あなたの法律のお悩み一発解決サイト
リーガライフラボ

「割増賃金率」とは?2023年4月からの引き上げも併せて解説

作成日:
リーガライフラボ

残業をしたのにそれに見合う適切な残業代が支払われない「未払い残業代」の問題は、いまだに社会のあちこちでトラブルを引き起こしています。

本来は時間外労働にあたるような長時間労働や休日出勤、もしくは深夜に及ぶ残業などを強いられているにもかかわらず、本来支給されるべき賃金が支給されないような「サービス残業」の問題もしばしば取りざたされるところです。

本来支払われるべき割増賃金が支払われていなければ違法ですから、その違法状態を解消するため、労働者としてもしかるべき対処をしなければなりません。

そのためにも、どのような残業をした場合にどのような額の割増賃金をもらえるのかという点については、しっかりと把握しておくことが重要です。
また、適切な割増賃金がもらえていない場合の対処法についても、理解しておく必要があります。

今後に控えている法改正の内容も踏まえて、今回は割増賃金率について解説していきます。

割増賃金率とは何か

会社が労働者に時間外労働や休日労働、あるいは深夜労働をさせた際には、通常の賃金よりも割り増しをした賃金を支払う必要があります。
その際の割増率を「割増賃金率」と呼んでいます。

割増賃金率は労働基準法37条で定められています。

2023年4月から中小企業の割増賃金率のルールが変わる

労働基準法37条1項によると、割増賃金率は、以下のようになっています。

使用者が、第33条(災害等による時間外・休日労働)又は前条第1項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の2割5分以上5割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
ただし、当該延長して労働させた時間が一箇月について60時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の5割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

引用:労働基準法37条1項

ここで、ただし書(「ただし」以降の規定)に示されている、1ヶ月の時間外労働が60時間を超えた場合のルールは、2010年4月の労働基準法改正によって設けられたものです。
もっとも、中小企業に関しては、労働現場の実情なども踏まえて、その適用が見送られてきました。

その結果、2021年現在、月60時間を超える残業に対する割増賃金率は、大企業であれば50%、中小企業であれば25%とされています。
これは、上記したように中小企業についてはこの50%という割増賃金率の適用が猶予されていることによりますが、2023年4月1日からは、中小企業にも50%の割増ルールが適用されることになっています。

参考:しっかりマスター労働基準法-割増賃金編-(P.3)|東京労働局

割増賃金率の計算方法

それでは、時間外労働、休日労働、深夜労働のそれぞれについて、割増賃金率の計算方法を紹介していきましょう。

(1)時間外労働

時間外労働の割増賃金率は、労働時間が法定労働時間を超えたときと、1ヶ月の時間外労働が60時間を超えたときの2段階で設定されています。

(1-1)法定労働時間を超えたとき

法定労働時間とは、法律で定められた労働時間の限度のことをいいます。
労働時間は、労働基準法32条によって、1日40時間、1日8時間が限度とされています。
その法定労働時間を超えた分の時間外労働に対する賃金には、25%以上の割増率が適用されます。

1項 使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。
2項 使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。

引用:労働基準法32条

(1-2)時間外労働が1ヶ月で60時間を超えたとき

時間外労働が1ヶ月で60時間を超えた分については、50%以上の割増率が適用されます(労働基準法37条1項ただし書)。
先述しましたとおり、現在は中小企業についてはこの規定の適用が猶予されていますが、2023年4月1日以降は、中小企業にも適用されることになっています。

(2)休日労働

法定休日に働いたときは、35%以上の割増率が適用されます。

法定休日とは、労働基準法35条で定められている、必ず設けなくてはならない休日のことをいい、毎週少なくとも1日または4週間のうちに4日以上設ける決まりになっています。

1項 使用者は、労働者に対して、毎週少くとも1回の休日を与えなければならない。
2項 前項の規定は、4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者については適用しない。

引用:労働基準法35条

土日が休みという会社なら、土曜か日曜のどちらかが法定休日で、もう一方は会社が独自に定める法定外休日ということになります。
土日のどちらが法定休日であるかを定めていない場合には、暦週(日曜から始まり、土曜で終わる)の後の順番に位置する土曜が、法定休日となります。

土曜が法定外休日で日曜が法定休日である会社の場合、日曜の出勤には35%以上の割増率が適用され、土曜の出勤には1日8時間・週40時間の法定労働時間を超えた分に25%以上の割増率が適用されます。

(3)深夜労働

22~5時までの間にした労働に対しては、25%以上の割増率が適用されます(労働基準法37条4項)。

(4)各条件が重複するときは?

