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何を言ったら侮辱罪になる?被害にあったときの対処法も解説

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s.miyagaki

「アホ」「バカ」「ブス」

こういった言葉は残念ながら日常にあふれています。
実はこの言葉、SNSに書き込むと「侮辱罪」が成立します。

昨今、インターネット上で悪口を書かれて深く傷つき、自ら命を絶ってしまうという痛ましい事件が起こっています。
こうした社会の流れを受けて、2022年7月7日、侮辱罪の法定刑が引き上げられ、より厳しく罰せられるようになりました。

参考:侮辱罪の法定刑の引上げQ&A | 法務省

では、何を言ったら侮辱罪になるのでしょうか。

今回の記事では、次のことについて弁護士が解説します。

  • 侮辱罪になるケース
  • 悪口をインターネットに書き込まれたときの対処法
この記事の監修弁護士
弁護士 重光 勇次

弁護士 重光 勇次

アディーレ法律事務所

同志社大学、及び、同志社大学法科大学院卒。2009年弁護士登録。アディーレに入所後,福岡支店長,大阪なんば支店長を経て,2022年4月より商品開発部門の統括者。アディーレがより「身近な法律事務所」となれるよう、新たなリーガルサービスを開発すべく、日々奮闘している。現在、神奈川県弁護士会所属

侮辱罪の成立要件と刑罰

侮辱罪の成立要件と刑罰については、刑法で次のように定められています。

(侮辱)

第二百三十一条 事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、一年以下の懲役若しくは禁錮若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

参考:刑法 | e-Gov法令検索

侮辱罪の成立要件

もう少し、侮辱罪の成立要件をかみ砕いてみます。

1 事実を指摘せずに
2 不特定または大勢の人が認識できる状況の下で
3 他の人や法人をおとしめる(社会的評価を低下させる)言葉を示した

1. 事実を指摘しない場合は「侮辱罪」、事実を指摘した場合は「名誉毀損罪」というすみ分けになっています。
例えば、「〇〇(被害者名)はケチ」とSNSに書くと侮辱罪に当たる可能性があります。
他方で、「〇〇(被害者名)はお金があるのに給食代を払っていない」とSNSに書くと名誉毀損罪に当たる可能性があります。

2. 実際に不特定の人または大勢の人が、その悪口を見たかどうかは関係ありません。誰もが見ることができるインターネット上で悪口を書くと、「公然と」侮辱したことになります。

3. 「アホ」「バカ」「ブス」といった言葉は、「侮辱」に該当します。

侮辱罪の刑罰

2022年7月7以降、侮辱罪の法定刑は次の通り引き上げられています。

新(2022年7月7日以降)
拘留又は科料一年以下の懲役若しくは禁錮若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料

簡単にいえば、侮辱罪の改正前は、

  • 短い期間、身柄が拘束されるか
  • 少ないお金を払えば済む、という刑でした。
    ※拘留:1日以上30日未満、身柄が拘束される刑
    ※科料:1000円以上1万円未満のお金を払わなければならない刑

しかし、インターネット上で悪口を書かれて自ら命を絶つなど、深刻な被害が発生するようになりました。そこで、侮辱罪は改正され、

  • より長く身柄が拘束される懲役刑、禁錮刑と
  • よりたくさんお金を払わなければならない罰金刑、が追加されました。

何を言ったら侮辱罪?〇×で解説

では、何を言ったら侮辱罪になるのか、ケース別に〇×で解説します。

Twitterで、「〇〇(被害者名)はデブ」と書いた。これって侮辱罪?

侮辱罪にあたります。

誰でも見れるけれども、人気がなくて訪問者が滅多にいない自分のブログで「〇〇(被害者名)は気色悪い」と書いた。これって侮辱罪?

侮辱罪にあたります。実際に不特定または大勢の人が見たかどうかは関係ありません。見る可能性があるか、が重要です。

口コミサイトで、「〇〇(ラーメン店名)はクソマズい。こんなラーメンで客から金取ろうとするなんてボッタくりだ」と書いた。これって侮辱罪?

侮辱罪にあたります。
ここで、「おいしくないと書いた人、全部処罰の対象になる?」と思われる方もいるかもしれません。
この点、公正な論評の場合は罰せられません(刑法35条)。
しかし、このケースはラーメン店を攻撃する内容となっており、公正な論評とはいえません。そのため、処罰される可能性があります。

お店のレジで並んでいたら、前の客が財布から小銭を出すに時間がかかっていた。そのため「トロトロしてんじゃねーよ」と怒鳴った。これって侮辱罪?

侮辱罪にあたります。早くしてほしいという気持ちを伝える目的であったとしても、表現が他人をおとしめる表現なので許されません。

相手の自宅で二人っきりのときに、その自宅内で相手に「ブサイク」といった。これって侮辱罪?

侮辱罪にあたりません。不特定または大勢の人が聞く可能性があるといえないからです。
ただし、刑事の責任は問われなくとも、民事上、侮辱したとして損害賠償責任が発生します。

相手と自分以外、誰もいない公共の道路上で、相手に対し「バカ」と言った。これって侮辱罪?

侮辱罪にあたります。公共の場所なので、不特定の人が聞く可能性があります。

「このクソが」と書いたメールを相手にだけ送った。これって侮辱罪?

侮辱罪にあたりません。自分と相手しか見ることができないメールの場合、不特定または大勢の人が見ることができる状況にないためです。ただし、民事上の侮辱にあたるのは、先ほどと同様です。

他人を攻撃する言葉(誹謗中傷)は他の罪にあたることもあります。
インターネット上に誹謗中傷を書き込んだら成立する可能性のある犯罪については、
こちらの記事をご覧ください。

インターネット上に誹謗中傷を書き込んだら成立しうる5つの罪とは?

