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交通事故の過失割合でもめた時の対処法とは?【アディーレの弁護士が解説】

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kiriu_sakura

※アディーレ法律事務所では様々な法律相談を承っておりますが、具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。予め、ご了承ください。

「交通事故の加害者側が提案する過失割合に納得できない…。」

交通事故が起きた時、被害者にも事故が起きた原因などに過失(不注意や落ち度)があることは少なくありません。
被害者にも過失がある場合、基本的には、その過失の割合に応じて賠償額が減額されます。
例えば、被害者に生じた損害が100万円だったとしても、被害者に1割の過失があると、損害額から1割分が減額されて90万円になるのです。
そのため、被害者に過失があるのか、あるとしてその過失割合は何割なのか、示談交渉に際してもめることも少なくありません。

そこで、今回は「交通事故の過失割合でもめた時の対処法」をアディーレの弁護士が解説します。

この記事を読んでわかること
  • 過失割合の役割と、過失割合の決まり方
  • 過失割合でもめる5つの理由
  • 過失割合でもめた時の解決法
この記事の監修弁護士
弁護士 中西 博亮

岡山大学、及び岡山大学法科大学院卒。 アディーレ法律事務所では刑事事件、労働事件など様々な分野を担当した後、2020年より交通事故に従事。2023年からは交通部門の統括者として、被害に遭われた方々の立場に寄り添ったより良い解決方法を実現できるよう、日々職務に邁進している。東京弁護士会所属。

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交通事故における「過失割合」とは?

交通事故の「過失割合」とは、簡単にいえば「加害者と被害者の、どっちが、どのくらい悪いのか」という割合を示すものです。
交通事故の損害賠償額を確定する際は、交通事故が起きた原因や被害が拡大した原因(※例えば、被害者がシートベルトをしていなかったために車外に投げ出されてけがが重くなってしまった場合など)に、被害者にも過失がなかったのか、あったとしたらその過失割合は何割なのか、ということを確定しなければいけません。

交通事故が起きた時、被害者にも過失があることは少なくありません。
特に、被害者も車両を運転していた場合に過失割合が0になるのは、次のようなケースに限られ、一般的に被害者にも過失があるとされることが多いです。

  • 被害者が信号待ちで停車中、加害者の車両が後方から追突した場合
  • 被害者が青色信号に従って進行中、交差点で信号無視をした加害者の車両と衝突した場合
  • 加害者が突然センターラインを越えて、被害者と正面衝突した場合   など

被害者の過失が0になる場合について詳しくはこちらをご覧ください。

交通事故で過失割合が10対0になる場合とは?知っておくべき注意点も解説

(1)過失割合を決める理由

交通事故が起きた場合、加害者は被害者に生じた損害を賠償しなければいけません。
ただし、交通事故の発生原因などに被害者にも過失がある場合には、最終的に被害者が受け取る賠償金が、その過失割合に応じて減額されることになります。

例えば、損害賠償額が総額で500万円であったとしても、被害者に2割の過失があると、そこから2割の過失分が減額されますので、最終的に被害者に支払われる賠償額は400万円になるのです。

このように、被害者の過失は、最終的に被害者に支払われる賠償金額に直結する問題ですので、時として、加害者と被害者の主張が鋭く対立します。

被害者としては、けがをして苦しんでるところに「あなたにも●割の過失がある」などと言われてもなかなか納得できないことも多いです。
過失割合は、感情的に主張が対立しやすいため、もめやすい論点と言えます。

(2)過失割合の決まり方

交通事故における過失割合は、これまで加害者と被害者との間で数多く争われ、裁判例が積み重ねられています。
そして、これらの裁判例の積み重ねなどを参考に、加害者と被害者の過失割合は、交通事故の態様ごとにだいたいの目安が定められています。
過失割合の目安は、東京地裁交通訴訟研究会編「『民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準』別冊判例タイムズ38号」判例タイムズ社(通称「判例タイムズ38号」)などにより、調べることができます。

この目安は、当事者の実感とはずれているなどと言われることもありますが、保険会社との示談交渉や裁判になると、この本をもとに過失割合を主張されることが多いため、この目安を無視することはできません。

