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高次脳機能障害の等級別にもらえる金額とは?賠償額増額の要点を解説

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交通事故による後遺障害の一つとして、高次脳機能障害があります。
高次脳機能障害とは、ケガや病気により、脳に生じる障害をいいます。
交通事故により高次脳機能障害が生じた場合、加害者に対して慰謝料を請求できます。その金額は、症状の重さごとに定められた後遺障害等級により決まります。
この記事では、交通事故により高次脳機能障害を負った際に請求できる慰謝料額と、金額を増額するためのポイントを弁護士が解説します。

高次脳機能障害とは

高次脳機能障害とは、交通事故で頭部を強打するなどにより脳の一部が損傷し、脳の機能に障害が生じることをいいます。
脳の機能には、

  • 呼吸や循環といった「生きていくために不可欠な機能」
  • 視覚・聴覚などの「基本的機能」
  • 知識に基づいて行動を計画、実行する「高度な機能」

があります。
高次脳機能障害とは、このうち「高度な機能」に障害が生じることをいい、認知や行動に障害が生じたり、性格に変化が起きることもあります。
高次脳機能障害が生じても、外見上の変化は見られず、気づきにくい障害といわれています。
障害の内容はケースによって異なり、判断が難しいこともあります。

高次脳機能障害の3つの症状

高次脳機能障害には様々な症状がありますが、代表的な症状を3つに分けて解説します。

(1)認知障害の症状

まず、認知に関する症状です。具体的には、

  • 新しいことが覚えられない
  • 覚えたことを忘れてしまう
  • 交通事故前の記憶がない
  • 時間や場所がわからなくなる
  • 約束を忘れる
  • 同じことを繰り返し質問する
  • 目の前にあるものを認識できない
  • 空間の感覚をとらえにくい

などが現れます。

(2)行動障害の症状

次に、行動に関する症状です。具体的には、

  • 注意力が落ちる
  • 落ち着きがなくなる
  • 集中力が続かない
  • 我慢することができない
  • 言葉が出にくい、字が書けない
  • ぼんやりしてミスが多い
  • 周囲の状況を見て適切に振る舞えない
  • 段取りをつけて物事を行うことができない
  • やる気が出ない

などが現れます。

(3)性格の変化

最後に、性格の変化として、

  • 怒りっぽくなる
  • すぐに興奮する、暴力をふるう
  • 自己中心的な性格になる

などが現れることもあります。

このように、高次脳機能障害の症状は、日常生活において大きな支障をもたらします。

高次脳機能障害の後遺障害等級認定

交通事故による高次脳機能障害で慰謝料を請求するためには、

  • 医師による高次脳機能障害の診断
  • 後遺障害等級の認定

の2つが必要となります。

  1. 医師による高次脳機能障害の診断
    交通事故により頭部を強打した場合は、病院で早めにCT検査やMRI検査などの精密検査を受けることをおすすめします。高次脳機能障害が認定されるためには、交通外傷によって脳に損傷が生じたことが画像上判断できる必要がありますので、自覚症状がない場合でも、これらの精密検査を受診してください。
  2. 後遺障害等級の認定
    医師による精密検査の結果、高次脳機能障害と診断された場合は、所定の機関(通常は損害保険料率算出機構)に後遺障害等級の認定を申請します。
    後遺障害等級は、症状の重い順から1~14級まであります。高次脳機能障害は、このうち1級・2級・3級・5級・7級・9級のいずれかに該当する可能性があります。
    等級認定の審査は、通常2~3ヶ月で結果が出ることが多いですが、高次脳機能障害は慎重に審査する必要性から、審査に4ヶ月以上かかることもあります。その結果、症状に応じて後遺障害等級が認定されますが、見過ごされやすいという特性があります。
    特に、性格の変化については、それが高次脳機能障害によるものか、単なる気分の変化なのか、判断するのが難しい場合があり、医師の診断に加え、画像上脳の損傷がみられるのか、事故当時意識障害があるのか、症状の推移等を踏まえて高次脳機能障害として後遺障害を認定するのか判断されます。
    そのため、不利な等級認定を受けて、正当な補償が受けられない場合も多くあります。
    適正な等級認定を受けるためには、医師や弁護士と相談し、あらゆる資料の収集および主張を行うことが重要となります。
    その点、交通事故案件の経験が豊富な弁護士は、適正な等級認定を受けるために、どんな資料を集めればより効果的かを知っています。
    交通事故が起きたとき、早めに弁護士に相談するメリットの一つはここにあります。

