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未払い残業代を取り戻す方法とは?残業代請求で準備すること

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「ああ、今月もまたサービス残業か……。」
そうため息をついている方、そこであきらめる必要はありません。

なぜなら、未払いの残業代を取り返す方法は複数存在するからです。

そうした請求方法についての知識を多く蓄えておけば、その分だけ回収できる可能性は高まります。

そこで今回の記事では、

  • 割増賃金の発生条件についての基礎知識
  • 残業代の請求方法
  • 残業代の計算方法

などについて、解説していきます。

この記事の監修弁護士
弁護士 髙野 文幸

中央大学卒、2006年弁護士登録。アディーレ入所後は残業代未払いの案件をメインに担当し、2018年より労働部門の統括者。「労働問題でお悩みの方々に有益な解決方法を提案し実現すること」こそアディーレ労働部門の存在意義であるとの信念のもと、日々ご依頼者様のため奮闘している。現在、東京弁護士会所属。

労働時間と残業代の関係性

まずは、労働時間についての基礎知識、及び割増賃金の発生条件、そして36協定について解説していきます。

(1)労働時間とは?

労働基準法32条は、労働時間について原則として「1日8時間、週40時間」が上限であると規定しています。この労働時間の上限の枠のことを「法定労働時間」といいます。

労働時間には、「法定労働時間」のほかに、会社ごとに就業規則などで定める「所定労働時間」があります。いわゆる「定時」という言葉は、所定労働時間のことを指して使われることが多いかと思います。
所定労働時間は、法定労働時間の範囲内であれば、始業時間と終業時間を自由に設定することができます。

(2)残業代(割増賃金)が発生する条件とは?

所定労働時間を超えて働いた場合も、法定労働時間を超えて働いた場合も、いずれも残業にはあたりえます。
ただし、残業には法定内残業と法定外残業(時間外労働)があります。
それぞれで残業代(割増賃金)の計算方法が異なってきますので、確認しておきましょう。

(2-1)法定内残業とは?

法定内残業とは、所定労働時間を超えてはいるものの、法定労働時間は超えていない範囲で行う残業のことをいいます。
法定内残業の場合、残業代に割り増しは発生せず、残業にあたる部分の時間にも通常の賃金と同額が支払われるにとどまります。

(2-2)法定外残業(時間外労働)とは?

法定外残業は、法定労働時間の範囲を超えた部分の残業のことを指します。
この法定外残業(時間外労働)が発生した場合に、割増賃金が発生します。
割増率は原則として通常の賃金の25%以上ですが、1ヶ月あたりの時間外労働が60時間を超えた部分については通常の賃金の50%以上となります。

(2-3)休日労働とは?

労働基準法35条は、「1週間あたり1日以上または4週間あたり4日以上」の休日を労働者に与える義務を使用者に課しています。法律で定められたこの休日のことを「法定休日」といいます。
そして、この「法定休日」にした労働のことを「休日労働」といい、休日労働をした場合には割増賃金が発生します。
割増率は、通常の賃金の35%以上となっています。

一方、法定休日以外にも「法定外休日(所定休日)」というものがあります。これは、法律で定められたものではなく、会社が独自に就業規則などで定める休日のことをいいます。
例えば、週休2日制で土日休みという会社の場合、日曜日が法定休日、土曜日が法定外休日などと定められます。

そして、法定外休日に労働をしたとしても「休日労働」にはあたりません。
そのため、休日労働としての割増賃金は発生せず、その日の労働は法定内残業もしくは法定外残業としてカウントされることになります。

(2-4)深夜労働とは?

22~5時までの間にした労働のことを深夜労働といいます。
深夜労働をした場合には、通常の賃金の25%以上の割増賃金が発生します(労働基準法37条4項)。

(3)時間外労働及び休日労働には36協定が必要

法定外残業(時間外労働)や休日労働をさせる場合には、使用者は労働基準法36条に基づく労使協定(いわゆる36協定)を労働者の代表との間で締結し、管轄の労働基準監督署に届け出る必要があります。

参考:36協定で定める時間外労働及び休日労働について留意すべき事項に関する指針|厚生労働省

詳しくはこちらの記事もご確認ください。

36協定をわかりやすく解説!締結における時間外労働の上限は何時間?

