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【弁護士が解説】交通事故で骨盤骨折した場合に知っておくべきこと

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kiriu_sakura

交通事故で骨盤骨折してしまった場合、これからどうなるのか、慰謝料はどれくらいもらえるのか、当然不安はつきないことと思います。

骨盤骨折した場合、ほとんどが、後遺症が残ることなく完治することができます。

もっとも、股関節が動かしづらくなったり、骨の癒合がうまくいかず変形したり、骨盤周辺の神経を傷つけて痛みやしびれが生じてしまうこともあります。

このような後遺症が残った場合には、後遺症について後遺障害認定を受けることができれば、後遺症についても慰謝料や治療費を受け取ることができます。

この記事では

  • 骨盤骨折とは
  • 後遺障害とは
  • 骨盤骨折を原因とした後遺症が後遺障害認定される場合
  • 交通事故により骨盤骨折をした場合の賠償金請求に弁護士に依頼した方がいい理由

について、弁護士が詳しく説明します。

この記事の監修弁護士
弁護士 村松 優子

愛知大学、及び愛知大学法科大学院卒。2010年弁護士登録。アディーレに入所後,岡﨑支店長,家事部門の統括者を経て,2018年より交通部門の統括者。また同年より、アディーレの全部門を統括する弁護士部の部長を兼任。アディーレが真の意味において市民にとって身近な存在となり、依頼者の方に水準の高いリーガルサービスを提供できるよう、各部門の統括者らと連携・協力しながら日々奮闘している。現在、愛知県弁護士会所属。

骨盤骨折とは

「骨盤」は本来筋肉や脂肪に守られているため、なかなか骨折しづらい部分といえます。
しかし、交通事故などにより外部から強い力が加わると、骨盤の連続性が断たれてしまったり、股関節部分の骨が折れてしまったりします。

また、骨盤の周りには消化器や泌尿器、生殖器など重要な臓器や血管、神経があるため、骨盤骨折により臓器や血管を傷つけ、臓器の機能障害や出血性ショックを起こし、死亡してしまうこともあります。

そのため、骨盤骨折をした場合には、周りの臓器や血管を傷つけていないかどうかを検査したりして、臓器の手術、止血・輸血が必要な場合には、緊急の手術が必要になる場合もあります。

女性の場合は、骨盤が変形して、正常分娩が不可能となる可能性もあります。

(1)骨盤骨折の症状

骨盤骨折が生じると、腫れと強い痛みが生じることになります。痛みは骨盤を動かすと痛みを増し、座ったり、歩いたりすることができなくなります。

骨盤周辺の血管を傷つけていた場合には低血圧や意識障害になったり、臓器を傷つけていた場合には臓器の機能障害になったりすることもあります。

(2)骨盤骨折の検査・診断

骨盤骨折は、レントゲン検査やCT検査によって診断されることになります。
骨盤周辺の臓器や血管を傷つけていないかについてもCT検査する必要もあります。

(3)骨盤骨折の治療

骨盤骨折は、骨のズレがほとんどない場合には、手術も行わずに骨盤を固定してベット上で安静にする治療法をとられることが多いといえます。

下肢(足)を下にけん引(ひっぱる)ことで、骨折部のずれを減らすことができる場合には、下肢に金属製のワイヤーを入れて、下肢を下にけん引してベット上で安静にすることもあります。

骨のズレが大きい場合には、ズレをも戻して金属製のプレートやスクリューで固定する手術を行うこともあります。

骨盤骨折により後遺症が残った場合には後遺障害の認定を

後遺症が残った場合に、後遺症について慰謝料や賠償金を受け取るためには、通常、後遺症が「後遺障害」であると認定を受けることが必要となります。

後遺障害であると認定されると、後遺障害等級が割り振られ、それによって、後遺障害の慰謝料や賠償金の算定の目安になります。
後遺障害の内容に応じて、重いものから順に1~14級が認定されます。

