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もしかして占い詐欺!?事例紹介&悪質サイトと判断するポイント5つ

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kiriu_sakura

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

「占いサイトを使っていたら、いつのまにか課金が100万円超え…。もしかしてこれって詐欺じゃないの?」

悪質な占い師や占いサイトが、相談者の不安や恐怖をあおって大金を支払わせたり、高額な商品を買わせたりするという被害が多数報告されています。

あなたが占い師に「占いを続けなければ不幸になる」などと不安になるようなことを言われ、結果として大金を支払うことになったのであれば、いわゆる霊感商法といった悪質な不法行為である可能性があります。
これ以上お金を支払わされる前に、そういった占い師やサイトとの連絡をやめることをおすすめします。
また、場合によっては支払ったお金を取り戻せることがありますので、一度弁護士に相談してみると良いでしょう。

今回の記事では、次のことについて弁護士が解説します。

  • 占い詐欺とは
  • 占い詐欺と判断するポイント
  • お金をつぎ込んでしまった場合の対処法
この記事の監修弁護士
弁護士 重光 勇次

弁護士 重光 勇次

アディーレ法律事務所

同志社大学、及び、同志社大学法科大学院卒。2009年弁護士登録。アディーレに入所後、福岡支店長、大阪なんば支店長を経て、2022年4月より商品開発部門の統括者。アディーレがより「身近な法律事務所」となれるよう、新たなリーガルサービスを開発すべく、日々奮闘している。現在、神奈川県弁護士会所属

占い詐欺とは

占い詐欺とは、一般的に、占いをするという名目で利用者を募り、不安をあおったりして高額な鑑定料や占いサイトの利用料金を請求することを指すようです。
専門的なことを言えば、法律上「詐欺」とはいえない場合もありますが、損害賠償として支払ったお金の返還などを請求できる「不法行為」なども含めて「占い詐欺」と表現されることがあります。

占いサイトやアプリなどを通じた「占い詐欺」の被害報告は相次いでおり、全国の消費生活センター等には、占いサイト等に関して年間1000件以上の相談が寄せられています。

実際の事例から学ぶ、こんな占いには要注意!

法律上「不法行為」だと認められるような占いは、どのようなケースなのでしょうか。
裁判所が「不法行為」だと判断したケースについてご説明します。

(1)【メール占い】占いのためにメール返信を繰り返して最終的に約400万円のポイントを購入していた…裁判所が不法行為と判断!

事件の概要占いサイトを利用するために約400万円分のポイントを購入したサイト利用者が、サイト運営会社の行為は詐欺であるとして、不法行為に基づく損害賠償を請求した事件(東京地裁判決平成30年4月24日)。
当該サイトを通じて占いや祈祷のサービスを受けたり、占い師から送られてきたメールに返信したりするためには、有料のポイントが必要だった。
結論サイト運営会社の行為は詐欺に該当すると判断され、不法行為に基づく損害賠償請求が認められた(ポイント購入分406万8000円のほか、弁護士費用40万6800円の計447万4800円の支払が命じられた)。
不法行為とされたポイントサイト上では、個別に占い等を行うことが表示されていたが、裁判所は、実際に個別の占いは行われていないと判断した。
(※当該サイトのホームページには、「驚愕の的中率であなたを導く!」「お客様一人ひとりを個別鑑定」などの記載があった。)
参考:暮らしの判例 2019年7月号|国民生活センター相談情報部

(2)【電話占い】親族の難病や自身の浮気の悩みについて電話占いを受け、除霊が必要などと言われ合計650万円を支払う…裁判所が不法行為と判断!