交通事故の過失割合でもめる3つのケース

交通事故の過失割合でもめやすいのは、主に次の3つのケースです。

  1. 客観的な証拠がない(少ない)ケース
  2. 被害者のけがが重いケース
  3. 加害者が不誠実なケース

それぞれご説明します。

(1)客観的な証拠がない(少ない)ケース

先ほど、判例タイムズ38号などで、交通事故の態様ごとに過失割合の目安が決まっているとご説明しました。
ですので、過失割合を考えるには、まずは交通事故の態様が定まっていなければいけません。
ところが、実際に交通事故が起きると、加害者と被害者の主張する事故態様が食い違うことは珍しくありません。
こんな時、防犯カメラやドライブレコーダーなど客観的な証拠があれば、事故態様の特定が容易になりますが、これがない場合、事故態様自体がなかなか特定できません。
事故態様が特定できないと、これに基づいた過失割合の確定もできませんから、過失割合についてももめてしまうのです。

(2)被害者のけがが重いケース

被害者のけがが重いと、一般的には、損害賠償額も高額になります。
被害者の過失割合が1割増えると、その分、被害者が最終的に受け取ることのできる賠償金が1割減ることになりますので、賠償額が高額になればなるだけ、過失割合が賠償額にもたらす影響も大きくなります。
そこで、このようなケースでは、過失割合について当事者間でもめやすい傾向があります。

(3)加害者が不誠実なケース

交通事故の加害者が不誠実であった場合、過失割合はもちろん、そもそも示談交渉自体がもめやすいです。
特に、加害者が任意保険に加入していないようなケースでは、少しでも支払う賠償金を減らしたり、刑事責任を軽くするために嘘をつくこともあるでしょう。

もともと、過失割合は被害者も感情的になりやすいことに加えて、加害者が嘘をつく場合にはなおさらです。このようなケースでは特に過失割合についてももめやすいです。

交通事故の過失割合でもめた時の対処法

加害者が任意保険に加入している場合、通常は、交通事故の示談交渉は加害者本人ではなく、保険会社が代行します。
そして、その場合、保険会社から被害者に対して、過失割合を含めた示談金額を提示されることが一般的です。

保険会社の提示する過失割合はあくまでも保険会社の主張によるものですので、交渉によって過失割合を修正できることも多いです。
保険会社の提示する過失割合に納得できずにもめた時の対処法は、次のとおりです。

(1)保険会社の主張する過失割合の根拠の説明を求める

まずは、保険会社の主張する過失割合がいかなる根拠に基づくものか、説明を求めましょう。
通常、保険会社は、まずは事故態様を特定した上で、判例タイムズ38号などにより過失割合を提示していることが多いです。
ですが、そもそも、事故態様自体が加害者と被害者で食い違っているケースでは、保険会社の主張する事故態様自体が適切でないこともありますし、事故態様に争いがないとしても、保険会社が独自に過失割合に修正を加えていることもあります。
まずは、保険会社の提示する過失割合の根拠を聞き、それが適切なのかしっかり検討することが大切です。

過失割合の修正について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

過失割合修正要素とは?事故別の加算要素と減算要素を弁護士が解説

(2)ADR(裁判外紛争解決手続き)を利用する

保険会社との交渉が進まない場合、ADRを利用するのも一つの手です。交通事故の紛争に関するADRとして、次のものが挙げられます。

  • 公益財団法人日弁連交通事故相談センター
  • 公益財団法人交通事故紛争処理センター

過失割合などで保険会社と見解が食い違い、もめてしまった場合には、これらの第三者機関を利用することによって、交通事故の賠償問題が解決できることもあります。

「交通事故紛争処理センター」と「日弁連交通事故相談センター」は数多く利用されています。利用できる条件などがありますので、利用する際は、それぞれのHPなどをよくご確認ください。

「交通事故紛争処理センター」について詳しくはこちらをご覧ください。

交通事故紛争処理センターとは?メリットと利用法を弁護士が解説

(3)調停を申立てる

調停とは、調停委員と呼ばれる中立的な第三者が当事者双方の言い分を公平に聴取・調整して、合意を目指す手続です。裁判所で行われますが、裁判のように勝ち負けを決めるものではありません。
調停期日では、調停委員が双方の言い分を聴いた上で争点(=争いのポイント)を整理し、提出された資料を調べます。
調停委員は、双方に対して相手方の主張を伝えたり、譲歩できないか説得にあたったりもします。双方の主張を踏まえ、最終的に裁判官によって解決案が作成され、両当事者に提示されます。
この解決案に双方が合意できれば、調停が成立し紛争は終了となります。

