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B型肝炎訴訟の手引きの内容を解説!受給要件や必要書類等を確認しよう

作成日:更新日:
リーガライフラボ

※アディーレ法律事務所では様々な法律相談を承っておりますが、具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。予め、ご了承ください。

「B型肝炎訴訟の手引きを読んでもよく分からない。わかりやすく教えてほしい」

B型肝炎給付金を受給するためには、所定の受給要件を満たした上で、そのことを証明するための必要書類を裁判で提出する必要があります。
厚生労働省は、「B型肝炎訴訟の手引き」にて、B型肝炎給付金の受給要件、必要書類、請求手続き等を案内しています。

もっとも、B型肝炎訴訟になじみのない方にとっては、「B型肝炎訴訟の手引き」を読み解くのも一苦労でしょう。

そのため、本記事では、

  • B型肝炎訴訟の手引き

について、弁護士がわかりやすく解説します。

この記事の監修弁護士
弁護士 大西 亜希子

香川大学、早稲田大学大学院、及び広島修道大学法科大学院卒。2017年よりB型肝炎部門の統括者。また、2019年よりアスベスト(石綿)訴訟の統括者も兼任。被害を受けた方々に寄り添うことを第一とし、「身近な」法律事務所であり続けられるよう奮闘している。東京弁護士会所属。

目次

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B型肝炎訴訟の手引き

B型肝炎訴訟とは、集団予防接種等(集団接種の方法による予防接種またはツベルクリン反応検査)が原因でB型肝炎ウイルスに感染した方が国に損害賠償を求める訴訟です。

この訴訟を起こして、一定の要件を満たしているとして国と和解が成立した方は、法律に基づいて、一定の給付金がもらえます。
このB型肝炎給付金請求には期限があり、現在のところ2027年3月末までです(2021年6月11日改正法)。
この請求期限までに訴訟提起をする必要があります。

(1)B型肝炎の給付金対象者

「B型肝炎訴訟の手引き」によれば、B型肝炎給付金の対象となるのは、以下のいずれかに当てはまる方です。

  1. 一次感染者
    集団予防接種等の際の注射器の連続使用によって、B型肝炎ウイルスに感染した方
  2. 二次感染者
    一次感染者である親から、B型肝炎ウイルスがうつった方
  3. 三次感染者
    一次感染した祖母から、その子(親)にB型肝炎ウイルスがうつり、その親からさらにB型肝炎ウイルスがうつった方
  4. 上記各感染者の相続人の方

(2)B型肝炎の給付を受けるための条件

「B型肝炎訴訟の手引き」によれば、B型肝炎給付金を受け取るためには、以下のいずれの要件も満たしていることを証明する必要があります。

  1. 一次感染者
    • 1941年7月2日~1988年1月27日までに生まれていること
    • 満7歳の誕生日の前日までに集団予防接種等を受けたこと
    • B型肝炎ウイルスに持続感染している(長期間に渡って感染状態が続いている)こと
    • 母子感染、輸血による感染など、集団予防接種等以外の感染原因がないこと
  2. 二次感染者
    • 親が一次感染者の要件を全て満たすこと
    • 本人(一次感染者たる親の子)がB型肝炎に持続感染していること
    • 母子感染又は父子感染であること

    ※母子感染の場合、妊娠中または出産の際にB型肝炎ウイルスがうつることが想定されています。
    ※父子感染の場合は、唾液などを介して父親から子にB型肝炎ウイルスがうつることが想定されています。

  3. 三次感染者
    • 本人の母親か父親が祖母(一次感染者)から母子感染し、母親と父親が二次感染者の要件をすべて満たしていること
    • 本人がB型肝炎ウイルスに持続感染していること
    • 二次感染者(母親・父親)から三次感染者(子)への感染経路が、母子感染または父子感染であること

