「どうやら夫が浮気している気がする。iPhoneを使って、自分で浮気調査をすることはできないのかな?」
このようにお考えの方はいませんか?
法律上、慰謝料や離婚を請求できる「浮気」といえるためには、原則として肉体関係(「不貞行為」といいます)が必要です。
したがって、浮気当事者(配偶者とその浮気相手)が浮気の事実を認めなければ、肉体関係を推認させる客観的な証拠が必要になります。
「この証拠は浮気の証拠として意味があるか」、意味があるとして「証拠としての価値はどれくらいか」については、家事事件に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。
また、場合によっては、証拠の収集方法についてのアドバイスを受けられることもありますので、事前に相談しておいても良いでしょう。
この記事を読めば、配偶者にバレて浮気調査が失敗に終わるリスクや、あまり価値のない証拠を手に入れるために無駄な手間や労力をかけてしまうリスクを減らせます。
この記事を読んでわかること
- 浮気(不貞行為)の証拠収集のポイント
- iPhoneなどを使って自分で浮気調査をするリスク
- 調査会社や弁護士に相談・依頼するメリット
法政大学、及び学習院大学法科大学院卒。アディーレ法律事務所では、家事事件ドメイン(現:慰謝料請求部)にて、不貞の慰謝料請求、離婚、貞操権侵害その他の男女トラブルを一貫して担当。その後、慰謝料請求部門の統括者として広く男女問題に携わっており、日々ご依頼者様のお気持ちに寄り添えるよう心掛けている。第一東京弁護士会所属。
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浮気調査における証拠集めのコツ
法律上、「浮気」で慰謝料が請求できるかどうかは、基本的に不貞行為の有無で決まります。
不貞行為とは、原則として自由な意思に基づく既婚者(あるいは配偶者以外の人)との性行為をいいます。
「浮気」「不倫」といった法律用語はなく、浮気などで慰謝料を請求できるのは、基本的に不貞行為があった場合とされています。
そして、不貞行為を理由に慰謝料や離婚を請求するためには、請求する側が不貞行為の存在を立証するのが原則です。
そのため、証拠の有無やその価値の大小が、非常に重要なポイントになってきます。
また、裁判ではなく話し合いで解決する場合、証拠は必須ではありませんが、証拠がなければ交渉を有利に進めることは難しいでしょう。
(1)不貞行為を立証できる証拠を集める
不貞行為を立証する証拠は、基本的に「量より質」が重要です。
具体的には、次のようなものが挙げられます。
いずれも、浮気の当事者間における肉体関係の存在を示す内容であることが重要になります。
- メールやLINE、メッセージなどのやり取り
- 写真や動画
- 浮気を自白した録音
- 調査会社の報告書
なお、配偶者ではなく、浮気相手に慰謝料を請求する場合、不貞行為の存在だけでなく、浮気相手が「(不貞行為の当時)不貞行為の相手が既婚者であると知っていたこと(故意)」、あるいは「(知らなかったとしても)不注意によって既婚者だと気付けなかったこと(過失)」も必要です。
したがって、浮気相手が、「あなたの配偶者が既婚者であることを知っていたことを示す証拠」 が必要になることもあります。
(2)証拠としての「価値の有無」と「価値の大小」がポイント
せっかく手に入れた証拠が、本当に証拠として価値があるとは限りません。
また、証拠の入手方法次第では、裁判上の証拠として認められない可能性もあります。
例えば、浮気相手の家から盗み出したものや、浮気相手の家の中などを盗聴・盗撮することで得られた証拠など、違法な手段で集めた証拠です。
また、証拠としての価値があまりないと判断される場合もあります。
例えば、2人で出かけていることがわかる証拠がいくらあっても、それだけで不貞行為の存在を推認できない可能性が高いです。
そのため、日中屋外でデートをしていたことを証明する証拠があったとしても、不貞行為の存在を証明する証拠としての価値は低いと考えられます。
逆に、深夜に密室で数時間以上、2人きりで過ごしていたことがわかる証拠であれば、不貞行為の存在そのものを直接証明できるわけではないものの、証拠としての価値はそれなりにある、といえるでしょう。
効果的な証拠集めについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。
証拠の集め方について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
iPhoneで浮気調査する方法とリスク
次に、iPhoneを使って浮気調査をする方法や、それによって生じ得るリスクについて解説します。
(1)iPhoneを使って浮気調査する方法
iPhoneを使った代表的な浮気調査は次のとおりです。
- 通話やメール、LINEなどの履歴を調べる
- SNSのフォロワーを調べる
- マッチングアプリのインストール状況や使用状況を調べる
- 「位置情報サービス」機能で配偶者の行動履歴を調べる
- (自分のiPhoneを操作して)「(iPhoneを)探す」機能で配偶者の居場所を調べる
