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マッチングアプリのサクラや業者とは?被害にあったときの対処法

作成日:
kiriu_sakura

「マッチングアプリのサクラや業者って何?どんな違いがある?」
このような疑問をお持ちではないでしょうか。

実は、サクラと業者は、明確に性質や目的が異なる別物です。
そして、サクラや業者には、プロフィールやメッセージのやり取りにそれぞれ特徴があります。

マッチングアプリにおいて、サクラや業者の被害にあったのであれば、泣き寝入りせずに警察や弁護士に相談しましょう。

この記事を読めば、マッチングアプリにおけるサクラや業者による被害への適切な対処法がわかります。

今回の記事では次のことについて、弁護士がご説明します。

  • マッチングアプリのサクラと業者の違い
  • サクラとキャッシュバッカーの違い
  • サクラや業者を見分けるポイント
  • マッチングアプリのサクラや業者による被害への対処法
この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

【マッチングアプリ】サクラの基礎知識と業者との違い

マッチングアプリでよくあるトラブルとしては、サクラと業者によるものがあります。
いずれも有害なユーザーであることには変わりませんが、両者には明確な違いがあります。

(1)マッチングアプリのサクラとは?

サクラとは、マッチングアプリの運営会社が雇っているユーザー(会員)のことをいいます。
他のユーザーの課金を引き出すことを目的としており、サクラは運営会社から報酬をもらっています。
また、ユーザー数を水増しすることで、人気のあるマッチングアプリだという印象を与える目的の場合もあります。

(2)サクラがいるマッチングアプリの特徴

サクラがいるマッチングアプリの特徴の1つとして、メールのやり取りやプロフィール閲覧がポイント課金制であることが挙げられます。
逆に、月額定額制のマッチングアプリは、課金制度がないためサクラが存在しないことが多いようです。
マッチングアプリは月額定額制のものが多いようですが、いわゆる出会い系アプリは課金制のものが多く、運営会社による本人確認も甘いことが多いため注意するようにしましょう。

(3)マッチングアプリのサクラと業者の違い

先述のとおり、マッチングアプリのサクラは、アプリの運営会社が雇ったユーザーです。
一方、マッチングアプリにおける業者とは、運営会社とは無関係の個人や団体です。
業者は、マルチ商法や宗教、風俗店の勧誘や、特定の有料サイトへの誘導を主な目的として、マッチングアプリに紛れ込んでいます。
月額定額制のマッチングアプリを選べば、サクラは回避しやすくなりますが、業者は、運営会社とは無関係に一般のユーザーに紛れ込んでいるため、排除しきれないのが現状です。
なお、業者ユーザーが芸能人などになりすまして、別の有料サイトに誘導する「サクラサイト商法」と呼ばれる手法も存在します。

業者のターゲットにされると、個人情報漏洩の被害にあったり、金銭をだまし取られたりする可能性があります。

参考:サクラサイトトラブル|消費者庁

(4)サクラとキャッシュバッカーの違い

キャッシュバッカーとは、マッチングアプリのキャッシュバックシステムを悪用した、ポイント稼ぎ目的の一般ユーザーのことです。
マッチングアプリの中には、女性ユーザーを対象に、男性ユーザーとのメッセージ交換や通話などでポイントが得られ、現金やウェブマネー、景品と交換できるキャッシュバックシステムが採用されていることがあります。
そのため、そういったキャッシュバック目的でマッチングアプリを利用している女性ユーザーがいるのです。ポイント制のマッチングアプリを利用しているのであれば、やり取りしている相手がキャッシュバッカーでないか注意するようにしましょう。

サクラは運営会社が雇っていますが、キャッシュバッカーは一般の女性ユーザーが中心である点に違いがあるといえるでしょう。
メッセージのやり取りでポイントがたまるため、無駄に会話を長引かせる点においては、サクラと似ているといえます。

マッチングアプリにいるサクラ・業者の特徴と見分け方

次に、マッチングアプリのサクラや業者を見分けるために、その特徴について解説します。

(1)プロフィールでサクラや業者を見分ける方法

サクラ、業者のいずれの場合であっても、魅力的なプロフィールであることが多いという特徴があります。
例えば、写真が芸能人並みの美男美女であったり、男性の場合はハイスペックかつ高収入と考えられる職業であったりします。
また、そのように多くの人とマッチングできそうな魅力的なプロフィールであるにもかかわらず、マッチングする相手に求める条件のハードルが低いことも特徴です。
なお、サクラの場合はネットから拾った画像を使ったり、同じ写真を別名で使い回したりしていることがありますので、過去にマッチングしたユーザーと似た人を見付けた場合、サクラの可能性を疑った方が良いでしょう。

