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あおり運転をされないための対策5つ!妨害運転罪についても解説

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「最近、あおり運転のニュースをよく聞くな…。実際にひどいあおり運転をされたことはないけど、あおり運転の被害にあったらどうしたら良いんだろう?」

2017年に高速道路上で起きた、あおり運転がきっかけの死亡事故を契機にあおり運転は社会問題となりました。事故後、道路交通法が改正され、あおり運転は「妨害運転罪」として処罰の対象となっています。
あおり運転をして逮捕されたというニュースを耳にしたことがある方もいらっしゃるでしょう。
誰もが被害にあう可能性のあるあおり運転。
今回の記事では、次のことについて弁護士がご説明します。

  • あおり運転の内容と実態
  • あおり運転への5つの対策
  • 妨害運転罪の具体的な内容
この記事の監修弁護士
弁護士 岡﨑 淳

早稲田大学、及び明治大学法科大学院卒。2012年弁護士登録。アディーレ法律事務所に入所して以来、佐世保支店長、丸の内支店長、北千住支店長を経て、2022年より交通部門の統括者。交通事故の被害を受けてお悩みの方々に寄り添い、真摯な対応を貫くことをモットーに、日々ご依頼者様のため奮闘している。第一東京弁護士会所属。

あおり運転(煽り運転)とは?

あおり運転とは、具体的には次のような行為です。

  • 後方から車間距離を詰めて走行する
  • 執拗な追跡、幅寄せ
  • 挑発的な運転(無理な追い越しなど)
  • 過度なパッシングやハイビームの点灯
  • 不要なクラクションを鳴らす            など

これらのうち特に被害が多いのは、後方から車間距離を詰める行為やパッシングです。

2021年のあおり運転に関するデータ

あおり運転の1つに「車間距離不保持」があります。
「車間距離不保持」とは、車を運転する際、先行車が走行中に停止しても、追突しないような距離をあけて走行しなければいけないという義務に違反する場合です。

特に、高速道路では高速度で走行しますから、先行車との車間距離不保持は大きな事故につながりかねません。

ですが、2021年、高速道路上の車間距離不保持で警察が摘発したのは7422件にものぼります。
一瞬のハンドルミスで死亡事故が起こりかねないことを考えると、いかに危険な状況であるかがわかります。

参照:令和4年版交通安全白書|内閣府

あおり運転は厳罰対象!2020年6月30日から「妨害運転罪」が施行

従来、あおり運転は刑法上の暴行罪や危険運転致死傷罪として処罰されていました。
しかし、これでは実態に応じた適切な取り締まりができなかったことから道路交通法が改正され、妨害運転に対する罰則や行政処分が整備されました。

(1)「妨害運転罪」とは?

妨害運転罪は、危険度に応じて、次の2種類に区別できます。

(1-1)妨害運転(交通の危険のおそれ)

他の車両等の通行を妨害する目的で一定の違反行為をして、当該他の車両等に道路における交通の危険を生じさせるおそれのある方法によるものをした場合。

(1-2)妨害運転(著しい交通の危険)

(1-1)の罪を犯し、よって高速自動車国道等において他の自動車を停止させたり、その他道路における著しい交通の危険を生じさせた場合。
これらの運転行為は、次のとおり、行政処分だけでなく、刑事罰の対象になります。

対象となる行為刑事罰行政罰
妨害運転
(交通の危険のおそれ)
3年以下の懲役
または
50万円以下の罰金
免許取消し
違反点数25点
欠格期間2年
(※前歴や累積点数がある場合には最長5年)
妨害運転
(著しい交通の危険)
5年以下の懲役
または
100万円以下の罰金
免許取消し
違反点数35点
欠格期間3年
(※前歴や累積点数がある場合には最長10年)

参照:STOP!あおり運転!!|警察庁
参照:交通違反の点数一覧表|警視庁

(2)あおり運転の具体的内容は?違反対象になる10個の行為

では、どのような行為をすればあおり運転に該当するのでしょうか。
条文上、次の10個の行為があおり運転(妨害運転)にあたります。

  • 通行区分違反 (例)対向車線の逆走
  • 急ブレーキ禁止違反
  • 車間距離不保持
  • 進路変更禁止違反 (例)急な割込み
  • 追越し違反 (例)左車線からの追越し
  • 警音器使用制限違反 (例)1分以上クラクションを鳴らし続ける行為
  • 安全運転義務違反 (例)極端な幅寄せ
  • 減光等義務違反 (例)ハイビームで走行し続ける行為
  • 最低速度違反 (高速自動車国道)
  • 高速自動車国道等駐停車違反

他の車両等の通行を妨害する目的でいずれかの行為を行い、他の車両等に交通の危険を生じさせるおそれがあれば、妨害運転罪が成立します。
実際に交通が妨害されたかどうかは関係ありません。

なお、減光等義務違反、最低速度違反(高速自動車国道)、高速自動車国道等駐停車違反以外の7類型は、自転車で行った場合にもあおり運転(妨害運転)にあたります。

さらに、他の車の通行を妨害する目的で、走行中の車の直前に進入したり著しく接近するなどのあおり運転を行った結果、人にけがをさせたり死亡させた場合には『危険運転致死傷罪』が成立して、より重い処罰を受ける可能性があります。

あおり運転のきっかけは、加害者の思い込みも?

