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「配転ガチャ」に外れたらどうしよう?断れる3つのケースを紹介

作成日:更新日:
LA_Ishii

「無事に内定をもらって、今年から新社会人。東京本社での勤務を希望したけれど、地方や向いていない部署に配属されたらどうしよう…」

厚生労働省と文部科学省の共同調査によると、大学生の就職率は95.8%であり、前年よりわずかに上昇したようです(2022年3月卒業者を対象とした調査)。

参考:令和4年3月大学等卒業者の就職状況(4月1日現在)を公表します | 厚生労働省

配属先は必ずしも自分の思い通りになるとはかぎらないため、いわゆる「配転ガチャ」が心配な人は少なくないでしょう。

基本的に、会社には広い裁量があり、希望の勤務地や部署で勤務させることまでは要求できませんが、断れる例外的なケースも存在します。
また、基本的に従業員には会社を辞める権利があり、辞めたいと思った理由が何であれ、理由によってその権利が制限されることはありません。

この記事を読んでわかること
  • 配転ガチャとは
  • 配転ガチャを断れるケース
  • 退職を言い出しづらい場合の対処法
この記事の監修弁護士
弁護士 髙野 文幸

中央大学卒、アディーレ入所後は残業代未払いの案件をメインに担当し、2018年より労働部門の統括者。「労働問題でお悩みの方々に有益な解決方法を提案し実現すること」こそアディーレ労働部門の存在意義であるとの信念のもと、日々ご依頼者様のため奮闘している。東京弁護士会所属。

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配転ガチャとは

配転ガチャとは、新入社員の配属にかぎらず、配置転換や転勤によって自分がどこに配属されるかわからない不安を、カプセルトイの販売形態やソーシャルゲームの「ガチャ」になぞらえて表現した言葉です。
配置転換とは、同一勤務地内での人事異動をいい、転勤とは異なる勤務地への人事異動をいいます。両者を合わせて、「配転」といいます。
なお、「配属ガチャ」「上司ガチャ」などのように表現されることもあるようです。

新入社員の配置をどうするかは会社側に広い裁量がある

原則として、会社は「人事権」に基づき、従業員の配置を自由に決定することができます
一般的に人事権とは、採用や配転、昇格や降格、解雇などを会社が決定する権利のことをいいます。
ただし、会社が従業員の同意なしに配転を決定するためには、就業規則等で、会社が配転を決定できる旨が定められていることが必要と考えられています。
もっとも、公務員の場合、原則として配転を拒否することはできないうえ(国家公務員法98条1項、地方公務員法32条)、拒否した場合には懲戒処分の対象になり得ます。

配転ガチャを断れるケース

会社側には広い裁量がありますが、例外的に配転命令を拒否できる可能性があるケースをご紹介します。

採用時の雇用契約で勤務地や職種を限定されている

職種の限定については、医師や看護師など特殊な資格や技術が必要で、採用時に職種を限定する契約があったと考えられるケースでは、本人の同意なしに職種を変更することはできないと考えられています。
一方、勤務地の限定については、採用時の雇用契約において明確に勤務地が限定されているような場合でないかぎり、配転命令を拒否することは難しいでしょう。

不当な動機に基づく配転ガチャである

嫌がらせや退職に追い込む意図があるなど、不当な動機・目的に基づく配転命令があった場合は、権利濫用(労働契約法3条5項、民法1条3項)であるとして、当該配転命令は無効であると考えられます。
例えば、次のような裁判例があります。

裁判年月日事案の概要と結果
東京地裁判決平成18年7月14日
(精電舍電子工業事件)
製造部から営業部への配転命令の効力が争われた事案
→営業部への配転命令が、従業員を退職に追い込む意図でなされたと認められ、当該配転は配転命令権を濫用したものだとして無効とされた。
東京地裁決定平成7年3月31日
(マリンクロットメディカル事件)
配転命令を拒否したことを理由に懲戒解雇された従業員が、当該配転命令と解雇の無効を主張した事案
→社長の経営方針に批判的な者を本社から排除するといった不当な動機・目的が認められるため、配転命令権の濫用として無効とされた。
また、この配転命令を拒否したことを理由とする懲戒解雇も無効とされた。

不当な人事異動について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

育児や介護などやむを得ない事情がある

会社側に嫌がらせなどの不当な動機がなかったとしても、その配転が当該従業員にとってあまりに大きな不利益を負わせるものである場合には、配転命令権の濫用だと判断され、無効となる場合があります。
例えば、次のような裁判例があります。

