近年、動画配信やライブ配信の人気が急上昇し、それに伴い「投げ銭」という視聴者から配信者への金銭的支援も一般的になっています。
しかし、この投げ銭が原因で借金を抱え、深刻な経済的問題に直面する人も増えているようです。
この記事では、投げ銭の仕組みや、投げ銭による借金が自己破産に与える影響について弁護士が解説します。
この記事を読んでわかること
- 投げ銭の仕組みと現状
- 投げ銭による借金が自己破産に与える影響
- 自己破産以外の借金解決方法

ここを押さえればOK!
しかし、投げ銭が原因で借金を抱えるようになるケースがあり、少額の支出が積み重なって大きな金額になることもあります。
自己破産は借金の返済が困難な状況に陥った人が裁判所を通じて借金の免除を求める法的手続です。浪費やギャンブルによる借金は免責不許可事由に該当する可能性がありますが、裁量免責により裁判所の判断で免責が認められることもあります。
自己破産以外にも借金を解決する方法として、任意整理や個人再生があります。任意整理は債権者と交渉して返済額を減らす方法で、裁判所を通さずに行えるため手続が比較的簡単です。個人再生は裁判所を通じて借金の一部を減額し、残りを分割返済する方法で、住宅ローンの残った自宅を手放さずに済む可能性があります。
投げ銭が原因で自己破産をする場合、投げ銭をきっぱりやめることが重要です。
また、手続を誠実に進めることも重要です。正確な情報を提供し、必要な書類や証拠を迅速に提出するようにしましょう。
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早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。
投げ銭とは?その仕組みと現状
投げ銭とは、視聴者が動画配信者やライブ配信者に対して、感謝や応援の気持ちを込めて金銭を送る行為を指します。この行為は、古くから存在する「チップ」や「寄付」のデジタル版とも言えるでしょう。
特に、YouTubeやニコニコ生放送などのプラットフォームで広く利用されており、視聴者がリアルタイムで配信者に対して金銭を送ることができる仕組みが整っています。
投げ銭の仕組みは非常にシンプルです。視聴者はプラットフォーム内で購入したポイントやクレジットカードを使うなどして、配信者に対して一定額の金銭を送ることができます。配信者はその金銭を収益として受け取ることができ、視聴者からの応援が直接的な収入源となっています。このため、多くの配信者が投げ銭を重要な収入源として位置付けており、視聴者とのコミュニケーションを深めるための手段としても活用しています。
投げ銭がよく利用されるようになった一方、投げ銭が原因で借金を抱えるケースも生じています。投げ銭は一見、少額の支出に見えますが、積み重なると大きな金額になることがあり、注意が必要です。
投げ銭が原因で借金が膨らむ理由
投げ銭が原因で借金が膨らむ理由は、主に心理的な要因と経済的な管理不足にあります。
まず、投げ銭は視聴者が配信者とのつながりを感じる目的や、自己表現の一環として行われることがあり、そのような感情的な高揚感が支出を促進しやすくしています。このため、ついつい予算を超えて投げ銭をしてしまうことが少なくありません。
また、投げ銭は少額から始められるため、気軽に行える一方で、積み重なると大きな金額になります。さらに、クレジットカードを利用することで、実際の支出感覚が薄れ、返済能力を超えた借金を抱えるリスクが高まります。
これらの要因が重なり、投げ銭が原因で借金が膨らむケースが生じているのです。
投げ銭による借金で自己破産は可能か?
