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懲戒解雇とは?8つの問題行為と不当解雇だった時の対処法

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懲戒解雇とは、犯罪行為や重大な経歴詐称などをした場合に、罰として行われる解雇のことです。
懲戒解雇となると、退職金や転職活動に影響が出ることもありますので、懲戒解雇が有効であるかどうかをきちんと見極めることが大切です。
懲戒解雇について、弁護士がわかりやすく解説いたします。

懲戒解雇とは?

懲戒解雇とは、懲戒処分(罰)としての解雇のことであり、会社の懲戒処分の中でもっとも重い処分です。
会社によっては、懲戒解雇になると退職金の全部ないし一部が支給されないこともあります。
また、懲戒解雇の事由によっては、解雇予告期間や解雇予告手当(※)もなく即時に解雇することが可能です。

(※)解雇予告期間・解雇予告手当
解雇しようとする場合には、原則として少なくとも30日前に解雇予告をしなければなりません(労働基準法20条1項)。
また、予告が30日前に満たない場合は、原則として「不足した日数分の平均賃金」を企業が支払う義務があります(解雇予告手当、労働基準法20条2項)。
ただし、懲戒解雇の場合には、解雇予告期間・解雇予告手当の支払いが不要となる場合があります。

(1)懲戒解雇と普通解雇と整理解雇の違い

解雇には主に、懲戒解雇、普通解雇、整理解雇の3種類あります。
それぞれの違いは、以下の通りです。

解雇の種類内容具体例
懲戒解雇懲戒処分としての解雇業務上の地位を利用した犯罪行為や、長期間の無断欠勤などをした場合など
整理解雇会社の経営上の理由による解雇会社の経営不振、収益力が著しく低下した部署の統廃合などによる人員削減など
整理解雇懲戒解雇、整理解雇以外の解雇労働者が健康上の問題を抱えている、能力が足りない、などの場合など

(2)懲戒解雇されると転職に不利になることも

面接で、前職の退職理由を聞かれた場合に、懲戒解雇であることが知られてしまい、転職活動に不利になることもあります。

退職理由を偽って採用されたとしても、何かのきっかけで懲戒解雇であったことが知られると、新たに入社した会社で、経歴を詐称したことを理由に解雇されることもあります。

懲戒解雇になる8つの致命的な問題

懲戒解雇になる可能性のある8つの問題行為を、以下で解説いたします。

(1)業務上の地位を利用した犯罪行為

業務上横領、架空取引などの業務に関わる犯罪行為をすると、懲戒解雇になる可能性があります。

(2)会社の名誉を著しく害する重大な犯罪行為

自らの犯罪行為と共に社名が公開される、社用車利用による強盗など、会社のイメージダウンとなる犯罪行為をすると、会社の名誉を著しく害したとして、懲戒解雇になる可能性があります。

(3)重大な経歴詐称

会社が採用の際に重要視した事項(年齢、学歴、職歴、資格、犯罪歴など)などを偽った場合に、懲戒解雇となる可能性があります。

(4)セクシャル・ハラスメント

職場での性的な言動によって、他者に不利益や不快感を与え、著しく社内の風紀を乱す場合には、懲戒解雇になる可能性があります。

(5)パワー・ハラスメント

業務上の必要性や相当性もないのに、職務上の地位や人間関係などの優位性を利用して、精神的、身体的苦痛を与え、著しく社内の風紀を乱す場合には、懲戒解雇となる可能性があります。

(6)長期間の無断欠勤

会社に連絡なく長期間欠勤している場合、懲戒解雇となる可能性があります。

(7)重要な業務命令の拒否

正当な理由もないのに、何度も業務命令を拒否する場合、懲戒解雇となる可能性があります

(8)懲戒処分を受けても同様の行為を繰り返す

懲戒処分を受けても、何度も同様の問題行為を繰り返し、再三、注意・指導を繰り返されても、改善しない場合、懲戒解雇となる可能性があります。

懲戒解雇が無効となる場合

懲戒解雇となると、労働者に重大な不利益をもたらします。
そのため、裁判例上、懲戒解雇には、厳しい制限があり、少なくとも以下のいずれの条件も
満たさないと、懲戒解雇が無効となる傾向にあります。

  1. 懲戒解雇の事由・程度が就業規則に明記されていること
  2. 問題となった労働者の行為が、就業規則上の懲戒解雇の事由に該当すること
  3. 懲戒解雇が社会通念上相当であること

※3を満たすためには、通常、少なくとも以下のいずれの事項もクリアしていることが必要です。

  • 問題となった労働者の行為や勤務歴などに比べて、懲戒解雇という処分が重すぎないこと
  • 同じ問題行為を取った過去の労働者に対する処分に比べて、公平性を害しないこと
  • 就業規則などに定められた懲戒解雇の手続きをきちんと守っていること
  • 懲戒解雇について、本人に弁明の機会を与えていること

例えば、1度だけ、さして重要ではない業務を拒否したことを理由に、懲戒解雇処分を受けたとしても、懲戒解雇処分が重すぎるとして、懲戒解雇は無効となる可能性があります。

不当な懲戒解雇を受けた時の対処法

不当解雇は法律上許されるものではなく、労働者の権利を侵害する行為です。
労働者の権利を守るための対処法を、以下で解説いたします。

(1)会社と懲戒解雇について相談する

まずは、会社と懲戒解雇が妥当なのかを話し合いをしてみましょう。
その際、懲戒解雇の理由をできるだけ詳しく聞き出しておくと、反論の材料を見つけ出すきっかけになります。

