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自己破産後の復権とは?制約を解除させるための方法を紹介

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自己破産手続きを進めるには、いくつかの制限があります。
その最たるものが「制限職種」です。
たとえば、私たち弁護士は、裁判所が破産手続きの開始決定を出すと弁護士の資格を失います。
破産手続きによる資格制限職種とその期間について「復権」と絡めて解説します。

破産による制限職種とは?

弁護士法7条4号では、弁護士となれない者について次のとおり規定しています。

次に掲げる者は、(中略)弁護士となる資格を有しない。

破産者であって復権を得ない者

引用:弁護士法7条5号

つまり、破産手続き開始の決定を受けてから「復権」するまで弁護士になれません。
このように破産手続き中に就くことのできない仕事や資格を「制限職種」といいます。

自己破産における制限職種の例

大きく分けて、制限職種には次の2種類があります。

  • 法律上当然に資格の制限を受けるもの
  • 一定の手続きによって資格が使えなくなるもの

破産をするという理由だけで解雇されることはないため、制限職種で働いている場合には、破産することを勤務先に相談するのがいいでしょう。場合によっては、配置転換などで一時的に資格を必要としない仕事をさせてもらえる可能性があります。

(1-1)法律上当然に資格の制限を受けるもの

たとえば、次の職種では制限職種が定められています。

  • 公認会計士(公認会計士法4条4号)や税理士(税理士法4条2号)など士業
  • 警備員(警備業法14条1項)
  • 公証人(公証人法14条2号)
  • 交通事故相談員(交通安全活動推進センターに関する規則4条1項2号)

他人の秘密など機密情報を扱う仕事に制限職種が多い傾向にあります。

取った資格を一時的に使えないだけなので、改めて資格を取りなおす必要はありません。

(1-2)一定の手続きによって資格が使えなくなるもの

法律上当然にその仕事をできなくなるケース以外に、一定の手続きが必要なケースもあります。

法人である特定保険募集人と異なり(保険業法280条1項4号参照)、個人的に生命保険の外交員をしている人が破産するからといって、内閣総理大臣に届け出なければならないわけではありません。もっとも、内閣総理大臣は、事案に応じて登録を取り消すか、そのまま仕事を続けさせるか、停止させるか等の登録を取り消すか判断することができます(同法307条1項1号)。

自分の仕事が制限職種にあたるかを知りたい場合には、「〇〇(自分の仕事)制限職種」と検索するのがいいでしょう。ただし、見つかった情報が正しいとは限らないので、検索して見つかった情報を頼りに一度根拠条文を確認してみてください。
たとえば、「弁護士 制限職種」と検索すると、いくつかのサイトで「制限職にあたる(弁護士法7条4号)」などと書かれていますので、e-Govの「弁護士法」で7条4号をみます。そうすると、制限職種にあたることがわかります。

自己破産の法律相談を受けたとき、弁護士はその方の仕事が制限職種かをチェックします。
そのため、借金でお困りならばひとまず弁護士に相談して、制限職種にあたるかのチェックを含めて、弁護士に債務整理の方針を任せるのも1つの方法です。

自己破産者の復権とは?

破産手続きを進める場合、裁判所に申立書など必要書類を提出します。
その後、裁判所が破産手続きの開始を決定すると、債務者は法律上破産者の地位に置かれます。
弁護士法でみたように、この時点が制限職種のスタートです。

制限職種は、「復権」まで続きます。
復権とは、いわば自分の好きな仕事に就ける“権”利を回“復”することです。
簡単に言えば、破産者でなくなることを「復権」と呼びます。

復権には2つの種類がある

復権には、当然復権と申し立てによる復権の2種類があります。

(1)手続きが必要ない「当然復権」

破産者の多くが特別な手続きを要しない「当然復権」によって、破産者の地位から解放されます。

当然に復権するのは、次の4つのいずれかに該当するケースです(破産法255条1項)。

  1. 免責許可の決定が確定したとき
  2. 破産手続が同意廃止決定で確定したとき
  3. (破産手続き中に民事再生手続きが開始された場合)再生計画認可の決定が確定したとき
  4. 破産手続開始の決定後に詐欺破産罪の有罪確定判決を受けることなく10年を経過したとき

裁判所に自己破産を申し立てると、1.少額管財と2.同時廃止のいずれで手続きを進めるかが決められます。いずれの場合であっても、特に問題なければ1.免責許可の決定または2.同意廃止決定の確定により、破産者の地位から解放され、制限職種ではなくなります。
免責許可の決定とは、裁判所が破産を認めて借金の返済義務を免れることをいいます。

簡単に言うと、破産手続きによって一時的に職業の制限を受けるものの、多くの人がそのまま再び自分の好きな仕事に就けるようになるということです。制限職種を受ける期間は、事案によって多少異なるものの、4ヶ月から8ヶ月ほどです。

破産者が財産を隠した場合や破産者が収入に見合わない浪費を続けた場合などには、裁判所が免責を認めない決定を下します。そうなると、当然には復権しません。
その場合、借金の返済義務から免れるためには、民事再生手続きを申し立てることになります。
そして、再生計画認可の決定が確定すれば、制限職種はなくなります。

再生で申し立てずに自分で借金を返済する場合には、詐欺破産罪の有罪確定判決を受けることなく10年を経過したときに制限職種はなくなります。

警備員など制限職種に就かない場合には、復権しなくても、不都合はないかもしれません。
もっとも、法律上破産者の地位に置かれたままなのが気になる人もいるでしょう。

もし自分が復権したのかを知りたければ、本籍地のある市区町村役場の窓口で身分証明書(破産者等に該当しないこと、成年被後見人でないことの証明)をもらいます。ただし、1通300円しますので、必要がなければあえて請求しなくてもよいでしょう。

(2)手続きが必要な「申し立てによる復権」

当然復権をしない人が復権するには、別途復権を申し立てることが必要です。
破産法256条1項には、申し立てによる復権について以下のように規定されています。

破産者が弁済その他の方法により破産債権者に対する債務の全部についてその責任を免れたときは、破産裁判所は、破産者の申立てにより、復権の決定をしなければならない。

引用:破産法256条1項

親族から援助を受けて借金をすべて返済した場合のようにすべての債務がなくなった後に、破産者が復権を申し立てたときには、裁判所は復権を認めなければなりません。

【まとめ】自己破産についてのご相談はアディーレ法律事務所へ

破産手続きでは、弁護士や警備員など一定期間仕事をできない職種があります。
一般的に仕事に就けない期間は、破産の開始決定から「復権」までです。
復権には、当然復権と申し立てによる復権の2種類があります。
特に問題なければ、破産の開始決定から復権までそのまま進んでいきます。
もっとも逆に問題があると、復権までに破産手続きが頓挫してしまう可能性もあります。
自己破産についてお悩みならば、アディーレ法律事務所へご相談ください。

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