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リーガライフラボ

任意整理をする前に検討した方が良いこと、してはいけないこと

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リーガライフラボ

「弁護士に借金について相談するのに何か持って行ったほうがいいものってありますか?」
できれば借金の総額がわかるものや月の収入・支出状況を書いたメモをご持参ください。もっとも、借金の総額は弁護士が調べればわかることですし、収入・支出状況も事務所で思い出していただければ構いません。そのため、基本的に手ぶらでお越しいただいても大丈夫です。
今回、弁護士が回答するのは次の2つの質問です。
「弁護士に借金について相談する前に検討した方が良いことってありますか?」
「弁護士に借金について相談する前にしてはいけないことってありますか?」
借金のご相談の中でも任意整理について中心に解説します。

任意整理する前に検討すべきポイント

どういった人が任意整理をすることになるのでしょうか。

(1)任意整理とは?

そもそも「任意整理」とは、取引開始時にさかのぼって利息制限法の上限金利(15~20%)に金利を引き下げて再計算すること(引き直し計算)により可能であれば借金を減額した上で、原則として将来金利をカットし、元本のみを3~5年程度の分割で返済する内容の和解契約を債権者と結び、以後この和解内容に従って返済を続けることで、借金を整理する手続きです。

任意整理には、通常、裁判所を利用した自己破産や個人再生による負債の免除や大幅な減額ほどの経済的メリットはありませんが、基本的に裁判所を利用しない柔軟な手続きであり、さらに将来利息カットなどの点からの経済的メリットが見込めます。どの債権者を弁護士に依頼するかを選ぶことができるのも特徴で、場合によっては保証人のついている債権者や不動産・自動車などのローン債権者を手続きから外すことも可能です。
また、家族など周囲に借金がバレない可能性が最も高いのが任意整理です。

(2)任意整理をするメリットが大きい5つのケース

一般的に任意整理をするメリットが大きいと考えられるのは次の5つのケースです。

  1. 1社あたりの借金総額が多く、利息として支払う予定の金額が多いケース
  2. 月々の返済額が高く、家計を圧迫しているケース
  3. 法的整理を避けたいけれどもこのまま支払いを続けていても完済が困難なケース
  4. すでに裁判を提起されているケース
  5. 2010年ころまでにキャッシングを利用していたことがあり、最終取引日から10年を経過していない債権者が含まれているケース

ただし、任意整理はあくまでも“交渉”ですので、これらのケースに当てはまる場合であっても、債権者の態度などから思うようなメリットを得られないことがあります。

なお、任意整理による将来金利のカットや長期分割払いを見越して返済を予測したり、引き直し計算をしたりしても、家計の収支の余剰等から返済のための原資を捻出できない、いわゆる「支払い不能」または「支払い不能の恐れ」の状態であれば、自己破産や個人再生といった法的整理をしたほうが良いといえるでしょう。債務整理の方針については、事情を説明した弁護士からアドバイスをもらうようにしてください。

正しく知っておこう!任意整理によるデメリット

任意整理の最大のデメリットは、信用情報機関に事故情報が登録されてしまうこと(いわゆるブラックリストに載ってしまうこと)でしょう。
詳しくはこちらの記事もご確認ください。

任意整理をするとブラックリスト入り?ブラックリストにはいつまで載る?

(1)信用情報機関の事故情報(いわゆるブラックリスト)とは?

金融機関においてブラックリストという名前の名簿は存在しません。
もっとも、信用情報のうち「事故情報」の部分を、俗にブラックリストと呼ぶことがあります。「信用情報」とは、借入の申込みや契約などに関する情報のことをいい、信用情報機関が管理しています。

信用情報機関には、以下の3つがあり、どこの金融機関から借り入れたかによって、登録される信用情報機関が異なります。

  • 株式会社シー・アイ・シー(CIC):主にクレジットカード会社が加盟する信用情報機関
  • 株式会社日本信用情報機構(JICC):主に消費者金融が加盟する信用情報機関
  • 全国銀行協会(全国銀行個人信用情報センター・KSC):銀行や信用金庫、信用保証協会などが加盟する信用情報機関

また、「事故情報」とは、

  • 返済が一定期間滞った
  • 債務整理をした

などの情報のことです。
延滞等の事故情報は上記の3つの信用情報機関で共有されています。

事故情報に記録されると、経済的な信用を失いますので、事故情報が削除されるまでに間、新たな借入れやクレジットカード発行の申込みをしても審査に原則として通らなくなります。また、クレジットカードの更新も原則としてできなくなりますし、保証人となることも原則としてできなくなります。

では、任意整理をすると事故情報に登録されるのでしょうか。

結論からいえば、引き直し計算の結果、借金が残るのか残らないのかによって、事故情報の取扱いは異なります。
なお、これから述べる情報は、随時更新、修正される可能性があります。

(1-1)引き直し計算の結果、借金が残る場合

JICCでは、引き直し計算後借金残高が残った場合には、「債務整理をした」という事故情報が登録されてしまいます。

また、任意整理をする場合は、返済を止めて引き直し計算や交渉をすることが通常ですが、返済を61日以上または3ヶ月以上延滞している場合には、延滞したという事故情報が登録される可能性が高くなります。

さらに、信用情報機関によっては、「月々の返済額や返済総額を減らして、貸金業者と和解した」という事実も信用情報に登録されることがあり、当該事実をもって事故情報と扱われる可能性があります。

(1-2)引き直し計算の結果、借金がなくなる場合

借入先によっては、一旦「債務整理をした」という事故情報が登録されることがあるものの、引き直し計算の結果、借金が残らないことが確認されると、その時点で、債務整理をしたという情報が削除されることが通常です。

しかし、引き直し計算前に、債務整理をしたという情報を信用情報機関に登録するかは、借入先によって異なります。
そのため、借入先によっては、引き直し計算の結果、借金が残ることが確認できるまでは、事故情報を信用情報機関に登録しないという運用をしている場合もありますので、一旦事故情報が登録されるか否かはケースバイケースとなります。

(2)いつまで事故情報は登録されるの?