警察庁の調査によると、あおり運転で摘発された加害者の9割超が「進行を邪魔された」など、被害者側の行為に原因があると認識していました。

もっとも、実際に被害者側にも問題があったと確認できたのは、そのうちの約半数だったとのことです。
ですから、この調査結果によれば、加害者側の思い込みによりあおり運転の被害にあう危険性は常にあるということになるでしょう。

あおり運転をされないよう、運転中に気を付けるべき5つのポイント

加害者の思い込みであおり運転が起こるとすると、防ぎようがないと思われるかもしれません。

もっとも、実際に被害者側の行為もあおり運転の原因となっていることもあるため、危険なあおり運転による被害を受けないために、できることをして身を守ることをおすすめします。

運転中に気を付けるべき5つのポイントをご説明します。

(1)十分に車間距離をとる

追突事故を避けるためにも十分な車間距離をとることが大切です。
一般に高速道路では、速度と同じだけ車間距離をあけるのがよいとされ、一般道路では高速道路ほどではないものの近づきすぎないように注意したほうがよいとされています。

高速道路には車間距離を確認する車間距離確認表示板が設けられていますので、それを目安にするといいでしょう。

もっとも、前を走る車との距離を正確に把握することはなかなか難しいかもしれません。
高速道路であれ一般道路であれ、前の車が通過した地点を通過するのに最短でも2秒置く必要があるといわれています。

横の車両との車間(側方間隔)、後ろの車両との車間もほどよくあけることが大切です。

(2)みだりに車線変更をしない

複数車線の道路では、車線変更をみだりにせず、基本的に一番左側の車線を走行しましょう。
右側の車線は前の車を追い越すときにのみ利用し、また、車線変更するときにはバックミラーや目視で十分に安全確認を行ってください。

(3)急な割込みや急ブレーキをしない

急な割込みや無理な幅寄せをせずに、思いやりを持った運転を心がけましょう。
車両同士では顔が見えない分、反感を買いやすいのも事実です。
自分ではこのくらい許されると思える運転でも、強引な運転には注意してください。

急な割込みや急ブレーキは、先ほどご紹介したとおり、あおり運転にあたります。「あおり運転をされたからやり返した」などといわれないように、注意が必要です。

(4)追越し車線に長くいない

追越し車線は、先行車を追い越すための車線です。
先行車を追い越した後は、速やかに走行車線に戻りましょう。

後ろから追いつかれたのに故意に道をゆずらない場合、道路交通法違反となり、1点分の違反がとられます。

(5)法定速度を大きく下回る速度で走行しない

特に、片側一車線しかないような道路では、周囲の車の走行状況などに合わせて運転することも大切です。
法定速度を下回る速度で運転しているときに後方から車両が追いついてきた場合などは、一旦脇に寄せて停車するなどして追い越させましょう。

突然のあおり運転被害に備えるための3つの便利アイテム

どれだけ注意していても、あおり運転の被害にあう可能性があります。
そこで、突然のあおり運転被害に備えるための3つの便利アイテムをご紹介します。

(1)ドライブレコーダーを装着

前方だけでなく後方を確認できるドライブレコーダー(リア用)があおり運転の対策として有効です。
あおり運転をする人がドライブレコーダーの存在を認識してくれるかはわかりませんが、実際にあおり運転の被害にあってしまったときには何よりも重要な証拠となります。

(2)ドライブレコーダーアプリを活用する

普段、車を運転しない方にとって、ドライブレコーダーは安くない出費ですよね。
その場合には、ドライブレコーダーアプリを活用してみてはいかがでしょうか。

機種変更などで使わなくなった携帯にアプリをダウンロードすれば、無料でドライブレコーダーを手に入れることができます。ただし、撮影可能な範囲が狭いので、注意しましょう。
また、バッテリーの消耗が激しいため、車のシガーソケットで充電しながら使うことをおすすめします。

