あなたの法律のお悩み一発解決サイト
リーガライフラボ

失業保険で会社都合・自己都合の場合は何が違う?受給額や受給方法も解説

作成日:更新日:
リーガライフラボ

退職理由が会社都合であるのか、自己都合であるかによって、失業保険の受給額や受給日数等が変わってくることがあります。
また履歴書の内容も異なってきます。
会社都合と自己都合の違い、失業保険の受給方法など、弁護士がわかりやすく解説します。

会社都合退職と自己都合退職の違い

会社都合退職と自己都合退職という言葉はよく耳にしますが、その意味をご存じですか?
会社都合退職と自己都合退職の違いについて、詳しく解説します。

(1)会社都合退職とは

会社都合退職とは、倒産や解雇等の会社側の都合によって労働者との雇用関係が終了する場合をいいます。
例えば、次のような理由にて離職した場合が、会社都合退職にあたります。

  1. 倒産による離職
  2. 退職者が大量に出たことによる離職
  3. 事業所の廃止に伴う離職
  4. 事業所の移転により、通勤することが困難となったことによる離職
  5. 会社から解雇されたことによる離職(自己の責めに帰すべき重大な事由に基づく解雇、例えば故意に会社に損害を与えるなどして懲戒解雇されたときは、これに該当しません。失業保険給付の手続上は自己都合退職と同様に扱われます。)
  6. 労働契約の締結に際し明示された労働条件が事実と著しく違っていたことによる離職
  7. 3分の1以上の賃金(退職手当を除く)の不払いがあったことによる離職
  8. 労働者が予見できない事由により、15%以上、賃金がカットされたことによる離職
  9. あまりにも長い残業による離職
  10. ハラスメントを受けたことによる離職
  11. 退職勧奨を受けたことによる離職(従来から恒常的に設けられている早期退職優遇制度等に応募しての離職の場合はこれに該当しません。自己都合退職となります。)
  12. 会社のせいで会社の休業が3ヶ月以上となったことによる離職
  13. 会社の業務が法令に違反したことによる離職

参考:特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準|厚生労働省

(2)自己都合退職とは

自己都合退職とは、労働者側の都合で退職する場合をいいます。
例えば、次のような理由による離職が自己都合退職となります。

  1. 結婚や育児、看護など、家庭の事情による離職
  2. より好待遇の会社を求めての離職

失業保険(失業給付金)の支給における会社都合退職と自己都合退職の違い

一般的に「失業保険」「失業手当」と呼ぶものは、「失業給付金」というものです。
退職理由が会社都合か、自己都合かによって、この失業給付金を支給される際に、違いが生じます。
また、履歴書の記載内容も異なってくることがあります。
これらの違いについて解説いたします。

参考:雇用保険手続きのご案内|ハローワークインターネットサービス

(1)失業保険(失業給付金)の支給日が異なる

会社都合退職か、自己都合退職かで、失業保険(失業給付金)の支給日は、以下のように異なります。

【受給開始日数】※下記の待期期間・給付制限期間の他に、振り込まれるまでに約1ヶ月前後かかるのが通常です。

自己都合退職は失業手当(基本手当)を受給できるまで2~3ヶ月間の給付制限期間がありますので、その分、受給開始時期が遅くなります。

  • 会社都合退職:7日(待期期間)経過後
  • 自己都合退職:
    2020年9月30日までに離職→3ヶ月(給付制限期間)+7日(待期期間)経過後
    2020年10月1日以降に離職→原則2ヶ月(給付制限期間)+7日(待期期間)経過後
    例外(※)3ヶ月(給付制限期間)+7日(待期期間)経過後
    ※例外(3ヶ月+7日経過後)となるのは以下の場合です。
    ・自己の責めに帰すべき重大な理由で離職した場合(横領したことで離職した場合など)
    ・5年間で3回以上の正当な理由のない自己都合退職をした場合