(2)メッセージのやり取りでサクラや業者を見分ける方法

次に、メッセージのやり取りからわかる、サクラと業者それぞれの特徴について解説します。

(2-1)サクラのユーザーとは会えない

サクラの特徴として、たとえやり取りを重ねていても、相手とは決して会えないことが挙げられます。
そもそもサクラの目的は、メールなどのやり取りで課金させることであるため、会話をできるだけ長引かせようとします。
会話は盛り上がってやり取りが続くにもかかわらず、実際に会う方向には話が進まないのであれば、サクラの可能性があります。
LINE交換や実際に会う流れになると、急に返信が途絶えたり、ブロックされるなど態度が急変することも特徴です。

(2-2)業者のユーザーはすぐに会いたがる

サクラは会話を長引かせるわりに会えない一方、業者はすぐに会いたがるのが大きな特徴といえます。
例えば、すぐにLINEの交換を提案してきたり、早く会いたいなどと言われたりした場合には、業者の可能性があります。
業者の目的は勧誘であり、アプリ上でやり取りを長く続ける必要はないためです。
特に、女性の方から積極的に会おうと誘ってくるのであれば、業者の可能性を疑っておいた方が良いでしょう。

別の有料サイトへの誘導が目的の場合、URLやQRコードを送ってきます。
また、投資などお金の話が出たら投資詐欺、紹介したい人がいると言われたらマルチ商法などの可能性が高いため、注意しましょう。
なお、外国人がユーザーを請け負っていることがあるため、日本語での会話がかみ合わないことがあるのも業者の特徴です。

マッチングアプリのサクラ・業者による被害を受けたときにすべきこと

実際にサクラや業者と思われるユーザーに遭遇したときの対処法について解説します。

(1)メッセージなどの証拠を残す

相手が少しでも怪しいと感じたら、スクリーンショットなど、メッセージのやり取りを画像として残しておくようにしましょう。
被害者がだまされたことに気付いた場合、サクラや業者はアカウントを削除し、証拠隠滅を図ることが多いためです。
金銭をだまし取られたのであれば、相手とのやり取りの履歴だけでなく、口座引き落としや、クレジットカードの明細なども残しておくようにしましょう。

(2)マッチングアプリの運営会社に通報する

利用者数の多い大手のマッチングアプリであれば、悪質なユーザーを運営会社に通報する機能があります。
業者による被害にあったのであれば、すみやかに通報するようにしましょう。

(3)犯罪に巻き込まれたら警察に相談する

投資詐欺など、犯罪の被害にあった場合、警察の生活安全課などに相談することをおすすめします。
直接的な被害がなくとも、犯罪に巻き込まれる危険を感じたときは、警察相談窓口(#9110)に連絡するという方法もあります。

参考:警察に対する相談は警察相談専用電話 #9110へ|政府広報オンライン

(4)公的な相談窓口を利用する

マッチングアプリをきっかけに、ネットワークビジネスや詐欺サイトに誘導されて高額請求を受けたり、恋愛感情を利用して高額な商品などを買わせるデート商法の被害にあったりすることがあります。
契約や商品を購入してしまった場合、クーリング・オフによって白紙にできるかもしれません。

クーリング・オフとは、一定期間内であれば、無条件に業者との契約を解除できる制度のことをいい、消費生活センターに相談すると、クーリング・オフなどについて相談することができます。
消費者ホットライン(局番なし188)にかけると、最寄りの相談窓口を紹介してくれますので、ご活用ください。

参考:消費者ホットライン|消費者庁

(5)弁護士に相談する

マッチングアプリをきっかけに詐欺などの被害にあった場合、弁護士に相談するのも有効です。
警察に相談した場合、加害者の刑事処分にはつながるかもしれませんが、だまし取られたお金を取り返してくれるわけではありません。
弁護士に被害金の返還請求を依頼した場合、加害者に対し不当に得た金銭を返還するよう交渉してもらうことができる場合があります。

【まとめ】マッチングアプリにはサクラや業者などの有害なユーザーがいる。被害にあったら素早い対応が大切

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • マッチングアプリのサクラとは、課金やユーザー数の水増し目的で、運営会社が雇ったユーザーのこと
  • 月額定額制のマッチングアプリにサクラがいる可能性は低いが、勧誘や誘導目的の業者は存在する
  • プロフィールやメッセージのやり取りの特徴から、サクラや業者を見分けられる場合がある
  • サクラのユーザーとは会えないが、業者のユーザーはすぐに会いたがるのが大きな特徴
  • マッチングアプリをきっかけに詐欺などの被害にあった場合、メッセージのやり取りなどの証拠を残しておくようにする

マッチングアプリをきっかけに、詐欺などの被害にあってお困りの方は、警察や消費者生活センター、詐欺被害を取り扱っている弁護士にご相談ください。

参考:消費者ホットライン|消費者庁

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

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