骨盤骨折によって後遺障害認定される場合とは

(1)骨盤骨折による運動障害と後遺障害等級

骨盤骨折により股関節の可動域が制限されてしまう場合があります。
股関節の可動域が制限されてしまった場合に認定される可能性がある後遺障害等級は次のとおりです。

後遺障害等級後遺障害の内容
8級7号1下肢の3大関節(股関節、ひざ関節、足関節)中の1関節の用を廃したもの
⇒「関節の用に廃したもの」とは次のような場合をいいます。
・関節が強直したもの
・関節の完全弛緩性麻痺またはこれに近い状態にあるもの
(「これに近い状態」……他動では可動するものの、自動運動では関節の可動域が腱側の可動域角度の10%程度以下となったもの。)
人工関節・人工骨頭をそう入置換した関節のうち、その可動域が腱側の可動域角度の2分の1以下に制限されているもの
10級11号1下肢の3大関節(股関節、ひざ関節、足関節)中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
⇒「関節の機能に著しい障害を残すもの」とは次のような場合をいいます。
・関節の可動域が腱側の可動域角度の2分の1以下に制限されているもの
人工関節・人工骨頭をそう入置換した関節のうち、その可動域が腱側の可動域角度の2分の1以下に制限されていないもの
12級7号1下肢の3大関節(股関節、ひざ関節、足関節)中の1関節の機能に障害を残すもの
⇒「関節の機能に障害を残すもの」とは次のような場合をいいます。
関節の可動域が腱側の可動域角度の4分の3以下に制限されているもの

(2)骨盤骨折による変形障害と後遺障害等級

骨盤骨折で、骨折箇所の癒合不全などによって、骨に変形が生じた場合に認定される可能性がある後遺障害等級は次のとおりです。

後遺障害等級後遺障害の内容
12級5号鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨または骨盤骨に著しい変形を残すもの
⇒「著しい変形を残すもの」とは次のような場合をいいます。
・裸になった時に変形していることが明らかなこと(レントゲンから見て変形しているのでは足りません。)

(3)骨盤骨折による神経系統の障害と後遺障害等級

骨盤骨折により神経が圧迫されるなどして、痛みやしびれが生じた場合に認定される可能性がある後遺障害等級は次のとおりです。

後遺障害等級後遺障害の内容
12級13号局部に頑固な神経症状を残すもの
⇒「頑固な神経症状を残すもの」とは次のような場合をいいます。
・レントゲンなどで客観的に痛みやしびれの原因が分かり、医学的に証明することができること
14級9号局部に神経症状を残すもの
⇒「神経症状を残すもの」とは次のような場合をいいます。
・レントゲンなどで客観的に神経症状の原因が分からないまでも、事故の態様や、治療過程、症状の一貫性などから、交通事故で痛みやしびれが生じていることが医学的に説明できること

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骨盤骨折を原因とした後遺障害が認定されたときの後遺症慰謝料の相場

後遺症が残った場合、後遺症が残ったことにより受けた精神的ショックを償うために「後遺症慰謝料」が支払われることになります。

後遺症慰謝料の金額は次のように定められています。

等級(別表第二)自賠責の基準弁護士の基準
8級331万円(324万円)830万円
10級190万円(187万円)550万円
12級94万円(93万円)290万円
14級32万円(32万円)110万円

※自賠責の基準は、2020年4月1日に改定されており、2020年4月1日以降に発生した事故に適用されます。かっこ書き内の金額は、2020年3月31日までに発生した事故に適用されます。

自賠責の基準と弁護士の基準とは、慰謝料の算定基準のことをいいます。
慰謝料の算定基準については、次の項目で説明します。

(1)3つの算定基準

慰謝料には、次にあげる3つの算定基準があります。

  1. 自賠責の基準
  2. 任意保険の基準
  3. 弁護士の基準(裁判所の基準)

慰謝料の3つの算定基準について説明します。

(1-1)自賠責の基準

自賠責の基準は、自動車損害賠償法(自賠法)によって定められている損害賠償金の支払い基準です。

自賠責保険は、自動車やバイクを保有する人が加入を義務付けられている保険で、「強制保険」とも呼ばれます。
事故の加害者が任意保険に加入していなくても、通常は自賠責保険からの損害賠償金を受け取ることになります。

もっとも、自賠責保険は被害者への最低限の補償を目的として設けられたものであるため、基本的には3つの算定基準の中では最も金額が低くなります。

※ただし、自賠責保険では、交通事故の70%未満の過失については減額対象にしませんので、被害者の過失割合が大きい場合には、自賠責の基準がもっとも高額となることもあります。

(1-2)任意保険の基準

任意保険基準は、各保険会社が独自に定める慰謝料算定基準です。
一般に公開はされていませんが、金額は自賠責基準よりも高く、弁護士基準よりも低いのが通常です。

事故後、被害者が加害者側の保険会社と賠償金について示談交渉する際は、保険会社は通常この任意保険基準を用いて金額を提示してくることになります。

(1-3)弁護士の基準(裁判所の基準)

