「ウイルス性肝炎ってたくさん種類があるようだけれど、どんなものがあるの?」
ウイルス性肝炎には、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎などがあり、それぞれについて、主な感染経路や重症化リスク等が異なります。
幼少期に受けた集団予防接種等の際の注射器の連続使用によって、B型肝炎ウイルスに持続感染した方に対する救済制度として、国からB型肝炎給付金をもらえる制度が設けられています。
また、特定フィブリノゲン製剤や特定血液凝固第Ⅸ因子製剤の投与を受けたことによって、C型肝炎ウイルスに感染した方に対する救済制度として、国からC型肝炎給付金をもらえる制度も設けられています。
本記事では、
- ウイルス性肝炎の種類
- ウイルス性肝炎の救済制度|B型肝炎給付金とC型肝炎給付金
- B型肝炎給付金の受給要件と必要資料
について弁護士が解説します。
ここを押さえればOK!
<ウイルス性肝炎の種類> A型、B型、C型、D型、E型の種類があり、それぞれ感染経路や重症化リスクが異なります。
<救済制度> 救済制度は、大きく分けて医療費助成と給付金制度があります。救済されるのは、B型肝炎とC型肝炎です。 B型肝炎給付金の対象は、 幼少期の集団予防接種等でB型肝炎ウイルスに持続感染した人であり、金額は病態により50万円~3600万円です。 C型肝炎給付金の対象は、特定の血液製剤投与によりC型肝炎ウイルスに感染した人で、金額は病態により1200万円~4000万円です。
請求方法は、B型肝炎給付金もC型肝炎給付金も、国に対して訴訟を起こして和解が必要です。
アディーレ法律事務所では、B型肝炎給付金請求訴訟を積極的に扱っています。お悩みの方は一度ご相談ください。
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香川大学、早稲田大学大学院、及び広島修道大学法科大学院卒。2017年よりB型肝炎部門の統括者。また、2019年よりアスベスト(石綿)訴訟の統括者も兼任。被害を受けた方々に寄り添うことを第一とし、「身近な」法律事務所であり続けられるよう奮闘している。東京弁護士会所属。
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ウイルス性肝炎の種類
ウイルス性肝炎には、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎があります。
主な感染経路 | 特徴や重症化リスクなど | |
---|---|---|
A型肝炎 |
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B型肝炎 |
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C型肝炎 |
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D型肝炎 |
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E型肝炎 |
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ウイルス性肝炎の救済制度1|医療費助成制度
B型ウイルス性肝炎、C型ウイルス性肝炎にかかった方は、所定の治療について、医療費助成を受けることができます。
(1)医療費助成の対象となる治療
次の治療の内、保険適用があるものが医療費助成の対象となります。
B型肝炎の場合 | B型慢性活動性肝炎に対するインターフェロン治療・B型慢性肝疾患に対する核酸アナログ製剤治療 |
C型肝炎の場合 | C型慢性肝疾患の根治を目的としたインターフェロン治療・インターフェロンフリー治療 |
(2)医療費助成の内容
医療費助成を受けると、世帯所得(市町村民税課税年額)に応じて、自己負担の限度額を原則月1万円または月2万円に抑えることができます。
【自己負担額】
世帯の市区町村民税(所得割)課税年額 | 月額の自己負担の限度額 |
---|---|
23万5000円以上 | 2万円 |
23万5000円未満 | 1万円 |
都道府県によっては、上記よりも助成額を上乗せしていることもあります。
