お電話では土日祝日も休まず朝9時~夜10時まで(Webでは24時間対応)法律相談のご予約を受付けています。 万全な管理体制でプライバシーを厳守していますので、安心してお問い合わせください。

パチンコ依存症の症状とは?パチンコ依存症の家族がすべきこと

作成日:更新日:
yamazaki_sakura

「家族がパチンコにのめり込んでいる…このままパチンコ依存症にならないか、心配…」

日常生活に支障が出るほどにパチンコにのめり込んでいる家族がいたら、心配は尽きないでしょう。
パチンコを含むギャンブルは、依存症になる可能性があります。

「パチンコ依存症」になると、本人の意思だけで解決することは困難です。

ご家族の方がパチンコにはまっているという場合、パチンコ依存症に至っていないか確認し、依存症に至っている場合には早急に治療をすることをお勧めします。

この記事を読んでわかること
  • パチンコ依存症とはどのようなものか
  • 家族が抱えているパチンコ依存症とどのように向き合うか
  • 借金がある場合にはどうするか
この記事の監修弁護士
弁護士 谷崎 翔

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。

パチンコ依存症の基礎知識

まず、「パチンコ依存症」がどのようなものなのかを説明します。

(1)パチンコ「依存症」は病気なの?

「パチンコ依存症」とは、ギャンブル依存症の一つで、パチンコにのめり込み、やめたくてもやめられない状態に陥っている状態のことをいいます。

ほどほどのところで楽しみ、負けが込みそうならやめておくという判断ができない状態です。

「やるもやらないも本人の意思次第なのでは?」と思われる人がいるかもしれません。
しかし、ギャンブル依存症になっている人は、脳の「背外側前頭前野」という部位の活動が低下すること等でリスクを正常に判断できなくなるという研究結果もあります。

参照:ギャンブル依存症の神経メカニズム -前頭葉の一部の活動や結合の低下でリスクの取り方の柔軟性に障害-|京都大学

ギャンブル依存症は、本人の意思によってやめることができず、克服には認知行動療法や薬物療法等、しかるべき治療が必要な「病気」と位置付けられています。

参照:依存症対策|厚生労働省

(2)パチンコ依存症の症状とは?

依存症の特徴には、次のようなものがあると言われます。

  • やめたくてもやめられない(本人の意思ではコントロールできない)
  • 放置すると、徐々に進行する
  • やめると進行は止まるが、長くやめてもかつてのコントロールを取り戻せない
  • 家族・仕事など生活の全てに優先してのめり込む
  • 問題を否認して現実をみない                       など

パチンコ依存症になっている人は、パチンコを打ちたいという欲求に逆らえず、一日中パチンコのことを考えてしまいます。
さらに、一時的にやめても、ふとしたきっかけですぐ始めてしまいます。

また、生活費のことを考えずに自分の手持ちのお金がなくなるまで打ち込んでしまい、お金がなくなると借金をしてしまう人もいます。

仕事中にもパチンコ屋に行ってしまい仕事に支障が出たり、家族の生活費まで使い込んでしまい家族関係が悪化したりしても、やめられなくなってしまうこともあります。

本人が「依存症だ」とはっきり認識しているかどうかによらず、パチンコをし過ぎているという負い目などから、周囲からパチンコについて尋ねられてもとっさに否定し、隠してしまう人もいます。

依存症は「否認の病気」と言われています。仮に本人がパチンコ依存症になっていても、「依存症ではない」として、自身がパチンコ依存症であることを認められません。

(3)パチンコ依存症になる原因

パチンコに依存してしまうきっかけには、次のようなものがあります。

  • 日常生活のストレスからの回避
  • ギャンブルの快感を追い求めてしまう
  • 損したお金を、勝つことで取り戻そうとしてしまう
  • 大当たりの確率が高くなる「確変」の演出があるとついつい続けてしまう など

(4)パチンコ依存症は治療できる?