(3)病態や経過時間による給付金額の違い

「B型肝炎訴訟の手引き」によれば、B型肝炎給付金で貰える金額は、「病態」と、「期間制限」を過ぎているかによって異なります。
病態とは、肝臓がんなどの病気のことです。
そして、期間制限とは、以下の各時点(起算点)から一定の期間が経過すると、原則としてもらえる給付金の額が大きく減ってしまうことをいいます。

【期間制限の起算点】

  • 無症候性キャリア(無症状)の場合:感染した日
    一次感染者→集団予防接種等を受けた日
    二次感染者、三次感染者のうち母子感染によって感染した方→生まれた日
    二次感染者、三次感染者のうち父子感染によって感染した方→生まれた日から7歳前日までのいずれかの日
  • 慢性肝炎など特定の病気を発症した場合:その病気の発症日
  • 亡くなった場合:亡くなった日

【給付金の額一覧】

病態給付金(期間制限経過前)給付金(期間制限経過後)
死亡・肝がん、重度の肝硬変3600万円900万円
軽度の肝硬変2500万円・現に治療を受けている方等:600万円
・上記以外:300万円
慢性肝炎1250万円・現に治療を受けている方等:300万円
・上記以外:150万円
無症候性キャリア600万円50万円+定期検査費等

※B型肝炎給付金を貰った後に、新たな病気が発生したりした場合、その新たな病気に応じた金額を追加で請求できることがあります(追加給付金)。

弁護士費用の一部も支給される

弁護士に依頼して和解の成立まで至った場合には、給付金とは別に、給付金額の4%が訴訟手当金として支給されます。
これにより、依頼者が負担しなければならない弁護士費用が軽減されることになります。

訴訟は個人でも起こすことは可能ですが、必要書類が多く手間も時間もかかることから、弁護士に依頼するのが一般的です。そんなときに気になるのが弁護士費用ですが、B型肝炎訴訟では、訴訟手当金の存在により、弁護士費用の負担を軽減しながら弁護士に依頼することが可能となっています。

B型肝炎訴訟の流れ

B型肝炎給付金は区役所に申請書を出したらもらえるわけではなく、裁判所にB型肝炎訴訟を提起する必要があります。

B型肝炎給付金を貰うまでの流れは次の通りです。

以下、それぞれの手順を詳しく解説いたします。

(1)必要書類の収集

B型肝炎給付金を受給するためには、受給要件を満たしていることを証明するための書類を訴訟で提出する必要があります。
そのため、訴訟を提起する前に、必要な書類を収集しておかなければなりません。

どのような必要書類を収集しなければならないかについては、後述する『必要書類の内容』で詳しく解説していますので、チェックしておきましょう。

(2)国を被告として提訴する

必要書類の準備を終えたら、国を相手とした国家賠償請求訴訟を起こします。
訴状を作成し、集めた書類とともに裁判所に提出します。
被告の住居地(東京など)や、不法行為地(集団予防接種を受けた場所)を管轄する裁判所で提訴が可能です。

(3)和解協議と和解調書の作成

訴訟を起こした後、支給要件を満たしているかの確認がされます。

(3-1)裁判所で和解協議をおこなう

本訴訟を提起すると、裁判所から裁判の期日を指定する通知が届くので、当日裁判所に出廷します。
被告である国は、裁判所を通じて訴状や証拠書類の内容から、和解の要件を満たすかを確認します。
資料の内容や過不足について国や、裁判所から問い合わせがあることもあります。
弁護士に依頼している場合には出廷や、和解協議、資料の追加対応などは弁護士が行うことになります。

(3-2)和解調書が作成される

和解の要件が確認されると、原告と国との間で和解調書を取り交し、和解が成立します。

(4)決定した給付金の支給を請求する

和解が成⽴した⽅が、社会保険診療報酬⽀払基⾦に給付⾦の⽀給の請求を⾏うと、給付⾦が⽀給されます。
給付金等請求書、和解調書、住民票など必要書類を社会保険診療報酬支払基金に提出し、給付金の支給申請をします。
弁護士に依頼している場合には、給付金は弁護士への費用などを差し引いた額が振り込まれるのが通常です。

