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懲戒解雇の要件と対処法を弁護士がわかりやすく解説

作成日:更新日:
リーガライフラボ

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

「懲戒解雇」と聞くと、何となく重い処分だというイメージが浮かぶかもしれません。 

しかし、その具体的な内容や他の解雇との違いについて詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか? 

このコラムでは、懲戒解雇とは何か、そしてその適法な条件や対処法について詳しく解説します。ぜひこの機会に懲戒解雇の基本を押さえておきましょう。 

この記事を読んでわかること 

  • 懲戒解雇とは 
  • 懲戒解雇が適法になる条件とは 
  • 懲戒解雇に納得がいかない場合の対処法とは 
  • 懲戒解雇についてよくある質問 

ここを押さえればOK!

懲戒解雇は、企業秩序違反に対する最も重い懲戒処分で、即時に雇用関係が終了することがあり、退職金の減額や不支給などの悪影響が伴います。

【懲戒解雇が適法になる条件】
・懲戒事由の規定と周知: 就業規則に懲戒事由が明示され、労働者に周知されていることが必要です。
・懲戒事由に該当する行為: 労働者の行為が就業規則に定められた懲戒事由に該当すること。
・合理的な理由と社会的相当性: 懲戒解雇には合理的な理由があり、社会的にも相当と認められる必要があります。
・弁明の機会: 労働者に弁明の機会を与えることが必要となる場合があります。

【懲戒解雇に納得できない場合の対処法】
・解雇理由証明書の請求: 解雇理由を具体的に記載した書面を請求し、証拠とします。
・就業規則の確認: 自分の行為が就業規則のどの部分に該当するかを確認します。
・会社との交渉: 解雇の撤回を求めて会社と交渉します。
・弁護士への相談: 弁護士に相談し、証拠集めや交渉、裁判対応を依頼します。
この記事の監修弁護士
弁護士 髙野 文幸

中央大学卒、アディーレ入所後は残業代未払いの案件をメインに担当し、2018年より労働部門の統括者。「労働問題でお悩みの方々に有益な解決方法を提案し実現すること」こそアディーレ労働部門の存在意義であるとの信念のもと、日々ご依頼者様のため奮闘している。東京弁護士会所属。

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懲戒解雇とは?

懲戒解雇とは、企業秩序違反に対する懲戒処分として行われる解雇のことです。 

懲戒処分の中で最も重い制裁となります。 

懲戒処分を受けた従業員は即時に雇用関係が終了することもあり、退職金の減額や不支給などの悪影響を受けることも多いです。 

普通解雇・整理解雇・諭旨解雇との違いとは

解雇には、懲戒解雇のほかに普通解雇・整理解雇・論旨解雇の3つがあります。 

懲戒解雇とそのほかの解雇との違いについて知っておきましょう。 

【解雇の種類】 

  • 普通解雇:従業員の能力が不足しているなどを理由にする解雇のこと。 
  • 整理解雇:会社の経営不振や人員削減などを理由にする解雇のこと。 
  • 諭旨解雇: 従業員に自主退職を促して退職届を提出させたうえで解雇する形で行われ、退職金が支給される場合こともある。懲戒解雇と同様に懲戒処分の1つであり、懲戒解雇の次に重い処分として位置づけられていることも多い。 

懲戒解雇が適法になる条件とは

会社は、気に入らない従業員を自由に懲戒解雇できるわけではありません。 

したがって、会社から懲戒解雇されたからといって、それが本当に適法な懲戒解雇に当たるかどうかはわかりません。実は、違法な解雇、いわゆる「不当解雇」に当たることもあるのです。 

懲戒解雇が適法といえるためには、次に紹介する条件をすべて満たす必要があります。どれか1つの条件でも欠けている場合には「不当解雇」に当たる可能性があります。 

(1)懲戒事由が就業規則で定めてある

会社が、労働者を懲戒解雇するためには、懲戒事由や懲戒の種類があらかじめ就業規則等に規定され、かつ、それが労働者に周知されている必要があります。 

言い換えれば、そもそも就業規則等を制定していないような会社は、懲戒解雇をすることができないのです。 

また、就業規則が制定されていたとしても、それがどこに備え付けられているのかわからず、労働者が必要なときに確認できないような場合もやはり、そのような就業規則に基づく懲戒解雇は認められません。 

(2)労働者の行為が就業規則に定める懲戒事由に当てはまる

会社が懲戒解雇をするには、労働者の行為が、就業規則等に規定されている懲戒事由に当てはまる必要があります。 

【就業規則に定められた懲戒事由の例】 

  • 経歴詐称:最終学歴、職歴、犯罪歴などを偽ること 
  • 重大な業務命令違反:上司の命令、残業命令、転勤命令などに違反すること 
  • 職務懈怠:無断欠勤、遅刻過多など 
  • 職場規律違反:暴行、パワハラ、セクハラ、窃盗、横領など   など  