なお、36協定による時間外労働の上限は、原則として月45時間・年360時間を超えることはできません(労働基準法36条4項)。
もっとも、36協定に特別条項を定めた上で労使が合意すれば、臨時的な特別の必要性がある場合に限り、月45時間を超える時間外労働が認められます。

臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合でも、残業時間については、以下のような上限規制を守らなくてはなりません。

  • 時間外労働は年720時間以内(労働基準法36条5項かっこ書き)
  • 時間外労働及び休日労働の合計が、複数月(2~6ヶ月のすべて)平均で80時間以内(同法36条6項3号)
  • 時間外労働及び休日労働の合計が、1ヶ月当たり100時間未満(同法36条6項2号)
  • 原則である1ヶ月当たり45時間を超えられるのは1年につき6ヶ月以内(同法36条5項かっこ書き)

参考:時間外労働の上限規制|厚生労働省

未払い残業代を取り戻す4つの方法

それでは、残業をしたはずなのに割増賃金が支払われていない、すなわち未払い残業代がある場合の請求方法について解説していきましょう。

(1)会社との交渉

残業(時間外労働、休日労働、深夜労働)をしたという事実を証明する証拠を揃え、その証拠をもとにして請求できる残業代を計算した上で、まずは会社と直接交渉を行うことになります。

直接交渉する際には、未払い残業代を請求するという旨を記載した内容証明郵便を送るとよいでしょう。この内容証明郵便を送ると、残業代を含む賃金請求権の消滅時効を6ヶ月の間止めることが可能となります。

残業代を含む賃金請求権の消滅時効期間は、2020年4月1日以降に支払期日が到来する賃金については3年間、2020年3月31日までに支払期日が到来した賃金については2年間とされています。
ただしこの「3年」は、労働基準法改正に伴う「当分の間」の経過措置(労働基準法143条3項)であり、将来的には労働基準法115条の条文どおりに「5年」となる可能性もあります。

内容証明郵便を送ったことで会社が話し合いの場を設けてくれた場合、そこで残業代の支払いを認めるよう求めていきます。
なお、残業代の計算書は内容証明郵便とは別便で送付する必要があります。

(2)労働審判

内容証明郵便を送っても会社が未払い残業代の支払いに応じてくれない場合には、法的な手続きをとることになります。
法的手続きの一つである労働審判は、事業主と個々の労働者との間の労働問題を迅速、かつ適正に解決するための制度です。
裁判官1人と労働関係の専門家2人が間に入る形で話し合いが行われ、原則として期日は3回以内で終了します。
労働審判の結果に対して当事者から異議申立てがなされた場合には、通常の訴訟手続きに移行します。

(3)少額訴訟

少額訴訟とは、60万円以下の金銭の支払いを簡易裁判所に対して求める訴えのことをいいます。1回の審理で問題を解決することができます。
未払い残業代を計算して、60万円以下であれば利用が可能ということになります。

少額訴訟では、簡易裁判所で所定の手続きを行うと、裁判所から会社に訴状が送られます。
期日には、労働者と使用者(及び代理人弁護士)が集まり、未払い残業代について審理を行います。
少額訴訟は弁護士を立てなくても問題ありませんが、証拠を調べたうえで判決を下すため有力な証拠が必要となります。

(4)通常訴訟

通常訴訟の場合、残業代が140万円を超える場合には地方裁判所、140万円以下の場合には簡易裁判所に対して提起することになります。
付加金(労働基準法114条)や遅延損害金の支払いが認められる可能性もあり、受け取れる金額が高額になることもあります。
ただし、証拠調べや尋問などの手続きを重ねるため、訴訟の判決が出るまでには1年以上かかることもあります。