参考:給付金等請求|社会保険診療報酬支払基金

必要書類の内容

既に解説した通り、B型肝炎ウイルス感染者給付金の支給対象は、

  • 一次感染者
  • 二次感染者
  • 三次感染者
  • それぞれの相続人

に分けられます。
どのケースにあてはまるかによって、必要な書類は変わってきます。
以下、基本的に提出が必要となる書類を、「B型肝炎訴訟の手引き」に沿って、わかりやすく解説いたします(記載したもののほかにも書類の提出が必要となることがあります)。

なお、後述するよう、以下でご紹介する書類が揃わなくとも、別の書類を証拠とすることもできる場合がありますので、以下でご紹介する書類を揃えられない場合も、あきらめず、専門家にご相談ください。

(1)一次感染者に必要な書類

一次感染者の必要な書類は以下の書類です。

(1-1)「B型肝炎ウイルスに持続感染していること」を示す書類

B型肝炎訴訟の手引きによれば、以下のいずれかの書類がこれにあたります。

A 6ヶ月以上の間隔をあけて行った2回分の血液検査結果
(以下の検査結果うちいずれか1つ)

  • HBs抗原陽性
  • HBV-DNA陽性
  • HBe抗原陽性

例えば、2020年4月1日に、これらの1回目の血液検査を行ったとします。
次回の血液検査を2020年10月2日に行った場合、「6ヶ月以上の間隔をあけて行った2回分の血液の検査結果」といえます。

B HBc抗体陽性の検査結果(高力価陽性)
どのくらいの数値が高力価陽性であるのかは、検査方法によって異なりますので、詳しくは専門家にお尋ねください。

※上記検査結果を得られなくとも、医学的知見を考慮して、B型肝炎ウイルスに持続感染していると認定される場合があります。

【HBs抗原、HBV-DNA、HBe抗原、HBc抗体って何?】

B型肝炎に感染すると、潜伏期間を経た後、血液中から、「HBV-DNA」やHBs抗原やHBe抗原などが検出されるようになります。
抗原というのは、ウイルスを構成するたんぱく質や、ウイルスが増える際に作られるたんぱく質のことです。

HBV-DNAは、B型肝炎の遺伝子(DNA)であり、B型肝炎のウイルスが増えると、HBV-DNAも増えます。
また、ウイルスの抗原が私たちの体内に出現すると、体は、「ウイルスがきた!」と感知し、ウイルスに対抗するための武器を作り出そうとします。
この武器のことを抗体といい、B型肝炎ウイルスの場合、HBc抗体がこれにあたります。

このため、HBs抗原、HBV-DNA、HBe抗原、HBc抗体を測定すると、B型肝炎ウイルスの活動の状況を知ることができます。

(1-2) 「満7歳の誕生日前日までに集団予防接種等を受けていること」、「集団予防接種等で注射器の連続使用があったこと」を示す書類

B型肝炎訴訟の手引きによれば、以下のいずれかの書類がこれに当たります。

A 母子手帳
母子手帳には予防接種の日時や場所を記入する欄がありますので、この欄の記載内容が重要となります。
これにより、1948年7月1日~1988年1月27日の間に集団予防接種等を受けたことが、確認されます。

B 予防接種台帳
予防接種台帳は、市町村が主催した予防接種につき、誰に、いつ、どのような予防接種をしたか記録した台帳で、市町村が保管しています。
これにより、1948年7月1日~1988年1月27日の間に集団予防接種等を受けたことが、確認されます。

しかし、予防接種台帳の保存の義務がある期間は5年のため、昭和に作成された予防接種台帳は、既に保存期間が切れて廃棄されていることが多いです。
市町村の保存状況については、厚生労働省のサイトにて掲載されています。

参照:B型肝炎訴訟について(救済対象の方に給付金をお支払いします)|厚生労働省

なお、予防接種台帳を保存している市町村に満7歳までに居住していたことがある場合で、予防接種台帳に、ご本人が予防接種したことの記載がない場合には、その証明書を市町村に発行してもらう必要があります。