裁判年月日事案の概要と結果
最高裁判決昭和61年7月14日
(東亜ペイント事件)
転勤を拒否した従業員を懲戒解雇した事案。
→母親および妻子と同居していた従業員が、本件転勤によって受ける家庭生活上の不利益は、「転勤に伴い通常甘受すべき程度のもの」であるため、本件転勤命令は権利の濫用に当たらないと判断された。
最高裁判決平成12年1月28日
(ケンウッド事件)
長男を保育園に預けている従業員が、転勤命令に従わず、懲戒解雇となった事案
→転勤によって片道約1時間45分の通勤が必要になることによる不利益は必ずしも小さくないが、通常甘受すべき程度を著しく超えるとまではいえないため、本件異動命令は権利の濫用に当たらないと判断された。
札幌地裁判決平成9年7月23日
(北海道コカ・コーラボトリング事件)
従業員への転勤命令が権利の濫用に当たるか争点となった事案。
→当該従業員の長女は躁うつ病、次女は精神運動発達遅延の状況にあるうえ、近くに住む両親も健康上の問題を抱えていた。
上記の家庭状況からすると、「通常受忍すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものである」ため、本件転勤命令は権利の濫用に当たり無効と判断された。

参考:東亜ペイント事件・最高裁判決昭和61年7月14日 | 裁判所 – Courts in Japan
参考:ケンウッド事件・最高裁判決平成12年1月28日 | 裁判所 – Courts in Japan

また、法律上の根拠も存在します。
例えば、労働契約法には、「労働契約は、労働者及び使用者が仕事と生活の調和にも配慮しつつ締結し、又は変更すべきものとする」(同法3条3項)という定めがあります。

また、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律には、次のような定めがあります。

事業主は、その雇用する労働者の配置の変更で就業の場所の変更を伴うものをしようとする場合において、その就業の場所の変更により就業しつつその子の養育又は家族の介護を行うことが困難となることとなる労働者がいるときは、当該労働者の子の養育又は家族の介護の状況に配慮しなければならない。

引用:育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律26条

夫婦共働きが一般的になった現在においては、全国転勤を前提とした人事異動や採用は時代に合わなくなっています。
時代の流れに合わせて、本人の同意のない転勤をやめる会社も増えつつあるようです。

配転ガチャに外れたら | 理由は何であれ退職することはできる

配転ガチャに外れた結果、どうしても職務内容が自分に合わない部署に配属されてしまったり、遠隔地での勤務を命じられたりするなど、退職を考えざるを得ない状況に陥ることがないとはいえません。
どんな理由であれ、退職することは自分の意思だけで決められますし、会社に従業員の退職を止める権利はありません。
しかし、配転ガチャに外れ、希望とは違う部署や地域に配転されたとしても、長い目でキャリアプランを見ればプラスになることもあります。
不本意ながら働いているうちに、やりがいや楽しさを感じるようになるかもしれません。
そのため、自分だけで退職を決断する前に、信頼できる上司や友人、家族などに相談してみることをおすすめします。

「退職します」と言いにくい… | 退職代行サービスを利用できる

就職した会社は、営業職で募集しても誰も人が来ないため、他の職種での勤務を前提として採用した後、多くの従業員を営業職として勤務させているようです。
実際、僕も営業部に配属され、営業職として勤務することになりました。
入社前、「適性があると判断されたら希望の部署に行くことができる」と人事部が言っていたのですが、信用できないので辞めたいと思っています。
ただ、辞めたいと言い出しにくくて……
何か良い方法はありませんか?

退職を固く決意したけれども、自分では言い出しにくいという場合、「退職代行サービス」を利用するという手段があります。

退職代行について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

退職代行を弁護士に相談したい!流れと気になる疑問を解説

【まとめ】配転には会社側に広い裁量があるが、どんな理由でも退職するのは従業員の自由

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 配置転換とは、同一勤務地内での人事異動をいい、転勤とは異なる勤務地への人事異動をいう
  • 配置転換と転勤を合わせて、「配転」という
  • 会社は従業員の配置を自由に決定することができるのが原則である
  • 配転命令を拒否できる例外的なケースは次の3つ
    1. 採用時の雇用契約で勤務地や職種を限定されている
    2. 配転命令が不当な動機に基づくものである
    3. (従業員の側に)育児や介護などやむを得ない事情がある
  • 従業員には退職の自由があるため、どんな理由であっても退職することはできる

「配転ガチャ」の結果が悪く、入社して一定期間勤務してみたものの、どうしても職務内容などが自分に合わず、退職したいと考え始めることもあるでしょう。
しかし、いくら法律上は仕事を辞めることが本人の自由とはいっても、現実にはなかなか退職を言い出しづらい状況に置かれてしまうかもしれません。
そのような場合、「退職代行サービス」の利用を検討することをおすすめします。
ただし、弁護士法上、弁護士でない退職代行業者は、退職の意思を会社に伝言することや、形式的な事務処理の代行は可能ですが、会社との交渉には対応できません。
そのため、弁護士による退職代行サービスの利用を検討することをおすすめします。

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