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携帯電話の分割払いの審査に落ちた理由は?対処法を弁護士が解説

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LA_Ishii

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

「携帯電話を分割で買おうと思ったら、審査に落ちてしまった…一体、なんで?」

今日、携帯電話やスマートフォン端末は10万円を超える高額な製品も多く、分割で支払うという方が多いです。
ですが、携帯やスマホを分割で購入する際は携帯電話会社による事前の審査があり、その際、審査に通らず分割払いで購入できないことがあります。

今回は、次の内容について弁護士がご説明します。

  • 携帯電話やスマホの分割払いの審査が必要な理由
  • 携帯電話やスマホの分割払いの審査方法
  • 携帯電話・スマホの分割払いの審査に落ちた場合の対処法    など
この記事の監修弁護士
弁護士 谷崎 翔

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。

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携帯電話・スマホの分割審査が必要な理由

携帯電話やスマホを分割払いで購入する流れは、次のとおりです。

ユーザーが販売店から携帯電話やスマホを購入する

携帯電話会社が販売店に携帯電話やスマホの代金は立替払いをする

ユーザーが代金相当額を携帯電話会社に分割で支払う

このような支払方法の仕組みは、法律的には「個別信用購入あっせん契約」と言います(いわゆる「個別クレジット」)。

個別クレジットには、携帯電話会社に信用リスク(後々、立替分を回収できないリスク)があります。
そこで、携帯電話会社は、携帯電話・スマホの分割払いを認めて良いかどうか、事前にユーザーの与信審査を実施します。
その際の審査項目や審査基準は各携帯電話会社によって異なりますし、非公開ですので詳細は一概には言えません。
もっとも、次の項目については、各携帯電話会社で概ね共通しています。

  • 携帯の購入価格
    携帯電話やスマホの代金が高ければ、その分信用リスクも高くなりますので、当然、審査は厳しくなります。
    特に、後でご説明しますが携帯電話・スマホの代金が10万円を超える場合には、法律上、携帯電話会社には「支払可能見込額」の調査が義務付けられており、それ以下の金額のスマホ・携帯電話の分割払いの審査に比較して厳しくなります。
  • 利用料金などの滞納の有無
    携帯電話・スマホ端末を分割払いで購入する際、それまでに携帯電話・スマホの利用料金や端末代金の支払に滞納があると、審査はまず通りません。
    分割払いで携帯電話・スマホを購入する際は、まずはこれまで滞納している利用料金などがあるなら支払っておきましょう。

利用料金などの滞納はどうしてバレる?

それまで携帯電話・スマホの利用料金に滞納があったり、スマホ・携帯電話端末の支払に滞納があることは、(たとえ別の携帯電話会社に乗り換える場合であっても)基本的にはバレてしまいます。
その理由についてご説明します。

利用料金の滞納は、携帯電話会社間で共有されていること

1999年4月以降、契約解除(任意解約を含む)後に料金不払いのある顧客の情報は、基本的に、次の協会に加盟する携帯電話等の移動系通信事業者間で共有されています。

  • 一般社団法人 電気通信事業者協会(TCA)
  • 一般社団法人 テレコムサービス協会(TELESA)

ですので、ある携帯電話会社の利用料金に滞納があった場合、他社にもその情報が共有され、他社に乗り換える場合であってもバレてしまう可能性が高いのです。

TCAやTELESAに登録された未払いの情報は、最長で契約解除後5年間保有されます。また、期間経過によりTCAやTELESAから不払者情報が削除されても、滞納先の携帯電話会社やグループ会社ではその後も滞納情報が保有されている可能性があります。

参考:不払者情報の交換|一般社団法人 電気通信事業者協会(TCA)

携帯電話・スマホ端末の滞納などは『信用情報機関』に登録されていること

『信用情報機関』とは、個人の信用情報(*)を保有・共有する機関です。
(*信用情報…ローンやクレジットなどの信用取引における契約内容や返済状況に関する、客観的な取引事実を表す情報のこと)
過去に携帯電話・スマホの代金を分割払いにした場合、その申込内容や支払状況などは携帯電話会社を通じて信用情報機関に登録されています

さらに、信用情報機関には、次のような顧客の経済的信用力を低下させるような情報(いわゆる「事故情報」)も登録されています。

【主な事故情報】

  • 延滞
  • 保証債務の履行、代位弁済
  • 任意整理(一部の過払い金返還請求を除く)
  • 自己破産
  • 民事再生

ですから、これまでに携帯電話やスマホを分割払いで購入し、その支払を滞納した場合、基本的には、その滞納の事実も信用情報機関に登録されているのです。

携帯電話会社は、携帯電話・スマホの分割払いの申込みがあると、原則として信用情報機関に登録されている申込者の信用情報を照会します。
その際、信用情報機関に事故情報が登録されていると、申込者の経済的な信用力が低いということですので、分割払いの審査に落ちてしまうことがあるのです。

携帯電話・スマホの利用料金の未払いについて詳しくはこちらの記事もご確認ください。

携帯料金の未払いでブラックリストに載る?載ったらどうしたらいい?

