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指の可動域制限後遺障害とは?後遺障害の認定を受けるために必要なことを解説

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「交通事故でケガをして、指関節を曲げられなくなり、治療したけど結局治らなかった」
このように、交通事故による骨折などのケガで指関節に後遺症が残り、関節の可動域が制限されてしまうことがあります。
このような場合は、加害者に対して、ケガの治療費などだけではなく、後遺症が残ってしまったことについて、別途後遺症慰謝料及び逸失利益を請求することができます。
ただし、後遺症について適切な賠償を受け取るためには、その後遺症について、後遺障害の認定を受けることが重要です。
そこで今回の記事では、特に指の可動域制限後遺障害について、後遺障害の認定を受けるために必要なことを解説します。

指の可動域制限後遺障害とは

指の可動域制限後遺障害とは、一般的に、交通事故によるケガによって、手指の機能障害が生じ、間接の可動域が制限されて、間接が曲がらなくなる後遺障害のことをいいます。
交通事故で骨折や脱臼、神経を損傷したような場合に、生じることがあります。

後遺障害と認定されるための要件

交通事故に遭ってケガをした場合に、治療しても完治せず、機能障害や運動障害などの一定の症状が残ってしまうことがあります。
一般的には、症状が残ってしまうことは「後遺症」という言葉が使われています。
交通事故においては、その後遺症について、特に「後遺障害」として等級認定してもらうことが重要になります。
後遺障害は、その重さにより1~14級に類型化されています。

後遺障害に関する賠償(逸失利益及び慰謝料)を受け取るためには、後遺障害等級の認定を受けることが重要となりますので、初めに、後遺障害に等級認定されるための要件について説明します。

(1)交通事故により傷害を負う

まずは、交通事故により後遺障害の原因となる傷害を負ったという事実が必要です。
事故直後に通院、治療し、事故により骨折や脱臼、神経が損傷していることが、確認されていなければなりません。

(2)症状固定時に身体に精神的又は肉体的な一定の症状が残る

交通事故のケガを治療しても、ある時点で、治療しても症状の改善が認められず一定の症状が残ってしまうことがあります。
これを、症状固定といいます。
症状固定後の治療費については、原則として賠償を受けることができませんが(もし治療を継続した場合には自費負担となります)、後遺障害としての認定を受けられれば、後遺障害に関する賠償を受け取ることができます。

仮に、主治医に完治したと診断されたり、症状固定の診断がなされなかった場合には、後遺症が残ったとは言えませんので、後遺障害の認定を受けることはできません。

具体的な身体に残った症状については、等級別に、自動車損害賠償保障法施行令(自賠令)で定められています。
例えば、14級7号では、「1手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなかったもの」と定められています。
「遠位指節間関節(えんいしせつかんかんせつ)」とは、親指以外の指の関節の指先に近い方の関節のことで、一般的に第一関節と呼ばれる部分のことをいいます。
したがって、交通事故のケガによる、親指以外の指の関節の第一関節が硬直して曲がらなくなる後遺症は、14級7号に該当します。

(3)事故時の傷害と症状固定後に残存した症状との間に相当因果関係がある

また、交通事故と後遺症の関係が、客観的にみて、「交通事故による傷害が原因で当該後遺症が生じた」と認められないと、後遺障害とは認定されません。
例えば、事故から何日も経過した後に病院を受診すると、事故から受診までに別の理由でケガをして、そのケガが原因で後遺症を負ったのではないかと疑われ、事故と後遺症との相当因果関係が否定されるおそれがあります。
したがって、交通事故の被害に遭った際には、事故直後に病院を受診し、必要な検査や治療を受けるようにしましょう。

(4)医学的に説明できるものである

後遺障害は、自覚症状があるだけでは足りず、その自覚症状が医学的に説明できるものである必要があります。
例えば、単に「指の関節が曲がらない」という自覚症状があるだけでは不十分で、骨折や脱臼をして、それによる神経損傷が認められるなど、関節が曲がらないことの医学的説明ができるものである必要があります。

関節に可動域制限がおこる原因

関節に可動域制限がおこる原因は、大きく器質的変化によるものと機能的変化によるものとに分けることができます。それぞれについて説明します。

参考:関節の機能障害の評価方法及び関節可動域の測定要領|厚生労働省

(1)器質的変化

器質的変化によるもののなかには、関節自体の破壊や強直によるもの(関節がまったく動かない状態)、靱帯や腱、筋肉など関節外の軟部組織の変化によるものがあります。
器質的変化がおこる原因としては、骨折、脱臼、関節内の筋組織の壊死、骨の癒着、靱帯の伸縮・延長、筋肉の血行障害などが考えられます。
器質的変化は、後遺症の原因となっている身体の器官を物理的に特定することができます。
したがって、後遺障害と認定されるためには、エックス線写真やCT画像、MRI画像などで器質的な損傷を確認できる必要があります。