実際に侮辱罪の刑罰が科された事例

次の事例は、実際に侮辱罪の刑罰が科された事例です。
参考:令和2年中に侮辱罪のみにより第一審判決・略式命令のあった事例|法務省

  • SNSに「この子○○(地名)一番安い子!!お客様すぐホテル行ける!!最低!!」などと投稿した上、このSNSにおける被害者のプロフィール画像を掲載した事例

  • SNSの被害者に関する動画配信にて、「BM、ブタ」などと発言した事例

  • インターネット上で、「母親が金の亡者だから、稼げ稼げ言ってるらしいよ!育ててやってんだから稼いで金よこせ!って言われてんじゃないかしら?」「子供達しょっちゅう施設に入ってたらしいよ」などと掲載した事例

  • 口コミサイトで、「詐欺不動産」「対応が最悪の不動産屋。頭の悪い詐欺師みたいな人。」などと掲載した事例

  • 商業施設の掲示板に「○○(被害者名) コノオトコハ ワル イ オトコ デス」などと記載した紙を貼った事例

侮辱されたときの対処法

侮辱されたときの対処法としては大きく分けると

  • 「刑事の対応をする」
  • 「民事の対応をする」

となります。これらにつき解説します。

刑事の対応をする

SNSに、「〇〇(被害者名)は社会のクズ」と書かれたら、勝手に警察が動いてくれるでしょうか。答えは「NO」です。
侮辱罪は親告罪といって、警察に告訴しないと、警察は動いてくれません。通常は告訴状を警察に提出する形で、告訴します。
なお、犯人を知った時から半年以内に告訴する必要がありますので気を付けましょう(刑事訴訟法235条)。

侮辱した相手が誰か特定しておく」「証拠を持参する」などすると、警察も動きやすくなります。

ところが、インターネット上での侮辱の場合、相手が誰か分からないことも多いものです。この点、サイト管理者や接続プロバイダに、投稿者のIPアドレスや住所氏名を開示するよう請求すると、判明する場合があります。交渉で開示してもらえる場合もあれば、民事の裁判手続きが必要となる場合もあります。
専門的知識が必要となる場面も多いので、弁護士に相談するとよいでしょう。

民事の対応をする

民事の対応しては、主に「損害賠償請求」「削除請求」があります。

慰謝料請求

個人が侮辱された場合は、慰謝料請求をすることになります。
侮辱に対する慰謝料の裁判上の相場は10万円以下」と残念ながら低額ですが、相手に対して反省を促す、今後同様の行為をさせないという意味では有効でしょう。

法人が侮辱された場合には、信用を回復させるために損害が生じたなどとして、無形損害という形で請求します。

削除請求

インターネット上で侮辱された場合には、侮辱された言葉を削除するよう、投稿者やサイト管理者などに請求することが可能です。
削除するよう交渉しても削除してもらえない場合は、民事の裁判上の手続きで削除請求することが可能な場合があります。

SNSで侮辱された場合の対策について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

SNSで誹謗中傷されたらどうしたら良い?3つの対策を弁護士が解説

【まとめ】他の人をおとしめる言葉は侮辱罪にあたることがある

今回の記事をまとめると次の通りになります。

  • 侮辱罪が成立するのは次の要件を満たすとき
    「事実を指摘せずに」
    「不特定または大勢の人が認識できる状況の下で」
    「他の人や法人をおとしめる(社会的評価を低下させる)言葉を示す」
  • インターネット上で、「〇〇(被害者名)はアホ・バカ」などと書くと、侮辱罪が成立する。インターネット上でなくとも、道路上や店など、公共の場所で他人をおとしめる言葉は、侮辱罪が成立する可能性がある。
  • 侮辱罪は親告罪なので、警察に告訴しないと動いてもらえない。
  • 侮辱された場合、「慰謝料請求」したり、侮辱に当たる言葉を「削除請求」するといった方法もある。

侮辱する言葉を言った本人はすぐに忘れてしまうかもしれませんが、言われた側はいつまでも苦痛に思っているものです。しかし、ご自身だけで抱え込んでしまうのはよくありません。

アディーレ法律事務所は、インターネット上のサイトで誹謗中傷され、苦痛を感じている方の力になりたいと考えています。誹謗中傷され、傷ついた気持ちはご自身だけで抱え込まずに、一度アディーレ法律事務所にご相談ください。

誹謗中傷の削除や投稿者の特定を行うことができれば、あなたが感じている理不尽さや苦痛を少し和らげることができるかもしれません。

アディーレ法律事務所では、自分を誹謗中傷する投稿に関し、「投稿を削除したい」、「投稿者を特定したい」などのご相談を何度でも無料で承っています。

投稿記事や検索結果が削除できなかったり、投稿者の情報が開示されなかった場合、弁護士費用は、原則として全額返金しております。

「インターネット上で誹謗中傷されて困っている」という方は、お気軽にアディーレ法律事務所にご相談ください。
フリーダイヤル「0120-406-848」にてご予約の電話を承っています。

この記事の監修弁護士
弁護士 重光 勇次

弁護士 重光 勇次

アディーレ法律事務所

同志社大学、及び、同志社大学法科大学院卒。2009年弁護士登録。アディーレに入所後,福岡支店長,大阪なんば支店長を経て,2022年4月より商品開発部門の統括者。アディーレがより「身近な法律事務所」となれるよう、新たなリーガルサービスを開発すべく、日々奮闘している。現在、神奈川県弁護士会所属

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

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