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死亡事故の慰謝料の相場と遺族が請求できる損害賠償金をわかりやすく解説

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kiriu_sakura

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

突然、交通事故により被害者が死亡した場合、残されたご遺族の心痛は計り知れないものがあります。さらに、死亡した被害者が一家の稼ぎ頭であった場合には、将来の生活に対する不安ものしかかります。

交通死亡事故では、無くなった被害者が受けた精神的苦痛に対しても、ご遺族が受けた精神的苦痛に対しても、加害者側から「死亡慰謝料」を受け取ることができます。

また、葬儀にかかった費用や、被害者が亡くなったために得られなくなった将来の利益「逸失利益」などについても、加害者側に請求できます。

交通死亡事故の賠償金額は、亡くなった被害者の家族内での立ち位置(一家の稼ぎ頭であったかなど)、残された家族の家族構成、亡くなる前の収入額等に応じて最終的に決められますが、一般的に高額になります。

もっとも、加害者側の保険会社から提案された金額は、ご遺族にとって低額で、交渉によって増額可能性があることも多いです。

受け取れる賠償金額が増えたからと言って、結局被害者は戻らないのだから、悲しみが癒えるとは限りません。しかし、被害者のためにも、ご遺族の今後の生活のためにも、適切な額の賠償金を受け取ることは重要です。

この記事では、次のことについて弁護士が解説します。

この記事を読んでわかること
  • 死亡慰謝料には被害者本人分と遺族分の2種類ある
  • 死亡慰謝料の相場
  • 死亡事故で死亡慰謝料の他に請求できる賠償金
  • 賠償金が相場よりも増額するケース
  • 交渉により死亡慰謝料が増額した具体的事例
この記事の監修弁護士
弁護士 中西 博亮

岡山大学、及び岡山大学法科大学院卒。 アディーレ法律事務所では刑事事件、労働事件など様々な分野を担当した後、2020年より交通事故に従事。2023年からは交通部門の統括者として、被害に遭われた方々の立場に寄り添ったより良い解決方法を実現できるよう、日々職務に邁進している。東京弁護士会所属。

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交通事故の死亡慰謝料には2種類ある

死亡慰謝料には次の2種類あります。

種類内容
被害者本人の死亡慰謝料死亡した被害者本人の精神的苦痛に対して支払われる
被害者の一定の遺族固有の死亡慰謝料被害者が死亡したことで遺族が受ける精神的苦痛に対して支払われる

被害者が亡くなっているので、被害者本人の死亡慰謝料も、遺族固有の死亡慰謝料も、相続人が加害者側に請求することになることが多いです。

ただし、相続人ではない、被害者の近親者に固有の死亡慰謝料が認められることもあります。

なので、死亡慰謝料については、被害者本人の慰謝料だけでなく、遺族固有の慰謝料も含まれているのか、その金額は適切かなどを検討する必要があります。

近親者って具体的に誰ですか?孫が亡くなったんですが、祖母である自分は請求できますか?

近親者とは、「被害者の父母、配偶者及び子」(民法711条)のことを言います。父母には、養父母も含まれ、子には養子や胎児も含まれます。

この条文からは、祖母は近親者に含まれません。しかし、実務では、これらの者に準ずる者(兄弟姉妹や祖父母など)についても、固有の死亡慰謝料が認められています。孫を失った祖父母についても、具体的事情によっては認められるケースがありますので、弁護士に相談してみるとよいでしょう。

参考:民法 | e-Gov法令検索

死亡慰謝料の相場

死亡慰謝料の相場は、どの基準で計算するかによって、かなり異なります。
加害者側から提案された死亡慰謝料額が、どの基準で計算されているのか意識しておかないと、あとで「もっと増額できたかもしれないのに示談してしまった」と後悔することになりかねません。

基準は3つあります!弁護士の基準で計算すると一番高額になることが多いです。

※ただし、自賠責保険の金額は、交通事故の70%未満の過失については減額対象にしませんので、過失割合が大きい場合には、自賠責の基準がもっとも高額となることもあります。

保険会社からの提案は、どの基準で計算されているのですか。

保険会社からの提案は、通常、自賠責の基準と同程度か、任意保険の基準で計算されています。したがって、弁護士の基準よりも、低額となっていることが非常に多いです。

任意保険の基準は各保険会社が定めており、公開されていませんので、次では自賠責の基準と、弁護士の基準の相場について説明します。

交通事故慰謝料は弁護士基準(裁判所基準)でいくらになる?増額のコツも紹介

(1)【自賠責の基準】死亡慰謝料の相場は400万円~1350万円

自賠責保険基準は、「自動車損害賠償保障法」と、これを受けて内閣総理大臣と国土交通大臣が定めた「自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準」において、相当程度具体的に決められています。