なお、携帯電話やスマホの利用料金を請求書払いにしている場合、信用情報は関係ありませんが、クレジットカード払いにしていて、カードの支払いを滞納した場合にも、滞納の事実は信用情報機関に登録されます。

信用情報機関に登録されるケースについて詳しくはこちらの記事をご確認ください。

何をするとブラックリストに載るの?いつまで情報は残るのか解説

10万円以下の携帯電話・スマホは、分割払いの審査に通りやすい?

携帯電話・スマホの分割払いの審査を通らなかったという方で、10万円以上の携帯電話・スマホの分割払いを申し込んだという方はいらっしゃいませんか?

実は、携帯電話・スマホの代金が10万円を超えるかどうかで、携帯電話会社の審査の厳しさが違います。
次にご説明するとおり、10万円以下の携帯電話・スマホの分割払いであれば、審査が通りやすくなる可能性があります。

10万円以上の携帯電話・スマホの場合「支払見込額」を超えることができない

携帯電話・スマホ端末の分割払いのような個別クレジットは、法律上、契約を結ぶ際、ユーザーの『支払可能見込額』(申込者が日常生活を維持しながら、継続的に支払うことができると見込まれる1年間当たりの金額)を調査し、その範囲内でなければ契約ができないという制約があります(割賦販売法35条の3の3、35条の3の4)。

そして、支払可能見込額の調査をする際、法律上、携帯電話会社は先ほどご説明した『指定信用情報機関』が保有する信用情報を確認しなければいけないのです。
割賦販売法に基づく指定信用情報機関は『株式会社シー・アイ・シー(CIC)』です。

ですから、CICに登録された信用情報などをもとに、収入から他のクレジット債務などを差し引いた結果「支払可能見込額」を超えている場合、原則として携帯電話・スマホの分割払いの審査には通りません。

ですが、携帯電話やスマホなどの生活必需品については、全て支払可能見込額を超えると分割で購入できなくなると、消費者が不利益も被ることもあります。
そこで、生活に必要な物については、例外的に、次の条件を満たす場合には、支払可能見込額の調査は不要とされているのです(割賦販売法施行規則73条)。

  • 支払総額が10万円以下である商品であること
  • 契約締結時に滞納などがないこと

ですから、10万円以上の携帯電話・スマホを分割払いで購入する際は、それだけ審査が厳しくなり、審査に落ちてしまう可能性が高まります。

では、携帯電話・スマホ端末の代金などが10万円以下であれば、信用情報は確認されないということですか?

そうとは限りません。法律上、10万円以下の携帯電話・スマホの分割払いには支払可能見込額の調査が不要とされているだけで、携帯電話会社によっては、滞納があるかどうかなどを確認するために、信用情報を確認される可能性はあります。

携帯電話・スマホの分割払いの審査に落ちてしまった場合の対処法

それでは、携帯電話・スマホの分割払いの審査に落ちてしまった場合の対処法についてご説明します。審査に落ちてしまった場合、主に次のような対処法があります。

携帯電話・スマホ端末の代金を一括払いにする

これまでご説明したのは、あくまでも分割払い、つまり個別クレジットで代金を支払うケースです。
端末の代金を一括払いにすると、信用リスクは関係ありませんから、信用情報を確認されることはありません。
これまでにクレジットカードの支払いを滞納するなどして信用情報機関に事故情報が登録されているという方は、携帯電話・スマホ端末を分割払いではなく一括払いにすれば審査を気にすることなく携帯電話・スマホを入手することができます。

10万円以下の携帯電話・スマホ端末を購入する

先ほどご説明したとおり、10万円以下の分割払いであれば、携帯電話・スマホに関しては支払可能見込額は問題になりません。
ですから、信用情報には問題はなく、収入面から分割払いの審査に通るか不安な方は、10万円以下の機種を選べば、分割払いの審査に通る可能性は高いです。
さらに、それまでの契約状況や利用料金の支払状況によっては、信用情報機関に事故情報が登録されていても分割払いの審査に通る可能性はあります。
10万円を超える携帯電話・スマホであっても、ポイントなどを利用して10万円以下になれば良いので、10万円以下にできないかチェックしてみましょう。

ただし、あくまで信用情報を確認すべき法的義務はないというだけであって、絶対に信用情報を確認されないということではありません。

滞納している場合は、まずは滞納の解消を!

