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煽り運転されない対策とは?身を守るためのポイント、妨害運転罪について解説

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皆さんは、煽り運転の被害に遭ったことがありますか?
月に1回以上車を運転する人を対象に実施されたアンケートによると、約半数の人が被害に遭ったことがあると回答しました。しかも、そのうち約4割は、何ら思い当たる節がないにもかかわらず突然煽り運転の被害を受けたというのです。

誰もが被害に遭う可能性のある煽り運転。
今回の記事では煽り運転の対策や妨害運転罪について解説しましょう。

参照:あおり運転に関する調査 | 楽天インサイト株式会社

煽り運転とは?

次の行為は、煽り運転にあたります。

  • 後方から車間距離を詰める
  • 執拗な追跡、幅寄せ
  • 挑発的な運転(主に蛇行)
  • 過度なパッシングやハイビームの点灯
  • クラクションを鳴らす

これらのうち特に被害が多いのは、後方から車間距離を詰める行為やパッシングです。

参照:あおり運転に関する調査 | 楽天インサイト株式会社

2019年の煽り運転に関するデータ

2019年、道路交通法違反(車間距離不保持)で警察が摘発したのは1万5065件でした。
日本のどこかで1日に約40件は煽り運転が起きている計算になります。
より悪いことに、そのうち約9割超の1万3787件は高速道路で起こりました。
一瞬のハンドルミスで死亡事故が起こりかねないことを考えると、いかに危険な状況であるかがわかります。
警察庁が実施したアンケートによると、96.3%のドライバーが抑止のために何らかの方策が必要であると考えており、74.6%が「罰則の強化」が必要だと回答しました。

参照:あおり被害 3人に1人 「抑止策必要」96.3% | 日本経済新聞

煽り運転は厳罰対象!2020年6月30日から「妨害運転罪」が施行

従来、煽り運転は暴行罪や傷害罪、危険運転致死傷罪として処罰されていました。
しかし、これでは実態に応じた適切な取り締まりができないので、2020年6月30日、道路交通法が改正され、妨害運転に対する罰則や行政処分が整備されました。

煽り運転による被害が多いことを表すかのように、さっそく2020年6月30日、トラック運転手の男性が妨害運転罪で書類送検されました。
報道によると、この男性は車間距離を4.5メートルまで詰め、約2分間にわたってクラクションを鳴らし続けた後、被害者の軽自動車の前に自身の車を割り込ませたとのことです。

また、2020年8月18日には、全国で初めて妨害運転罪で逮捕される事例がありました。
被疑事実は、必要な車間距離を保たず、クラクションを執拗に鳴らし続け、さらには車を接触させた行為です。

参照:あおり運転容疑でトラック運転手書類送検 道交法改正後の施行日当日 全国初 | 毎日新聞
参照:あおり運転疑い逮捕、厳罰後で初 大分・別府、車の進行妨害し接触(共同通信社) | msnニュース

「妨害運転罪」とは?

妨害運転罪は、危険度に応じて、2種類に区別できます。

(1)妨害運転(交通の危険のおそれ)

他の車両等の通行を妨害する目的で一定の違反行為をして、当該他の車両等に道路における交通の危険を生じさせるおそれのある方法によるものをした場合。

(2)妨害運転(著しい交通の危険)

(1)の罪を犯し、よって高速自動車国道等において他の自動車を停止させ、その他道路における著しい交通の危険を生じさせた場合。

 悪質なケースでは、行政処分だけでなく、刑事罰が科せられることになります。

対象となる行為刑事罰行政罰
妨害運転
(交通の危険のおそれ)
3年以下の懲役
または
50万円以下の罰金
免許取消し
違反点数25点
欠格期間2年(※)
妨害運転
(著しい交通の危険)
5年以下の懲役
または
100万円以下の罰金
免許取消し
違反点数35点
欠格期間3年(※)

※前歴や累積点数があると、交通の危険のおそれを生じさせた場合に最長5年、著しい交通の危険を生じさせた場合に最長10年になります。

妨害運転罪が創設されたのは、厳罰化の表れといえるでしょう。
もっとも、被害者が亡くなった場合には危険運転致死罪としての処罰が想定されているため、刑事罰は最長でも懲役5年にとどまっています。

どこからが煽り運転? 違反対象になる10個の行為と罰則について

では、どのような行為をすれば煽り運転に該当するのでしょうか。
条文上、次の10個の行為が煽り運転(妨害運転)にあたります。

  • 通行区分違反 (例)対向車線の逆走
  • 急ブレーキ禁止違反
  • 車間距離不保持
  • 進路変更禁止違反 (例)急な割込み
  • 追越し違反 (例)左車線からの追越し
  • 警音器使用制限違反(例)1分以上クラクションを鳴らし続ける行為
  • 安全運転義務違反 (例)極端な幅寄せ
  • 減光等義務違反 (例)ハイビームで走行し続ける行為
  • 最低速度違反(高速自動車国道)
  • 高速自動車国道等駐停車違反

他の車両等の通行を妨害する目的でいずれかの行為を行い、他の車両等に交通の危険を生じさせるおそれがあれば、妨害運転罪が成立します。実際に交通が妨害されたかどうかは関係ありません。