引き直し計算の結果、借金が残る場合、いつまで当該事故情報が載るのでしょうか。
次の通り、信用情報機関や契約・借り入れをした時期によって取扱いは異なりますが、完済などしてから5年以内に当該事故情報が削除されることがあります。

信用情報機関任意整理をすると登録される主な情報いつまで載るか
CIC・支払条件変更
・支払総額変更
契約期間中+契約終了後5年以内
JICC
【キャッシングの契約】
・債務整理【契約日または貸付日が2019年9月30日以前】
⇒発生日から5年以内

【契約日または貸付日が2019年10月1日以降】
⇒契約継続中+契約終了後(完済後など)から5年以内
JICC
【クレジットや金融機関等の契約】
・返済条件変更
・返済総額変更
【契約日または貸付日が2019年9月30日以前】
⇒発生日から5年以内

【契約日または貸付日が2019年10月1日以降】
⇒契約継続中+契約終了後(完済後など)から5年以内
KSC(全国銀行協会)任意整理をしたという事実の登録はない

※ただし、任意整理に伴い、代位弁済・保証債務履行などがされ、当該事故情報が信用情報に登録されることはあります(信用情報機関によって取扱いが異なりますが、長いと完済などしてから5年経過しないと登録が削除されません)。
さらに、任意整理に伴い、和解前に2、3ヶ月以上支払いを止めていると、延滞情報が事故情報として登録される可能性も高いです。
また、一定の事故情報は、CRIN(クリン)という制度により、上記3つの信用情報機関及びその加盟会員(貸金業者)において共有されていることがあります。
例えば、JICCで代位弁済の情報が消えても、KSCに代位弁済の情報が登録されている場合はJICCに加盟する貸金業者も代位弁済の情報を知ることができますので、依然として、いわゆるブラックリストに載っている状態となります。

また、過去に任意整理をしたのと同じ業者やそのグループ会社から借り入れる場合には、社内に任意整理をした情報が残っている可能性がありますので、当該業者やそのグループ会社から借入れを拒まれる可能性があります。

任意整理をする前に試してみる?自力で借金を返済する方法

ブラックリストに載るのを避けたいのであれば、自力で借金を返済するほかありません。
親族からの援助に頼る方法もあるかもしれませんが、以下の方法を試してみてはいかがでしょうか。

(1)月々の支出を見直す

自力で完済を目指すなら、必ずやっておきたいのが月々の支出を見直すことです。
支出状況を書き出したメモをみて、どこか削れるところがないかを考えてみましょう。
たとえば、嗜好品代(タバコやお酒など)で、一つの目安として毎月1万5000円以上を支出しているのであれば、健康のためにもタバコやお酒の量を減らすことをおすすめします。また、自動販売機で飲み物を買う代わりに水筒を持っていけば、いくらか支出を削ることができるはずです。1日あたりの支出は100円程度に過ぎないものでも、1月あたりでみると、約3万円も削ることができると考えることもできます。

(2)ダブルワークをする

まとまった借金がある状況で、自力で完済を目指すならば、継続的に収入を増やす必要があります。そこで、会社で副業が許可されているのであれば、ダブルワークをするのもいいでしょう。もしサービス残業などが多く、副業ができないのであれば、転職と同時に、残業代請求を検討することをおすすめします。

(3)おまとめローンを組む

おまとめローンとは、複数の業者からの借金を借り換えによって一本化できるローン商品です。返済先を1社にまとめることで、返済先の管理が楽になります。
加えて、より低金利のローン商品に借り換えすることで、利息を減らすことができます。
しかし、おまとめローンの利用によって返済期間が長引き、結果的に支払う利息の総額が増える場合もあるので、利用する際には総返済額を十分に検討しましょう。一般的なおまとめローンの利率が12.5%なので、すでに年利12.5%以下で借りているのであれば、現状のまま返済するのかおまとめローンを組むのか慎重に判断してください。

任意整理をする前にしてはいけない!新たな借入れ

任意整理に限らず、弁護士に借金を相談する前に借入れはしないようにしてください。
もし自分で任意整理が妥当だと思っていても、客観的にみると自己破産や個人再生が相当な状況かもしれません。その場合には、弁護士に依頼する直前に借入れをしたことによって、思わぬ不利益が生じるリスクがあります。
任意整理が相当な状況であっても、弁護士に依頼する直前に借り入れたことによって任意整理の交渉が難航する可能性もありますので、原則として新たな借入れをしないようにしてください。

【まとめ】任意整理を含む債務整理にお悩みの方はアディーレ法律事務所にご相談ください

任意整理をすると、信用情報機関に事故情報が登録されてしまうため、新たにクレジットカードを作れなくなるなど生活に支障が生じます。ブラックリストに載ることに躊躇い(ためらい)があるのであれば、任意整理をする前に自力で完済できないか試してみましょう。
借金返済の負担を減らしたいという方は、アディーレ法律事務所にご相談ください。