投げ銭が原因で借金が膨らんでしまった場合、自己破産が認められないのではないかと心配する方がいます。
そこで、自己破産の概要や、借金の理由が投げ銭であることが自己破産に影響する可能性について解説します。
(1)自己破産の概要
自己破産は、借金の返済が困難な状況に陥った人が、裁判所を通じて借金の免除を求める法的手続です。この手続により、借金の返済義務が免除されることを「免責」と言います。
しかし、全てのケースで免責が認められるわけではなく、「免責不許可事由」と呼ばれる特定の条件に該当する場合、免責が許可されないことがあります。
(2)投げ銭による借金が自己破産に与える影響
代表的な免責不許可事由のひとつは、浪費やギャンブルによる借金です。
ライブ配信者への投げ銭も、浪費として、免責不許可事由に該当する可能性があるでしょう。
もっとも、免責不許可事由に該当するからといって、必ずしも免責が認められないとは限りません。
裁量免責といって、免責不許可事由があっても裁判所の判断で免責を認めてくれることがあります。
もちろん、裁量免責が認められるかどうかは個々のケースによりますが、自己破産の場合、免責が許可される割合は非常に高いです。
自己破産以外の借金解決方法
自己破産は最終手段として考えられるべきですが、ほかにも借金を解決する方法がいくつか存在します。
いずれの方法を採用するにしても、まず自分の経済状況や返済能力を正確に把握し、弁護士など専門家のアドバイスを受けることが重要です。
(1)任意整理
任意整理とは、個々の債権者と交渉し、毎月の返済額を減らすことや、今後発生するはずだった利息をゼロにすることなどを求める方法です。
この任意整理は裁判所を通さずに行えるため、手続が比較的簡単で、場合によっては特定の債権者を手続の対象としないなど、比較的柔軟に対処できるというメリットがあります。
(2)個人再生
個人再生とは、裁判所を通じて借金の一部を減額し、残りを原則3年間(最長5年間)で分割返済する方法です。
個人再生の場合、条件を満たしていれば、住宅ローンの残った自宅を手放さず、それ以外の負債を減額できる可能性があります。
投げ銭による自己破産で注意すべきこと
投げ銭が原因で借金が膨らみ、自己破産をする場合に特に注意したい点について解説します。
(1)投げ銭をきっぱりやめる
裁判所に免責を認めてもらうためには、投げ銭をきっぱりやめることが必要です。
まず、自分の支出を見直し、投げ銭に使っていた金額を把握することから始めましょう。
次に、投げ銭を行っていたプラットフォームのアカウントを削除するか、一時的に利用を停止することで、誘惑を断ち切るのもひとつの方法です。
また、投げ銭に代わる健全な趣味や活動を見つけることも効果的です。家族や友人に状況を説明し、サポートを求めることで、投げ銭をやめる意志をより強化できることもあるでしょう。
(2)手続を誠実に進める
自己破産の手続を進める際には、誠実さが非常に重要です。
まず、裁判所や弁護士に対しては正確な情報を提供するようにしましょう。
収入や支出、資産、負債の詳細を隠さずに報告することで、手続がスムーズに進行します。
また、必要な書類や証拠を迅速に提出し、指定された期限を守ることも大切です。
さらに、手続中に新たな借金を作らないように注意し、生活態度を見直すようにしてください。
誠実な態度で手続を進めることで、裁判所や債権者からの信頼を得やすくなるでしょう。
【まとめ】投げ銭が原因の借金でも、自己破産が上手くいく可能性はある!
投げ銭による借金問題は、現代のデジタル社会において深刻な課題となっています。
自己破産を含む解決方法がいくつかありますが、どの方法を選ぶにしても、誠実な態度で手続を進めることが重要です。
また、投げ銭をきっぱりやめるための具体的な対策を講じることも欠かせません。
安心して生活を再建する第一歩を踏み出すためにも、自分にとって最適な借金問題の解決方法について弁護士に相談することをおすすめします。
アディーレ法律事務所では、自己破産などの債務整理に関するご相談を承っております。
また、アディーレ法律事務所では、万が一免責不許可となってしまった場合、当該手続にあたってアディーレ法律事務所にお支払いいただいた弁護士費用は原則として、全額返金しております(2025年2月時点※)。
※ただし、免責不許可・再生不認可が、次の場合に起因する場合などは、返金対象外です。
・アディーレ法律事務所へ虚偽の事実を申告し、又は事実を正当な理由なく告げなかった場合
・法的整理の受任時に、遵守を約束いただいた禁止事項についての違反があった場合
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