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飲酒運転の罰金とは?飲酒運転における罰則や自動車保険の補償についても解説

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2020年9月22日、アイドルグループ「TOKIO」の元メンバー山口達也氏が酒気帯び運転で現行犯逮捕されました。ニュース映像を視た方の中には、バイクを運転する山口氏のあまりのよろめき具合に「こんな状態で運転したのか……」と不安に感じた人もいるでしょう。それもそのはず、呼気1Lあたり基準値の5倍に相当する約0.7mgのアルコールが検出されたとのことです。今回は「飲酒運転」について弁護士が解説します。

飲酒運転とは?

飲酒運転とは、お酒を飲みアルコールの影響がある状態で運転をする行為です。
アルコールには、たとえ少量でも判断能力を低下させ、反応を鈍くさせる力があります。
そのため、アルコール影響下では、気が大きくなる、ブレーキを踏むタイミングが遅くなる、スピードを出しすぎる、集中力が低下するなどといった運転するのに不適切な症状が起きます。

道路交通法上、「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」の2つが定義されています。
まずはこの2つの規定の違いをお伝えします。

(1)酒気帯び運転

道路交通法65条1項では、次のように規定されています。

何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。

引用:道路交通法65条1項

簡単に言うと、お酒を飲んで運転してはいけないということです。
自動車を運転する行為だけでなく、自転車に乗る行為も含まれます。

どのような状態だと酒気帯び運転として罰せられるか(道路交通法117条の2の2第3号)というと、道路交通法施行令44条の3で次のように規定されています。

法第百十七条の二の二第三号の政令で定める身体に保有するアルコールの程度は、血液一ミリリットルにつき〇・三ミリグラム又は呼気一リットルにつき〇・一五ミリグラムとする

引用:道路交通法施行令44条の3

つまり、次のいずれかに該当する行為を酒気帯び運転といいます。

  • 血液1mLにつき0.3mg以上のアルコールを保有する状態で運転する行為
  • 呼気1Lにつき0.15mg以上のアルコールを保有する状態で運転する行為

個人のアルコール分解速度によっても異なるため、どの程度お酒を飲むと基準値を超えるのか、お酒を飲んだ後どのくらい時間をおけばいいのかは一概にわかりません。
「私はアルコールに強いから大丈夫」「私はお酒を飲んでも普段と変わらないから大丈夫」と思わずに、お酒を飲むなら車を運転しないことを徹底してください。
お酒を飲んだ当日に運転しないのはもちろん、翌朝車を運転する際には、前日の夜にお酒を飲まないようにすることが大切です。

(2)酒酔い運転

酒酔い運転とは、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれのある状態のことを指します。蛇行運転や逆走など冷静な判断力を欠いた人は何をするかわかりません。
正常な運転ができるかどうかは次のような基準で判断されます。

  • 直立できるか
  • まっすぐに歩行できるかどうか
  • ろれつが回っているか、支離滅裂な内容になっていないか
  • 会話を正しく聞き取ることができるか

飲酒運転の罰則・罰金

飲酒運転の罰則は、酒気帯び運転と酒酔い運転のそれぞれで規定されています。
また、飲酒運転をした運転者のみならず、車両提供者・酒類提供者・車両の同乗者にも処罰が科されるため、その内容を解説します。

(1)運転者への罰則・罰金

運転手への刑事罰・行政処分は次の表のとおりです。

刑事罰違反点数行政処分
酒酔い運転5年以下の懲役
又は
100万円以下の罰金
35点免許取消し
及び
欠格期間3年
酒気帯び運転
(呼気1L中のアルコール濃度0.15mg以上0.25mg未満)
3年以下の懲役
又は
50万円以下の罰金
13点免停90日
酒気帯び運転
(呼気1L中のアルコール濃度0.25mg以上)
25点免許取消し
及び
欠格期間2年

※上記行政処分は過去3年以内に運転免許の停止処分を受けたことがない方の場合です。

参照:飲酒運転の罰則等|警視庁

被害者がいなければ罰金で済むケースが多いといえます。酒気帯び運転であれば20万~30万円程度の罰金、酒酔い運転であれば50万円程度の罰金が相場です。
しかし、飲酒運転は厳罰化傾向にあるため、初犯であっても通常裁判となる可能性があります。通常裁判となれば、約2~3ヶ月身柄を拘束されることもあるので、精神的な苦痛は相当なものでしょう。

(2)車両提供者への罰則・罰金

飲酒運転が発覚した際には、運転者以外の周囲の責任も問われます。
道路交通法65条2項では次のように規定されています。

何人も、酒気を帯びている者で、前項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがあるものに対し、車両等を提供してはならない。