弁護士基準は、過去の交通事故裁判における支払い判決に基づく基準です。「裁判所基準」と呼ばれることもあります。

公益財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部が編纂している『民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準』(通称「赤い本」)や公益財団法人日弁連交通事故相談センターが編纂している『交通事故損害額算定基準』(通称「青本」)などに記載されている計算方法や金額を用います。

3つの算定基準を金額の大きい順に並べると、

弁護士の基準(裁判所の基準)>任意保険の基準>自賠責保険の基準

となることが一般的です。

弁護士に示談交渉を依頼すると、弁護士の基準を用いて示談交渉をスタートすることになります。そのため、自賠責の基準や任意保険の基準に基づいて算定された金額よりも増額できる可能性が出てきます。

慰謝料の算定基準についてさらに詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

交通事故慰謝料の弁護士基準(裁判所基準)とは?増額事例も紹介

交通事故による泌尿器障害・排尿障害について、後遺症慰謝料以外に請求できる可能性がある賠償金

交通事故による泌尿器障害・排尿障害について、後遺症慰謝料以外に請求できる可能性がある賠償金は次のとおりになります。

  • 賠償金
賠償金の項目内容
入通院慰謝料(傷害慰謝料)傷害を受けたことにより生じた精神的ショックを償う慰謝料
治療関係費手術、治療、入院、薬などにかかった費用
付添看護費入院に家族の看護や付添を必要としたことに対する費用
通院交通費病院へ通院するために必要となった交通費
休業損害仕事を休んだことで発生した損害の賠償
逸失利益将来得られるはずだった利益(収入など)に対する賠償

交通事故による骨盤骨折についての賠償金請求を弁護士に依頼した方がいい理由

適正な賠償金を得る可能性を高めるためには、交渉を弁護士に依頼し、基本的に「弁護士の基準」によって賠償額を算定することがお勧めですが、それ以外にも弁護士に交渉を依頼することのメリットが4つあります。

  1. 適正な後遺障害等級の認定を受けられる可能性が高めることができる
  2. 不利な過失割合が割り当てられるリスクを回避する
  3. 不利な条件で加害者と和解するリスクを回避する
  4. 弁護士費用特約に加入していれば、弁護士費用の心配ないことも

1のメリットについては、後遺症がある場合にしかあてはまりませんが、2、3、4については、後遺症がない場合にでもあてはまりますので、後遺症がない場合であっても、弁護士に相談・依頼することをおすすめします。

(1)適正な後遺障害等級の認定を受けられる可能性が高めることができる

適正な後遺障害等級の認定を受けるためには、どのような資料を提出するのか、資料にどのような記載をするかが重要です。

交通事故問題に精通した弁護士は、後遺障害等級認定の申請のポイントやコツを知っています。弁護士が医師の作成した診断書や資料の記載内容をチェックすることもあります。

弁護士に依頼することで、適正な後遺障害等級の認定を受けられる可能性が高めることができます。

(2)不利な過失割合が割り当てられるリスクを回避する

弁護士に依頼するメリットとしては、加害者からの話を鵜呑みにして、不当な過失割合が認定されてしまうことを回避することができるということが挙げられます。

交通事故において加害者・被害者双方に不注意があった場合、どちらの不注意が交通事故の原因となったかを割合(「過失割合」)を定めて、賠償金額を減額することがあります。

例えば、過失割合が被害者:加害者=3:7であるとすると、被害者の過失の分3割が全体の賠償金額より減額されることになります。

通常は、加害者被害者双方から話を聞いて、事故状況を明らかにし、過失割合を認定するのですが、被害者が交通事故でケガを受けたショックで、被害者が事故状況を説明することができないこともあります。

そのため、加害者側に有利な過失割合が認定されてしまう可能性があるのです。

そこで、弁護士に交渉を依頼することで、弁護士が専門的な知識やノウハウを駆使し、不当な過失割合が認定されないようにすることができます。

(3)不利な条件で加害者と和解するリスクを回避する

次に、弁護士に依頼するメリットとしては、本来であればもっと高額な慰謝料や賠償金が受け取れるはずであるにもかかわらず、加害者側の保険会社が提示する示談額が不利なものだとも知らずに、示談に応じてしまうことを防ぐことができます。

被害者が交通事故によりケガをした場合、被害者の家族は、精神的・肉体的にも過大な負担を負うことがあります。

そして、加害者側の保険会社との慰謝料や賠償金の交渉まで手が回らなくなってしまって、保険会社が言うなら間違いないだろうなどと思い込み、提示された示談額で示談に応じてしまうことは少なくありません。