被害者本人に対する慰謝料

被害者本人対する慰謝料400万円
※2020年4月1日以降に発生した事故について。2020年3月31日以前に発生した事故については350万円。

遺族(被害者の父母、配偶者、子)に対する慰謝料

請求権者が1名550万円
請求権者が2名650万円
請求権者が3名以上750万円
被害者に被扶養者がいる場合上記金額にさらに200万円を加算
※2020年4月1日以降に発生した事故について

夫が亡くなり、夫に扶養されていた妻と未成年の子供1人が遺族のケースでは、自賠責の基準による死亡慰謝料は、1250万円(被害者本人400万円+遺族の請求権者2名650万円+被扶養者あり200万円)となります。

(2)【弁護士の基準】死亡慰謝料の相場は2000万円~2800万円

弁護士の基準は、過去の裁判に基づく基準のことをいい、『青本』や『赤い本』という専門書に記載され、実務で広く参考にされています。

ここでは『赤い本』(※)に記載されている弁護士の基準でご説明します。

弁護士の基準では、被害者本人の慰謝料と遺族固有の慰謝料を合計された金額が、次のように目安として決められています。

被害者が一家の稼ぎ頭2800万円
被害者が母親・配偶者2500万円
その他2000万~2500万円

※「赤い本」の正式名称は、民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準上巻(基準編)|公益財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部発行

夫が亡くなり、夫に扶養されていた妻と未成年の子供1人が遺族のケースでは、弁護士の基準による死亡慰謝料の相場は、2800万円となります。

このように、自賠責の基準と弁護士の基準の死亡慰謝料の相場は、かなりの差があります。
弁護士の基準は、裁判で争ったときに認められた金額をもとに計算していますので、自分で「弁護士の基準で計算してほしい」と交渉しても、まず認められない事が多いでしょう。
交渉を弁護士に依頼すれば、弁護士の基準で計算して粘り強く交渉しますので、弁護士の基準に近づけた形での示談が期待できます。

でも、弁護士費用が心配です。

弁護士費用以上に、増額できることも多いです。また、依頼者が損をしないように、増額した金額以上の弁護士費用がかからない事務所もあります。とりあえず、相談だけでもしてみて、増額可能性の有無や、増額できる金額の目安、弁護士費用を確認してみるとよいでしょう。

「弁護士に相談する前に慰謝料の目安が知りたい」という方は、次の慰謝料の目安を計算できるツールで計算することができます。

死亡慰謝料の他に、請求できる賠償金とは?

死亡事故の場合には、死亡慰謝料の他にも、次のように被害の内容に応じて様々な賠償金を受け取ることができます。

ここでは、死亡事故にのみ認められる葬儀関係費と、死亡慰謝料と同じように高額になりうる死亡による逸失利益について説明します。

(1)葬儀関係費

葬儀関係費とは、葬儀(遺体の処置も含みます)やその後の法要(四十九日の法要等)・供養等を執り行うために要する費用、仏壇・仏具購入費、墓碑建立費等のことをいいます。

要するに、「お葬式」の費用だけでなく、その後一般的に執り行われる儀式に関しての費用等も含むということです。

葬儀関係費は、原則として、自賠責の基準では100万円(2020年4月1日以降に発生した事故)、弁護士の基準では150万円とされています。現実の支出額が150万円を下回る場合には、実際の支出額の範囲内で賠償金額が決められます。

(2)死亡による逸失利益

死亡による逸失利益とは、被害者が死亡したために、被害者が将来にわたって得られるはずであった利益を失ったことによる損害のことをいいます。

例えば、一家の稼ぎ頭であった夫が事故で亡くなった場合には、急に一家の収入が途絶えてしまうことになります。
このような場合に、本来夫が生きていれば、夫が稼ぐはずであった収入を計算して、加害者側が残された家族に対して支払うことになります。

逸失利益は、被害者の年齢が若かったり、生前の収入が高かったりする場合には極めて高額になります。保険会社からの提案額をみて、「丁寧に対応してもらったし、これくらいもらえるなら」と示談に応じる気持ちになるかもしれません。しかし、示談に応じる前に、増額可能性がないかについて、一度弁護士に相談するようにしましょう。

死亡慰謝料が相場を超えるケースとは?