また、ドライブレコーダーのレンタルサービスもありますので、まずは、ドライブレコーダーの購入前に試してみるのもいいでしょう。

(3)ドライブレコーダーステッカーを貼る

ドライブレコーダーを設置していることをアピールできるので、事故になったときに証拠を抑えられると相手の警戒心を呼び起こせる可能性があります。
なるべく目立つところにステッカーを貼ることをおすすめします。

運転中に煽られしまった!?被害にあった際の対処法

実際にあおり運転の被害にあった場合の対処法をお伝えします。
あくまで冷静に対応しましょう。

(1)道をゆずる

自動車のスピードが遅いために、後方車両に迷惑をかけているのかもしれません。
法定制限速度を守った運転は決して悪いことではありませんが、強引に車間距離を詰められたなら、張り合わずに道をゆずって争いを避けましょう。

あおり運転への対処法について、詳しくはこちらの記事もご参照ください。

煽り運転への仕返しに急ブレーキは違法?煽り運転への正しい対処法を解説

(2)安全な場所に車を停めて110番する

相手に道をゆずったのに、停止させられたり、その後も執拗にあおり運転をされた場合には、広い駐車場など安全な場所に車を停めて警察に連絡しましょう。このときなるべく人目に付く場所に駐車することをおすすめします。

高速道路など、すぐには車を停められない場所であおられたらどうしたら良いですか?走行中にスマホで110番をしても良いのでしょうか。

緊急やむをえない場合には、走行中であってもスマホや携帯電話を操作して110番通報をしても違反にはなりません。周囲の車に気を付けて110番通報をして警察の指示に従ってください。

(3)警察が到着するまで車に施錠して車外に出ない

相手が車を降りてきて窓を叩かれたり、「出てこい!」と怒鳴られたりすることがあるかもしれません。その場合には、決して相手の要求に応じず、すぐに警察を呼んでください。

窓を叩かれても、窓を開けてはいけません。窓もドアもロックして、絶対に相手に直接対応せずに警察が来るのを待ってください
相手が挑発してくるような場合は、当事者同士で冷静に話し合うことはできません。

相手の言動に腹が立つかもしれませんが、あなたの言い分は、警察に訴えることが得策です。
警察が来るまでスマホで相手の言動を録音したり、録画することも有効です。

【まとめ】あおり運転には罰則がある。あおり運転をされたときは、ご自身で対応せずに警察に連絡すべき

今回の記事のまとめは、次のとおりです。

  • 近年、あおり運転が社会問題化しており、道路交通法の改正により、次の10類型について「妨害運転罪」として処罰の対象となった。
    1. 通行区分違反 (例)対向車線の逆走
    2. 急ブレーキ禁止違反
    3. 車間距離不保持
    4. 進路変更禁止違反 (例)急な割込み
    5. 追越し違反 (例)左車線からの追越し
    6. 警音器使用制限違反 (例)1分以上クラクションを鳴らし続ける行為
    7. 安全運転義務違反 (例)極端な幅寄せ
    8. 減光等義務違反 (例)ハイビームで走行し続ける行為
    9. 最低速度違反 (高速自動車国道)
    10. 高速自動車国道等駐停車違反
  • あおり運転により人が死傷した場合、「危険運転致死傷罪」として処罰される可能性がある。
  • あおり運転をされない対策は次の5つ
    1. 十分な車間距離をとる
    2. みだりに車線変更をしない
    3. 急な割込みや急ブレーキをかけない
    4. 追越し車線に長くいない
    5. 法定速度を大幅に下回る速度で走行しない
  • あおり運転に備え、ドライブレコーダーを準備することも有効。ドライブレコーダーは実際にあおり運転をされたときの重要な証拠にもなる。
  • 実際にあおり運転をされたときの注意点は次の3つ
    1. 道をゆずる
    2. 安全な場所に車を停めて110番通報をする
    3. 警察が到着するまで車に施錠して車外に出ない

こちら側がいくら思いやりのある運転を心がけても、残念ながら、加害者が一方的に進行を邪魔されたと思い込み、あおり運転の被害にあう可能性があります。

その場合には、相手と深く関わらないで済むように道をゆずりましょう。
もし相手が執拗に追いかけてくるのであれば、安全なところに車を停め、すぐに110番通報をした上で、警察にご連絡ください。

この記事の監修弁護士
弁護士 岡﨑 淳

早稲田大学、及び明治大学法科大学院卒。2012年弁護士登録。アディーレ法律事務所に入所して以来、佐世保支店長、丸の内支店長、北千住支店長を経て、2022年より交通部門の統括者。交通事故の被害を受けてお悩みの方々に寄り添い、真摯な対応を貫くことをモットーに、日々ご依頼者様のため奮闘している。第一東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

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