性が極めて高いです。

返済する意思があると主張しても、もとから返済できる見込みが立たない状況で借入れをするような場合、返済の意思がなかったものとみられて、詐欺罪が成立する可能性があります。

(2)偽りの情報で契約書を結んで借入れをした

例えば、次の行為は詐欺罪における「欺く行為」にあたる可能性があります。

  • 実際より高い年収を申し出た
  • 退職済みの会社を勤務先とした
  • 生活費を補填するために借りるのに書面上は「事業資金」とした

借金完済に至ったとしても、そもそも借入れの時点での詐欺的な行為が犯罪として問題となるため、詐欺罪が成立する可能性があります。

(3)偽りの理由で支払条件の変更を承諾してもらった

詐欺罪は、金銭や物品をだまし取らなくとも成立することがあります。

刑法246条2項では、次のように規定されています。

前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

引用:刑法246条2項

例えば、実際には浪費によって返済に窮しているのに、「家族の病気で入用になってしまった」などと嘘をついて支払条件の軽減に承諾してもらうことなども、欺く行為によって、経済的な利益を得たものとして詐欺罪が成立する可能性があります。

借金問題で詐欺罪以外に考えられる犯罪について

借金問題に起因して起こりうる詐欺罪以外の犯罪の例について、いくつか紹介します。

(1)私文書偽造・行使罪

例えば名義を偽って借入れの申込書を作成したり、実際よりも収入が高いように見せるため、提出を求められた源泉徴収票などを偽造して提出した場合、私文書偽造罪や同行使罪が成立する可能性があります。

(2)詐欺破産罪及び詐欺再生罪など

詐欺破産罪とは、自己破産をする人が債権者を害することとなる一定の行為(財産を隠匿・損壊する行為など)をした場合に成立する犯罪です(破産法第265条)。

このような行為をすると、刑事罰が科されるだけでなく、自己破産の手続をしても免責を原則として認めてもらえない免責不許可事由に該当し(破産法第252条1項1号)、仮に免責を得ていたとしても免責が取消になる可能性もあります(破産法第254条1項)。

詐欺再生罪とは、個人再生をする人が債権者を害することとなる一定の行為をした場合に成立する犯罪です(民事再生法第255条)。

このような行為をすると、刑事罰の対象となるほか、再生計画が不認可となったり(民事再生法第174条2項3号など)、認可された再生計画が取消となる可能性が高まります(民事再生法第189条1項1号)。

自己破産や民事再生の手続を行う場合には、破産法や民事再生法で定められた罰則が上記の他にも存在しています。

【まとめ】借金トラブルでお悩みの方はアディーレ法律事務所にご相談ください

一般的に、借金を滞納したというだけでは詐欺罪は成立せず、逮捕・起訴などされる可能性はが、状況によっては刑事事件化する可能性がないとはいえません。

また、刑事事件にならなかったとしても、民事上、貸金の返還を求める訴訟とは別に、詐欺などを理由として不法行為に基づく損害賠償請求での裁判を起こされるリスクもあります。

仮に破産をせざるを得ない状況になっても、その損害賠償債務は借金の免除(免責)の対象とはならない扱いになったり、最悪免責不許可となって全ての借金の免除を認めてもらえなくなる可能性もあります。

そのため、借入を申し込む際には、返済する意思があり、返済できる見込みがある上で申し込まなければならないことは当然ですが、収入等の情報も正直に申告しなければなりません。

もし借金でお困りならば、弁護士法人アディーレ法律事務所にお気軽にご相談ください。