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特別養子縁組とは?普通養子縁組や里親との違いについて解説

作成日:
kiriu_sakura

「テレビで児童虐待のニュースを見ては心が痛む…そのような子どもを養子に迎えることができる『特別養子縁組』ってどんな制度なんだろう?『普通養子縁組』や『里親制度』とは何が違うの?」

このような疑問をお持ちの方はいませんか?

養子縁組の制度には、「普通養子縁組」と「特別養子縁組」の2種類があります。
また、実の親から適切な養育を受けることができず、保護を必要としている子どもを預かって養育する「里親制度」というものも存在しています。

この記事が、それぞれの制度や相違点について理解を深めるための一助となれば幸いです。

今回の記事では次のことについて、弁護士が解説します。

  • 2種類の養子縁組と里親制度について
  • 特別養子縁組の養親になる方法
この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

養子縁組には2種類ある

養子縁組には、「普通養子縁組」と「特別養子縁組」の2種類があることは、冒頭で述べたとおりです。
2種類の養子縁組は、法律上の効果や縁組の条件で大きく異なっていますので、それぞれ解説します。

(1)普通養子縁組とは

普通養子縁組とは通常の養子縁組のことで、特別養子縁組と区別するためにそう呼ばれています。
普通養子縁組をした場合、養親と養子の間には法律上の親子関係が生じますが、実親との親子関係が消滅するわけではありません。
したがって、養子には法律上2組の親(実親と養親)がいることになり、両方の親に対し、相続権や扶養を受ける権利(あるいは義務)を持つことになります。

普通養子縁組では、実親との親子関係が消滅するわけではないため、養子の戸籍には養親と実親の両方の名前が記載され、続柄も「養子(養女)」のように記載されます。

そして、後ほど説明する特別養子縁組とは異なり、縁組後の離縁も原則として可能となっています。

(2)普通養子縁組をするための条件

普通養子縁組をするための主な条件は、次のとおりです。

  • 養親が20歳に達していること
  • 養子が養親にとって尊属または年長者でないこと
    自分より年下の人を養子にすることはできません。
    また、自分より年下であっても尊属に当たる人を養子にすることはできません。
    尊属とは自分より前の世代に属する人のことで、父母や祖父母だけでなく、「叔父」や「叔母」も尊属に当たります。そのため、たとえ自分より年下であっても、叔父や叔母を養子にすることはできないことになります。
  • 未成年者を養子にする場合は、夫婦ともに養親となること
    養親となる人が独身である場合は除きます。配偶者がいなくても普通養子縁組の養親となることは可能です。
  • 養親または養子になる人が結婚している場合、その配偶者の同意が必要
  • 養子になる人が未成年者の場合、家庭裁判所の許可が必要
    ただし、自分や配偶者の直系卑属(自分の子や孫、ひ孫のこと)を養子にする場合には、家庭裁判所の許可は不要です。
    (例:自分の孫を養子にする場合や、再婚した配偶者の連れ子を養子にする場合)

(3)特別養子縁組とは

特別養子縁組とは、養親と養子の間に法律上の親子関係を生じさせる制度であり、その点において普通養子縁組と共通しています。
ただし、特別養子縁組は、普通養子縁組と異なり、成立すると実親と養子との親子関係が消滅します。

その結果として、養子は実親を相続する権利や実親から扶養を受ける権利(あるいは義務)を失うことになります。特別養子縁組は、実親が子どもを虐待している等、特別養子縁組が利用される場合、実親が親子関係を望まず、子どものためにもその関係を終了させた方がよいケースに利用されることが想定されているからです。
このように、特別養子縁組は、養子になる子どもに対し大きな影響を及ぼすことから、成立させるには家庭裁判所の審判が必要となっています。

なお、特別養子縁組では、戸籍に実親の名前は記載されず、養子の続柄は「長男(長女)」などと実子と同様に記載されます。
そして、普通養子縁組とは異なり、特別養子縁組後の離縁は原則として認められません。

(4)特別養子縁組をするための条件

特別養子縁組は、実親との親子関係を消滅させる効果を持つ強力な制度であることから、普通養子縁組をするための条件よりも厳しいものとなっています。
特別養子縁組をするための主な条件は、次のとおりです。