ただし、他人のiPhoneを無断で操作することは、違法となるリスクの高い行為です。
配偶者のiPhoneを調査したいのであれば、配偶者の許可を得てiPhoneを操作するようにしてください。
(2)自分で浮気調査をするリスク
たとえ夫婦の間でも、他人のiPhoneの無断操作は違法となる可能性があります。
例えば、次のような理由で違法行為と判断されかねません。
- 不正アクセス禁止法(正式名称:不正アクセス行為の禁止等に関する法律)違反
- プライバシー権の侵害
例えば、他人のiPhoneに無断でアプリをインストールすることは、不正アクセス禁止法に違反する行為です。
そのため、こっそり配偶者のiPhoneに位置情報共有アプリをインストールし、浮気調査をすることはやめましょう。
また、不正アクセス禁止法に違反しない行為であっても、他人のiPhoneを勝手に見た場合には、他人のプライバシー権を侵害する不法行為(民法709条)であると判断される可能性があります。
先ほどご説明したように、違法な手段で集めた証拠は、裁判では証拠として扱ってもらえないリスクがありますので、証拠集めには慎重になるべきでしょう。
さらに、自分で浮気調査をするリスクは、法的リスクに限られません。
調査会社や探偵のようなプロに依頼するのではなく、自分で調査する場合は、どうしてもバレやすいと考えられますし、浮気調査をしていることが配偶者にバレると、余計に警戒されてしまう可能性があります。
さらに、結果として配偶者が浮気していなかった場合、「浮気を疑われていた」「信用されていなかった」と感じ、信頼関係が崩れたり、夫婦仲が悪化してしまったりするリスクも生じ得ます。
浮気調査は、調査会社や弁護士に依頼しよう
ここでは、浮気調査を専門家に依頼するメリットについてご説明します。
(1)調査会社に依頼するメリット
調査会社に浮気調査を依頼するメリットは、主に次の3つです。
- 裁判で認められやすい証拠の収集が期待できる
- 浮気調査をしていることが配偶者や浮気相手にバレにくい
- 「調査報告書」自体が証拠になる可能性もある
一方、デメリットは費用がかかることでしょう。
調査会社や調査期間・調査の内容などによって、かかる費用は数十万~数百万円と大きな幅がありますが、いずれにせよある程度まとまった金額が必要と考えられます。
費用を少しでも抑えるためには、証拠を収集できそうな日時や場所をピンポイントで指定することが効果的です。
(2)弁護士に依頼するメリット
浮気相手が誰なのかは判明したけれど、連絡先や住所がわからず、慰謝料を請求しようにもできない状況であれば、弁護士への依頼が効果的な場合があります。
弁護士は、弁護士会照会をすることが認められていますので、例えば浮気相手の電話番号や車のナンバーなどから、住所を特定できる可能性があるからです。
弁護士会照会について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
また、証拠の一つ一つの価値が小さくても、複数の証拠を組み合わせることによって立証が成功することもあります。
そのため、すでに持っている証拠で慰謝料請求が成功しそうかについて相談したり、さらなる証拠収集についてアドバイスをもらえたりする可能性もあります。
「弁護士に慰謝料請求を依頼する!」とは決めていなくても、手持ちの証拠で大丈夫か、今後どのように証拠を集めると良いか、について弁護士に相談してみても良いでしょう。
【まとめ】iPhoneを使って自分で浮気調査をすることには、さまざまなリスクが存在する
今回の記事のまとめは次のとおりです。
- 浮気の慰謝料請求では、「不貞行為」を立証できる証拠を集めることが重要
- 証拠集めのポイントは、証拠としての「価値の有無」と「価値の大小」
- 夫婦関係であっても、他人のiPhoneを無断で操作することは違法行為となる可能性がある
- 配偶者に浮気調査をしていることがバレると、余計に警戒されてしまうだけでなく、浮気していなかった場合には、信頼関係が崩れたり、夫婦仲が悪化したりするリスクもある
- 違法な行為によって集めた証拠は、裁判で証拠として認められない可能性もあるため、調査会社や弁護士に依頼することがおすすめ
iPhoneは身近なツールであるため、ついつい浮気調査に使おうとしてしまう気持ちは理解できます。
しかし、他人のiPhoneを無断で操作すると、法律に違反してしまうおそれがあるだけでなく、配偶者との信頼関係が損なわれるリスクもはらんでいます。
また、違法な手段で集めた証拠は、裁判で証拠として認めてもらえない可能性もありますので、慰謝料請求が成功する可能性をできるだけ高めるためにも、一度弁護士に相談しておくことをおすすめします。
アディーレ法律事務所では、浮気の慰謝料請求につき、相談料、着手金をいただかず、原則として成果があった場合のみ報酬をいただくという成功報酬制です。
原則として、この報酬は獲得した賠償金等からのお支払いとなりますので、あらかじめ弁護士費用をご用意いただく必要がありません。
また、当該事件につき、原則として、成果を超える弁護士費用の負担はないため費用倒れの心配がありません。
(以上につき、2023年9月時点)
浮気の慰謝料請求でお悩みの方は、浮気の慰謝料請求を得意とするアディーレ法律事務所へご相談ください。