以下の理由で離職した場合は、「特定理由離職者」として、会社都合と同じように給付制限期間なしに受給できます(その他にも一定の要件を満たす必要があります)。

  1. 期間の定めのある雇用契約の期間が満了し、かつ、労働者が当該雇用契約の更新を希望しても、更新されないため離職した場合(当初から契約の更新をしないと明示されている場合は除く)
    「契約を更新することがある」など、雇用契約を必ず更新するとは明示されていない場合において、労働者が更新を希望したが、更新されず離職すると、これに該当します。
  2. 次のような正当な理由のある自己都合により離職した場合
    ・体力の不足、病気・ケガ等による離職
    ・妊娠、出産、育児等により離職し、受給期間延長の措置を受けた場合
    ・家庭の事情が急変したことによる離職
    ・通勤不可能又は困難となったことによる離職
    ・企業整備による人員整理等で希望退職に応じて離職した場合(特定受給資格者に該当しない場合) 等

なお、2020年2月25日以降に新型コロナウイルスの影響により、一定の事情に基づいて自己都合離職された方は、 正当な理由のある自己都合離職として給付制限期間がなくなりました(2020年11月9日時点)。
その他、災害等があると、特例的に、給付制限期間などが変更されることがありますので、最新情報にご注意ください。

参考:「給付制限期間」が2か月に短縮されます|厚生労働省
参考:新型コロナウイルス感染症に伴う雇用保険求職者給付の特例のお知らせ|厚生労働省

(2)失業保険(失業給付金)の受給要件が異なる

会社都合退職か、自己都合退職、特定理由離職者かで、失業保険(失業給付金)の受給条件も異なります。

  • 会社都合退職、特定理由離職者の場合:
    雇用保険被保険者として退職日以前1年間に最低6ヶ月以上働いた期間があること
  • 特定理由離職者以外の自己都合退職の場合:
    雇用保険被保険者として退職日以前2年間に最低12ヶ月以上働いた期間があること

なお、退職理由がどちらであったとしても、「再就職の意思・能力があるが就職できない状態であること」が、失業保険(失業給付金)の受給の条件です。
例えば、病気のためすぐに再就職できる状態にない場合は、失業保険(失業給付金)を受給できません。

(3)失業保険(失業給付金)の給付日数と給付金額の違い

会社都合退職か、自己都合退職かなどによって、失業保険(失業給付金)の給付日数と給付金額は、次の通り異なります。

【給付日数】
※2017年4月1日以降に離職した場合
※障害者等一定の方は、「就職困難者」に該当し、以下の給付日数とは異なる給付日数となります。

退職理由年齢被保険者であった期間
1年未満1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
会社都合
退職
30歳未満90日90日120日180日
30歳以上
35歳未満
120日180日210日240日
35歳以上
45歳未満
150日240日270日
45歳以上
60歳未満
180日240日270日330日
60歳以上
65歳未満
150日180日210日240日
自己都合
退職(原則)
65歳未満90日90日120日150日

このように、会社都合退職の場合、給付日数が90~330日ですが、自己都合退職の場合、原則として、給付日数が90~150日となります。

なお、会社都合退職の理由に該当しない場合でも、2009年3月31日から2022年3月31日までの間に離職した次の方は、所定給付日数が会社都合退職の場合と同様となります。

期間の定めのある雇用契約の期間が満了し、かつ、労働者が当該雇用契約の更新を希望しても、更新されないため離職した場合(当初から契約の更新をしないと明示されている場合は除く)

なお、新型コロナウイルスの流行に伴い、離職日や離職理由などの一定の要件を満たすと、上記の給付日数が30~60日延長されることがあります(2020年11月9日時点)。

参考:新型コロナウイルス感染症等の影響に対応した 給付日数の延長に関する特例について|厚生労働省

【給付金額】
1日当たりの給付金額は、会社都合と自己都合退職とで変わりませんが、上記の通り、給付日数が異なります。
そのため、全期間を通しての給付金の最大金額が次のように異なります(2020年3月1日現在)。

  • 会社都合退職の場合、給付金額は最大約275万円
  • 自己都合退職の場合、給付金額は最大約125万円(原則)

1日あたりの給付金額は、年齢や在職中の賃金によって異なります。

参考:雇用保険の基本手当日額が変更になります~令和2年3月1日から~ | 厚生労働省

(4)履歴書の記載内容が異なる

履歴書に会社都合退職であるか、自己都合退職であるかを記載することになります。
自己都合退職の場合には、一身上の都合で退職と書くのが一般的です。
どちらの場合が有利となるのか不利となるのかは、ケースバイケースです。
面接官への答え方も印象を大きく左右します。
面接官に退職理由を聞かれた場合に、きちんと答えられるようにしておきましょう。

