あなたの法律のお悩み一発解決サイト
リーガライフラボ

いわゆる「クレサラ問題」とは?返済が困難になったときの対処法

作成日:
リーガライフラボ

「今月のクレジットカードの支払の目途が立たない。どうしよう・・・」

このように、クレジットカードの支払いや、消費者金融(俗にいうサラ金)からの借入れにより起こる返済困難などの問題のことをクレサラ問題ということがあります。

実は、このようなクレサラ問題を抱えてしまった場合でも、債務整理をすればクレサラ問題を解決できる可能性があります。

この記事では、

  • クレサラ問題を抱えることとなる主な原因
  • 借金の催促のされ方
  • 返済が困難になったときの対処法

について弁護士が解説します。

クレジットカード会社や消費者金融からの借入れで返済困難に陥る理由

消費者金融のカードローンや、クレジットカードは、比較的審査が緩く、手軽に利用するとができるという特徴があります。そのため、気を付けていないといつのまにか借入額が膨らんでいることがあります。

また、そもそも、住宅ローンやマイカーローンなどに比べて、カードローンやクレジットカードの借り入れの利息が高くなりがちという点に特徴があります。

こうしたカードローンやクレジットカードの利用を繰り返しているうちに、他から借りてきては返すという自転車操業になっていきます。そしてついには、どこからも借りることができなくなり、返済に行き詰まる人も少なくありません。

(1)利息が高い

カードローンやクレジットカード(キャッシング)の利息は利息制限法の上限である年15~20%(借入額によって上限が異なります)ぎりぎりに設定されていて、審査の厳しい住宅ローンなどに比べて利息が高いことが多いのが実情です。

消費者金融やクレジットカード会社は、審査が緩やかな代わりに一部の人が返済できなくなる「貸倒れ」のリスクを折り込んで、利息を高めに設定しているのです。

そのため、カードローンやクレジットカードには、利息によって借金が膨らみ、多重債務に陥りやすいという特徴があります。

特に気を付けなければならないのは、リボ払いなどにしていて返済額が少ないと、返済しても利息の支払しかできていないことがあるという点です。この場合、返済を続けても借金が減りません。
その状態でさらに借金をし続けると負債残高が増える一方になってしまうのです。

(2)審査のハードルが低い

カードローンやクレジットカードでは「スピード融資」を謳っている業者が少なくありません。
申込から融資までが速いということは、その分審査基準が緩やかであることを示しているともいえます。

カードローンやクレジットカードでは借入額が限度額の範囲内に収まっている限り、追加融資を即座に受けられるところも多いため、ついつい借り過ぎになってしまうことがあります。

貸金業者には後でご説明するとおり年収の3分の1までしか貸付できないという総量規制が課されているものの、年収の3分の1までの借入れなら必ずしも誰でも自力返済できるというものではありません。
気軽に借入れを繰り返すうちに、自分の返済可能な範囲を超えた借金を抱えてしまう可能性があるのです。

貸金業法改正で様々な規制がされるようになった

多重債務が社会問題となり、返済能力を超えた借金を抱える人の増加を抑制するために2006~2010年にかけて改正貸金業法が順次施行されました。
改正貸金業法の主なポイントは次の3点です。

  • 総量規制の導入
  • 出資法における上限金利の引下げ
  • 貸金業務取扱主任者の設置

(1)総量規制(年収の3分の1まで)

総量規制とは、個人が貸金業者から借りられる金額の上限を

税込年収の3分の1まで

に規制するものです。複数の貸金業者から借入れをする場合、合計金額に規制が及ぶので、いくつかに分ければ規制を超えた額を借りられるというわけではありません。

この規制によって、返済能力を大幅に超える金額を貸金業者から借りることが抑制されることになります。

(2)上限金利の引き下げ

かつては利息制限法で定められた金利の上限よりも出資法で定められた金利の上限の方が高い状態にありました。そして、利息制限法違反の金利でも出資法をクリアした金利(この部分をグレーゾーン金利といいます)の設定であれば、刑事罰による制裁がありませんでした。

そのため、グレーゾーン金利で貸し付けをして、高い利息を取る金融業者が多く、これが多重債務の原因の一つになっていました。

かかる事態を受け、貸金業法の改正により、出資法の上限金利を利息制限法の上限金利にまで引き下げられました(グレーゾーン金利の撤廃などと呼ばれます)。

なお、このグレーゾーン金利での返済を行っていた人の場合、その分を「過払い金」として支払先に対して返還請求できる可能性があります。

過払い金の請求可能性や手続の流れについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

過払い金が振り込まれるまでの期間や手続きの流れについて解説

(3)貸金業務取扱主任者の設置

また、貸金業者への規制の強化として貸金業務取扱主任者を営業所に置くことが義務付けられました。

貸金業務取扱主任者とは、貸金業に関する法令遵守のための助言や指導を行う役割を持っています。
この設置により、貸金業者の法令遵守が促進されることが期待されます。

参照:貸金業法のキホン|金融庁

借金の取立て行為は法律で規制されている

先ほど出てきた改正貸金業法においては、貸金業者による借金の取立て行為についての規制も強化されています。

貸金業法第21条1項では、取立て行為の態様について、規制されています。

この項目では、規制を受ける取立て行為と、規制にも拘わらず苛烈な取立てを行う闇金について解説します。

(1)貸金業法で規制されている10個の取立て行為

消費者金融が「正当な理由」なしに、債務者を不当に圧迫する形での取立てを行うことは禁止されています。
禁止されている行為の種類は次のとおりです(貸金業法第21条1項各号)。

