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「月々の残業代は後日まとめて支給する」は違法!対処法は?

作成日:更新日:
kiriu_sakura

「残業代は後日まとめて支給すると言われた。まとめてではなく、月々支給してもらうことはできないの?」

残業代を後日まとめて支給することは、労働基準法24条に違反する違法な行為です。
このため、残業代が未払いであるとして、未払い残業代請求などを行うという対処をすることになります。

このことを知っていると、「月々の残業代は後日まとめて支給する」と言われたとしても、言われたとおりに後日まとめて支給を受けられるまで待つのではなく、適切な時期に、適切な残業代の支払を求めることができるようになります。

この記事では、次のことについて弁護士が解説します。

  • 残業代をまとめて支給は違法
  • 未払い残業代への3つの対処法
  • 未払い残業代請求を弁護士に相談・依頼するメリット
この記事の監修弁護士
弁護士 髙野 文幸

中央大学卒、アディーレ入所後は残業代未払いの案件をメインに担当し、2018年より労働部門の統括者。「労働問題でお悩みの方々に有益な解決方法を提案し実現すること」こそアディーレ労働部門の存在意義であるとの信念のもと、日々ご依頼者様のため奮闘している。東京弁護士会所属。

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残業代を「まとめて支給する」「後日支給する」は違法

労働基準法には、会社が労働者に賃金(給与)を支払う際のルールが定められています。
残業代も、労働基準法でルールが定められている「賃金」の一種です。

会社は、残業代の支払についても、労働基準法で定められているルールを守らなければなりません。
そして、残業代を「まとめて支給する」「後日支給する」ということは、これからご説明する「全額払いの原則」に反して違法となります。

(1)「賃金支払の5原則」とは

残業代を含めた賃金の支払には次の5つのルール(賃金支払の5原則)があります。

通貨払いの原則賃金は原則として現物支給などではなく「円」のお金で支払わなければならないというルール
直接払いの原則賃金は原則として代理人などの第三者ではなく労働者に直接支払わなければならないというルール
全額払いの原則原則としてその支払日に支払われるべき賃金の全額が支払われなければならないというルール
毎月1回以上払いの原則賃金は原則として毎月1回以上支払わなければならないというルール
一定期日払いの原則賃金は原則として一定の期日に支払われなければならないというルール

賃金支払の5つの原則について、詳しくは、次のページをご覧ください。

労働基準法24条「賃金支払いの5原則」とは?法律違反の実態も紹介

(2)「全額払いの原則」とは

残業代を「まとめて支給する」「後日支給する」ことは、ここまでにご説明した賃金支払いの5原則のうち「全額払いの原則」に反して違法となります。

先ほどご説明した通り、「全額払いの原則」とは、原則として、その支払日に支払われるべき賃金の全額が支払われなければならないというルールのことです。

残業代も賃金の一部です。
基本給のみを支払って残業代は後日にまとめて支給すると、本来支払われるはずの賃金の一部(基本給の部分)しか支払わず、残りの部分(残業代の部分)を支払っていないことになります。

このように、「残業代を後日まとめて支給する」ことは、全額払いの原則に違反して違法ということになります。

「全額払いの原則」を含めた賃金支払の5原則(労働基準法24条)に違反した会社に対しては、30万円以下の罰金という刑事罰が科せられる可能性があります(労働基準法120条1号)。

「月々の残業代は後日まとめて支給する」への対処法とは?

「月々の残業代は後日まとめて支給する」とされた場合の対処法として、未払い残業代請求をすることなどがあります。

このことについてご説明します。

(1)「月々の残業代は後日まとめて支給する」は残業代未払いにあたる

ご説明しているとおり、残業代は賃金の一部として、毎月の賃金支払日に全額が支給されなければなりません。
そして、残業代が全額支給されていない場合には、支給されていない分の残業代については、残業代が未払いになっているということになります。
この未払いになっている残業代は、会社に対して請求することができます。

(2)未払い残業代への3つの対処法

未払い残業代請求への対処法には、次の3つがあります。

  • 会社に直接未払い残業代を請求する
  • 労働基準監督署に相談・通報する
  • 法的手続きをとる

これらのことについて、詳しくご説明します。

(2-1)会社に直接未払い残業代を請求する

まずは、会社に直接未払い残業代を支払うように請求するという方法があります。

上司や人事部・総務部などの部署に対して、残業代が未払いになっていることを伝え、支払ってくれるように申し入れましょう。
会社が、賃金の全額払い原則について正しく理解しておらず、わざと残業代を支払っていないのではなくミスで残業代を支払っていないという場合には、会社に対して賃金の全額として残業代も支払うように申し入れることで、残業代を支払ってくれる可能性があります。