また、対象となる治療内容によって医療費助成を受けることができる期間が異なります。
詳しくは、お住まいの都道府県の担当課・係にお尋ねください。
ウイルス性肝炎の救済制度2|給付金
B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスに感染してしまった場合、所定の要件を満たせば、救済制度により給付金をもらえる可能性があります。
(1)B型肝炎給付金
幼少期の集団予防接種等の際の注射器の連続使用によって、B型肝炎ウイルスに持続感染した方は、B型肝炎給付金をもらえる可能性があります。
B型肝炎給付金をもらうためには、国を相手に国家賠償請求訴訟を提起した上で、国との間で裁判上の和解を成立させる必要があります。
(1-1)B型肝炎給付金の額
B型肝炎給付金の額は、各病態(死亡・肝がん・肝硬変重度・肝硬変軽度・慢性肝炎・無症候性キャリア)によって、次の通りです。
死亡・肝がん・ 肝硬変(重度) | 各病態が発症してから20年間が経過していない方 | 3600万円 |
各病態が発症してから20年間が経過している方 | 900万円 | |
肝硬変(軽度) | 発症してから20年間が経過していない方 | 2500万円 |
発症してから20年間が経過している方で、現に治療を受けている方等 | 600万円 | |
発症してから20年間が経過している方で、上記以外の方 | 300万円 | |
慢性肝炎 | 発症してから20年間が経過していない方 | 1250万円 |
発症してから20年間が経過している方で、現に治療を受けている方等 | 300万円 | |
発症してから20年間が経過している方で、上記以外の方 | 150万円 | |
無症候性キャリア | B型肝炎ウイルスに感染してから20年間が経過していない方 | 600万円 |
B型肝炎ウイルスに感染してから20年間が経過した方 | 50万円 + 定期検査費の支給等の政策対応 |
- 無症候性キャリアの方:B型肝炎ウイルスに感染したとき
- それ以外の方:対象となる病態を発症したとき
なお、弁護士に依頼して、B型肝炎訴訟で和解した場合には、国から弁護士費用の一部として、訴訟手当金(給付金の4%)が支給されます。
参考:B型肝炎訴訟について(救済対象の方に給付金をお支払いします)|厚生労働省
(1-2)B型肝炎給付金の対象となる人
B型肝炎給付金の対象となるのは、次の通り、一次感染者、二次感染者、三次感染者です。またこれらの方の遺族も代わりにB型肝炎給付金を請求することができます。
(1-3)B型肝炎給付金をもらうための要件
B型肝炎給付金をもらうためには、国を被告とする国家賠償請求訴訟を提起した上で、国との間で裁判上の和解の成立を目指すことになります。
そして、国との間で裁判上の和解を成立させるためには、次の要件を満たしていることを示す必要があります。
(1-3-1)一次感染者の場合
次の条件をすべて満たしている必要があります。
- 1941年7月2日~1988年1月27日までに生まれていること
- 満7歳になる誕生日の前日までに集団予防接種またはツベルクリン反応検査を受けていること
- B型肝炎ウイルスに持続感染(6ヶ月以上の感染)をしていること
- 集団予防接種等以外の感染原因(母子感染、輸血による感染など)がないこと
(1-3-2)二次感染者の場合
- 親が一次感染者の要件をすべて満たすこと
- 本人(子)がB型肝炎ウイルスに持続感染(6ヶ月以上の感染)していること
- 本人(子)の感染原因が母子感染または父子感染であること
※母子感染は、子が母親の胎内でB型肝炎ウイルスに感染してしまう「胎内感染」や子が産道で母親の血液にふれることによってB型肝炎ウイルスに感染してしまう「産道感染」によって、母親から子にB型肝炎ウイルスが感染してしまうことをいいます。
日本では、昭和61年以降、母子感染を防止する措置が徹底されております。しかしながら、母子感染の防止措置が本格的に開始された昭和61年以降の出産であっても、子が母子感染によってB型肝炎ウイルスに持続感染してしまっている事例はあります。
※父子感染の場合は、唾液などを介して、父親から子にB型肝炎ウイルスが感染してしまうことをいいます。
(1-3-3)三次感染者の場合
- 本人の母親か父親が二次感染者(法令上は、母子感染に限られます)の要件をすべて満たしていること