  1. 正当な理由なく21~8時の深夜、早朝の時間帯に債務者等(債務者又は保証人)に電話やFAXを送信したり訪問したりすること

  2. 債務者等が返済、連絡、連絡を受ける時期について申し出をしている場合に、正当な理由なく電話、FAX、訪問等を行うこと

  3. 正当な理由なく勤務先など債務者等の自宅以外の場所へ電話、FAX、訪問等を行うこと

  4. 訪問を行った場合に、訪問先から退去を求められたにもかかわらず退去しないこと

  5. 貼り紙や立て看板その他の手段で債務者等以外の第三者に対して借金等の事実を明らかにすること

  6. 他のところから借入れをすること等によって返済資金を調達するよう求めること

  7. 債務者等以外の人に対して、代わりに返済を行うよう求めること

  8. 債務者等以外の人が、債務者等の自宅や連絡先を知らせることやその他の取立て行為に協力することをすでに拒否しているにもかかわらず、更に協力を求めること

  9. 債務者等が弁護士や司法書士(または弁護士法人、司法書士法人)に債務整理を依頼し、その旨を伝える受任通知が来た場合と、裁判所から債務整理に関する書面による通知が来た場合において、正当な理由がないのに、債務者等に電話、FAX、訪問等により返済を求め、これに対して債務者等から直接要求しないよう求められているにもかかわらず、なおも返済するよう要求すること

  10. 債務者等に対し、1~5、7~9の行為をすると伝えること

正当な理由とは、個別に判断することになりますが、例えば債務者等自身が自発的に承諾している場合や、債務者等と連絡をとるための合理的方法が他にない場合などよほどの場合でないと認められません。

また、1~10はあくまで例示であり、これらには該当しなくても威迫や私生活・業務の平穏を害する行為は禁止されます。

(2)闇金などからの苛烈な取立てに困ったら、弁護士に相談を

通常のクレジットカード会社や消費者金融は、法令を遵守して貸付や返済の督促を行っています。

しかし、利息制限法違反の高利貸しや貸金業法違反の執拗な取立てを行う、いわゆる闇金業者は今でも散見されます。
闇金業者は、主に通常の金融業者からはお金を借りることのできなくなった人を狙って高利でお金を貸し、熾烈で執拗な取立て行為を行います。

闇金業者から過大な返済を求められたり、厳しい取立てを受けて困っている場合には早急に弁護士に相談することをお勧めします。

返済が困難になりそうなら、早めに弁護士に相談を

このように、貸金業法で債務者は一定程度保護されているものの、多重債務になって返済困難になる人は多くいます。

完済の見通しが立たない場合には、返済負担の軽減や返済の免除につながる「債務整理」を早期に検討することをお勧めします。

債務整理を行うと、一定期間事故情報が信用情報機関に登録されます(いわゆる「ブラックリストに載る」といわれています)。

通常、金融業者はローン等の申込を受けた場合やカードの更新のタイミングで、その人の支払能力の確認のため信用情報機関に照会を行うので、事故情報があるとまず審査は通りません。

そのため、新しくカードを作ったりローンを組んだり保証人になったりすることが困難になるなどの日常生活上の不便が生じることは避けられません。事故情報や信用情報機関のしくみについてはこちらの記事をご覧ください。

カードローンを滞納してブラックリストに載るとどうなるの?

事故情報の登録期間についてはこちらの記事をご覧ください。

何をするとブラックリストに載るの?載るのはいつまで?