C 母子手帳または予防接種台帳を提出できない場合は、以下の書類の提出が必要です。

  • 陳述書(親や本人が作成)
    集団予防接種等が行われた時期、場所、母子手帳などを提出できない理由を記載します。
  • 接種痕が確認できるかについての医師の意見書
    種痘やBCGの接種痕があるか、接種痕がある場合、どこにあるかを医師に記載してもらいます。
  • 住民票または戸籍附票
    満7歳になるまでに日本国内に居住していたことが分かる住民票または戸籍附票(一定時期の住所歴が記載されたもの)を提出することになります。
    例えば、生まれてから満7歳まで、ずっと日本国内に居住していたという場合は、満7歳までの、どこかの1時点の住民票または戸籍附票を提出すれば足ります。
    住民票や戸籍附票は市区町村で発行してもらえます。
  • 戸籍
    1941年7月1日~1988年1月27日までの間に出生したのかを確認するために必要です。

(1-3)「母子感染ではないこと」を示す書類

B型肝炎訴訟の手引きによれば、以下のA~Cの内、いずれかの書類がこれに当たります。

A ⺟親の以下の血液検査結果1
HBs抗原が陰性、かつ、HBc抗体が陰性または低力価陽性
HBc抗体が、どの値から低力価陽性であるかは、検査方法によって異なりますので、詳しくは専門家にお尋ねください。

B 母親が亡くなっている場合⇒母親の以下の血液検査結果2
母親が80歳未満の時点のHBs抗原陰性の検査結果
母親が生前に、病院などで何らかの血液検査をしたことがある場合に、HBs抗原の検査をしていることがありますので、何らかの血液検査の結果が残っていないか探してみましょう。
母親が生前、入通院していた病院から、生前の血液検査の結果を取り寄せることができる可能性もあります。

C 母親が亡くなっていて、母親の血液検査の結果もない場合⇒兄、姉(年長者)のうち一人の以下の血液検査結果
HBs抗原が陰性、かつ、HBc抗体が陰性または低力価陽性

D その他
A~Cの資料を提出できない場合でも、医学的知見を考慮して、母子感染でないと認められる場合もあります。
詳しくは、専門家にお尋ねください。
※B型肝炎訴訟の手引きには記載されていませんが、以下の戸籍などの提出も必要です。

出す書類のパターン(A~C)戸籍などの種類
Aの場合B型肝炎給付を請求する本人と母親との間の続柄が記載された戸籍除籍謄本
Bの場合・B型肝炎給付を請求する本人と母親との間の続柄が記載された戸籍または除籍謄本

・母親が亡くなっていることが記載された除籍謄本
Cの場合・B型肝炎給付を請求する本人と母親との間の続柄が記載された戸籍または除籍謄本

・母親が亡くなっていることが記載された除籍謄本

・血液検査の結果を提出する兄・姉と、本人との続柄が記載された戸籍または除籍謄本

(1-4)「母子感染や集団予防接種等以外で感染した原因がないこと」を示す資料

B型肝炎訴訟の手引きによれば、以下のいずれかの資料がこれに当たります。

A 以下の医療記録(カルテなど)

  • 提訴前1年分
  • 持続感染が判明してから1年分
  • 最初の発症から1年分
    ※発症している方のみ必要
  • 肝疾患に関する入院中のすべて(退院時要約でも可)
    ※肝疾患に関して入院したことがある方のみ必要

一口に医療記録とはいっても、肝臓病に関する医療記録だけ必要なのか、それ以外の医療記録も全部含むのかなども、医療記録の種類によって異なってきます。
そのため、どの医療記録が必要となるのかは、専門家へお尋ねください。

