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B型肝炎訴訟の除斥期間や消滅時効とは?起算点や給付金額を確認

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リーガライフラボ

※アディーレ法律事務所では様々な法律相談を承っておりますが、具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。予め、ご了承ください。

「B型肝炎訴訟でもらえる給付金の額は、期間の経過によって減額するって本当?」

B型肝炎給付金の給付金額は、一定の期間が経過してしまうと、大幅に減額されてしまいます。
この一定の期間のことを、法律上「除斥期間」や「消滅時効」といいます。
そのため、B型肝炎給付金の受給の対象となる方は、知らないうちに「除斥期間」や「消滅時効」が経過して、大幅に給付金が減額されてしまうのを避けるためにも、なるべく早く訴訟手続きを取ることをお勧めします。

本記事では、次のことについて弁護士が解説します。

  • B型肝炎訴訟における除斥期間、消滅時効
  • 除斥期間等の起算点
  • B型肝炎給付金の給付金額
この記事の監修弁護士
弁護士 大西 亜希子

香川大学、早稲田大学大学院、及び広島修道大学法科大学院卒。2017年よりB型肝炎部門の統括者。また、2019年よりアスベスト(石綿)訴訟の統括者も兼任。被害を受けた方々に寄り添うことを第一とし、「身近な」法律事務所であり続けられるよう奮闘している。東京弁護士会所属。

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B型肝炎訴訟の除斥期間・消滅時効とは

除斥期間・消滅時効とは、「一定の期間を経過すると法的な請求権が消滅する」というものです。
除斥期間と消滅時効は似た制度ですが、主な違いの一つに、権利消滅までのカウントダウンを止めることができるかどうかという点があります。
すなわち、除斥期間は、権利の消滅までのカウントダウンを止めることができません。
しかし、消滅時効は、相手の承認などによって、権利の消滅までのカウントダウンをリセットすることが可能になります。

このような違いはあるものの、除斥期間・消滅時効ともに、「権利を長らく放置しておくと、権利を失ってしまうことがある」という点では共通しています。

B型肝炎給付金の除斥期間・消滅時効の期間は20年ですが、この20年を経過する前にB型肝炎訴訟を提起すると、除斥期間や消滅時効が完成することを防ぐことができます。

除斥期間や消滅時効が過ぎてしまった後は、給付金はもらう権利は失ってしまうのでしょうか?

いいえ。B型肝炎訴訟の場合、除斥期間・消滅時効が経過していても、B型肝炎給付金が一切もらえなくなる、ということはありません。
除斥期間・消滅時効が経過している方に対しては、特別な法律により、減額されたB型肝炎給付金をもらうことができるようになっています。

【コラム】民法改正で除斥期間の対象となる方と、消滅時効の対象となる方が混在することに
民法改正前は、判例上、不法行為による損害賠償請求権(B型肝炎訴訟での請求権など)に関しては、一定時期から20年経過すると、時効消滅ではなく、「除斥期間が経過」したことになると考えられていました。
しかし、民法改正により、2020年4月1日までに除斥期間が経過しなかった方については、20年の期間制限が、除斥期間ではなく消滅時効に変わりました(民法第724条2項、民法附則第35条1項)。
そのため、2020年4月1日以降は、除斥期間が経過した方と、消滅時効が経過した方が混在することになります。

B型肝炎訴訟除斥期間・消滅時効の起算点を症状別に解説

B型肝炎訴訟においては、「起算点」から、20年を経過すると除斥期間や消滅時効により、B型肝炎給付金の金額が減額されます(消滅時効のカウントダウンを止める手段を講じた場合を除く)ので、起算点がいつかが重要です。

B型肝炎給付金における「起算点」は、損害が発生した日であり、具体的には次の通りになっています。

  • 無症候性キャリア(無症状)の場合:感染した日
    一次感染者
     →集団予防接種等を受けた日
    二次感染者、三次感染者のうち母子感染によって感染した方
     →生まれた日
    二次感染者、三次感染者のうち父子感染によって感染した方
     →生まれた日から7歳前日までのいずれかの日
  • 慢性肝炎など特定の病態を発症した場合:その病態の発症日(※)
  • B型肝炎ウイルスの持続感染が原因で亡くなった場合:亡くなった日

※慢性肝炎と肝がんの場合、再発時が発症日とされることがあります。

参考:B型肝炎訴訟の手引き 第5版 平成30年4月改訂|厚生労働省

除斥期間・消滅時効が経過した場合のB型肝炎給付金の金額

除斥期間・消滅時効といった期間制限が経過した場合の、B型肝炎給付金の金額は次の通りです。

【B型肝炎給付金の金額】

病態給付金(期間制限の経過前)給付金(期間制限の経過後)
死亡・肝がん、肝硬変(重度)3600万円900万円
肝硬変(軽度)2500万円・現に治療を受けている方等→600万円
・上記以外→300万円
慢性肝炎1250万円・現に治療を受けている方等→300万円
・上記以外→150万円
無症候性キャリア600万円50万円+定期検査費などの支給