交通事故と調停について詳しくはこちらをご覧ください。

交通事故の問題は民事調停で解決できる?申立方法とメリットを解説

(4)弁護士に相談する

保険会社の提示する示談金額や過失割合に納得できない場合、まずは交通事故に詳しい弁護士に相談するのも良いでしょう。

というのは、これまでご説明したとおり、適正な過失割合を算出するためには、その前提としてまずは事故態様を特定しないといけません。そのためには、加害者の刑事記録を取り寄せたりする必要があるケースも少なくないのです。

刑事記録の取り寄せはご自身でもできますが、刑事記録の取り寄せ➡事故態様の特定➡過失割合の特定➡修正要素の検討、と全てご自身で対応するのはなかなか困難です。

加害者が被告人となって刑事裁判が開かれています。
刑事裁判で、加害者の過失割合なども明らかになるのではないですか?

刑事裁判では、加害者がいかなる過失で交通事故を起こしたかという点が審理の中心になります。
もちろん、被害者の過失の有無は、加害者の刑を決める際の重要な判断要素となりますが、通常は、刑事裁判では加害者と被害者の過失割合が何割ずつか、というような検討はされません。
また、加害者の刑事責任と民事責任は別の問題ですので、刑事裁判と民事裁判の判断は必ずしも同じ結論になるとは限りません。
加害者に対する損害賠償はあくまでも民事の問題ですので、刑事裁判とは別に過失割合を特定して保険会社と交渉する必要があります。

弁護士に依頼した場合には、必要に応じて警察の作成した実況見分調書などの刑事記録を確認した上で、専門的知識に基づいて被害者側の過失の有無と割合を判断し、過失割合を修正する必要があれば、これを修正した上で相手方と交渉します。
ですから、弁護士に依頼した場合には、被害者に不当な過失割合が割り当てられるリスクを回避できる可能性が高まります。

弁護士に依頼した結果、保険会社の提案する過失割合を修正して示談金が増額された事例を一部ご紹介します!

後遺障害
等級
被害者の
年齢等
保険会社主張の
過失割合
弁護士が修正した
過失割合
弁護士交渉により
増額した示談金
14級9号女性/60代
主婦
20%0%約157万円➡約320万円

【まとめ】交通事故の過失割合でもめた場合、弁護士に相談することが大切!自分の権利を守るために、積極的に行動しましょう

今回の記事のまとめは、次のとおりです。

  • 交通事故が発生した原因などに被害者の過失が認められる場合、損害賠償額から被害者の過失割合に対応する金額が減額される。
  • 過失割合は、これまで集積された裁判例から一定の目安があり、判例タイムズ38号などで確認できる。
  • 過失割合は、まずは事故態様が特定されなければいけない。
  • 過失割合でもめることが多いのは、主に以下のようなケース
    1. 客観的証拠が乏しく、事故態様が特定できないケース
    2. 被害者のけがが重く、賠償金が高額になるケース
    3. 加害者が不誠実なケース
  • 加害者の保険会社が提示する過失割合に納得できない場合、ADRを利用するなどの方法もあるが、場合によっては、刑事記録の取り寄せなどが有効のため、交通事故に精通した弁護士に相談することがおすすめ。

交通事故の被害による賠償金請求をアディーレ法律事務所にご相談・ご依頼いただいた場合、弁護士費用をあらかじめご用意いただく必要はありません。

すなわち、弁護士費用特約が利用できない方の場合、相談料0円、着手金0円、報酬は、獲得できた賠償金からいただくという完全成功報酬制です(途中解約の場合など一部例外はあります)。

また、弁護士費用特約を利用する方の場合、基本的に保険会社から弁護士費用が支払われますので、やはりご相談者様・ご依頼者様にあらかじめご用意いただく弁護士費用は原則ありません。
※なお、法律相談は1名につき10万円程度、その他の弁護士費用は300万円を上限にするケースが多いです。
実際のケースでは、弁護士費用は、この上限内に収まることが多いため、ご相談者様、ご依頼者様は実質無料で弁護士に相談・依頼できることが多いです。弁護士費用が、この上限額を超えた場合の取り扱いについては、各法律事務所へご確認ください。

(以上につき、2023年4月時点)

交通事故の被害にあって賠償金請求のことでお悩みの場合は、交通事故の賠償金請求を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。

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