【会社都合退職と自己都合退職の比較(特例は除く)】

会社都合退職自己都合退職(特定理由離職者の場合を除く)
支給日7日経過後2~3ヶ月+7日経過後
受給要件退職以前1年間で
被保険者期間が6ヶ月以上
退職以前2年間で
被保険者期間が12ヶ月以上
給付日数90~330日90~150日
給付金額(最大)約275万円約125万円
履歴書会社都合一身上の都合

失業保険(失業給付金)の手続き方法

次に、失業保険(失業給付金)の受給のために必要な手続きをご説明します。

1.必要書類の準備(離職証明書の発行を受けるなど事前準備)
2.ハローワークに失業手当申請に行く
3.雇用保険受給者説明会への参加
4.失業認定日に求職活動の報告をする
5.失業手当を受給する

(1)必要書類の準備(離職証明書の発行を受けるなど事前準備)

離職票には、退職者(離職者)が記入したり、押印したりする欄がありますので、記入・押印しましょう。

この際、離職票の退職理由の記載に間違いがないか確認しましょう。
退職理由が会社都合なのか自己都合なのか判断するのはハローワークです。
離職票の記載に誤りがあるのに、そのままにしておくと、誤った内容で退職理由が判断されてしまいかねません。
会社に離職票の訂正を交渉したり、離職者が記入する欄に、正しい退職理由を記載したりするようにしましょう。
会社の記載と異なる退職理由を主張する場合には、ご自身の主張を裏付ける証拠も集めておきましょう。
離職票と一緒にその証拠をハローワークに提出することになります。

(2)ハローワークに失業手当申請に行く

失業手当申請の際には、以下のものをハローワークに持参しましょう。

  • 離職票
  • 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
  • 最近の写真2枚(縦3.0センチメートル×横2.5センチメートル)
  • 印鑑
  • 本人名義の預金通帳又はキャッシュカード

離職票の離職理由に異議がある場合は、この失業手当申請の際に、必ず、異議があることをハローワークにその旨伝えましょう。

(3)雇用保険受給者説明会への参加

雇用保険受給者説明会には、指定された日時に、必ず参加しましょう。
この際、以下のものを持参しましょう。

  • 雇用保険受給資格者のしおり(申請の際に手渡されます)
  • 印鑑
  • 筆記用具

(4)失業認定日に求職活動の報告をする

4週間に1度、指定された日に、ハローワークへ行き、求職活動の報告をする必要があります。
一定回数以上の求職活動をしていないと、失業保険(失業給付金)を受け取ることができなくなってしまうことがありますので気を付けましょう。
求人情報の閲覧だけでは求職活動とは認められず、

  • 求人への応募
  • ハローワークが行うセミナーの受講
  • 再就職に役立つ国家試験や検定試験の受験

など、一定の活動をしていないと求職活動とは認められません。
何が求職活動に該当するのか、事前に確認しておきましょう。

(5)失業保険(失業給付金)を受給する

(4)の失業の認定を行った日から、通常5営業日で、失業保険(失業給付金)が振り込まれます。

離職証明書の準備やハローワークに行くなど意外と手間がかかるので、早め早めに手続きを進めましょう。

参考:雇用保険の具体的な手続き|ハローワークインターネットサービス

【まとめ】失業保険(失業給付金)についてお困りの方は専門家へ

いかがでしたか?
会社都合退職と自己都合退職とでは、失業保険(失業給付金)の内容に違いがあります。履歴書の記載内容も異なってきます。
会社都合退職と自己都合退職の違いを押さえ、離職票の退職理由に間違いがないか、きちんと確認しましょう。
そして、失業保険(失業給付金)の手続きを理解して、早めに手続きを行いましょう。
失業保険(失業給付金)についてお困りの方は専門家にご相談ください。

よく見られている記事

残業代請求・退職代行に関する
ご相談は何度でも無料

0120-610-241

朝9時〜夜10時・土日祝も受付中

メールでお問い合わせ