先ほどご説明したとおり、携帯電話・スマホの利用料金や分割払いの支払いを滞納している場合には、いずれにしても新たな携帯電話・スマホの分割払いの審査に通らない可能性が高いです。

利用料金を支払っておらず、TCA、TELESAに登録された未払いの情報は、最長で契約解除後5年間保有されますし、信用情報機関に登録される期間も5年~7年です(※登録される機関及び内容によって異なります)。

ですから、滞納を解消したからと言って、すぐに記録が抹消されるわけではありませんが、滞納の記録が残っている以上、今後、クレジットカードを新たに作ったりローンを組んだりすることが難しくなりますので、1日でも早く滞納を解消することには意味があります。

それでは、滞納を解消すべき方法についてご説明します。

消滅時効を援用して滞納を解消

貸したお金を返すように請求する権利や、分割払いにした携帯電話・スマホの代金の支払を求める権利は、法律上は「債権」と言いますが、債権は、基本的に一定期間が経過することにより、消滅時効にかかります

2020年4月の民法改正により、一般的に、債権は債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないと時効により消滅するとされました(民法166条1項1号)。

時効期間が満了した債権は、債務者が時効を援用する意思表示(時効の利益を享受するという意思を表示することです)をすると、債権は時効により消滅しますので、債権者はそれ以上の請求はできません。
ですから、仮に支払を滞納している債権であっても、時効期間が経過している債権であれば、時効の援用をして債権自体を消滅させることをお勧めします。

債権の内容や、債権がいつ成立したかなどによって、時効期間は変わります!
自己判断せずに、まずは弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。

時効の援用について詳しくはこちらの記事をご確認ください。

債権に時効はある?民法改正による時効の変更点や中断方法などを解説

債務整理をして滞納を解消

債務整理とは、借金を始めとする負債の支払の負担を軽減するための手続で、主に『任意整理』『個人再生』『自己破産』の3種類があります。

債務整理により負債の負担を減らしたりなくしたりできれば、早期に滞納を解消することが期待できます。

債務整理をしたという事実は、基本的には信用情報機関に登録されてしまいます。
ただ、債務整理をして滞納を早めに解消することによって、その分、信用情報機関の情報の削除も早くなるのです。

借金の返済を滞納しているなどお悩みの方は、良い『債務整理』の途がないか、まずは弁護士にご相談ください。

いろんなところから借金をしていて、一見、もうどうにもならないと思われる状態であったとしても、中には、利息を払いすぎている場合(いわゆる過払い金)があって、計算し直すと借金が大幅に減る方がいらっしゃいますよ!

自分の信用情報が気になる方は、信用情報開示の請求を!

各信用情報機関に登録されている信用情報は、ご自身で情報の開示を請求して確認することができます
CIC、JICC、KSCのいずれも、郵送又はオンラインでの開示が可能です(*2022年11月時点。なお、CIC及びJICCは窓口での開示も実施していましたが、現在、新型コロナウイルス感染症の影響で窓口での開示は対応していません)。

携帯電話・スマホの分割払いの審査に落ちたけれど、原因に心当たりがないという方は、一度信用情報を確認してみることをお勧めします。
以前、携帯電話・スマホ端末を複数台利用していたという方で、支払を忘れたままになっていたという方もいらっしゃいます。

ご自身で信用情報機関に対する情報開示を請求する流れについて詳しくはこちらの記事をご確認ください。

信用情報開示とは?ブラックリスト入りしていないか確認できるって本当?

【まとめ】携帯電話・スマホの利用料金や分割払いの滞納があると、新たな分割払いの審査は不利!

今回の記事のまとめは、次のとおりです。

  • 携帯電話やスマホの分割払いは、携帯電話会社に信用リスクがあるため、事前に与信審査が実施される。
  • 携帯電話やスマホの利用料金の滞納や分割払いの滞納などはそれぞれ記録されている。これまで携帯電話やスマホの利用料金や分割払いの支払に滞納がある場合、審査に落ちてしまう可能性が高い。
  • 10万円以下の携帯電話・スマホの場合、分割審査において、支払可能見込額の調査が不要のため、10万円を超える場合に比べて審査が厳しくない。
  • 分割払いの審査に落ちてしまっても、一括払いであれば携帯電話・スマホを購入することができる。
  • 携帯電話やスマホの利用料金などを滞納している場合には、時効の援用や債務整理により滞納を解消できないか検討すべき。
  • 分割払いに落ちてしまった心当たりがない場合には、信用情報機関に情報開示を請求して自分の信用情報を確認することもできる。

アディーレ法律事務所では、所定の債務整理手続きにつき、所定の成果を得られなかった場合、原則として、当該手続きに関してお支払いただいた弁護士費用を全額ご返金しております。
また、完済した業者への過払い金返還請求の手続きの場合は、原則として過払い金を回収できた場合のみ、成果に応じた弁護士費用をいただいておりますので、費用をあらかじめご用意いただく必要はありません。
(2023年2月時点)

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