しかし、早期に対処することによって、より生活に負担の少ない手続を選択できる可能性が高まるのです。

(1)債務整理の代表的な方法3つ

債務整理には、主に次の3種類があります。

  • 任意整理
  • 個人再生
  • 自己破産

    それぞれについて以下で概要を説明します。

(1-1)任意整理

任意整理とは、利息制限法で定められた上限利息に基づいて負債額を正確に計算し(引き直し計算といいます)払い過ぎた利息である過払い金がないか確かめたうえで、個々の債権者と将来利息のカットなどについて交渉し返済計画を立てることで返済負担の軽減を目指す手続です。


個人で交渉しようとしても応じてくれない場合もありますが、弁護士に依頼すれば交渉に応じてもらえやすくなります。

場合によっては、借入先ごとに任意整理の対象とするか否かを選択できます。例えば住宅ローンや車のローンなどは対象とせずに支払いを続け、他の借金の返済についての負担減を図るといった柔軟な対応が可能な点が特徴的です(ただし、特定の債権者だけ任意整理から除外すると、支払が滞る借入先がいるという状態にあるという場合、任意整理の対象とする業者を選べないこともあります)。

一方、個人再生と自己破産は裁判所に申立てて行う手続であり、全ての債権者に手続に参加してもらう必要があります。

(1-2)個人再生

個人再生とは、法律に基づき最低弁済額を算出し、原則3年でその額を支払う計画(再生計画といいます)を裁判所に認可してもらうことを目指す手続です。

最低弁済額は、現在抱えている借金の総額を法律に基づき圧縮したもの(債権基準額)と、そのケースにおいて自己破産をした場合に処分換価等され債権者の配当に充てなければならない財産等の価額(清算価値といいます)などを比較して一番高いものとなります。

そのため、多額の預貯金や不動産などの財産がない限り、大幅に総返済額を減らせる可能性があります。

また、個人再生の特徴として、住宅ローンについてはそのまま返済を続けることで持ち家を手元に残し、他の借金についての返済額を圧縮できる可能性があるということがあります。
この制度を住宅資金特別条項といいます。

ただし、所定の条件を満たさないと住宅資金特別条項は利用できません。住宅資金特別条項が利用できない場合、ローンが残っている住宅は基本的に手放さなければならなくなります。


住宅資金特別条項を利用できる条件についてはこちらの記事をご覧ください。

民事再生法の住宅資金特別条項でマイホームを残す方法

(1-3)自己破産

自己破産とは、債権者に配当すべき財産の有無の調査のうえ、配当すべき高額な財産等があった場合には配当としたうえで、原則として全ての借金の返済を免除してもらう(これを免責と言います)手続で、裁判所を通して行います。

自己破産には、大きく分けて「管財事件」「同時廃止」の2種類があります。
原則となるのは管財事件です。管財事件では、裁判所が選任した破産管財人が財産の調査、債権者への配当業務や、「免責不許可事由」という免責が原則として許可されない法定事由についての調査等を行います。

例外として、配当に充てるべき財産がなく管財人が調査しなくてはならないほどの免責不許可事由も存在しない場合などには、管財人が選任されない比較的簡便な手続である「同時廃止」が認められることがあります。

自己破産手続きで免責されると、原則全ての借金返済から免除されます。そのため自己破産は、債務者にとっては借金問題の根本的解決につながる手続である反面、債権者にとっては大きな損失を与える手続でもあります。
そのため、大きな財産があれば原則として債権者への配当に充てなければなりません。

各裁判所で基準は異なりますが、東京地裁では、換価処分すべき財産の基準は、基本的に「99万円を超える現金及び20万円を超える価額の財産」として運用されています。

また、借入の経緯等に問題がある場合、安易に免責を認めるわけにはいかないことから「免責不許可事由」が定められています(破産法第252条1項各号)。代表的なものは、借金の原因となったギャンブルや、必要性に乏しい高額な買い物などの浪費です。

免責不許可事由に該当する場合、破産管財人が借入の経緯など免責不許可事由についての調査を行い、裁判所は、管財人の調査結果を踏まえて、例外的に裁量で免責を許可する「裁量免責」が相当であるか否かの審査をします。

(2)債務整理については弁護士に相談・依頼した方がいい理由

債務整理の手続は、自力で行うことも可能です。
しかし、法律の知識やノウハウ等の面から、専門家に依頼することをおすすめします。

債務整理を依頼することのできる専門家には、弁護士と司法書士がいます。
弁護士と司法書士では、対応できる借金の範囲及び代理人として対応できる範囲に大きな違いがあります。

司法書士は個別の借入額が140万円以下のものについてのみ対応可能で、140万円を超える借金については債権者との交渉や訴訟等を行うことができません(司法書士法第3条1項7号等)。

弁護士は、借金の金額の多寡によらず対応可能であることや、代理人として対応可能な範囲が広く、より手厚いサポートが可能となります。

【まとめ】クレジットカードや消費者金融は利用の容易さから思わぬ借金問題につながるリスクがある

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • クレサラ問題で借金苦に陥る主な原因は、審査の緩さで気軽に借りてしまうことと利息の高さ。
  • 借金の取立て行為は債務者を不当に圧迫することのないよう貸金業法で規制されているものの、闇金など法律を守らず苛烈な取立てを行うところもある。
  • 借金問題は早期に対処することで、債務整理を行う場合であってもより負担の少ない選択ができる可能性が広がる。サポートできる範囲の広い弁護士に相談、依頼することがお勧め。


借金の返済でお困りの方は、アディーレ法律事務所にご相談ください。