なお、減光等義務違反、最低速度違反(高速自動車国道)、高速自動車国道等駐停車違反以外の7類型は、自転車で行った場合にも煽り運転(妨害運転)にあたります。

煽り運転のきっかけは「進行の邪魔をされた」という意見が多い

警察庁が2018年、2019年に刑法を適用した事例(131件)を調べたところ、加害者側の約9割が「進行を邪魔された」など被害者側の行為を原因に挙げたことがわかりました。
最も多かったのは、47件の加害者が回答した「進行を邪魔された」です。次に、「割り込まれた・追い抜かれた(29件)」、「車間距離を詰められた(11件)」と続きます。
ところが、被害者側がそのような行為をしたと捜査で確認できたのは、約44%にあたる58件で、過半数の事例では加害者側の一方的な思い込みだったのです。

煽り運転されないよう、運転中に気を付けるべき3つのポイント

加害者の思い込みで煽り運転が起こるとすると、防ぎようがないと思われるかもしれません。もっとも、実際に4割のケースでは被害者の行為も原因となっているため、危険な煽り運転による被害を受けないためにできることをして身を守ることをおすすめします。

(1)十分に車間距離をとる

追突事故を避けるためにも十分な車間距離をとることが大切です。
一般に高速道路では、速度と同じだけ車間距離を空けるのがよいとされ、一般道路では高速道路ほどではないものの近づきすぎないように注意したほうがよいとされています。
高速道路には車間距離を確認する車間距離確認表示板が設けられていますので、それを目安にするといいでしょう。

もっとも、前を走る車との距離を正確に把握することはなかなか難しいかもしれません。
高速道路であれ一般道路であれ、前の車が通過した地点を通過するのに最短でも2秒置く必要があるといわれています。

横の車両との車間(側方間隔)、後ろの車両との車間もほどよく空けることが大切です。

(2)みだりに車線変更をしない

複数車線の道路では、車線変更をみだりにせず、基本的に一番左側の車線を走行しましょう。
右側の車線は前の車を追い越すときにのみ利用し、また、車線変更するときにはバックミラーや目視で十分に安全確認を行ってください。

(3)急な割り込みをしない

急な割り込みや無理な幅寄せをせずに、思いやりを持った運転を心がけましょう。
車両同士では顔が見えない分、反感を買いやすいのも事実です。
自分ではこのくらい許されると思える運転でも、強引な運転には注意してください。

突然の煽り運転被害に備えるための3つの便利アイテム

どれだけ注意していても、煽り運転の被害に遭ってしまうのもまた事実です。
そこで、突然の煽り運転被害に備えるための3つの便利アイテムをご紹介します。

(1)ドライブレコーダーを装着

前方だけでなく後方を確認できるドライブレコーダー(リア用)が煽り運転の対策として有効です。煽り運転をする人がドライブレコーダーの存在を認識してくれるかはわかりませんが、実際に煽り運転の被害に遭ってしまったときには何よりも重要な証拠となります。

(2)ドライブレコーダーアプリを活用する

機能にもよるものの、一般的に約2万円でドライブレコーダーを設置することができます。

参照:ドライブレコーダー、2台に1台は前後撮影タイプ 平均価格は2万円に迫る | マイナビニュース

もっとも、普段自動車にあまり乗らない人にとっては安くない出費ですよね。
その場合には、ドライブレコーダーアプリを活用してみてはいかがでしょうか。
機種変更などで使わなくなった携帯にアプリをダウンロードすれば、無料でドライブレコーダーを手に入れることができます。ただし、撮影可能な範囲が狭いので、注意しましょう。
また、バッテリーの消耗が激しいため、車のシガーソケットで充電しながら使うことをおすすめします。

また、ドライブレコーダーのレンタルサービスもありますので、ドライブレコーダーの購入前に試してみるのもいいでしょう。
もっとも、月々650~850円ほどの費用はかかるため、1年以上自動車を利用するのであれば、ドライブレコーダーを購入したほうが安く済むかもしれません。

(3)ドライブレコーダーステッカーを貼る

ドライブレコーダーを設置していることをアピールできるので、事故になったときに証拠を抑えられると相手の警戒心を呼び起こせる可能性があります。
なるべく目立つところにステッカーを貼ることをおすすめします。

運転中に煽られしまった!?被害にあった際の対処法

実際に煽り運転の被害に遭った場合の対処法をお伝えします。
あくまで冷静に対応しましょう。

道をゆずる

自動車のスピードが遅いために、後方車両に迷惑をかけているのかもしれません。
法定制限速度を守った運転は決して悪いことではありませんが、強引に車間距離を詰められたなら、張り合わずに道を譲って争いを避けましょう。

安全な場所に車を停めて110番する

執拗に煽り運転をされた場合には、広い駐車場など安全な場所に車を停めて警察に連絡しましょう。このときなるべく人目に付く場所に駐車することをおすすめします。

警察が到着するまで車外にでない

窓を叩かれたり、「出てこい!」と怒鳴られたりすることがあるかもしれません。
その場合には、決して相手の要求に応じず、すぐに警察を呼んでください。

煽り運転被害でお困りの方は弁護士へ!

思いやりのある運転を心がけ、煽り運転の被害に遭わないことが最善です。
しかし、残念ながら加害者が一方的に進行を邪魔されたと思い込み、煽り運転の被害に遭う可能性があります。その場合には、相手と深く関わらないで済むように道を譲りましょう。
もし相手が執拗に追いかけてくるのであれば、安全なところに車を停め、警察を呼びます。
万一ケガをした場合や物を壊された場合には、弁護士に相談することをおすすめします。

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