引用:道路交通法65条2項

飲酒運転をする可能性のある人に車を貸してはいけない、ということです。

特に車両提供者には、運転者と同じ処分が科される可能性があるため、注意が必要です。

刑事罰
酒酔い運転5年以下の懲役
又は
100万円以下の罰金
酒気帯び運転3年以下の懲役
又は
50万円以下の罰金

(3)酒類提供者及び車両同乗者への罰則・罰金

お店で「ドライバーの人にアルコールは提供しておりません」と聞いたことがあるでしょう。
これは道路交通法65条3項で次のように規定されているからです。

何人も、第一項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがある者に対し、酒類を提供し、又は飲酒をすすめてはならない。

引用:道路交通法65条3項

もし飲酒運転をさせてしまうと、次のような処分が科される可能性があります。

刑事罰
酒酔い運転3年以下の懲役
又は
50万円以下の罰金
酒気帯び運転2年以下の懲役
又は
30万円以下の罰金

飲酒運転だと知りながらその車に同乗した場合にも同様の処分が科される可能性があります。

このように飲酒運転で逮捕されると、周囲の人も捜査に応じなければならず、場合によっては仕事に支障が出る可能性があります。周囲に迷惑がかかるとしっかりと認識して、飲酒運転をしないようにしてください。

(4)飲酒検問を拒否すると罰則・罰金が科される場合がある

通常、警察から職務質問に応じるように求められても拒否することができます。
しかし、飲酒検問におけるアルコールの呼気検査は、応じるか応じないかを運転手が決められるものではなく、警察の求めに応じて実施しなければならないものです(道路交通法67条3項)。もし正当な理由がないのに拒否した場合には、3ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられる可能性があります(道路交通法118条の2)。

(5)飲酒運転中に死傷事故を起こした場合の刑法による罰則・罰金

飲酒運転中に死傷事故を起こした場合には、危険運転致死傷罪あるいは過失運転致死傷罪が適用される場合があります(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律2条、5条)。これらの犯罪の罰則は次の表のとおりです。

成立する犯罪刑事罰
危険運転致死1年以上の有期懲役
危険運転致傷15年以下の懲役
過失運転致死傷7年以下の懲役若しくは禁錮
又は
100万円以下の罰金
(※ただし、ケガが軽い等の事情があれば起訴猶予の可能性あり)

人身事故を起こした場合にアルコールを摂取した事実を隠そうとすると、過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪として、12年以下の懲役に処せられることもあります(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律4条)。

飲酒運転事故における自動車保険の補償について

飲酒運転事故の加害者、あるいは被害者となった場合、保険金が受け取れるのか解説します。

(1)飲酒運転中に事故を起こした又は加害者となった場合

一般的な保険契約において、飲酒運転は保険金の支払われない事由(免責事由)に該当します。お酒を飲めば事故を起こす可能性が高いのに運転したのだから保険会社としては責任を持てないということです。そのため、飲酒運転中に事故を起こした場合、運転者自身の死亡補償や治療費、車への損害に保険金は支払われないのが通常です。もっとも、保険制度における被害者救済の観点から、被害者の損害補償は有効とされるため、被害者に対しては保険金が支払われます。

注意をしたいのは、相手のほうから接触してきたように思える場合であっても、飲酒運転をしていたことで加害者と扱われてしまう可能性が高いことです。
交通事故では双方の運転手にどの程度の不注意があったかを割り出すのですが(過失相殺)、酒気帯び運転であれば「著しい過失」、酒酔い運転であれば「重過失」があったとして扱われ、飲酒運転をしたほうの責任が5~20%重くなる傾向にあります。
ただし、前日飲んだお酒が残っていた場合のように酒気帯び運転に該当しても、正常な運転ができていれば、アルコールが残っていても考慮されないケースもあります。

(2)飲酒運転した車両の被害者となった場合

加害者が飲酒運転をしていれば、被害者側に過失があっても、加害者の過失が大きくなる分だけ相手方の保険会社から受け取れる金額が増える可能性があります。

加害者が飲酒運転をしていたからといって、自身の加入している保険に影響はありません。そのため、相手方の保険だけでなく、自分が加入している任意保険の「人身傷害保険」も使うことができます。人身傷害保険は、ノーカウント事故として扱われるため、保険の等級が下がる恐れもありません。もっとも、生じた損害の金額を超えて加害者からの賠償金と人身傷害保険の保険金を受け取ることはできないため、どちらを受け取るか検討しましょう。
判断に迷う場合には、保険約款を持参して、弁護士に相談することをおすすめします。

【まとめ】交通事故の被害に関するご相談はアディーレ法律事務所へ

飲酒運転に関して、近年厳罰化が進んでいます。特に飲酒運転により人身事故を起こした場合には、初犯であっても実刑判決となる可能性があります。
もしあなたが飲酒運転の車両に接触されてしまったならば、加害者の加入している保険会社と示談交渉を行っていく必要があります。

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