無症候性キャリアの方が除斥期間・消滅時効を過ぎたときは、定期検査費用等が受け取れる

無症候性キャリアの方とは、B型肝炎ウイルスに持続感染しているものの、慢性肝炎などの病態を発症していない方のことをいいます。

無症候性キャリアで除斥期間が過ぎてしまいました。50万円しかもらえないのであれば、訴訟もめんどくさいし、諦めようと思っていますが、どうしたらよいでしょうか。

無症候性キャリアの方で、すでに除斥期間・消滅時効が経過している場合であっても、B型肝炎訴訟を行うことをお勧めします。なぜなら、B型肝炎給付金50万円の他に、次でご説明する定期検査費用などを受け取ることができ、ご自身やご家族の健康管理に役立つからです。

1.慢性肝炎・肝がんの発症を確認するための定期検査費など

慢性肝炎・肝がんが発症していないか確認するための一定の定期検査費用や、血液検査・画像検査に伴う一定の診療行為等に必要な費用を受け取ることができます。
なお、検査項目に応じて、年間(※)2~4回が上限となります。
※ここでいう年間とは、1~12月のことです。以下同じ。

2.定期検査手当

1の定期検査を受けた方は、定期検査1回につき1万5000円を受けとることができます。なお、年間2回(合計3万円)が上限となります。

3.母子感染防止のための医療費

現在では出産の際、B型肝炎ウイルスの母子感染防止のため、ワクチンの投与等が行われます。
国との和解成立後の出産の際に、B型肝炎ウイルスの母子感染防止のために要した、次の費用を受け取ることができます。

  • 一定のワクチンの投与等の費用
  • これに伴う一定の検査の費用
  • この検査に伴う一定の診療行為等に必要な費用

なお、検査項目等に応じて、子一人につき、1~3回が上限となります。

4.世帯内感染防止のための医療費

国との和解成立後に、新たに同居することになった家族(3の母子感染防止措置で支給対象となった子を除く)がB型肝炎ウイルスに感染することを防止するため、ワクチン投与等をした場合には、次の費用を受け取ることができます。

  • ワクチン投与の費用
  • これに伴う血液検査の費用

なお、次の上限回数があります。

  • 血液検査……ワクチン投与前後に、それぞれ1回まで
  • ワクチン投与……同居している家族1人につき原則3回まで

参考:B型肝炎訴訟について(救済対象の方に給付金をお支払いします)|厚生労働省

期間経過まであとわずかという場合でも弁護士に依頼することで満額受け取れるケースもある

期間経過までわずかといったケースであっても、弁護士に依頼することによって期間経過前の給付金を受給することができる場合があります。
次のページでは、期間の経過までわずか3ヶ月しかないという状況でしたが、弁護士に依頼することによって、無事に期間経過前の給付金額である3600万円の給付金を受給することができた事案を紹介しています。
期間経過についてご不安な方はお早めに弁護士にご相談ください。

【まとめ】給付金額は20年の期間経過により減額されるのでお早めに手続きを

本記事をまとめると次のようになります。

  • 除斥期間・消滅時効とは、「一定の期間を経過すると法的な請求権が消滅する」というもの
  • B型肝炎訴訟の場合、除斥期間・消滅時効が経過しても減額されたB型肝炎給付金をもらうことができる
  • 起算点は次のとおり
    • 無症候性キャリア(無症状)の場合:感染した日
      一次感染者
       →集団予防接種等を受けた日
      二次感染者、三次感染者のうち母子感染によって感染した方
       →生まれた日
      二次感染者、三次感染者のうち父子感染によって感染した方
       →生まれた日から7歳前日までのいずれかの日
    • 慢性肝炎など特定の病態を発症した場合:その病態の発症日(※)
    • B型肝炎ウイルスの持続感染が原因で亡くなった場合:亡くなった日
    ※慢性肝炎と肝がんの場合、再発時が発症日とされることがあります。
  • 除斥期間等を経過した無症候性キャリアの方については、給付金とは別に、定期検査費等の支給を受けることができる

(※)母子手帳など、弁護士では収集できない一部資料を除きます。

アディーレ法律事務所では、B型肝炎給付金の受給手続きに関し、相談料、着手金ともにいただかず、原則として成果があった場合のみを報酬をいただくという成功報酬制です。
そして、原則として、この報酬は獲得した給付金からお支払いとなり、あらかじめ弁護士費用をご用意いただく必要はありません。
また、当該事件につき、原則として、成果を超える弁護士費用の負担はないため費用倒れの心配がありません。

※以上につき、2022年12月時点

アディーレ法律事務所では、B型肝炎に悩まれている方を一人でも多く救いたいという思いから、B型肝炎給付金の受給をお考えの方のご相談を心からお待ちしております。
B型肝炎給付金の受給をお考えの方は、アディーレ法律事務所に是非ともご相談ください。

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