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【B型慢性肝炎再発の除斥期間】最高裁で患者敗訴の二審を見直す可能性

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B型慢性肝炎を発症して治療等によりALT数値が正常となったものの、その後B型慢性肝炎の症状が再発した場合、B型肝炎訴訟の除斥期間の起算点は、
・「最初の発症時」

・「再発時」
のどちらとなるのでしょうか。

除斥期間を経過しているかどうかによって、患者側が貰えるB型肝炎給付金の額は大幅に異なります。

原則としては「最初の発症時」が起算点となるのですが、この度、一定の類型の慢性肝炎については、除斥期間の起算点を「最初の発症日」であるとして、患者側を敗訴とした二審の判断が、最高裁で見直される可能性が出てきました。
弁護士が解説します。

事案の概要・争点

本件事案において、原告の患者2名は主に次のような経緯を経ています。

1.

最初の発症(HBe抗原陽性慢性肝炎を発症)

IFN(インターフェロン)治療など

HBe抗原セロコンバージョン(HBeSC)によるHBe抗原の陰性化・ALT数値の正常化

長い年月経過後

2.

ALT数値の異常化・再発(HBe抗原陰性慢性肝炎を発症)

当該事案においては、B型肝炎訴訟の除斥期間の起算点を、

  1. 最初の発症時(HBe抗原陽性慢性肝炎発症時)とするのか、
  2. 再発時(HBe抗原陰性慢性肝炎発症時)とするかによって、

除斥期間20年が経過しているか否かが異なるため、除斥期間の起算点が主な争点となりました。

この点、第一審は除斥期間の起算点を「再発時」として患者側を勝訴としましたが、第二審では除斥期間の起算点を「最初の発症時」として患者側を敗訴としました。

しかし、上告により最高裁判所における弁論期日が設定されたことから、患者側を敗訴とした二審が、最高裁で見直される可能性が出てきました。

これまでの一審、二審の判決を振り返ってみましょう。

一審(福岡地方裁判所判決平成29年12月11日):患者側勝訴

一審では、除斥期間の起算点を、「再発時(HBe抗原陰性慢性肝炎発症時)」であると判断しました。

これにより、患者側はまだ除斥期間が経過していないことになり、患者側の勝訴となりました。

除斥期間の起算点をこのように判断した理由について第一審は主に次のように判示しています。

  • HBe抗原陰性慢性肝炎は、先行するHBe抗原陽性慢性肝炎と比較して、より高頻度に肝硬変や肝細胞がんへ進展するリスクがあるため、より重篤であり、より進んだ病期にあるといえる
  • HBeSCは、HBe抗原の産生を低下・停止させる遺伝子変異を伴うウイルスが増殖して、これがHBe抗原を産生するウイルスに置き換わることであり、HBVの質的変化を伴い、HBe抗原陰性慢性肝炎は、従前とは質的に異なる新しいウイルスの増殖力が強い場合に発症するものであり、HBe抗原陰性慢性肝炎は、単に最初のHBe抗原陽性慢性肝炎が量的に進行・拡大したものにすぎないということは困難であること
  • HBe抗原陽性慢性肝炎発症後の病態の進行及びその態様等については、現在の医学ではいまだ解明されておらず、確定することはできないため、HBe抗原陽性慢性肝炎を発症した時点やHBeSCを起こしてHBe抗原が陰性化した時点、その後非活動性キャリアになった時点において、その後のHBe抗原陰性慢性肝炎による損害を請求することは客観的に不可能である

したがって

原告らのHBe抗原陰性慢性肝炎の発症による損害賠償請求権に係る除斥期間の起算点=「再発時(HBe抗原陰性慢性肝炎発症時)」

二審(福岡高等裁判所判決平成31年4月15日):患者側敗訴

二審では、除斥期間の起算点を、「最初の発症時(HBe抗原陽性慢性肝炎発症時)」であると判断しました。

これにより、患者側はまだ除斥期間が経過していることになり、患者側の敗訴となりました。

除斥期間の起算点をこのように判断した理由について第二審は主に次のように判示しています。

  • HBeSCをもたらす遺伝子変異はB型慢性肝炎患者において高頻度かつ一般的に認められるものであり、肝炎は、HBeSCをもたらす遺伝子変異の前後を問わず、HBVへの免疫反応であることに変わりはない
  • HBe抗原陰性慢性肝炎がHBe抗原陽性慢性肝炎に比較して病状が重いとされるのは、先行するHBe抗原陽性慢性肝炎の結果、肝細胞の線維化と炎症活動が進展しており、さらに、肝硬変や肝細胞がんへの進展リスクとなる40歳以上で慢性肝炎が再燃するからであるにすぎず、そうであれば、HBe抗原陰性慢性肝炎は、HBe抗原陽性慢性肝炎より進んだ病期にあるということはできるものの、より病状が重いとまでは直ちにいうことはできない
  • 近時の治療水準の進歩・改善により、HBe抗原陽性の慢性肝炎とHBe抗原陰性慢性肝炎は、治療内容や治療開始の条件が近接してきているから、HBe抗原陰性慢性肝炎をHBe抗原陽性慢性肝炎と切り離して、質的に重篤なものということはできない

したがって

原告らのHBe抗原陰性慢性肝炎の発症による損害賠償請求権の除斥期間の起算点
=「最初の発症時(HBe抗原陽性慢性肝炎発症時)」

最高裁で二審見直しの可能性

このように二審では患者側が敗訴したわけですが、最高裁に上告がされ、最高裁は2021年2月10日、弁論期日を3月26日に指定しました。
弁論期日が指定されたことにより、二審の見直しの可能性が出てきました。
最高裁の判示が待たれるところです。

【まとめ】

B型肝炎が再発した場合の除斥期間の起算点をいつにするかによって、患者側が貰えるB型肝炎給付金の額は大幅に異なります。

症状給付金(除斥期間経過前)給付金(除斥期間経過後)
死亡・肝がん、肝硬変(重度)3600万円900万円
肝硬変(軽度)2500万円・現に治療を受けている方等→600万円
・上記以外→300万円
慢性肝炎1250万円・現に治療を受けている方等→300万円
・上記以外→150万円
無症候性キャリア600万円50万円

※2020年民法改正により、2020年3月11日までに除斥期間が経過しなかった方については、20年の期間制限の性質が消滅時効に変わりました。

最高裁の今後の判断が注目されます。

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