B 父親がB型肝炎ウイルスの持続感染者である場合⇒父親と本人のB型肝炎ウイルスの塩基配列を比較した血液検査
塩基配列とは、DNAを構成する物質の並び方です。
父と子で、一緒の塩基配列をもったB型肝炎ウイルスが検出されれば、父から子にB型肝炎ウイルスがうつったということになります。

B型肝炎訴訟の手引きには記載されていませんが、父親が持続感染者であるかどうかを確かめるために、父親のHBs抗原の検査結果の提出が必要となります。HBs抗原が陰性であれば、塩基配列を比較する血液検査結果を提出する必要はありません。また、父親と本人の続柄が記載された戸籍の提出も必要になります。

なお、和解が成立後、塩基配列の検査費用として6万3000円または6万5000円が支給されます(和解不成立の場合は自己負担)。

C 1995年以前に持続感染が判明した証拠がない場合⇒本人のB型肝炎ウイルスがジェノタイプAeではないことを証明する検査結果
ジェノタイプとは、血液型のようなもので、ウイルスの遺伝子の型です。
主要な型として、A、B、C、Dがあり、Aのタイプの中に、AaやAeのタイプが属しています。
ジェノタイプAeの場合、成人後の感染の可能性が出てくるため、当該検査結果の提出が求められています。

【検査方法】
まずは、主要な型であるA、B、C、Dのいずれであるのか検査します(和解が成立すれば、保険給付がある場合は2300円、保険給付がない場合は8500円の検査費用が支給されます)。
Aであれば、それがAeのタイプなのか判別する検査をします(和解が成立すれば、1万5000円の検査費用が支給されます)。

(1-5)病態を証明する医療記録

発症している方は、病態(肝がん、肝硬変、慢性肝炎)を証明する血液検査結果、病理組織検査、その他の検査の原データが記載された医療記録が必要です。また、これらの病態の原因がB型肝炎ウイルスであることを証明するための資料も必要になります。

(2)二次感染者(母子感染者)に必要な書類

次に、B型肝炎訴訟の手引きに沿って、二次感染者(母子感染者)としての要件を満たすことを証明する書類について解説いたします。

(2-1)「本人(原告)の母親が一次感染の要件を満たすこと」を示す書類

B型肝炎訴訟の手引きによれば、母親に関し、一次感染で提出が必要となる書類(1~4)を提出する必要があります。なお、提訴日前1年分、最初の発症から1年分、肝疾患に関する入院の医療記録に代えて、本人(原告)の出生前後各半年分の母親の医療記録と本人(原告)の出生後半年分の本人(原告)の肝疾患に関する医療記録(出生後半年内に肝疾患に関して入通院した方のみ)の提出が必要になります。

(2-2)「本人(原告)が持続感染していること」を示す書類

B型肝炎訴訟の手引きによれば、一次感染者と同様に、本人(原告)に関し、次の書類のいずれかが必要となります。

A 6ヶ月以上の間隔をあけて行った2回分の血液検査結果
(以下の検査結果うちいずれか1つ)

  • HBs抗原陽性
  • HBV-DNA陽性
  • HBe抗原陽性

B HBc抗体陽性の検査結果(高力価陽性)
※上記検査結果を得られなくとも、医学的知見を考慮して、B型肝炎ウイルスに持続感染していると認定される場合があります。

(2-3)「母子感染であること」などを示す書類

B型肝炎訴訟の手引きによれば、以下のいずれかの書類がこれにあたります。

A 本人(原告)が出⽣直後にB型肝炎ウイルスに持続感染していたことを⽰す資料
本人(原告)の出生する前後各6ヶ月間の母親の医療記録や、本人(原告)の出生後半年間の肝疾患に関する医療記録などから、本人(原告)が出生直後にB型肝炎ウイルスに持続感染していたことを確認することができる場合には、母子感染であることが認められます。

B 本人(原告)と⺟親のB型肝炎ウイルスの塩基配列を⽐較した⾎液検査
検査の結果が「感染の因果関係あり」の場合には、母子感染であると扱われ、和解が成立後、塩基配列の検査費用として6万3000円が支給されます(「判定不能」の場合及び和解不成立の場合は自己負担)。