事件の概要電話占い相談がきっかけとなり、自身や夫の除霊をしなければ災いが起こるなどと不安をあおられ、除霊費用として合計650万円を支払った女性が、不法行為に基づく損害賠償を請求した事件(東京地裁判決平成26年3月26日)。
結論除霊の勧誘行為が、不法行為に該当すると判断され、損害賠償請求が認められた(除霊費用650万円のほか、弁護士費用65万円の計715万円の支払いが命じられた)。
不法行為とされたポイント
  • 勧誘相手を不安に陥れたり、怖がらせたりした
  • 不安定な精神状態に付け込んで勧誘行為をした
  • 支払わせた金額が高額である
参考:暮らしの判例 2016年2月号|国民生活センター相談情報部

占い詐欺と判断するポイント5つ

もちろん、大部分の占いはまっとうなサービスであり、「詐欺」や「不法行為」に該当するような悪質なケースはまれでしょう。
そこで、そのような悪質な占いを見分けるためのポイントをご紹介します。

(1)意味のない言葉のやり取りにお金がかかる

意味のないやり取りを指示され、そのやり取りにお金がかかるシステムなのであれば、要注意です。
例えば、占い師から、「『□〇△』という言葉をメールで送ってもらえれば、金運が上がります。」などと言われることがあり、そのようなケースでは、占い師あてにメールを送信するために有料のポイントを消費しなければならないことが多いです。

同じようなやり取りを何度もさせられるのであれば、本当に占っているのではなく、あなたに有料ポイントを消費させるためだけにメール送信を指示していると考えられます。
したがって、無意味なやり取りを続けるよう指示された場合は、占い詐欺である可能性が高いため、すぐに連絡をやめ、それ以上お金をつぎ込まないことをおすすめします。

(2)自分に向けられた言葉ではない

メールなどで送られてきた占いの結果は、本当にあなただけに向けられたものでしょうか。
占い詐欺の場合、具体的な相談に対応する回答ではなく、誰にでも当てはまるような一般的な内容の回答が次々と届くことがあります。
占い結果のテンプレートのようなものがあり、他の利用者にも同じような回答が送信されている可能性があります。
例えば、次のような内容です。

  • 信じて言うとおりにすれば、道は開ける
  • これまでは苦難の多い人生だったが、もうすぐ幸運期がやってくる
  • 開運の扉を開くために徳を授けるので、メールを送ってほしい

他の利用者にも同じ文章を送っているのではないかと感じたのであれば、あなたの質問に対し、具体的に回答した部分があるかチェックしてみましょう。
あなたの質問に対する具体的な回答はなく、有料のやり取りを何度重ねても一般的な内容の回答しかない場合には、実際には占いなどしていないと考えられるため、占い詐欺である可能性が高いでしょう。

(3)鑑定の終了を希望しても、妨げるようなやり取りが多い

いつまで経っても占いが続き、鑑定を終わりにしようとすると、「今終わりにすると今までの鑑定が無駄になる」、「3日以内に返信しないと不幸になる」など、不安をあおって引き延ばすように仕向けるような連絡が来るケースがあります。
あなたが終了を希望しているにもかかわらず、不安をあおったり怖がらせるようなことを告げたりして有料のやり取りを続けさせるのであれば、占い詐欺であることを疑った方が良いでしょう。

不安をあおって占いを続けさせるように仕向けるような連絡は、不法行為の有力な証拠となる可能性がありますので、メールを保存しておいたり、スクショをとっておくなどしておきましょう。
のちに損害賠償請求などをすることになった場合に、支払わされたお金が返ってくる可能性を高めることができます。

(4)しつこく有料のサービスに誘導される

初回無料をうたった占いサイトは数多くあります。
無料の占いだけ利用しようと個人情報を入力すると、有料のサービスを勧誘してくる場合がありますので注意が必要です。
このまま継続して鑑定を受けると、金運や恋愛運が上がるなどと言い、サイト運営者にメール配信の停止を希望しているにもかかわらず、何度もメールがくる場合があるようです。
「今は運気が悪い」
「鑑定を受けることにより運気が上がる」
悪質な場合には、このようなことを告げて不安をあおったり、脅したり怖がらせたりするような内容が書かれていることもあります。

また、サイト内で使用されるポイントを購入して課金するシステムには注意が必要です。
知らず知らずのうちに占い師とのやり取りを繰り返してしまい、大量のポイントを消費してしまっていることがあるからです。