もし口頭で申し入れても対応してもらえないという場合には、内容証明郵便で請求するとよいでしょう。
内容証明郵便には、次のことを記載しましょう。

  • いつからいつまでの残業代を合計いくら請求するのか
  • 支払期限はいつまでか
  • 支払先の口座はどこか

(2-2)労働基準監督署に相談・通報する

残業代が未払いになっていることについて、労働基準監督署に相談・通報するという方法もあります。

労働基準監督署の役割は、会社に対して労働基準法などの法令をしっかりと守らせるということにあります。
労働基準監督署に相談・通報することで、労働基準監督署が会社に対して立入調査や是正勧告・指導を行ってくれることがあります。

このような是正勧告・指導などを受けて、会社が任意に未払いとなっていた残業代を支払ってくれることもあります。

労働基準監督署への相談・通報は、無料で行うことができます。
もっとも、労働基準監督署に相談・通報してもすぐに労働基準監督署が動いてくれるとは限りませんし、労働基準監督署が会社に対して是正勧告・指導などを行ったとしても会社がそれに従わないということもあり得ます。

労働基準監督署の役割は、労働者個々人の労働トラブルを解決することではなく、会社に対して労働関係法令をしっかりと守らせるというところにあります。
このため、労働者個々人の労働トラブルを解決するためには、労働基準監督署ではなく、残業代請求を代わりに行ってくれる弁護士への相談・依頼が適切であるという場合も多くあります。

労働基準監督署への相談・通報のための連絡先については、次のページをご覧ください。

参考:全国労働基準監督署の所在案内|厚生労働省

(2-3)法的手続きをとる

法的な手続き(裁判上の手続き)をとって未払い残業代を請求するという方法もあります。
未払い残業代請求の法的手続きには、次のようなものがあります。

  • 労働審判
  • 訴訟

労働審判は、原則3回以内の期日で審理が終結する手続きであり、迅速に残業代トラブルを解決することができる可能性があります。

また、訴訟は、判決によって強制的に残業代トラブルを解決する手段です。残業代の支払を命じる判決を得ることができれば、これに基づいて強制執行をすることもできます。

未払い残業代請求は弁護士に相談・依頼するという方法もある

自分で労働審判や訴訟を起こして会社に対して未払い残業代を請求することも可能です。
しかし、これらの手続きは複雑で難しく、対応が大変なことも多いです。

このため、未払い残業代請求は、弁護士に相談・依頼するという方法もあります。

未払い残業代請求を弁護士に相談・依頼するメリットには、次のようなものがあります。

  • 弁護士が代理人として代わりに会社と交渉してくれるので、会社と直接交渉するストレスが軽減される
  • 個人で交渉しても会社が真剣に対応してくれなかったという場合でも、弁護士が代理人として代わりに交渉すると会社が真剣に対応してくれるようになることがある
  • 複雑な残業代の計算を正確に行ってくれて、適切な額の残業代請求ができる
  • 残業代請求のために必要な証拠収集の方法をアドバイスしてくれたり、代わりに会社に証拠開示請求を行って収集してくれたりする
  • 労働審判や訴訟の手続きになったとしても、弁護士が代わりに対応してくれるので、適切に手続きを進めることができる

【まとめ】残業代の未払いにあたるので、未払い残業代請求の手続きをとる

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 残業代を「まとめて支給する」「後日支給する」は、賃金支払の5つの原則(ルール)のうち、「全額払いの原則」に違反して、違法。
    「全額払いの原則」とは、文字通り、その支払日に支払われるべき賃金の全てが支払われなければならないというルール。
  • 「月々の残業代は後日まとめて支給する」は残業代未払いにあたる。
    このため、未払い残業代請求をすることが可能。
  • 未払い残業代への対処法には、次の3つがある。
    1. 会社に直接請求する
    2. 労働基準監督署に相談・通報する
    3. 法的手続きをとる
  • 未払い残業代請求は、労働審判や訴訟を起こすと手続きが複雑で対応が難しいなどの場合もあることから、弁護士に相談・依頼するという方法もある。
  • 未払い残業代請求を弁護士に依頼・相談すると、弁護士が代わりに会社と交渉してくれるので会社と直接交渉するストレスが軽減されるなどのメリットがある。

アディーレ法律事務所は、残業代請求に関し、相談料、着手金ともにいただかず、原則として成果があった場合のみ報酬をいただくという成功報酬制です。
そして、原則として、この報酬は獲得した残業代からのお支払いとなり、あらかじめ弁護士費用をご用意いただく必要はありません。

また、当該事件につき、原則として、成果を超える弁護士費用の負担はないため費用倒れの心配がありません。
※以上につき、2022年8月時点

残業代請求でお悩みの方は、残業代請求を得意とするアディーレ法律事務所へご相談ください。

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