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B型慢性肝炎再発の場合、除斥期間はいつから計算?最高裁判決を解説

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「最近、B型慢性肝炎を再発した。初めに発症した日からは20年以上経っているけど、除斥期間は再発時から計算できないかな」

除斥期間を経過しているかどうかによって、患者側が貰えるB型肝炎給付金の額は大幅に異なるため、除斥期間が「最初の発症時」か「再発時」のどちらとなるかは重要です。

この点、2021年4月26日、最高裁第二小法廷は、再発日を起算点と主張する原告を敗訴とした第二審の福岡高裁判決を破棄し差し戻すという判決をしました。
この最高裁判決により、B型慢性肝炎が再発した方については、再発日を除斥期間等の起算点とすることができる可能性が出てきました。

今回の記事では、

  • 事案の概要、争点
  • 最高裁判決の内容

について、解説します。

この記事の監修弁護士
弁護士 大西 亜希子

香川大学、早稲田大学大学院、及び広島修道大学法科大学院卒。2017年よりB型肝炎部門の統括者。また、2019年よりアスベスト(石綿)訴訟の統括者も兼任。被害を受けた方々に寄り添うことを第一とし、「身近な」法律事務所であり続けられるよう奮闘している。東京弁護士会所属。

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事案の概要・争点

本件事案において、原告の患者2名は主に次のような経緯を経ています。

1.

最初の発症(HBe抗原陽性慢性肝炎を発症)

IFN(インターフェロン)治療など

HBe抗原セロコンバージョン(HBeSC)によるHBe抗原の陰性化・ALT数値の正常化

長い年月経過後

2.

ALT数値の異常化・再発(HBe抗原陰性慢性肝炎を発症)

当該事案においては、B型肝炎訴訟の除斥期間の起算点を、

  1. 最初の発症時(HBe抗原陽性慢性肝炎発症時)とするのか、
  2. 再発時(HBe抗原陰性慢性肝炎発症時)とするかによって、

除斥期間20年が経過しているか否かが異なるため、除斥期間の起算点が主な争点となりました。

最高裁判決により除斥期間の起算点が「再発時」と判断される

2021年4月26日、最高裁第二小法廷は、再発日を起算点と主張する原告を敗訴とした福岡高裁判決を破棄し差し戻すという判決をしました。

最高裁は、「慢性B型肝炎の特質に鑑みると、上告人らがHBe抗原陽性慢性肝炎(筆者注:最初に発症した慢性肝炎)を発症したことによる損害と、HBe抗原陰性慢性肝炎(筆者注:再発した慢性肝炎)を発症したことによる損害とは、質的に異なるもの」と判断しました。

そして、最高裁は、「上告人らがHBe抗原陰性慢性肝炎(筆者注:再発した慢性肝炎)を発症したことによる損害については、HBe抗原陽性慢性肝炎(筆者注:最初に発症した慢性肝炎)の発症の時ではなく、HBe抗原陰性慢性肝炎(筆者注:再発した慢性肝炎)の発症の時が民法724条後段所定の除斥期間の起算点となるというべきである」と結論づけました。

本判決により、慢性肝炎が再発した方については、再発日を除斥期間等の起算点として、除斥期間等経過前の給付金を受給することができる可能性があります。

参考:最高裁判所第二小法廷判決令和3年4月26日|裁判所 – Courts in Japan

【まとめ】最高裁は「再発時」と判断

今回の記事をまとめますと次の通りです。

  • B型慢性肝炎が再発した場合の除斥期間の起算点をいつにするかによって、患者側が貰えるB型慢性肝炎給付金の額は大幅に異なります。
症状給付金(除斥期間経過前)給付金(除斥期間経過後)
慢性肝炎1250万円・現に治療を受けている方等→300万円
・上記以外→150万円

※2020年民法改正により、2020年3月11日までに除斥期間が経過しなかった方については、20年の期間制限の性質が消滅時効に変わりました。

  • B型慢性肝炎を再発した事例において、除斥期間の起算点が「最初の発症時」か「再発時」かが争われた。
    この点、最高裁判決は、「再発時」が除斥期間の起算点であると判断した。

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