(5)複数の占い師がかわるがわる連絡してくる

占いサイトにメールアドレスなどの個人情報などを書き込むことで、鑑定を申し込んだ占い師ではなく、そのサイトに登録している別の占い師からも連絡が来ることがあります。
他の占い師とやり取りする場合にもポイントの購入が必要となるでしょうから、サイト運営会社からすれば複数の占い師と数多くやり取りしてもらった方が儲かるわけです。

「運気が上がるなら」

「この悩みが解決するなら」

「親身になって話を聞いてくれるのだから」

心が弱っているときには、このように感じてやり取りを続けてしまうのも無理はないことかと思います。
しかし、複数の占い師がかわるがわる連絡してくる場合には、いたずらにポイントの購入ばかりをさせるよう仕向けられていないか、一度振り返って検討することをおすすめします。
また、占い詐欺をはたらくような悪質なサイトでは、運営会社の社員が一人何役もしているなど、連絡してくる占い師がいずれも実在の人物ではない可能性があります。

占い詐欺にお金をつぎ込んでしまった場合の対処法5つ

追い込まれた精神状態で占いサイトに登録し、気付いたら100万円もつぎ込んでいた、ということはありませんか。
もし、そのサイトが先述した占い詐欺のポイントに当てはまっているようでしたら、次のような対処法を検討してください。

(1)きっぱりとその占いの利用をやめる

登録したサイトが占い詐欺をはたらいているのであれば、おそらくあなたのことをきちんと占っているわけではない可能性が高いでしょう。
そのため、そのようなものを信じる必要はありません。
お金のためにあなたを不安にさせるような言葉を選び、あなたをコントロールしようとしているだけだと考えられます。

したがって、そのような占いサイトは登録解除し、きっぱりと利用をやめることをおすすめします。
どうしても占いに頼りたい気持ちになることはあるでしょうが、その占い師、占いサイトである必要はありません。
世の中には他にもたくさんの占いがあるのですから、他に信頼できる占い師や占いサイトがあるはずです。

(2)証拠を保存する

占いサイトの登録を解除すると、システム上、占い師とのこれまでのやり取りが見られなくなる可能性があります。そのため証拠が確保できなくなるケースがあるため、占い師とのやり取りはスクリーンショットや、直接スマホやパソコンの画面の写真を撮るなどの方法で保存しておくことをおすすめします。
また、やり取りの内容だけでなく、その占い師や占いサイトにお金をいくら支払ったのかが分かる資料(振込明細など)も保存しておくと良いでしょう。

(3)直接相手に返金を求める

自分が直接、占いサイトの運営会社などに返金するように交渉することが考えられます。
裁判沙汰になる前に解決しようと、すぐに返金に応じてもらえる可能性もありますが、返金請求を無視されて返信さえもらえないケースや、返信はあったとしても返金には一切応じないケースもあります。
消費者問題に詳しい第三者機関に仲介を依頼したり、弁護士に返金交渉を依頼した方が、請求された側も真摯に対応する可能性が高いですし、冷静な話し合いになりやすいでしょう。

(4)公的機関に相談する

占い詐欺による被害についての相談は、弁護士だけでなく公的機関も受け付けています。
主に、次のような相談先があります。

  • 全国の消費生活センター等

都道府県の消費生活センター等につながる消費者ホットライン(局番なし188)は、商品やサービスなどに関する消費者からの相談を受け付けています。
相談は無料ですが、通話料金が発生するためご注意ください。

参考:通話料金の目安|消費者庁

  • 国民生活センターADR

ADRとは、裁判外紛争解決手続きのことです。
直接交渉してみたけれど解決しそうになく、費用や時間がかかるため裁判にはしたくないと思っているのであれば、国民生活センターによるADRの利用を検討ください。
(利用は「重要消費者紛争」の場合にかぎられているため、申請すれば必ずADRが利用できるわけではありません。)
国民生活センター紛争解決委員会を組織する委員には、弁護士などの専門家が任命されており、和解の仲介や仲裁を行います。

