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個人再生の債権者一覧表に記載漏れが!影響と対処法について解説

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個人再生をすると、再生計画の対象となる債権につき、最大10分の1程度まで減額されます。再生計画の対象とするためには、債権者一覧表に債権者名・債権額などを明記しなければなりません。
この場合、もし債権者一覧表に漏れがあったら、どうなるのでしょうか。

場合によっては個人再生が失敗に終わってしまうこともあるので、今回の記事では、「個人再生手続きにおいて債権者漏れがあった場合の影響と対処法」について弁護士が解説します。

この記事の監修弁護士
弁護士 谷崎 翔

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2010年弁護士登録。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。現在、東京弁護士会所属。

民事再生(個人再生)

「個人再生」とは、基本的に大幅に減額された借金を(減額の程度は、借金の額、保有している財産などによって異なります)、通常3年間で分割して返済していくという手続です。

減額後の借金を完済すれば、再生計画の対象となった借金については、原則として法律上返済する義務が免除されます。

(1)個人再生のメリット

個人再生は、任意整理と自己破産の中間に位置する手続きだとイメージすると良いかもしれません。
基本的に任意整理よりも大きく借金を減額してもらえますし(最大借金総額の10分の1)、自己破産と異なり、一定の条件を満たせば不動産などの財産でも手放さずに済む可能性が高いといえます。
自己破産のように、個人再生には手続き期間中就くことのできない職種もありません。

(2)個人再生のデメリット

再生手続開始決定日から一定期間、信用情報機関に事故情報が登録されてしまうといわれています。加えて、国が定期的に刊行している機関紙「官報」にも氏名・住所が掲載されます。

詳しくはこちらの記事もご確認ください。

個人再生をしたらブラックリストに載る?個人再生のメリットは?

個人再生申立てにおける債権者一覧表とは?

「債権者一覧表」という名前の響きから「債権者(例:お金を貸した人)」の一覧表であるとイメージされるでしょう。東京地裁では、一般用と公租公課(税金など)用に分かれており、一般用の債権者一覧表は、この表のとおりです。

さらにくわしく内容をみていきましょう。

(1)債権者一覧表は個人再生の必須書類

個人再生においては、主として次の観点から、債権総額などを調査します。

  • (一定の債権を除き)再生債権の総額が5000万円を超えないか
  • 最低弁済額はいくらなのか
  • (小規模個人再生のみ)書面決議は可決される見込みか

債権総額(現在の残高)のほか、債権者一覧表では、次の項目等について記載します。

  • 債権者名
  • 債権者住所(送達先)
  • 借入始期及び終期
  • 原因使途
  • 保証人
  • 最終返済日
  • 備考(別除権、差押えの有無など)

債権者一覧表に記載した債権者については、債権の届出期間内に債権者の届出がなくても債権者一覧表の記載内容と同一の内容で再生債権の届出があったものとみなされる(これをみなし届出といいます)など、債権者一覧表に記載したこと、あるいは記載しなかったことでさまざまな法的効果が生じますので、債権者一覧表を正しく作成することはとても大切です。

別除権について詳しくはこちらの記事もご確認ください。

別除権(べつじょけん)とは?意味や効果について具体例を用いながら解説

(2)債権総額など一部不明な情報がある場合はどうすればいいの?

誰から借りたのかは覚えていても、いくら支払わなければならないのかが明確でないことも珍しくありません。そのような場合でも慌てる必要はありません。

債権者一覧表に記載する情報は、個人再生手続きの申立ての依頼を受けた弁護士が債権者に債権届出書を提出してもらうなどして調査します。

なお、資料提出に応じなくても債権者に罰則はないものの、一般的な債権者は、資料提出に応じてくれることが多いです。仮に応じてくれなくても、異議を留保したうえで債務者(例:お金を借りた人)の保有する資料や記憶等に基づいておおよその債権総額を記載しておけば問題ないケースが多いといえます。

どの金融機関から借りたのかがわからない場合には、信用情報を取り寄せることで、債権者を把握することができることがあります。

詳しくはこちらの記事もご確認ください。

どこの金融機関から借金したか忘れてしまっても、債務整理はできる?

