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契約結婚とは?契約書の内容や作り方などのポイントを徹底解説

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「契約結婚」が題材とされたドラマやコミックが人気となっていますが、契約結婚とは、どのような結婚をいうのでしょうか。
今回は、契約結婚について詳しく解説するとともに、契約の内容や契約書の作成方法などのポイントを徹底解説します。

契約結婚とは

まず、契約結婚とはどのような結婚のことをいうのか、偽装結婚・事実婚との違いも含めて説明します。

(1)契約結婚=婚前契約を結んでから結婚すること

契約結婚とは、法律上の定義はありませんが、一般的に、婚前に、夫婦となろうとする者の間で、婚姻生活に関する事柄について契約を結んだ上で結婚することをいいます。

ドラマやコミックでは、恋愛関係はないが、双方のメリットのために契約結婚するという設定が少なくありませんが、契約結婚とは、そのような場合のみを指すものではありません。
通常の恋愛関係から発展して結婚する際にも、婚姻生活に関する事柄について、双方話し合ったうえで取り決めて契約を締結し、契約結婚することができます。

結婚前に、結婚後の生活について、「結婚したら~したい」「家事、子育ては分担制」など、話し合って約束し、将来像を描くのは通常のことです。
口頭の約束でも契約は成立しますが、口約束だと誤解や言った・言わないのトラブルはつきものです。そこで、契約結婚は、誤解やトラブルを防ぐために、通常は契約書を作成して、契約内容を客観的に証明させる形をとります。

契約の内容は、結婚しようとする夫婦間で話し合って決めることができますが、一般的には、次のような内容が含まれます。

  • 家計負担の合意
  • 子育ての役割分担の合意
  • 結婚生活における合意
  • お互いの親族との付き合いの合意
  • 離婚の際の条件の合意(共有財産の範囲、財産分与の額の合意など)
  • 契約違反の場合のペナルティの合意 など

(2)契約結婚と偽装結婚・事実婚との違い

契約結婚は、偽装結婚や事実婚とは異なる概念です。

偽装結婚とは、法律上の定義はありませんが、一般的に、真実は夫婦としての実体も、結婚する意思もないのに、結婚を偽装することをいいます。
偽装結婚には、婚姻届を提出する場合と提出しない場合がありますが、互いに結婚の意思もなく婚姻届を提出し、戸籍に記載されてしまうと、電磁的公正証書原本不実記録罪(刑法157条1項)や不実記録電磁的公正証書原本供用罪(同法158条1項)が成立し、犯罪となります。
これは、公正証書の原本データは、公的に利用されているもので高度の信用性がありますが、そのような信用を守るべき原本データに、結婚という実体のない不実(うそ)の記録をさせて、その不実の記録を公にさせたという犯罪です。
罰則は、5年以下の懲役又は50万円以下の罰則と、重くなっています。

また、あえて偽装結婚する必要がある当事者には、別の目的を達成するために結婚という手段を取る人が少なくありません。
例えば、外国人にビザを与えるために、結婚の意思も夫婦としての実体もないのに結婚届を提出したり、そのために利益を受け取っていたりすると、電磁的公正証書原本不実記録罪・同供用罪に加えて、出入国管理及び難民認定法にも違反する可能性があります。

一方で、契約結婚は、仮に当事者間に愛情は存在しないとしても、結婚する意思はあることを前提としていますので、法律に反するものではありません。

事実婚は、結婚の意思も夫婦の実体もあるけれども、婚姻届を提出していない結婚のことをいいます。
契約結婚には、婚姻届を提出する形と提出しない形がありますが、婚姻届けを提出しなければ、事実婚にあたることになります。

契約結婚のメリット

契約結婚には、次のようなメリットがあります。

(1)口約束が確かなものになる

結婚前に、結婚後の生活について口約束をするのはよくあることですが、きちんと契約書として残すことで、夫婦双方が「夫婦生活のためにこれは守らなければならない」という意識を持つことができます。
また、口約束だと「言った・言わない」というトラブルが生じがちですが、書面に残すことで合意内容を証拠として残すことができますので、結婚後にすれ違いが生じたとしても、結婚前にした契約を基準に、関係修復を図ることができます。

(2)スムーズな結婚生活を送れる

契約書を作成していく過程で、お互いの価値観や考え方の違いを把握し、共有することができます。
そのため、事前に、夫婦喧嘩となりそうな種を把握して、妥協点を探して合意することも可能です。
また、結婚生活の役割分担や家計負担について合意することもできますので、結婚後、家事・育児の分担や生活費の負担などについて、考え方や意識が合わずにストレスとなり、夫婦関係が悪化することも防ぐことができます。仮に、夫婦喧嘩となっても、事前にルールについて合意しておけば、合意内容を確認して解決の指標とすることができます。

