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無給休暇とは?特別休暇や欠勤との違い、問題視される理由も解説

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無給休暇は有給休暇の反対の言葉であり、無給休暇をとると、その間、賃金が支払われません。
慶弔休暇、リフレッシュ休暇などの特別休暇の場合、会社によっては無給休暇となります。

また、新型コロナウイルスの影響で会社が休業するときに、労働者に無給休暇を取らせようとする会社もあります。
しかし、新型コロナウイルスの影響で会社が休業するからといって、必ずしも無給休暇になるわけではありません。

無給休暇について、弁護士が解説します。

この記事の監修弁護士
弁護士 髙野 文幸

中央大学卒、2006年弁護士登録。アディーレ入所後は残業代未払いの案件をメインに担当し、2018年より労働部門の統括者。「労働問題でお悩みの方々に有益な解決方法を提案し実現すること」こそアディーレ労働部門の存在意義であるとの信念のもと、日々ご依頼者様のため奮闘している。現在、東京弁護士会所属。

拡大が懸念される「無給休暇」

新型コロナウイルスの流行に伴い、景気が急速に悪化しています。
景気が悪化すると、「無給休暇」(賃金がもらえない休暇)を拡大する企業が増えることが懸念されます。
働く人は、この無給休暇の法律的な位置づけや注意点を把握しておく必要があります。

労働基準法における休暇と休日の違い

無給休暇について考えるときには、まず休日と休暇の違いについて知っておく必要があります。

(1)休日とは?

休日は、労働者が労働義務を負わない日のことです。
労働基準法では原則として1週間に1日以上の休日を与えることを義務付けています。
この原則として1週間に1度の休日のことを、法定休日と呼びます。
この他に、企業が就業規則などで独自に定めた所定休日があります。
例えば、週休2日を採用している会社の場合、原則として、休日の内1日は法定休日、残り1日は所定休日になります。

法定休日と所定休日とでは、休日に労働した場合の割増賃金率が違います。
法定休日に労働した場合は、割増率は35%以上となります。
所定休日に労働したことで、労働時間が1週40時間を超えると、原則として時間外労働となり、25%以上の割増率になります(なお、時間外労働の合計時間が60時間を超えた部分は、割増率は50%以上となります)。

(2)休暇とは?

休暇は、本来は労働の義務があるものの、労働者の申請によって義務が免除される日のことです。
無給休暇も、休暇に含まれます。

休暇には次の2種類があります。

  • 法定休暇:法律で与えることを義務付けられた休暇
  • 特別休暇:企業が独自に定める休暇

(2-1)法定休暇

法律で与えることを義務付けられた法定休暇には、以下のようなものがあります。

年次有給休暇
産前休業と産後休業
生理休暇
育児休業
子どもの看護休暇
介護休暇
介護休業

(2-2)特別休暇

企業が独自に就業規則や労働契約などで決められる特別休暇には、例えば、以下のようなものがあります。

慶弔休暇
夏季休暇、冬季休暇
リフレッシュ休暇
転勤時休暇および異動休暇
誕生日休暇
アニバーサリー休暇
ボランティア休暇
病気休暇
教育訓練休暇
裁判員休暇

無給休暇とは?

無給休暇とは、賃金が発生しない休暇の総称です。
賃金支払いだけに着目すると、休んでも一定の賃金がもらえる年次有給休暇とは異なるということになります。

(1)無給休暇の具体例

無給休暇の特徴は、会社が独自に定める慶弔休暇などを例に考えるとわかりやすいです。
慶弔休暇は、有給としている会社も多いですが、無給休暇としても違法ではありません。

慶弔休暇などの特別休暇は会社独自の制度であるため、有給とするか無給とするかは会社によって異なるのです。

(2)無給休暇と欠勤の違い

無給休暇について考えるときには、欠勤との違いも頭に入れておく必要があります。
まず、欠勤とは、出勤しなければならない義務がある日に勤務を休むことです。
具体的には、契約における労働提供義務の不履行を意味します。
例えば、会社から与えられた休暇(年次有給湯汲かなど)を使い切ってしまい、風邪などで
それ以上休むときには欠勤扱いになります。
また、多くの企業の就業規則では、会社への連絡がない無断欠勤が続いた場合に懲戒処分に
することも多いです。
欠勤した場合は、当然のことながら無給になります。

