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「過失相殺能力」とは?交通事故の被害者が知っておきたい知識を解説

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「子供が急に道路に飛び出して、子供と車がぶつかってしまった。子供に過失があるとして過失相殺されてしまうの?」

「過失相殺」されると、被害者に支払われる賠償金が減額されてしまうので、過失相殺されるかどうかは気になるところですよね。

しかし、「過失相殺能力」がない場合には、過失相殺がされない場合があります。

交通事故の賠償金について知らず知らずのうちに損をしないためにも、交通事故の賠償金請求の前に、「過失相殺能力」についての知識を知っておきましょう。

この記事では、

  • 「過失割合」、「過失相殺」とは何か
  • 「過失相殺能力」とは何か
  • 過失相殺について納得できない場合の対処法

について、弁護士が解説します。

この記事の監修弁護士
弁護士 村松 優子

愛知大学、及び愛知大学法科大学院卒。2010年弁護士登録。アディーレに入所後,岡﨑支店長,家事部門の統括者を経て,2018年より交通部門の統括者。また同年より、アディーレの全部門を統括する弁護士部の部長を兼任。アディーレが真の意味において市民にとって身近な存在となり、依頼者の方に水準の高いリーガルサービスを提供できるよう、各部門の統括者らと連携・協力しながら日々奮闘している。現在、愛知県弁護士会所属。

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交通事故における「過失割合」と「過失相殺」とは何か?

まず前提知識として、交通事故における「過失割合」と「過失相殺」の意味を説明します。

(1)過失割合とは「双方の責任の割合」

過失割合とは、簡単にいえば、「交通事故が起きたことについて、どっちが、どのくらい悪いのか」ということを示すものです。

(2)過失相殺とは「過失割合に応じて損害賠償額を減額する制度」

次ぎに、過失相殺とは、過失割合に基づいて、損害賠償額から減額するというものです。

例えばある交通事故で、加害者の過失が8割、被害者の過失が2割の場合、加害者と被害者の過失割合は80:20となります。

この場合、交通事故により生じた損害額が加害者100万円、被害者500万円だったとすると、過失相殺された後に双方が受け取れる額は次のようになります。

加害者被害者
過失割合8020
損害額100万円500万円
相手に請求できる額100万円×20%=20万円500万円×80%=400万円
実際に受け取れる額0円400万円-20万円=380万円

<コラム> 不法行為に必要な「過失」と過失相殺に必要な「過失」は違う!?

厳密に言うと、不法行為責任における「過失」と過失相殺における「過失」は、その意味が異なります。学問的な話になり、実際の請求に際してさほど影響するわけではありません。

ここでは、それぞれの意味について解説します。

1.不法行為責任における「過失」

不法行為についての根拠条文である民法第709条にあるように、交通事故の加害者に故意または「過失」があるとき、加害者は不法行為責任を負うことになります。

故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

引用:民法第709条

この場合の「過失」とは、法律上要求される注意義務に対する違反を指します。

具体的には、(事故という)結果の発生を予見できたにもかかわらず、不注意のために予見せず、結果発生を回避する措置をとらなかったことをいいます。

2.過失相殺における被害者の「過失」

他方で、民法第722条第2項は、不法行為における過失相殺について定めています。

被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。

引用:第722条2項

ここにいう「過失」も、民法第709条の「過失」と同じく法的注意義務違反を指すように思えます。しかし、実際には、過失相殺における被害者の「過失」は法的注意義務違反よりも緩やかなものと解釈されています。

具体的には、過失相殺される場合の被害者の「過失」は、「不注意によって損害の発生を助けた」という程度で足りるとするのが伝統的な見解とされています。

「過失相殺能力」とは何か?