(2)機能的変化

機能的変化によるもののなかには、神経麻痺、疼痛、緊張によるものなどがあります。

上肢(肩関節・肘関節・手関節までの3大関節及び手指の部分)には、正中(せいちゅう)・橈骨(とうこつ)・尺骨(しゃっこつ)の3本の神経があり、それぞれ手指まで走行しています。
そのうち、正中神経は手に取って重要な神経です。
例えば、正中神経麻痺が生じると、神経麻痺の傷害が起こっている場所にもよりますが、親指の付け根の筋力低下、指の屈曲(曲げること)が困難になったり、親指からくすり指の2分の1までの掌の感覚障害が生じたりする症状が起こります。

参考:正中神経麻痺|公益財団法人 日本整形学科学会

特に機能的変化による可動域制限は、その原因を丹念に調べ、症状に応じて可動域制限を測定する必要があります。

関節可動域制限(ROM)の測定方法

関節可動域(Range of Motion)とは、障害などが起きないで各関節が生理的に運動することができる範囲(角度)のことをいいます。

関節可動域の測定は、1995年に日本整形外科学会及び日本リハビリテーション医学会が定めた「関節可動域表示ならびに測定方法」に従って行います。

測定は、原則として他動運動(医者や理学療養士など他人に関節を動かしてもらうこと)により行いますが、他動運動による測定が適切でない場合には、自動運動(自分で関節を動かすこと)により測定して値を出すことになります。
具体的には、関節角度計を用いて、関節の運動範囲を5%刻みで測定します。

可動域の制限は、健側(左右ある関節のうち障害のない側)の可動域との比較により判断します。
左右ともに障害がある場合などは、「関節可動域表示ならびに測定方法」に定めのある参考可動域との比較で判断されます。

関節によっては様々な運動が可能ですが、関節可動域の測定対象は、主要運動及び参考運動です。
主要運動とは、各関節における日常の動作にとって最も重要なものをいい、多くの関節では主要運動は一つです。
例えば親指以外の指関節は、屈曲(曲げる)・伸展(伸ばす)が主要運動になります。指関節に、参考運動はありません。

参考:関節可動域 / ROM(かんせつかどういき)|e-ヘルスネット(厚生労働省)
参考:関節の機能障害の評価方法及び関節可動域の測定要領|厚生労働省
参考:関節の機能障害の評価方法及び関節可動域の測定要領 (7)各論|厚生労働省
参考:関節可動域表示ならびに測定方法|公益社団法人 日本理学療法士協会

手指の可動域制限障害の等級認定基準

手指の可動域制限障害について、該当する後遺障害等級は、概ね次の通りです。

等級後遺障害内容の説明
4級6号両手の手指の全部の用を廃したもの「手指の用を廃した」とは、手指の末節骨の半分以上を失い、又は中手指節関節もしくは近位指節間関節(親指では指節間関節)に著しい運動障害の残すもの。
著しい運動障害とは、運動可動域が健側の2分の1以下に制限されたものをいう。

指の関節(親指以外)は、先端に近い方の関節から遠位指節間関節(DIP)、近位指節間関節(PIP)、中手指節関節(MP)という。
親指の関節は、先から指節間関節(IP)、中手指節関節(MP)という。
7級7号1手の5の手指またはおや指を含み4の手指の用を廃したもの両手の手指の用を廃したものは4級6号、片手の全部の用を廃したもの(又はおや指を含む場合は4指の用を廃したもの)は7級7号に該当する。
8級4号1手のおや指を含み3の手指またはおや指以外の4の手指の用を廃したもの
9級13号1手のおや指を含み2の手指またはおや指以外の3の手指の用を廃したもの
10級7号1手のおや指またはおや指以外の2の手指の用を廃したもの
12級10号1手のひとさし指、なか指またはくすり指の用を廃したもの
13級6号1手のこ指の用を廃したもの
14級7号1手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの

仮に、手指が欠損した場合(切断などで失われた場合)には、手指の機能障害による後遺障害ではなく、手指の欠損傷害として後遺障害等級が認定されます。
手指の欠損による後遺障害等級は、その程度により3~14級に類型化されています。

【まとめ】交通事故による指可動域制限後遺障害に関しては専門家に相談

交通事故で後遺障害が残った場合には、治療中の治療費や休業損害等の他に、症状固定後の後遺障害分の損害賠償として、慰謝料や逸失利益などを受け取ることができます。
ただし、前提として後遺障害の認定を受けているということが重要です。
後遺障害の認定手続きは、任意保険会社に依頼する方法(事前認定といいます)と、自分で行う方法(被害者請求といいます)がありますが、任意保険会社が被害者にとって利益となる資料を積極的に収集してくれるとは限りませんので、手間はかかりますが、後悔しないためにも自分で行う被害者請求を行うことをお勧めします。

手続きがよくわからない、必要な資料は何かわからない、認定の見込みについて知りたいなど、認定手続きに不明点がある方は、被害者請求について弁護士に相談してみるとよいでしょう。
後遺障害認定を受けることができた後も、任意保険会社に対して、被害者が受けた損害についてもれなく請求し、適切な損害賠償を受けるためには、専門的な法的知識が必要となります。
任意保険会社との交渉を交通事故に弁護士に依頼すれば、経験と法的知識に基づいて、依頼者の立場に立ち、裁判所で認められる賠償額を目指して交渉することができます。
指可動域制限後遺障害などの後遺障害について、慰謝料や後遺障害認定、示談交渉でお悩みの方は、アディーレ法律事務所へご相談ください。

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