しかし、これまで説明したとおり、自賠責保険会社・任意保険会社の基準と弁護士の基準では賠償金額に大きな違いがあります。

また、賠償金を支払うのは加害者側となりますので、少しでも支払う金額を減額しようとあれやこれやと不利な条件を付ける場合も少なくないのです。

そのため、少しでも高額な慰謝料や賠償金を受け取るためには、交通事故に詳しい弁護士に交渉を任せてしまうのがよいといえるでしょう。

(4)弁護士費用特約に加入していれば、弁護士費用の心配ないことも

弁護士に依頼すると弁護士費用がかかってしまいます。
しかし、弁護士費用特約を利用すれば、費用を気にする心配はありません。

そもそも「弁護士費用特約」とは、あなたやあなたの家族が入っている自動車保険や火災保険のオプションとして設けられている制度です。自動車事故の賠償請求を行う際に発生する弁護士費用を保険会社が支払ってくれるのです(ただし上限額があります)。

また、弁護士費用特約を使用しても保険料を値上がりする心配や保険の等級が下がるということはありませんので安心してください。

【まとめ】骨盤骨折により後遺症が残る可能性があり、この場合後遺症慰謝料がもらえる可能性も

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 交通事故などにより外部から強い力が加わると、骨盤の連続性が断たれてしまったり、股関節部分の骨が折れてしまったりする。
  • 骨盤の周りには消化器や泌尿器、生殖器など重要な臓器や血管、神経があるため、骨盤骨折により臓器や血管を傷つけ、臓器の機能障害や出血性ショックを起こし、死亡してしまうこともある。
  • 後遺症が残った場合に、後遺症について慰謝料や賠償金を受け取るためには、通常、後遺症が「後遺障害」であると認定を受けることが必要。
  • 骨盤骨折による運動障害と後遺障害等級
後遺障害等級後遺障害の内容
8級7号1下肢の3大関節(股関節、ひざ関節、足関節)中の1関節の用を廃したもの
10級11号1下肢の3大関節(股関節、ひざ関節、足関節)中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
12級7号1下肢の3大関節(股関節、ひざ関節、足関節)中の1関節の機能に障害を残すもの
  • 骨盤骨折による変形障害と後遺障害等級
後遺障害等級後遺障害の内容
12級5号鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨または骨盤骨に著しい変形を残すもの
  • 骨盤骨折による神経系統の障害と後遺障害等級
後遺障害等級後遺障害の内容
12級13号局部に頑固な神経症状を残すもの
14級9号局部に神経症状を残すもの
  • 骨盤骨折について後遺障害が認定された場合の後遺症慰謝料の相場
等級(別表第二)自賠責の基準弁護士の基準
8級331万円(324万円)830万円
10級190万円(187万円)550万円
12級94万円(93万円)290万円
14級32万円(32万円)110万円
  • 後遺症慰謝料以外に請求できる可能性がある賠償金
賠償金の項目内容
入通院慰謝料(傷害慰謝料)傷害を受けたことにより生じた精神的ショックを償う慰謝料
治療関係費手術、治療、入院、薬などにかかった費用
付添看護費入院に家族の看護や付添を必要としたことに対する費用
通院交通費病院へ通院するために必要となった交通費
休業損害仕事を休んだことで発生した損害の賠償
逸失利益将来得られるはずだった利益(収入など)に対する賠償
  • 交通事故による骨盤骨折についての賠償金請求を弁護士に依頼した方がいい理由
  1. 適正な後遺障害等級の認定を受けられる可能性が高めることができる
  2. 不利な過失割合が割り当てられるリスクを回避する
  3. 不利な条件で加害者と和解するリスクを回避する
  4. 弁護士費用特約に加入していれば、弁護士費用の心配ないことも

交通事故の被害に遭った方が、賠償金請求をアディーレ法律事務所にご相談・ご依頼いただいた場合、原則として手出しする弁護士費用はありません。

すなわち、弁護士費用特約が利用できない方の場合、相談料0円、着手金0円、報酬は、獲得できた賠償金からいただくという完全成功報酬制です(途中解約の場合など一部例外はあります)。

また、弁護士費用特約を利用する方の場合、基本的に保険会社から弁護士費用が支払われますので(※)、やはりお客様に手出しいただく弁護士費用は原則ありません。
※なお、法律相談は1名につき10万円程度、その他の弁護士費用は300万円を上限にするケースが多いです。弁護士費用が、この上限額を超えた場合の取り扱いについては、各弁護士事務所へご確認ください。

(以上につき、2021年11月時点)

交通事故の被害にあって賠償金請求のことでお悩みの場合は、交通事故の賠償金請求を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。

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