保証人として負っている履行債務や通販で購入したものの未払い代金などは特に忘れやすいので、注意してください。個人再生を弁護士に依頼した後で請求書が届いた場合には、その代金を支払う前に、弁護士に相談するようにしてください。

(3)債権者一覧表が誤っていたらどうなるの?

債権者一覧表に誤りがあっても、再生手続きの申立て前であれば、個人再生を依頼した弁護士に伝えることで、訂正することが可能です。

ただし、民事再生法上、債権者一覧表の訂正に関する規定は存在しないため、再生手続きの申立てが終わり、裁判所により開始決定がなされた後については、債権者一覧表の訂正は認められません。再生手続きが開始した後は、前述のみなし届出制度の存在やその後の手続の安定などから安易に訂正を認めるわけにはいかないからです。

もっとも、再生手続きの申立て後の開始決定がなされる前の段階で、債権者一覧表の記載に明らかな誤記があり、それが本人の勘違いによるものであったことが判明した場合などごく一部の例外的なケースにおいては、裁判所の裁量により、債権者一覧表の訂正が認められることもありえます。

このように、再生手続き開始後に債権者漏れがあることが判明しても、その訂正は認められませんので、この場合には、当該債権者に連絡して、届出をしなかった場合の不利益などを説明して、早急に債権届出をするように促すなどの対処をすることになります。

債権者一覧表は非常に重要な資料であるため、個人再生を弁護士など専門家に依頼して、正確を期したうえで提出することをおすすめします。

開始決定後に債権者漏れが発覚した場合の対処法

債務者が知っている債権者の記載漏れが発覚した場合で、債権者からの届出もなかった債権については、一定の条件の下で再生計画に含めることが認められています(自認債権(じにんさいけん)として扱うこととなります)。

しかし、通常の届出債権と異なり、自認債権には議決権がないなど扱いが異なります。

また、自認債権は再生計画における最低弁済額を画定するための基礎となる金額には含まれないので、債務者にとっても、債権者漏れで自認債権を生み出してしまうことによって、債権者を正確に申告していた場合の弁済額よりも高い金額を月々支払わなければならなくなる問題が生じうるため、注意が必要です。

債権者一覧表に記載のない再生債権の存在を知りながら自認債権としない場合、当該債権は再生計画から除外されるため、個人再生の手続き中弁済することができません。

また、このような場合、再生計画の不認可事由(民事再生法174条2項1号参照)となり、手続きが頓挫するリスクもありますので、具体的な事情によるとはいえ、結局は自認債権として扱わざるを得ないケースが多いといえるでしょう。

思わぬ不利益を被らないためにも、正確な債権者一覧表を作成することが大切です。

【まとめ】個人再生でお悩みの方はアディーレ法律事務所にご相談ください

今回の記事では、とても専門的なことをご説明しました。なかなか理解するのが難しかったかもしれません。

大切なことは、「債権者漏れをしない」ことです。債権者を全てきちんと弁護士に伝えて、また、弁護士からの質問には正直に答えるようにしてください。最大限注意していたのに債権者一覧表に漏れがあったとすれば、その段階に応じて適切な対応をする必要があります。個人再生を弁護士に依頼した後、請求書がお手元に届いたなど弁護士に申告していない債権者を思い出したならば、速やかに弁護士にお伝えください。

個人再生については、手続きの中で専門的な知識が要求される場面が極めて多いといえます。そこで、スムーズに個人再生手続きを進めるためには、個人再生を申立てる前から弁護士によるアドバイスを受けることをおすすめします。

現在借金問題でお悩みを抱えており、個人再生に関心のある方はアディーレ法律事務所へご相談ください。

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この記事の監修弁護士
弁護士 谷崎 翔

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2010年弁護士登録。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。現在、東京弁護士会所属。

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