自己破産手続きにかかる期間と流れ。手続きを早く終えるために大切なこと

自己破産

「自己破産は手続きが終わるまで、どのぐらいの時間がかかるのだろう?」

「自己破産後、どのぐらいの期間が経てば信用情報は回復するの?」

自己破産を検討されている方は、借金から早く解放されたいという気持ちもありますから、手続きの完了に一体どのくらいの期間がかかるのか、知りたいと思うのは当然です。
自己破産の手続きは借金や財産の状況によって、必要な手続きや準備が異なりますので、一概にこれくらいの時間がかかるとは言い切れませんが、おおよその目安をお伝えします。手続きの各段階ごとにどのくらいの時間がかかるか、弁護士が詳しく解説していきます。さらに本記事では、自己破産による職業制限が解けるまでの期間や信用情報が回復するまでの期間についてもお伝えしていきます。

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自己破産の具体的な期間や手続きは?

必要な期間は手続によって異なる

自己破産手続きにかかる期間は、まずは手続きの内容によって大きく変わります。このあと詳しくご説明する、管財事件と同時廃止です。その他にも負債原因や、保有財産、利用する地方裁判所(管轄)によっても、手続きに必要な時間は変わります。それぞれについて、分かりやすく解説していきますね。

初回相談~申立てまで

まず弁護士や司法書士に依頼する場合、初めて相談した日にそのまま依頼できることもありますが、ケースによっては正式な依頼(受任)まで、時間がかかることがあります。例えば不動産をお持ちで、その不動産の価値次第で債務整理の方針が変更になる可能性がある場合などです。そのような場合は正式なご依頼をいただく前に、不動産の査定を取得していただくことになります。不動産の他にも、退職金の見込み額や、生命保険の解約返戻金額など、債務整理の方針に影響がある財産を、ご依頼の前に調べていただく場合があります。財産以外では、保証人となっている負債がないかの確認などもあります。依頼が決まると、弁護士などはまず、各債権者に受任通知を送ります。ここで自己破産の予定であることを伝えることになるため、基本的に通知後はご依頼前の状況に戻すことができなくなります。情報が不足したまま安易にご依頼を受けると、ときには依頼者の方の不利益につながりますので、慎重な判断が求められます。そのため、正式に依頼をお受けする前に情報収集をお願いすることがあるのです。

また、正式に依頼ができても、すぐに申立てができるわけでありません。自己破産手続きは、破産法という法律に従い、裁判所に対して申立てを行います。裁判所を納得させられるだけの資料を集め、負債を返せなくなった事情などをまとめた申立書を作成し、提出する必要があります。

とても早い方でも申立てまでに2〜3ヶ月程度はかかります。必要な書類がなかなか集まらず、申立てまで半年や1年以上もかかってしまう方も珍しくありません。さすがに借金の返済が免除される手続きだけあって、集めなければいけない資料や書類も多いです。どのような書類が必要になるかは、このあと詳しく説明します。

管財事件の手続きの流れと期間

自己破産手続きでは、破産管財人(管財人)が選任される管財事件が原則です。管財人は、破産する人のいわば監督者であり、財産状況を調査してお金に換えるべきものは換え(換価)、負債の原因なども調査します。さらに債権者(破産者にお金を貸した金融機関など)の代表的立場でもあり、問題があれば債権者に代わって裁判所にマイナス意見を出すこともあります(後で説明しますが、この管財人には報酬を支払う必要があることも覚えておいてください)。自己破産手続きが無事に終了し、裁判所から免責許可が出た場合、数十万円から数百万、人によっては一千万円単位で負債の返済義務が免除になります。この反面、債権者にはかなりの経済的ダメージを与えることになります。このため裁判所は、債権者に少しでも分配できる財産はないか、本当に免責許可を与えても良いのか、とても慎重に判断します。管財人に調査をさせる管財事件が原則となっているのはこのためです。

前置きが長くなりましたが、裁判所に申立てをすると申立書の内容が確認され、不足事項に対する説明や不足資料の提出などを求められます。並行して、裁判所が管財人候補者を選びます。不足事項への対応が済み、管財人候補者が決まると、裁判所が破産手続開始決定を出します(昔でいう「破産宣告」)。申立てから開始決定まで、事案や地方裁判所の運用によって大きく変わってきますが、概ね2週間から1ヶ月程度かかります。また、開始決定と一緒に、債権者集会という関係者が裁判所に集まる日も決定されます。