なお、認定に不満がある場合は、異議申立てをすることもできます。

高次脳機能障害の場合に認定される可能性がある障害等級は、以下のとおりです(自動車損害賠償保障法施行令 別表第1・第2)。

(1)1級1号(要介護)「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの」

  • 高度の痴呆があるために、食事、入浴、用便、着衣など、生命維持に必要な行動すべてについて、常に介護を有する状態
  • 神経や精神に重い障害があり、働くことは不可能

(2)2級1号(要介護)「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの」

  • 一人で外出することが出来ず、排せつや食事などの活動を行うことが出来ても、生命維持に必要な身体動作に全面的に介護が必要な状態
  • 神経や精神に重い障害があり、働くことは不可能

(3)3級3号「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの」

  • 自宅周辺を一人で外出することが出来、また、生命維持に必要な日常行動をある程度一人でできる。しかし、記憶や注意力、円滑な対人関係維持能力などに著しい障害があり、一般就労が全くできないか、困難な状態

(4)5級2号「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの」

  • 神経や精神に重い障害があり、ごく簡単な仕事しかできない状態
  • ごく簡単な仕事でも、一般平均人に比べて作業能力が著しく制限される
  • 就労を維持するためには周囲の理解と援助が必要

(5)7級4号「神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの」

  • 神経や精神に障害があり、簡単な仕事以外はできない状態
  • 簡単な仕事でも、作業の手順が悪かったり、ミスが多いなどのことから、一般平均人と同等の作業をすることができない

(6)9級10号「神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの」

  • 神経や精神に障害があり、就労できる仕事に制限がある状態
  • 一人で仕事を進めることも可能だが、作業効率などに問題がある

等級ごとの高次脳機能障害の慰謝料金額

高次脳機能障害の後遺障害等級が認定されたら、加害者に対して慰謝料を請求することになります(なお、慰謝料の他に入通院慰謝料や逸失利益なども請求できます)。
慰謝料の金額を算定するにあたっては、

  • 自賠責の基準
  • 任意保険の基準
  • 弁護士の基準

という異なる3つの基準があります。
大まかにいうと、

  • 自賠責の基準
    必要最低限の救済を行うことを目的としており、支払額は3つの中でもっとも低く設定されている。
  • 任意保険の基準
    各保険会社が定めている自社独自の支払基準。一般的に自賠責の基準以上ではあるが、弁護士の基準と比べると、かなり低く設定されている。
  • 弁護士の基準(裁判所の基準ともいいます)
    裁判所の判断の積み重ねにより認められてきた賠償額を目安として基準化したもの。一般的に、自賠責の基準や任意保険の基準と比べて高額になる。

というものです。

請求できる金額が高い順に、

弁護士の基準>任意保険の基準>自賠責の基準

となります。

交通事故の加害者に慰謝料を請求する場合、通常は、加害者が加入している任意保険会社と金額を交渉することになります。
その際、被害者が自分自身で交渉すると、加害者側の保険会社は、金額の低い自賠責の基準や任意保険の基準で金額を提示してきます。
これに対して、加害者側の保険会社との示談交渉や慰謝料請求を弁護士が代理して行う場合、金額が最も高い弁護士の基準を用います。
これにより、加害者側の保険会社が提示してきた慰謝料額を増額できる可能性があるのです。
交通事故による示談交渉や慰謝料請求を、弁護士に依頼するメリットはここにもあります。

等級ごとの高次脳機能障害の慰謝料金額は、次のとおりです。

自賠責の基準弁護士の基準
1級1号
(要介護)
1650万円2800万円
2級1号
(要介護)
1203万円2370万円
3級3号861万円1990万円
5級2号618万円1400万円
7級4号419万円1000万円
9級10号249万円690万円

(2020年4月1日以降に起きた事故による場合)

【まとめ】高次脳機能障害など後遺障害の認定や慰謝料はアディーレ法律事務所へご相談ください

高次脳機能障害とは、交通事故などにより脳の一部が損傷し、認知や行動に障害が残ったり、性格に変化が起きる障害のことをいいます。
高次脳機能障害の後遺障害の慰謝料金額は、弁護士の基準と自賠責の基準・任意保険の基準とで大きな差があります。
適正な慰謝料請求のためにも、交通事故の後遺障害認定についてはアディーレ法律事務所までご相談ください。

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