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【急増!ネットバンキングの不正送金被害】被害の実態と対策

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リーガライフラボ

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昨日、ネット銀行の預金の残高が実際よりも5万円少なかったので調べてみたところ、全く身に覚えのないところに送金されていることがわかりました。不正送金だと思うのですが、この5万円って補償してもらえないんでしょうか?

基本的には全額補償されます。もっとも、IDやパスワードを誰かと共有していたなど不正送金について何かしら不注意な点がある場合には、全額補償されないこともあります。

警視庁によると、2020年度のネットバンキングの不正送金の被害額は約25億円でした。
この金額は、2019年度の約6倍で、2020年度不正送金の被害は急増したといえます。

ネット銀行を利用している人は、いつ被害に遭ってもおかしくありません。
今回は、「ネット銀行における不正送金の被害の実態」についてお伝えします。

参照:ネットバンキング犯罪|一般社団法人 全国銀行協会

この記事の監修弁護士
弁護士 谷崎 翔

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。

不正送金されたお金は補償されるのか?

不正送金の原因が銀行にある場合には、もちろん被害額を補償してもらえます。
では、銀行側に責任のないケースで被害を補償してもらえるのでしょうか?
犯罪の手口が巧妙化する中、銀行に責任がないからといって全く補償されないのでは、安心してネットバンキングを利用することができません。

そこで、次の3つの条件を満たす場合には、被害額が補償されることになっています。

  1. 金融機関への速やかな通知
  2. 金融機関への十分な説明
  3. 捜査当局への真摯な協力

ただし、預金者に過失(不注意な点)がある場合には、全額補償してもらえません。
一般的には重大な過失があると一切補償してもらえず、単なる過失がある場合には被害額の4分の3程度を補償してもらえる傾向にあります。

実際に起きた被害ごとに過失があるかどうかが判断されます。
次のようなケースでは、過失があると判断される可能性が高いでしょう。

  1. IDやパスワード、暗証番号を他人に教えた
  2. IDやパスワード、暗証番号を書いたメモを無造作にテーブルなどに置いておいた
  3. IDやパスワード、暗証番号を他人から推測されやすいものにしていた(たとえば、パスワードを「123456」「password」にするなど)
  4. 同じパスワード、暗証番号を長期間利用していた

いずれかに当てはまってしまっている人も多いのではないでしょうか。
お金の流出に直接関係するため、ネットバンキングのパスワード管理はしっかりとしておきたいところです。

参照:ネットバンキングで不正送金の被害に遭った場合、補償してくれるの?|マイナビニュース

不正送金の被害はどこに相談すればいいのか?

不正送金の被害に遭ったなら、次の機関に相談しましょう。

  1. 取引銀行(休日や夜間でもOK)
  2. 最寄りの警察署のサイバー犯罪相談窓口
  3. 消費生活相談窓口

一般的に、不正送金を銀行に連絡した日から30日以内の被害のみ補償の対象となります。
そのため、身に覚えのない送金を見つけたら、確証がなくても連絡しましょう。

取引銀行や警察の調査に協力することが補償の条件ですので、被害を申告する際には、素直に質問に答えるようにしてください。「不注意だったな~」と思うことでも最初から伝えておいたほうがスムーズに手続きが進むはずです。

不正送金の被害を防ぐにはどうすればいいのか?

インターネットは便利なツールである反面、悪用されるリスクの高いものです。
そのため、インターネットを利用するにはきちんとセキュリティ対策を行う必要があります。

具体的には、次のような対策を行いましょう。

  1. 有償のセキュリティソフトを導入する
  2. OSやソフトウェアをこまめにアップデートする
  3. 不審なサイトを開かない(開く前にURLを確認する)
  4. 制作者がはっきりしないソフトウェアをインストールしない

これらの方法は、ネットバンキングにおける不正送金に限らず、さまざまなネットトラブルを防ぐために有効です。また、スマホでも実践しておきましょう。

一部のネット銀行では、送金などの際にワンタイムパスワードの入力を求めてセキュリティ対策を行っています。スマホにインストールしたアプリでパスワードを表示させ、それをインターネット上で入力する方法などがあります。

少なくとも1ヶ月に1度は取引履歴を確認して、怪しい取引がないかをチェックしましょう。「自分は大丈夫!」と過信せずに、誰もが被害に遭うと慎重になりたいところです。

この記事の監修弁護士
弁護士 谷崎 翔

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

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