参考:国民生活センター紛争解決委員会によるADRの概要|独立行政法人 国民生活センター

  • 弁護士会ADR

全国各地の弁護士会でもADRが行われています。
裁判にはしたくないけれど、中立の第三者に介入してもらい、解決を図りたい場合には利用を検討ください。
裁判に比べると少額の費用で利用できます。
また、解決までの時間も、裁判の場合より短期間で済むことが期待されています。

参考:紛争解決センター(ADR)|日本弁護士連合会

(5)弁護士に相談・依頼する

これまで紹介した3つの機関は、あくまで公正中立な第三者としての立場で相談に乗ってくれたり、紛争解決に協力してくれたりするものです。
自分の味方となり、自分の代理人として活動してもらうためには、占い詐欺の被害を取り扱っている弁護士に依頼することをおすすめします。
また、交渉する相手や請求する相手が複数いることも少なくありません。

例えば、占いサイトの利用料金をクレジットカード払いにしていた場合、占いサイトの運営会社やその取締役だけでなく、カード会社なども相手方として交渉することが必要となる可能性があります。
そのような場合には法律関係が複雑になるため、交渉には高度な専門知識や交渉テクニックがよりいっそう必要になります。
したがって、専門家に自分の味方になってほしい場合や、法律関係が複雑になりそうな場合には、弁護士にまず相談したうえ、依頼を検討すると良いでしょう。

【まとめ】占い詐欺かも?と感じたらもう課金しないことをおすすめします|悪質な場合は返金を請求できる可能性あり

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 占い詐欺とは、一般的に、占い名目で利用者を募り、不安をあおったりして高額な鑑定料や占いサイトの利用料金を請求すること
  • 裁判所が「不法行為」だと判断し、支払った料金の返還が認められた裁判例が存在する
占い詐欺だと判断するポイント
  • やり取りに料金が発生するにもかかわらず、無意味なやり取り(メール送信など)を続けるよう指示される
  • 占いの結果として、誰にでも当てはまるような一般的な内容の回答しか返ってこない(質問に対する具体的な回答がない)
  • 終了を希望しても、不安をあおったり怖がらせるようなことを告げたりして有料のやり取りを続けさせる
  • 無料の占いしか利用するつもりがないのに、しつこく有料のサービスを利用するように勧誘してくる
  • 複数の占い師がかわるがわる連絡してくる
  • 占い詐欺かもしれないと感じたら、その占いの利用はきっぱりとやめ、占い師とのやり取りなどは証拠として保存しておく
  • 占いサイトの運営会社などに直接自分で返金を請求することもできるが、公的機関や弁護士に相談することもできる
  • 自分の味方になってほしい場合や、法律関係が複雑な場合には、弁護士に依頼すると良い

悪質な占い師や占いサイトは、あなたの不安や恐怖をあおって、料金を支払い続けるように仕向けてきます。

「このままでは不幸になる」
「私の言うとおりにすれば大丈夫」

このようなことを告げられた場合はいったん冷静になり、その占いの利用をやめるようにしましょう。
占いは、あなたの幸せのために賢く利用してくださいね。
もし、占いに大金をつぎ込んでしまい、そのサービスが占い詐欺ではないかと感じている場合には、占い詐欺の被害を取り扱っている弁護士や消費者ホットライン(局番なし188)にご相談ください。

参考:消費者ホットライン|消費者庁

この記事の監修弁護士
弁護士 重光 勇次

弁護士 重光 勇次

アディーレ法律事務所

同志社大学、及び、同志社大学法科大学院卒。2009年弁護士登録。アディーレに入所後、福岡支店長、大阪なんば支店長を経て、2022年4月より商品開発部門の統括者。アディーレがより「身近な法律事務所」となれるよう、新たなリーガルサービスを開発すべく、日々奮闘している。現在、神奈川県弁護士会所属

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