契約結婚は、このように結婚前に、結婚後のお互いの役割を明確に意識し、合意してから結婚するので、結婚後の夫婦生活でもトラブルが起こりづらく、スムーズな結婚生活を送ることができるといえるでしょう。
結婚後、年を重ねるごとに子どもが生まれたり、家を買ったりするような事柄が生じることもあり、当初の契約内容が妥当でなくなる可能性もありますので、定期的に契約内容を見直せる合意もしておくとよいでしょう。

(3)離婚する場合にトラブルが起こりにくい

契約結婚では、離婚の条件、慰謝料、財産分与、子どもの親権などについてあらかじめ合意しておくことができます。
このように離婚時にトラブルとなりやすい事柄について、事前に明確に合意しておけば、万が一離婚することになっても、話し合いが進まずに離婚できないという事態を避けやすくなります。

ただし、合意内容によっては、合意したとおりに実現できるかわからない事柄もあります。
例えば、親権者は子どもの利益(福祉)の観点から、父母のどちらが親権者となる方がより適切かという観点から決定され、夫婦の協議により決定できないときは、最終的に家庭裁判所が判断します(民法819条5項)。
契約結婚によって、家庭裁判所が親権者を指定することを排除することはできません。

したがって、離婚時に、他方が合意内容に反して「自分が親権者となる」と主張した場合には、最終的に家庭裁判所が、合意内容にとらわれず、子どもの利益の観点から親権者を決定することになります。

契約結婚のデメリット

契約結婚には上記のような様々なメリットがありますが、日本ではあまり一般的な結婚の形として認識されていないため、次のようなデメリットもあります。

(1)パートナーの理解が不可欠

契約結婚は契約の一種ですので、契約相手の理解と合意がなければ契約結婚をすることができません。
一方が契約結婚を希望しても、契約結婚を提案されたパートナーが、「自分のことを信用できないのだろうか」「愛されていないのだろうか」と不安になり、結婚を考えなおしたりするおそれがあります。
そこで、契約結婚を希望する際には、相手方に誤解されないよう、「二人の将来を真剣に考えて確かなものとしたいからこそ契約結婚をしたい」「夫婦仲良く生活するためにルールをしっかり決めておきたい」など、パートナーの心情に配慮して、契約結婚の目的や理由を根気よく伝えて、理解を得る努力が必要となることがあります。

(2)周囲に理解されにくい

契約結婚の当事者は夫婦となる二人ですので、契約結婚の事実や、内容について親族や友人などに説明する必要はありませんが、説明しても、理解や共感を得られないことがあります。
これは、日本では契約結婚が一般的とはいえないこと、契約結婚の理解が進んでいないことなどが理由に挙げられます。
親族や友人にも、契約結婚という選択を理解して祝福してもらいたいときには、なぜ契約結婚という形をとったのか、目的は何なのかなどについての説明が必要な場合があります。

契約結婚で作成する「婚前契約書」とは?

契約結婚をする際には、結婚前に「婚前契約書(結婚契約書、婚姻契約書ともいう)」を作り、契約内容を書面で残すことが大切です。
夫婦間で約束事が存在するのは通常のことですが、口約束によるトラブルを防ぐためにも、婚前契約を行い、その内容を書面としてきちんと残すことをお勧めします。

(1)婚前契約書に記載できる内容

一般的に婚前契約書に盛り込まれる内容について説明します。

(1-1)家事、育児のこと

夫婦共働き世帯が多数派となり、家事育児に積極的にかかわる男性も増えてきましたが、現状、妻が家事育児のほとんどを担っているという夫婦は少なくありません。
家事育児の負担が一方に偏ると、その不満や配偶者の無理解からトラブルが生じ、夫婦仲が悪化することがあります。
したがって、結婚前に、家事・育児の分担割合について話し合って合意しておくことにより、結婚後のトラブルを防止する効果が期待できます。

(1-2)親族との付き合い

親族との付き合いについての考え方は、夫婦それぞれ、価値観や育ってきた環境により異なります。
毎週のように会いに行くことが当然、合鍵も渡していつ来てもらってもいいと考える人がいる一方で、数年に一度会うくらいで十分、合鍵を渡すなんてとんでもないと考える人もいますので、親族とのかかわり方は、夫婦間の喧嘩のきっかけとなることも多くあります。
したがって、親族付き合いに関しても、例えば正月やお盆ではそれぞれどちらかの実家に帰省するといったことなどについて話し合って、婚前契約書の内容とすることを検討するとよいでしょう。