(3)解雇に合理的な理由と社会的相当性がある

懲戒解雇が適法となるためには、その解雇に合理的な理由があり、社会的に見ても相当であると認められることが必要です。 

懲戒解雇は労働者にデメリットが大きいため、例えば「2、3日無断欠勤があったから」という理由だけでは懲戒解雇をすることはできません。 

労働者の行為の内容や性質、生じた結果、会社による事前の指導の有無、労働者の勤務歴や反省の有無、その他の情状を鑑み、懲戒解雇とするには重すぎる場合は、懲戒解雇は「不当解雇」に当たり無効です。 

(4)弁明の機会があった

懲戒解雇が適法になるためには、労働者に弁明の機会を与えることが必要と考えられています。一方で、弁明の機会を与えなかったことだけで違法無効とすることはできないとする裁判例もあります。 

懲戒解雇に納得できない場合の対処法

では、懲戒解雇を受けたけど納得がいかないという場合の対処法を紹介します。 

不当解雇の疑いがある場合にはそのままにせずに、対処するようにしましょう。 

1)解雇理由証明書を請求する

懲戒解雇に納得できない場合、まず行うべきは解雇理由証明書を請求することです。 解雇理由証明書とは、解雇理由を具体的に記載した書面です。 

会社は、労働者から請求されたすぐに解雇理由証明書を交付する必要があります。 解雇理由証明書を請求すると、解雇理由が分かるだけではなく、のちに懲戒解雇の撤回を求める場合に重要な証拠となります。 

懲戒解雇に納得がいかない場合には、必ず「解雇理由証明書」を請求しておきましょう。 

(2)就業規則を確認する

就業規則も確認しましょう。就業規則に懲戒事由が定められているか、また、自分の行為がどの就業規則のどの部分に当たるのかを確認します。 

もし「就業規則に懲戒事由が定められていない」「自分の行為が就業規則に定められている懲戒事由」に当たらないということであれば、懲戒解雇は不当解雇に当たり無効です。 

(3)自分で会社と交渉する

解雇を撤回させることを考えている場合は、少しでも解雇を受け入れるような返答をしてはいけません。 

のちに会社と争う際に不利になってしまうため、「解雇に納得できないから、今までどおり働かせてほしい」としっかり伝えましょう。 

(4)弁護士に相談する

自身で会社と交渉して、懲戒解雇の撤回を求めようと思っても、うまく対応できる自信がないような場合は、弁護士への相談がおすすめです。 

弁護士であれば、証拠集めのサポートから、実際の交渉・裁判対応まですべて任せることが可能です。 

自身にかかる負担が減ることはもちろん、復職や解決金の獲得など、希望した結果を実現しやすくなります。 

懲戒解雇でよくある質問 

最後に、懲戒解雇を受けた人からよくいただく質問について見ていきましょう。 

(1)懲戒解雇後の退職金はどうなる?

懲戒解雇の場合には、退職金の全部または一部が支払われないことがあります。 ただし、退職金の不支給は、事前に退職金規程などに明記しておかなければなりません。 

そのため、退職金規程などに「懲戒解雇の場合は退職金を支給しない」と明記されていない場合は、退職金を支払ってもらえることがあります。 

(2)解雇予告手当は懲戒解雇でも払われる?

懲戒解雇の場合であっても、重大な服務規律違反が認められない場合や、会社が行政官庁の認定を受けていない場合は、解雇予告手当を支給しなければなりません。 解雇予告手当の支払い等をせず即時に解雇するためには、「労働者の責めに帰すべき事由」が必要です。 

「労働者の責めに帰すべき事由」とは、「あなたを解雇する」という予告期間をおかずに、即時に解雇されてもやむを得ないと認められるほどに重大な服務規律違反、または背信行為のことをいいます。また、解雇予告手当の支払いをせず即時解雇するには、使用者は、行政官庁の認定を受けなければなりません。 

(3)懲戒解雇は再就職に不利になるか?

懲戒解雇は再就職に不利になる可能性があります。 

そもそも再就職先から聞かれてもいないのに、自発的に懲戒解雇されたことを申告する必要はありません。しかし、退職理由を聞かれた際に、虚偽の回答をすれば、それは経歴詐称にあたってしまいます。 

【まとめ】懲戒解雇とは最も重い制裁|納得できない場合には弁護士へ相談を

今懲戒解雇とは、企業秩序違反に対する最も重い処分であり、即時に雇用関係が終了することがあり、退職金の減額や不支給などの影響を受けることが多いです。 

懲戒解雇が適法となるためには、就業規則に定められた懲戒事由に該当し、合理的な理由と社会的相当性があり、弁明の機会が与えられている必要があります。 

納得できない場合は、自分の権利を守るために弁護士への相談をおすすめします。 

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不当解雇でお悩みの方は、不当解雇を積極的に扱っているアディーレ法律事務所へご相談ください。 

この記事の監修弁護士
弁護士 髙野 文幸

中央大学卒、アディーレ入所後は残業代未払いの案件をメインに担当し、2018年より労働部門の統括者。「労働問題でお悩みの方々に有益な解決方法を提案し実現すること」こそアディーレ労働部門の存在意義であるとの信念のもと、日々ご依頼者様のため奮闘している。東京弁護士会所属。

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