C 母子感染以外の感染原因の存在が確認されないことを示す資料
原則として以下の資料が必要です。

  • 本人(原告)が1985年12月31日以前に出生したことを示す資料
  • 本人(原告)の医療記録(提訴日前1年分、持続感染が判明してから1年分、最初に発症してから1年分、肝疾患に関する入院中のすべて)
  • 本人(原告)と父親のB型肝炎ウイルスの塩基配列が同定されないことを示す資料
  • 原告のB型肝炎ウイルスがジェノタイプAeでないことを証明する資料

なお、これらの各資料から、本人(原告)の出生前に母親のHBe抗原が陰性であったことが確認されないことも必要になります。

※上記以外にも、「母子感染であること」や、「母子感染以外の感染原因の存在が確認されないこと」を立証する方法は認められていますので、詳しくは専門家にお尋ねください。

(2-4)本人(原告)の病態を証明する医療記録

発症している方は、病態(肝がん、肝硬変、慢性肝炎)を証明する血液検査結果、病理組織検査、その他の検査の原データが記載された医療記録が必要です。また、これらの病態の原因がB型肝炎ウイルスであることを証明するための資料も必要になります。

(2-5)戸籍

B型肝炎訴訟の手引きには記載されていませんが、本人(原告)と母親の続柄が記載された戸籍も必要です。

(3)その他のケースの場合

父子感染による二次感染、三次感染、相続の場合には、別の書類が必要となりますので、詳しくは専門家にお尋ねください。

(4)必要資料が収集できないときでもあきらめずに専門家に相談を

これまで、給付金の受給のために必要となる書類を解説してきました。
もっとも、これまで解説してきた必要書類が収集できない場合であっても、他の書類を証拠として給付金を受給できる場合があります。
そのため、「必要書類がうまく収集できないからあきらめよう」というように安易に給付金の受給をあきらめず、そのような場合は弁護士などの専門家に相談されることをお勧めいたします。

次のページでは、これまで解説してきたような必要書類が収集できないケースであっても、弁護士に相談することで給付金を受給することができた事例を紹介していますので、ぜひご覧ください。

【まとめ】B型肝炎訴訟の手引きには、受給要件や給付金額等がまとめられている

本記事をまとめると次のようになります。

  • 「B型肝炎訴訟の手引き」には、B型肝炎給付金の受給に必要となる受給要件や、給付金額、請求手続きがまとめられている
  • B型肝炎給付金の受給要件は、一次感染者、二次感染者、三次感染者でそれぞれ異なる。また、必要書類もそれぞれ異なるので注意する必要がある
  • 給付金額は、病態により、50万~3600万円。弁護士に依頼して和解に至った場合には、給付金とは別に給付金額の4%が支給される
  • B型肝炎給付金を受給するまでの大まかな流れは、「必要書類の収集→訴訟提起→国との和解協議→社会保険診療報酬支払基金への請求」となる

B型肝炎訴訟には様々な書類の収集が必要であり、B型肝炎訴訟の手引きに基づいて書類を集めることになります。
しかし、解説いたしましたとおり、 証拠の収集だけでも多大な労力がかかります。
アディーレ法律事務所では、資料収集代行(※)から、訴訟、給付金の申請まで全て代わりに行います。

(※)母子手帳など、弁護士では収集できない一部資料を除きます。

アディーレ法律事務所では、B型肝炎給付金の受給手続きに関し、相談料、着手金ともにいただかず、原則として成果があった場合のみを報酬をいただくという成功報酬制です。

※以上につき、2022年1月時点

アディーレ法律事務所では、B型肝炎に悩まれている方を一人でも多く手助けしたいという思いから、B型肝炎給付金の受給をお考えの方のご相談を心からお待ちしております。

B型肝炎給付金の受給をお考えの方は、アディーレ法律事務所に是非ともご相談ください。

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