過失相殺という不利益を負ってもよいのは、それを負える能力(過失相殺能力)がある人だけと考えられます。過失相殺能力は5~6歳程度で備わると考えられています。

すなわち、民法第712条・第713条では、責任能力がない人は不法行為の責任を負わないと規定されています。

未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない

引用:民法第712条

精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償の責任を負わない。(以下略)

引用:民法第713条

この考え方を過失相殺にも適用すると、「過失相殺能力」が必要と考えられるのです。

過失相殺能力があるとされるためには、古い判例では「責任能力」があることを求めていましたが、その後判例が変更され、現在は「事理弁識能力」で足りるとされています。

責任能力自身の行為の結果として責任が生じることを認識できる能力をいい、11~12歳程度(目安)で備わるとされます。
過失相殺能力損害の発生を避けるために必要な注意をする能力(責任能力よりも単純な能力)をいい、5~6歳程度(目安)で備わるとされます。

(ただし、これらはあくまで目安であり、実際にこれらの能力が認められるかどうかの明確なラインがあるわけではありません。)

被害者に過失相殺能力(事理弁識能力)がなくても、親に過失があれば過失相殺される

被害者が小さな子どもであるなど、事理弁識能力すらない場合には原則として過失相殺はなされません。

もっとも、親が目を離したすきに、幼児が道路に飛び出してしまったせいで事故になった場合などには、親の過失に基づき、過失相殺される場合があります。

どういうことかというと、「被害者側の過失」といって、被害者以外の第三者(※)にも不注意があった場合、その第三者の不注意も過失相殺の過失に含むという考え方があるのです。

(※)被害者側の過失で過失を考慮される第三者は、被害者と「身分上・生活関係上一体の関係」にある者とされます。例えば、未成年の子と親、夫婦などは、通常「身分上・生活関係上一体の関係」にあるとされます。

【被害者側の過失】

つまり、幼児が被害者の場合(過失相殺能力がない場合)であっても、事故が発生したことにつき親に過失がある場合には、親の過失に基づいて損害賠償額が減額されてしまいます。

過失割合・過失相殺について納得できない場合の対処法

示談交渉の中で、加害者側の保険会社から提示される過失割合・過失相殺に納得できない場合は、早めに弁護士に相談することがおすすめです。

弁護士に相談するメリットとしては、次のようなものがあります。

  • 弁護士に依頼すると、こちら側の主張を法律的な知識に基づいてより正確に伝えることができる
  • 弁護士が関与することによって、加害者側の保険会社が主張する過失割合を適正なものに修正できるケースが多い(それにより、こちら側の過失割合が軽減されて受け取れる賠償金が上がる可能性がある)

弁護士に依頼すると、慰謝料などについて通常最も高額な算定基準である「弁護士の基準」により交渉をスタートでき、賠償額を増額できる可能性が高まります。

【まとめ】過失相殺能力は、5~6歳で備わる能力であり、ないと過失相殺されないことも

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 「過失相殺能力」とは、損害の発生を避けるために必要な注意をする能力のこといい、一般に5~6歳で「過失相殺能力」(事理弁識能力)があるとされる。
  • 被害者が小さな子どもなどの場合、過失相殺能力がないとして原則過失相殺されない。もっとも、親の過失に基づいて過失相殺がなされることがある(「被害者側の過失」)。
  • 過失割合・過失相殺に納得がいかない場合には弁護士への相談がおすすめ。

交通事故の被害に遭われた方がアディーレ法律事務所に賠償額のご相談・ご依頼いただいた場合、原則として手出しする弁護士費用はありません。

すなわち、弁護士費用特約が利用できない方の場合、相談料0円、着手金0円、報酬は、獲得できた賠償金からいただくという完全成功報酬制です(途中解約の場合など一部例外はあります)。

また、弁護士費用特約を利用する方の場合、基本的に保険会社から弁護士費用が支払われますので(※)、やはりお客様に手出しいただく弁護士費用は原則ありません。
※なお、法律相談は1名につき10万円程度、その他の弁護士費用は300万円を上限にするケースが多いです。上限を超えた場合の弁護士費用の取り扱いについては、各法律事務所にお問い合わせください。

(以上につき、2021年9月時点)

交通事故の被害にあって賠償金請求のことでお悩みの場合は、アディーレ法律事務所にご相談ください。

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