- 本人(二次感染者の子)がB型肝炎ウイルスに持続感染(6ヶ月以上の感染)していること
- 本人(二次感染者の子)の感染原因が、二次感染者からの母子感染または父子感染であること
(2)C型肝炎の場合|C型肝炎給付金
特定フィブリノゲン製剤や特定血液凝固第Ⅸ因子製剤の投与を受けたことによって、C型肝炎ウイルスに感染した方は、C型肝炎給付金をもらえる可能性があります。
C型肝炎給付金をもらうためには、B型肝炎給付金と同様、国を相手に国家賠償請求訴訟を提起した上で、国との間で裁判上の和解を成立させる必要があります。
(2-1)C型肝炎給付金の額
給付金額は、次のようになります。
病態 | 給付金額 |
---|---|
1.慢性C型肝炎の進行による肝硬変・肝がん・死亡 2.劇症肝炎(遅発性肝不全を含む)に罹患して死亡した方 | 4000万円 |
3.慢性C型肝炎 | 2000万円 |
4.1~3以外(無症候性キャリア) | 1200万円 |
参考:出産や手術での大量出血などの際に、血液から作られた医薬品(フィブリノゲン製剤・血液凝固第9因子製剤)の投与によりC型肝炎ウイルスに感染した方へのお知らせ|厚生労働省
参考:官報|厚生労働省
参考:C型肝炎訴訟|法務省
(2-2)C型肝炎給付金をもらえる方
次のいずれかの血液製剤を投与されたことによりC型肝炎ウイルスに感染し方が、C型肝炎給付金の対象です。
母子感染した方も対象です。
また、相続人も代わりに請求することが可能です。
特定フィブリノゲン
…乾燥人フィブリノゲンのみを有効成分とする製剤のうち、次のもの
製品名 | 承認日 |
---|---|
フィブリノーゲン-BBank | 1964年(昭和39年)6月9日 |
フィブリノーゲン-ミドリ | 1964年(昭和39年)10月24日 |
フィブリノゲン-ミドリ | 1976年(昭和51年)4月30日 |
フィブリノゲンHT-ミドリ(※) | 1987年(昭和62年)4月30日 |
特定血液凝固第IX因子製剤
…乾燥人血液凝固第IX因子複合体を有効成分とする製剤のうち、次のもの
製品名 | 承認日 |
---|---|
PPSB-ニチヤク | 1972年(昭和47年)4月22日 |
コーナイン | 1972年(昭和47年)4月22日(輸入販売承認) |
クリスマシン | 1976年(昭和51年)12月27日 |
クリスマシン-HT(※) | 1985年(昭和60年)12月17日(輸入販売承認) |
【まとめ】ウイルス性のB型肝炎・C型肝炎にかかった方は給付金や医療費助成の対象であることも
本記事をまとめると以下のようになります。
- ウイルス性肝炎には、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎などがあり、それぞれについて、主な感染経路や重症化リスク等が異なる
- B型肝炎やC型肝炎の特定の治療に対しては、医療費助成を受けられることがある
- B型肝炎とC型肝炎には、それぞれ給付金制度が設けられている
- B型肝炎給付金は、幼少期に受けた集団予防接種等によってB型肝炎ウイルスに持続感染した方に支給される給付金
- C型肝炎給付金は、特定フィブリノゲン製剤や特定血液凝固第Ⅸ因子製剤の投与を受けたことによって、C型肝炎ウイルスに感染した方に支給される給付金
B型肝炎給付金をもらうためには、国を相手に訴訟する必要がありますが、アディーレ法律事務所では、B型肝炎訴訟のために必要となる戸籍や医療記録(カルテなど)を原則としてご依頼者の代わりに収集し、給付金の受給を全力でサポートしております。
また、訴状等の裁判所に提出する書類の作成や裁判期日への出廷も、依頼者様に代わり弁護士が行います。
アディーレ法律事務所では、B型肝炎給付金請求の手続きに関し、相談料、着手金はいただいておりません。また、アディーレ法律事務所では、弁護士報酬について、原則として、成果があった場合に報酬をいただくという完全成功報酬制となっており、B型肝炎給付金を受け取った後の後払いとなっております。
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※以上につき、2024年9月時点
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