そもそも慰謝料とは、被害者や遺族が受けた精神的苦痛への賠償金です。そのため、交通事故の態様や事後対応のひどさなどにより、受けた精神的苦痛が大きければ、死亡慰謝料も基準の相場を超えて増額となるケースがあります。

例えば、次のようなケースでは、基準の相場を超えて高額な慰謝料となる場合があります。

  • ひき逃げ、無免許、酒酔い運転などの悪質な法令違反を伴う事故
  • 事故よりも殺人に近いような、強い悪意をもって発生した事故
  • 加害者に著しく不誠実な態度等がある場合
  • 事故により、被害者遺族の生活(仕事や学業など)に著しい悪影響を与えた場合

【具体例】交渉により死亡慰謝料などを増額できた事例

被害者Tさん(仮名)・男性・81歳・無職/休職中
事故態様交差点の横断歩道を青信号で歩行中、右折してきた乗用車に衝突され、約1週間後に死亡

加害者の保険会社から2500万円余りという賠償金額の提示を受けたTさんのご遺族は、高額な金額には思えたものの、賠償金として適正なものなのか、交渉の余地はあるのか、ご遺族にはよくわかりませんでした。

そこで、Tさんのご遺族は、弁護士に相談することにしました。
弁護士からは「保険会社から提示された賠償金額は、特に慰謝料、逸失利益、葬儀費用については弁護士の基準と大きな開きがあり、大幅に増加する可能性がある」との説明を受けました。弁護士の話を聞いたTさんのご遺族は、弁護士に正式に依頼することに決めました。

Tさんのご遺族から依頼を受けた弁護士は、早速、保険会社との交渉に入りました。
当初、保険会社は事実関係に争いがないにもかかわらず、「裁判所の判決により支払が命じられない限り、裁判所基準に基づく賠償金額の支払には応じない」という強硬かつ理不尽な態度に出てきました。

一般的に、訴訟になると、被害者側には経済的・心理的・物理的な負担が生じます。Tさんのご遺族も、なるべく訴訟によらない解決を望んでいました。
保険会社は、それを見越して賠償金の請求をあきらめさせようとしたのです。

しかし、弁護士は保険会社に屈することなく、粘り強く賠償金増額の交渉を重ね、示談による早期解決を求め続けたのです。

その結果、保険会社は裁判所基準の満額に近い賠償金額の支払を認めました。

死亡慰謝料の交渉は弁護士に依頼を

ご説明したように、弁護士の基準を使って計算すれば死亡慰謝料などの賠償金が増額する可能性があります。

また、弁護士に依頼すると、弁護士の基準による示談が期待できる他にも、次のようなメリットがあります。

【まとめ】死亡事故の慰謝料相場は400万~2800万円

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 死亡事故の場合に主に受け取ることができる賠償金は、死亡慰謝料・葬儀関係費・死亡による逸失利益など。
  • 交通事故の慰謝料は、自賠責の基準、任意保険の基準、弁護士の基準の3つの基準のどれで計算されるかにより異なる。一般的に、自賠責の基準<任意保険の基準<弁護士の基準の順に高額となる。
  • 死亡慰謝料については、基本的に、被害者が家族にとってどういう立場であったか(一家の稼ぎ頭であったかなど)、また残された家族の家族構成等に応じて決めることになる。
  • 死亡慰謝料の相場については、自賠責の基準の場合は400万~1350万円、弁護士の基準の場合は2000万~2800万円となる。
  • 弁護士に依頼することで、弁護士の基準による示談が期待できる。

弁護士に依頼すれば弁護士費用がかかりますが、弁護士費用以上に増額できることも多いですし、成功報酬制を採用している法律事務所に依頼すれば、「弁護士費用を支払って損した」という事態は基本的に避けられるでしょう。

アディーレ法律事務所にご相談・ご依頼いただいた場合、原則として手出しする弁護士費用はありません。

すなわち、弁護士費用特約が利用できない方の場合、相談料0円、着手金0円、報酬は、獲得できた賠償金からいただくという完全成功報酬制です(途中解約の場合など一部例外はあります)。

また、弁護士費用特約を利用する方の場合、基本的に保険会社から弁護士費用が支払われますので、やはりご相談者様・ご依頼者様に手出しいただく弁護士費用は原則ありません。
※なお、法律相談は1名につき10万円程度、その他の弁護士費用は300万円を上限にするケースが多いです。
実際のケースでは、弁護士費用は、この上限内に収まることが多く、ご相談者様、ご依頼者様は実質無料で弁護士に相談・依頼できることが多いです。

なお、弁護士費用がこの上限額を超えた部分は自己負担となります。
弁護士費用特約の利用を希望する場合は、必ず事前に加入の保険会社にその旨ご連絡ください(弁護士費用特約には利用条件があります)。

(以上につき、2023年1月時点)

交通事故の被害にあって賠償金請求のことでお悩みの場合は、アディーレ法律事務所にご相談ください。

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