繰り返しになりますが、パチンコ依存症を解決するためには治療が必要です。
精神科や心療内科等で、ギャンブル依存症の治療を行っている病院を受診し、適切な治療を受けます。


また、同じくギャンブル依存症を抱えていて治そうとしている人達の自助グループの活動に参加したり、自治体の相談機関に相談するという方法もあります。

家族の抱えるパチンコ依存症との向き合い方

この項目では、家族がパチンコ依存症になった場合、周りの家族がどのように対処したらよいかを説明します。

(1)家族の心構え

家族がパチンコ依存症になると、育て方が悪かったのではないか、接し方を間違ったのではないかと自分を責めてしまう人がいます。
ですが、パチンコ依存症は様々な要因で起こるものです。
もちろん再発を防ぐためには、原因への対処は必要です。
しかし、自分のせいではないか、誰かのせいではないかと考えるよりも、まずは病院での適切な治療を目指すことが大切です。

依存症になっている本人は、問題を周囲に打ち明けたり、依存症を直視したりすることが困難になっています。
そのため、周囲から、「まずは相談機関に電話してみたら」「病院に行ってみよう」等と、本人が治療に向かいやすいよう働きかけることが重要です。

家族からいきなり「病気だ」と言われると、パチンコ依存症になっている人が意地になり、口論に終わってしまう可能性もあります。
ギャンブル依存症に詳しい専門家に、それとなく誘導することが解決への一歩となります。

注意が必要なのは、周りの家族が「共依存」に陥ってしまうことです。
共依存とは、次のようなことをいいます。

依存症者に必要とされることに存在価値を見いだし、ともに依存を維持している周囲の人間の在り様

引用:共依存(きょういぞん)|厚生労働省 e-ヘルスネット

パチンコ依存症になっている家族を、「あの人は私がいないと立ち直れないんだ」等と思って努力するあまり、周囲の人が「依存症の人を立ち直らせること」にこだわりすぎて、日常生活に支障が出てしまう場合があります。

依存症の解決には、もちろん周囲のサポートが必要です。
しかし共依存になってしまうと、周りの家族まで依存症のような状態になってしまいます。
「依存症はきちんと治療すれば治る」と信じ、過度に振り回されないようにしてください。

(2)家族申告プログラム

パチンコ依存症対策の一環として、パチンコ店を経営している会社の中には「家族申告プログラム」を用意していることがあります。

会社によって違いはありますが、一日の遊戯時間や使っていい金額の上限、入店制限等について家族から店舗に申告し、制限にかかった場合には店舗のスタッフから来店者に伝え退店を促す等することで、のめり込みを抑止するというものです。
本人の同意なしに利用できるプログラムもあります。

パチンコ依存症の根本的な解決のためには治療が不可欠です。
しかし、本人に努力する意思はあっても、どうしても近くを通りかかると入店してしまう等という場合には、一定の効果を期待できるでしょう。

(3)パチンコ依存症の家族が借金を抱えている場合

借金問題は、家族全体のお金のやり繰りに関わってくる問題です。
しかし、依存症と借金で苦しんでいる家族のため、と思って代わりに返済をしてしまうと、かえってパチンコ依存症の悪化につながりかねません。

いっとき借金苦から解放されたがために、またパチンコをして借金を抱えることになってしまえば本末転倒です。
借金をこれ以上増やさないために、借金の原因となった依存症の治療を優先する必要があります。

借金問題は、あくまで借入れをした本人が解決すべきものです。
家族としては、収入を管理する、クレジットカードやローンカードを預かるなどのサポートにとどめましょう。

また、借金の額によっては債務整理による返済の負担減を図る必要も出てきます。
債務整理には主に任意整理、個人再生、自己破産の3種類があります。

パチンコ依存症によって借金が膨らんでしまった時の対処法について詳しくはこちらの記事をご確認ください。

パチンコで膨らんだ借金を滞納するとどうなる?対処法についても解説

【まとめ】パチンコ依存症は治療が必要!家族からも適切なサポートを

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • パチンコ依存症は本人の意思だけでは克服が困難な病気で、治療が必要。
  • パチンコ依存症になると、手持ちのお金がなくなってパチンコの資金のために借金を抱えてしまう等、日常生活に大きな支障が出る。
  • 本人は依存の事実を直視するのが難しいこともあるため、治療を始めるまでには家族の働きかけが重要。
  • 家族からのサポートは大切だが、依存症の人に振り回されすぎない、借金をすぐ肩代わりしない等には注意。

家族のパチンコ依存症でお困りの方は、専門機関へご相談ください。

この記事の監修弁護士
弁護士 谷崎 翔

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

※¹:2024年3月時点。拠点数は、弁護士法人アディーレ法律事務所と弁護士法人AdIre法律事務所の合計です。