時間外労働かつ深夜労働の部分には、25%+25%=50%の割増率が適用されます。

例:所定労働時間が9〜17時(休憩1時間)で、9~23時まで働いた場合
→17〜18時の労働は法定時間内残業のため、割増なしで通常の賃金が支払われます。
18〜22時の労働には、法定時間外の労働として25%の割増賃金が支払われます。
22〜23時の労働は法定時間外かつ深夜労働なので、50%の割増賃金が支払われます。

法定休日労働かつ深夜労働の部分には、35%+25%=60%の割増率が適用されます。

例:所定労働時間が9〜17時(休憩1時間)で、9~23時まで働いた場合
→9〜22時の労働には、休日労働として35%の割増賃金が支払われます。
22〜23時の労働は、休日労働かつ深夜労働なので、60%の割増賃金が支払われる

割増賃金率が適用されていない場合の対処法

割増賃金率が適用されるはずなのに、割増分の給与が支払われていないという場合にはどうしたらよいでしょうか。
以下ではそうした場合の対処法について、紹介していきます。

(1)労働基準監督署などの公的機関に相談する

労働基準監督署は、会社が労働基準法などの法令に違反している疑いがあるときに相談できる機関です。

労働基準監督署にいる労働基準監督官には以下のような権限があります。

  • 立ち入り調査
  • 帳簿や書類の提出要求
  • 使用者や労働者への尋問
  • 作業環境測定
  • 労働関係法令違反に関する強制捜査 など

労働基準監督署は全国に設けられています。

参考:全国労働基準監督署の所在案内|厚生労働省

労働基準監督署に行く際には、会社の違法行為を証明できるもの(タイムカードや給与明細など)を持っていくと、スムーズに話が進みます。

会社が法令に違反しているという確信がない場合は、全国の都道府県労働局や労働基準監督署に設置されている「労働総合相談コーナー」で相談してみるのもおすすめです。
ここでは、労働問題全般についての悩みごとなどを相談できます。

もっとも、労働基準監督署は、会社と労働者との間に生じた個別紛争を解決することを直接の目的とした機関ではなく、又労働者の代理人として会社とやり取りをする訳でもないため、その対応には限界があります。

(2)弁護士に相談する

職場の労働環境を改善したいという場合には労働基準監督署に相談するのも効果的ですが、「未払いになっている賃金を会社に請求したい」というような場合は、弁護士に相談するのがおすすめです。

弁護士に相談する方が、労働基準監督署に相談する場合よりも迅速に動いてもらいやすいためです。

また、労働問題に精力的に取り組んでいる弁護士に相談すると、会社との交渉から訴訟まで幅広く対応してもらうことができます。

【まとめ】割増賃金の未払いについてはアディーレ法律事務所にご相談ください

労働者に時間外労働、深夜労働、休日労働を行わせた場合、会社は法律で定められた割増率以上の割増賃金を支払う必要があります。

割増賃金が支払われていない場合には、その分を会社に請求することができます。

会社に対する未払い賃金の請求をお考えの方は、現状を法的に分析するためにも、一度アディーレ法律事務所にご相談ください。

残業代請求・退職代行に関するご相談は何度でも無料

残業代請求のご相談なら、何度でも無料です!

会社に対して、何らかの請求や主張をするお考えがない場合、ご相談をお受けしておりません。あらかじめご了承ください

もしくは

ゼロイチニーゼロ ロウドウ ツヨイ

0120-610-241

朝9時〜夜10時・土日祝も受付中

ご来所不要お電話や、オンラインでの法律相談を実施しておりますご相談の際、ご来所いただく必要はありません!
お電話、もしくはテレビ電話などのオンライン環境を使って、ご自宅からご相談できます。
外出が困難な方・新型コロナウイルス感染への不安で外出を控えていらっしゃる方も、ご安心ください。
ご相談方法については、お気軽にお問い合わせください。
※オンライン相談をご希望の方は、カメラ付きのパソコンやスマートフォン、タブレットなどが必要です。

お気軽にお問い合わせください

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

残業代請求・退職代行に関する
ご相談は何度でも無料

メールでお問い合わせ

ご来所不要お電話や、オンラインでの法律相談を実施しておりますご相談の際、ご来所いただく必要はありません!
お電話、もしくはテレビ電話などのオンライン環境を使って、ご自宅からご相談できます。
外出が困難な方・新型コロナウイルス感染への不安で外出を控えていらっしゃる方も、ご安心ください。
ご相談方法については、お気軽にお問い合わせください。
※オンライン相談をご希望の方は、カメラ付きのパソコンやスマートフォン、タブレットなどが必要です。

0120-610-241

朝9時〜夜10時・土日祝も受付中