「無給で会社を休む」という意味では、無給休暇と欠勤には似た側面もあります。
しかし無給休暇は、あくまでも会社側が認めた休暇であるため、きちんと手続きを踏んで無
給休暇を取る限り、懲戒処分の対象ともなりません。

このように、欠勤と、無給休暇は基本的に異なるものです。
また、無給休暇は賃金支払いがないと言っても、雇用されている限りは自由に取得できるも
のではありません。あくまで会社が認めた範囲内でしか取得できません。

新型コロナウイルスによる無給休暇の問題

2020年以降に問題になっているのが、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言や要請で会社が事業を休止する場合に、従業員に賃金を支払わず仕事を休ませるという無給休暇に近い状況が一部で発生していることです。

これは、「賃金を払わない休み」という点で無給休暇と共通点がありますが、従業員が希望して取得する休暇ではないことから、本来の無給休暇とは異なるものです。

しかし、会社自体が休業になってしまうことから、多くの労働者が企業側にどのような主張をするべきかを頭を悩ませる事例でもあります。

新型コロナウイルスによる会社の休業に伴い、従業員が休まざるを得ない場合は、会社が休業手当(労働基準法26条)を払うべきかどうかという点が問題となってきます。

参考:新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)|厚生労働省

緊急事態宣言などによる休業では本当に無給休暇になる?

使用者の責めに帰すべき事由(会社都合)により労働者が休業した場合に、使用者は、当該労働者に対し休業手当を支払わなければなりません(労働基準法第26条)。
休業手当の額はおおよそ賃金の60%です(正確には、平均賃金の60%)。

新型コロナウイルスの影響で会社が休業せざるを得なくなった場合に、会社が休業手当を支払う必要があるのかそれとも無給休暇になるのかはケースバイケースです。

会社では如何ともしがたい「不可抗力」による休業の場合、会社には休業手当を支払う必要がありません。
この「不可抗力」に該当するには、次の2つの条件をいずれも満たす必要があります。

  • 【外部起因性】
    休業が、事業の外部の事情に起因するものであること
  • 【防止不可能性】
    事業主が通常の経営者として最大限の注意を尽くしても、避けることのできない休業であること

休業が不可抗力と判断されれば休業手当の支払い義務は生じません。
しかし、単に「仕事が減った」という理由だけでは会社都合による休業と捉えられ、休業手当を支払わなければならない可能性があります。

また、在宅勤務などにより労働者を働かせることが可能であるにもかかわらず、休業をした場合には、「使用者の責に帰すべき事由による休業」として、休業手当(労働基準法26条)の支払が必要となることがあります。

【まとめ】無給休暇でお悩みの際には労働基準監督署等にご相談ください

以上の通り、会社が独自に定める、慶弔休暇などの特別休暇の場合、無給休暇となるか否かは会社によって異なります。
就業規則などを確認して、特別休暇を取った場合に賃金がもらえるか事前に調べておくとよいでしょう。

また、新型コロナウイルスの流行により、景気が急速に悪化する中、事業の休止・縮小に伴い、無給休暇を労働者に取らせようとする動きが拡大することが懸念されています。
新型コロナウイルスにより会社が休業したからといって必ずしも無給休暇となるわけではありません。
ケースによっては、賃金のおおよそ60%が支払われる休業手当の対象となることがあります。

会社側から告げられた無給休暇の内容に納得できなかったり、休業手当の支払いで問題があったりする場合は、労働基準監督署などにご相談ください。

参考:全国労働基準監督署の所在案内|厚生労働省

この記事の監修弁護士
弁護士 髙野 文幸

中央大学卒、2006年弁護士登録。アディーレ入所後は残業代未払いの案件をメインに担当し、2018年より労働部門の統括者。「労働問題でお悩みの方々に有益な解決方法を提案し実現すること」こそアディーレ労働部門の存在意義であるとの信念のもと、日々ご依頼者様のため奮闘している。現在、東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

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