開始決定が出ると、管財人による調査などが始まります。管財人は、基本的に第1回目の債権者集会で調査終了の報告をすることを目指して調査などを行います。開始決定から第1回目の債権者集会まで、2ヶ月から3ヶ月の期間が設定されることが多いですが、事案や裁判所によって大きく異なります。半年後に設定されるということもあります。その間に、少なくとも1回は管財人との直接面談が行われます。

第1回目の債権者集会までに、調査などが完了していて、債権者に配当するお金があれば配当手続きに移ります。配当が何もなければそこで終了となり、これを「異時廃止」と呼びます。配当になると、多くの場合1〜2ヶ月程度手続きが続きますが、その間に破産する方は特にやることはなく、ただ待機するだけのことが多いです。

第1回目の債権者集会で調査などが完了していない場合は続行となり、再度裁判所に集まる日が設定されます(1〜2ヶ月後に設定されることが多いです)。不動産などの大きな財産を持っている場合は、売却などで時間がかかり続行となる場合がありますし、申告がなかった財産が管財人の調査で発見されて、さらなる調査のために続行となる場合などがあります。なお多くの場合、債権者集会が終了する際に、一緒に免責について管財人から意見が出され、1週間程度以内に裁判所から免責許可が出されます。免責許可とは、破産したい方が行った債務支払い免除の申立てが許可されることで、免責許可が出てようやく借金の返済義務がなくなります。

同時廃止の手続きの流れと期間

管財人はほとんどの場合、弁護士が選任されます。管財人となる弁護士に、どうしても報酬や調査にかかる費用を支払う必要があり、多くの場合20万円〜30万円となります。しかし、破産するのにこの費用がどうしても準備できないという人も多いです。この場合、破産手続き開始と同時に手続きを終了させ、管財人による調査などを必要としない「同時廃止」手続きを利用できることがあります。管財人が選任されないため、管財人への支払いは発生しません。同時廃止になった場合の手続きの流れは、事案や裁判所によって異なってきます。裁判所で裁判官と直接面接することもあれば、裁判所に一度も行かずに終わることもあります。
同時廃止の場合でも裁判所に申立てをすると、裁判所で申立書が確認され、不足事項などについて説明や資料提出を求められます。申立てから同時廃止の開始決定まで、概ね2週間から1ヶ月程度かかります。管財人との面談や,債権者集会の手続きがありませんから、一般的に、同時廃止の方が管財事件よりも安く早く終わります。
なお同時廃止は、管財人の費用を準備できない場合に利用できると定められていますが、実際の裁判所の運用ではそうはなっていません。負債の原因に多額の浪費やギャンブルなどがあり、免責不許可事由がある場合、免責許可を出しても良いかを管財人に調査させるため、管財事件とされることが多くあります。この場合は、ご自身でなんとかして費用を準備しないといけません。

免責許可までの流れ

 

自己破産の手続きを早く終わらせるには?

書類を正確に早く集める

自己破産手続きにおいては、相談から終結まで、一貫して書類の収集がとても重要です。書類が揃わなければ、申立てをすることができませんので、手続きが進みません。また申立て後にも、裁判所や管財人から追加の書類提出を求められることも多く、これに応じないと終結してもらえないのです。書類は取ったけど、必要な内容が載っていないために、取り直しになることもあります。求められた書類が「何のために必要か」を自分でも意識して取得するだけでも、取り直しが減るでしょう。

手続きに必要となる書類

自己破産手続きは、現在の資産や今後の収入ですべての債務(借金)の返済ができない場合に、返済が不可能であると自ら裁判所に申し出て、最低限の生活に不要な物や不動産などの財産を差し出す代わりに、すべての債務の返済義務を法的になくす手続きです(税金や養育費など、なくならないものもあります)。このため、どのような財産があるのかしっかり調査した上で、一覧表を作成しないといけません。財産がある場合、その財産の資料や査定書などが必要となります。数年以内に大きな財産を処分していた場合は、処分した際の資料(売買契約書、領収書など)も必要となります。また負債原因の調査のための資料が必要になることもあります。財産を示す資料として集めなければいけないものには次のようなものがあります。手続きによって多少は異なりますが、参考にしてください。