未払い残業を請求する前の準備

ここでは、残業代を請求する前にすべきことについて解説します。

(1)未払い残業の証拠を集める

未払い残業を請求するにあたっては、残業があった事実を証明する証拠が必要となります。
残業代の未払いという事実は、残業代を請求する労働者側が立証しなければならないため、事実を立証するための証拠も自分で集める必要があります。
証拠を集める際にも、先に述べた2年または3年の時効については注意しましょう。

賃金の未払いを証明するために必要な証拠とは、「労働条件に関する証拠」「労働時間の実態に関する証拠」「支払い賃金の実態に関する証拠」ということになります。

具体的には、以下のような証拠が有用といえます。

  • 雇用契約書や就業規則(労働条件に関する証拠)
  • タイムカードやPC使用時間等の客観的な記録(労働時間の実態に関する証拠)
    客観的な記録が難しい場合は、業務指示書やメール、研修資料や日報、オフィスビルへの入退館記録等も証拠として認められる可能性があります。
  • 給与明細書(支払賃金の実態に関する証拠)

詳しくはこちらの記事もご確認ください。

残業代請求で集めるべき証拠って何?弁護士が分かりやすく解説

(2)残業代を計算する

証拠を集めたら、実際に残業代を計算していきましょう。

(2-1)基礎賃金の計算方法

残業代を計算するためには、まず基礎賃金を算出する必要があります。
基礎賃金とは、時給のようなもので、月給制の場合「1ヶ月あたりの基礎賃金÷1ヶ月の平均所定労働時間」という計算式で求めることができます。

1ヶ月の平均所定労働時間は、「(365日-年間総休日日数)÷12ヶ月×1日の所定労働時間数」という計算式で計算します。

1ヶ月あたりの基礎賃金を算出する際には、賃金のうち通勤手当や住宅手当などの手当、臨時の賃金などを差し引いて計算することに注意しましょう。

(2-2)月給制の残業代の計算方法

残業代の基本的な計算方法は、「残業時間×1時間あたりの基礎賃金×割増率」という計算式によることになります。

割増率は、法定労働時間を超える時間外労働が25%以上、休日労働は35%以上、深夜労働は25%以上となります。

(2-3)みなし残業代が含まれている場合

みなし残業代制(固定残業代制)とは、実際の残業時間に関わらず、一定時間の残業をしたと想定される分の割増賃金をあらかじめ給料に含めて、あるいは特定の手当として支払う方法です。
みなし残業代制の場合、固定残業代に相当する残業時間を超えた部分に対して割増賃金が別途発生します。
この場合の計算方法は、月給制の残業代の計算方法と同様に「(超えた部分の)残業時間×1時間あたりの基礎賃金×割増率」です。

なお、アディーレ法律事務所のウェブサイトには「残業代メーター」という請求可能な残業代を簡単に計算できるページがあります。
ただし、簡易的に計算するものであるため、実際の請求額とは異なることがあります。

(3)弁護士に依頼する

未払い残業を会社に請求する場合、弁護士に依頼すると残業代を取り戻せる可能性が高くなります。
証拠集めのアドバイスを得ることができますし、複雑になりがちな未払い残業代の適切な計算や、会社との交渉を任せることができます。
また、会社との交渉で解決しない場合、少額訴訟や通常訴訟などの法的な手段で解決するときには、弁護士の力が大いに役立つことになります。

【まとめ】未払い残業を取り戻すには、会社への請求や法的手続きといった複数の方法があります

今回の記事のまとめは以下のとおりです。

  • 残業代は、法定労働時間と所定労働時間で割増賃金が異なります。
  • 未払い残業代を取り戻す方法としては、「会社への請求」「労働審判」「少額訴訟」「通常訴訟」がありますが、いずれの方法も残業の証拠と請求する残業代の算出が必須となります。
  • 残業代の請求にあたっては、証拠を揃え、残業代を正確に計算した上で、弁護士に依頼すると、残業代を回収できる可能性が高くなります。

未払い残業代があり、請求を検討している方は、アディーレ法律事務所へご相談ください。

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