  • 実の父母による監護が著しく困難または不適当であることその他特別の事情がある場合において、子どもの利益のため特に必要があること
    特別養子縁組は、実親と養子の親子関係を消滅させる制度であるため、この条件が必要とされています。
    実の父母に、子どもを育てるつもりがまったくない場合や、虐待している場合、この条件を満たすことになるでしょう。
  • 夫婦が共同で養親になること
    夫婦の一方の連れ子を特別養子にする場合には、他方のみ養親となることは可能です。
    なお、独身の人は、特別養子縁組の養親になることはできません。
  • 養親となる夫婦の少なくともどちらか一方が25歳以上で、他方が20歳以上であること
  • (原則として)養子が15歳未満であること
  • 実の父母の同意があること
    実の父母が意思表示できない状態であったり、養子となる子どもを虐待している場合など、子どもの利益を著しく害するような事情があれば、同意は不要です。

普通養子縁組と特別養子縁組の違い

下の図において、普通養子縁組と特別養子縁組の相違点をまとめておりますので、ご参照ください。

普通養子縁組特別養子縁組
・養子と実親の親子関係は消滅しない
・養子の年齢に制限はない(ただし養親よりも年下であること)・独身でも養親になることができる
・実親の名前も戸籍に記載される
・養子の続柄は「養子(養女)」と記載される
・離縁は原則可能
・養子と実親の親子関係が消滅する
・原則として養子は15歳未満でなければならない
・独身者は養親になることはできない
・実親の名前は戸籍に記載されない
・養子の続柄は「長男(長女)」など、養親の実子であった場合と同様に記載される
・離縁は原則として認められない

里親制度とは

実の父母から適切な養育を受けることができない子どものための制度として、「里親制度」というものがあります。
里親制度とは、子どもに「家庭と同様の養育環境」を提供するため、社会的養護が必要であると認めた子どもの養育を里親に委託する制度です。

養子縁組とは異なり、里親と法律上の親子関係を生じさせることはありませんし、子どもの戸籍を変更することもありません。
特別養子縁組が養親による永続的な養育を前提としているのに対し、里親制度は、基本的には実の父母が子どもを養育できるようになるまでの間など、あくまで一定期間の養育を前提としています。

特別養子縁組の養親になるには

児童相談所を通して特別養子縁組を結ぶ場合、一般的な手続きの流れは次のとおりです。

児童相談所に相談し、「養子縁組里親」に登録
(研修・調査を受ける必要があります)

「養子縁組里親」として、児童相談所が紹介する子どもを養育

3~4ヶ月程度の交流期間を経て、児童相談所が養育の委託の可否を決定し、委託から6ヶ月程度養育を行います。

家庭裁判所に「特別養子縁組成立」の申立て

家庭裁判所での調査

家庭裁判所の調査官が、家庭訪問をしたりして、実父母の同意や、養親となる人の家庭環境などを調査します。

特別養子縁組の審判確定

特別養子縁組によって養子を迎え入れることを希望する場合、まずは最寄りの児童相談所にご相談ください。

参照:特別養子縁組の流れ|モバイル政府広報オンライン

【まとめ】特別養子縁組とは子の福祉の観点から養子と実親の親子関係を消滅させる制度!成立には家庭裁判所の審判が必要

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 養子縁組には、「普通養子縁組」と「特別養子縁組」の2種類がある
  • 普通養子縁組をした場合、養親と養子の間には法律上の親子関係が生じるが、実親との親子関係も消滅せず、養子は両方の親に対し、相続権や扶養を受ける権利(あるいは義務)を持つ
  • 特別養子縁組をした場合、養子と実親の親子関係は消滅する
  • つまり、養子は実親に対する相続権や扶養を受ける権利を失うことになる
  • 特別養子は、原則として15歳未満でなければならない
  • 特別養子縁組を成立させるには、家庭裁判所の審判が必要である
  • 特別養子縁組後の離縁は原則として認められない
  • 「里親制度」は、あくまで一定期間の養育を前提としており、里親と法律上の親子関係を生じさせることはなく、子どもの戸籍を変更することもない
  • 特別養子縁組により養親となるには、児童相談所から子どもを紹介されるのが一般的な流れである

特別養子縁組は養子縁組制度のひとつで、成立すれば実親との法律上の親子関係が消滅することになります。
実親から適切な養育を受けられない子どもの養親になることを希望し、特別養子縁組制度を利用して養子を迎えることを検討している方は児童相談所や特別養子縁組をあっせんしているNPO団体にご相談することをオススメします。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

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