  • 給与明細(申立て直前の2~3ヶ月分)
  • 賞与明細(1年分)
  • 源泉徴収票(1〜2年分)
  • (非)課税証明書(1〜2年分)
  • 確定申告資料(1〜2年分)
  • 退職金に関する資料
  • 保有している銀行口座全ての利用履歴(2年分)
  • 保険に関する資料(保険証券、解約返戻金計算書など)
  • 自動車に関する資料(車検証、査定書など)
  • 不動産に関する資料(登記簿謄本、固定資産税証明書、査定書など)
  • 賃貸借契約書
  • その他購入か売却価格が20万円以上の財産資料(査定書など)
  • 家計簿(1〜3ヶ月分)や、公共料金の領収書など
  • 株やFXなどの投資をしている方はその資料

また、裁判所によっては、同居人の資料(給与明細、保険証券、自動車車検証、不動産登記簿謄本など)が必要になることもあります。弁護士などに依頼をすると、事案に応じた必要書類の一覧を作ってくれますので、それに従って集めていくことになります。ただし、準備中に追加で必要な書類が出てくることもあります。依頼をした弁護士などの指示に従って臨機応変に対応していくことが大切です。

東京の場合は即日面接が利用できる

東京地裁裁判所(霞ヶ関)においては、「弁護士」に依頼しているときに限って、即日面接制度を利用できます。これは、申立てから3日(営業日)以内に、弁護士と裁判官が短時間の打ち合わせをし、管財人による調査事項をある程度絞ることで、効率的な調査を行えるようにして、他の裁判所と比べて短期間で自己破産手続きを終結させる制度です。原則として、申立てから2ヶ月後に第1回目の債権者集会が設定され、この日までにできる限り調査などの終了を目指します。依頼を受けた弁護士が、専門家としてきちんと調査をしているであろうとの信用の下で、このような制度ができています。なお、司法書士に申立書類の作成を依頼している場合には、即日面接制度は利用できません。こういったことは一般の方にはあまり知られていない、弁護士に依頼するメリットの一つと言えるでしょう。

自己破産した後、信用情報などが回復するまでの期間は?

信用情報が回復するまでの目安

自己破産をすると、信用情報機関に破産したことが事故情報として登録されます。信用情報機関とは、消費者金融、クレジットカード会社、銀行などの金融機関が業界ごとに作っているデータベースです。このデータベースに、自己破産したことが登録されることで、審査が通らないということが起こります。これが俗に「ブラックリストに載る」とか、「ブラックになる」と呼ばれる状態です。登録期間は、3つある信用情報期間によって異なり、CICとJICCでは免責許可決定から5年間、全銀協では免責許可確定の官報掲載から10年間と言われています。ただし、多少前後することもあるため、自己破産終了から7〜10年程度と表現されることが多いです。

職業の制限をうける期間

自己破産をすると、法律上一定期間就けない職業があります。これを制限職種といいます。具体的には、警備員、生命保険募集人、古物商(ディスカウントストアの責任者など)、宅地建物取引士などです。制限職種の職業にすでについている場合は、一時的に辞めていただくか、資格を使わずに仕事をしていただく必要があります。制限を受ける期間は意外に短く、破産手続きの開始決定から、免責許可の確定(これを「復権」と言います)までです。3〜6ヶ月程度の制限となることが多いでしょう。

弁護士と司法書士で手続きの速さは違う?

すでに説明した東京地方裁判所の「即日面接制度」が弁護士だけに認められていることなどから、司法書士よりも弁護士の方が裁判所からの信頼度が高く、優遇されていると言えるのかもしれません。また自己破産手続きに伴うさまざまな法律問題(過払金などの債権回収等)も、司法書士とは違って弁護士は制限なく対応できるため、弁護士の方が手続きがスムーズに進むことが多いのではないでしょうか。

まとめ

自己破産の手続きには弁護士などの専門家への相談から、半年以上はかかると思っておいたほうが良いでしょう。弁護士に依頼すると、すぐに裁判所に申立てができると思われている方がいるのですが、申立てには準備期間が必要です。少しでも早く自己破産の手続きを終わらせるためには、専門家のサポートを受けて、迅速に必要な書面を用意するなど、ご自身でも適切な準備を行いましょう。

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