(2)就業規則を確認する

懲戒解雇の事由は就業規則に明記されている必要がありますので、就業規則のどの行為に該当する行為であるのか確認しましょう。

(3)解雇理由証明書の発行を申請する

解雇理由証明書とは、解雇理由を具体的に記載した書面です。
「解雇理由証明書」を労働者が請求すると、事業主は遅滞なく解雇理由証明書を交付する義務があります(労働基準法第22条2項)。
この解雇理由証明書には、解雇された労働者は、「就業規則のどの条項に該当したのか、該当するに至った事実関係などについて」、解雇理由証明書に記載する必要があります。

解雇理由証明書が、不当解雇であると主張する際の証拠となる可能性があります。
例えば、横領したことが解雇の理由であったとしても、計画的犯行だったのか、意図せずに横領してしまったのかでは重大さが異なり、懲戒解雇の妥当性に影響することがあります。

ぜひとも解雇理由証明書の開示は受けておきましょう。
開示請求をした証拠が残るよう、メールなどで請求をおこなうことが大切です。

(4)弁護士に相談する

懲戒解雇処分が不当であると感じる場合には、すぐに、法律の専門家である弁護士に相談して今後の対応を検討しましょう。
懲戒解雇の無効を争う中で、会社側から金銭的な解決方法を引き出すことも可能です(支払理由を明らかにしないまま、解決金として支払うなど)。

また、その企業で働き続けたい場合は、企業に「解雇の無効+未払い賃金の支払い(※)」を主張することも可能です。
※違法な解雇により退職に追い込まれなければ,当該企業での勤務を継続することで得られたであろう賃金相当額

反対に、その企業で働くことを断念する場合は、

  • 逸失利益(本来得られたはずの利益)として、再就職までに通常必要な期間分の賃金の請求
  • 解雇が不法行為に当たるとして慰謝料請求

をすることも可能です。

いずれの方針にするのかは、弁護士と相談して決めるとよいでしょう。

解雇理由証明書を持参して弁護士に相談すると、相談がスムーズに進みます。

懲戒解雇が有効でも、解雇予告期間や解雇予告手当の支払いが必要な場合がある

懲戒解雇が有効であるとしても、常に即時解雇が可能なわけではありません。
即時解雇するためには、一定に要件を満たす必要があります。
すなわち、即時解雇をするためには、即時解雇されてもやむを得ないといえるほどに、重大な帰責性が労働者にあり、労働基準監督署長の認定が必要です(労働基準法20条)。
例えば、横領、窃盗、傷害など犯罪行為をした場合には、重大な帰責性があるとして、労働基準家督所長の認定があれば、即時解雇が可能となることが多いでしょう。

他方で、労働者の帰責性の程度がそれよりも軽い場合には、懲戒解雇であっても、原則として即時解雇ができず、解雇予告期間や解雇予告手当が必要となります。
解雇予告が必要であるにも関わらず、即時解雇された場合は、解雇予告手当の請求も視野に入れてみましょう。

なお、以下に該当する場合は、労働者の帰責性の程度にかかわらず、即時解雇が可能です。

  • 日雇い労働者(1ヶ月を超えて引き続き雇用される場合を除く)
  • 2ヶ月以内の雇用期間を定められている季節労働者以外の労働者(2ヶ月を超えて引き続き雇用される場合を除く)
  • 季節労働者であって、4ヶ月以内の雇用期間を定められている労働者(4ヶ月を超えて引き続き雇用される場合を除く)
  • 試用期間中の労働者(14日を超えて引き続き雇用される場合を除く)

参考:Q8このたび労働者を就業規則の規定に基づき懲戒解雇にしようと思っています。解雇予告は必要でしょうか。|厚生労働省鹿児島労働局

【まとめ】不当な懲戒解雇を受けたら弁護士へ相談しましょう

解雇には、主に懲戒解雇、整理解雇、普通解雇の3種類がありますが、懲戒解雇は罰として下されるもので、解雇の中でも最も重い処分です。
懲戒処分となると、退職金の全部または一部が支給されなかったり、転職活動が不利になったりすることもあります。
また、懲戒解雇になると、解雇予告期間や、解雇予告手当もなく、即時解雇される場合もあります。

犯罪行為や重大な経歴詐称などをすると懲戒解雇になってしまう可能性があります。

他方で、懲戒解雇の有効性に疑問を抱かざるを得ないケースも多々あります。

解雇が無効である場合、以下の手段を取ることが可能です。

  • その企業で働き続けたい場合:企業に「解雇の無効+未払い賃金の支払い」を主張
  • その企業で働くことを断念する場合:
    ・逸失利益(本来得られたはずの利益)として、再就職までに通常必要な期間分の賃金の請求
    ・解雇が不法行為に当たるとして慰謝料請求

このほかに、会社と懲戒解雇の有効性について交渉することで、支払理由を明らかにしないまま、解決金名目で金銭の支払いを受けることも可能な場合があります。

いずれの手段を取るにしても、解雇理由が重要となりますので、解雇理由が具体的に記載された解雇理由証明書を入手しましょう。
そして、就業規則や解雇理由証明書を用意して、すぐに弁護士に相談することをお勧めします。

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