(1-3)生活費の負担割合

専業主婦(夫)の場合は、一方に収入がありませんので、他方が全額負担することになると考えられます。
夫婦共働きの場合は、生活費の負担割合は、通常、夫婦の仕事の有無、収入額、家事育児の負担割合、妊娠・育休取得などの状況によって異なるのが通常です。
家賃・生活費などの負担は誰がするのか、割合はどの程度か、それぞれの給与は全額家計に入れて小遣い制とするのか、給与の一部を家計に入れるのか等、生活費の負担割合や、収入の管理方法などを事前に話し合っておくと、後々のお金の使い方についてのトラブルを防ぐ効果が期待できます。

(1-4)夫婦の財産関係

夫婦の財産について、婚前契約で取り決めることができることは、夫婦財産契約の項でご説明したとおりです。
具体的には、次のような内容を定めます。

  • 婚姻前の夫・妻の財産を、誰(夫・妻・夫婦)の所有とするのか
  • 婚姻中の個人名義の財産を、誰(夫・妻・夫婦)の所有とするのか
  • 婚姻中の名義不明の財産を、誰(夫・妻・夫婦)の所有とするのか

夫婦共有財産としたものは、基本的に財産分与の対象となります。

(1-5)財産分与のこと

財産分与とは、夫婦が婚姻期間中に協力して形成した財産を、離婚に伴って分与する制度のことをいいます(民法768条1項)。
夫婦共有名義の財産は、夫婦の共有財産として原則として分与の対象となりますが、どちらかの単独名義の財産であっても、夫婦が協力して形成した財産という実質があれば財産分与の対象となりますので、離婚の際に、財産分与の対象となる範囲について争いが生じることがあります。
したがって、婚前契約において、財産分与の対象となる共有財産と、対象とならない特有財産を明確にし、財産分与の対象は共有財産に限られること、財産分与の割合などを合意しておくと、争いを避けることができるでしょう。

(1-6)DVや浮気があったときのこと

配偶者のDVや浮気に対して、婚前契約書にペナルティを定めておくと、配偶者がDVや浮気を行う一定の抑止力となることが期待できます。
ペナルティとして多いのは慰謝料の定めですが、不倫を原因とする離婚の慰謝料の相場が100万~300万円であることを考慮すると、通常は高くても500万円程度とすることが多いようです。
数千万円などあまり高額にすると、公序良俗に反し無効とされるおそれが高くなりますので注意してください。

(2)婚前契約書はいつ作成すべきか

結婚後も夫婦間で契約することはできますが、結婚後の夫婦間の契約は、いつでも取り消すことができるという規定があるため(民法754条本文)、取り消されてしまうおそれがあります。
また、夫婦の財産についての契約は、結婚前に契約しなければ無効となります(民法755条)。
したがって、婚前契約書は、結婚前に合意して作成することが重要です。

(3)婚前契約書は公正証書にすべきか

婚前契約書は、当事者双方が合意した内容を記載した書面に、署名・押印すれば作成することができます。これを、私文書といいます。
一方で、公正証書は公証人が法律に従って作成する公文書なので、私文書で残すよりは効力が強いのではないか、メリットが多いのではないかとも考えられます。

公正証書には、一般的に証明力が強く、差し押さえなどの執行力があるというメリットがあるのですが、婚前契約書を公正証書にすることは簡単ではなく、公証人に依頼しても断られることが多いようです。
これは、公証人の仕事は法律に従って公文書を作成することですが、婚前契約書には法律上効力がないと考えられる内容も含まれることや、金銭の支払い約束も「浮気をしたら」など「仮に」定められるもので確定的なものではなく、支払期限も特定(「〇年〇月〇日までに支払う」など)されていないことから、強制執行できるような内容ではないためだからと考えられます。
したがって、公証人によっては内容を修正したうえで公正証書の作成を引き受けてくれる人もいるかもしれませんが、基本的には公正証書にするのは難しいと考えられます。

契約結婚を成功させるためのポイント

契約結婚は、結婚後の生活のトラブルを防止し、結婚当事者にとって幸せな結婚生活を送ることを目的としています。
このような契約結婚の目的を達成して、スムーズな結婚生活を送るための3つのポイントを紹介します。

(1)話し合いと法律確認の期間をしっかり設ける

結婚生活一般に言えることですが、契約結婚を選択する場合には、より一層、目指すべき結婚生活について二人で理解しあって共有するために、話し合う時間が必要になります。

合意内容については、当事者間で自由に決めることができますが、内容によっては、心理的な効果はあるけれども、法的な効力が生じないこともあります。

例えば、公序良俗に反するような内容は無効となります(民法90条)。
また、「それぞれの義実家には盆正月に家族みんなで帰省する」と合意しても、嫌がる相手を強制的に引っ張っていくことはできませんし、裁判で強制することも困難です。
「不倫はしない」と合意しても、心を縛ることはできませんし、「一方が離婚を申し出たら離婚する」と合意しても、離婚意思はその当時に存在する必要がありますので、離婚を拒否されれば離婚を強制することはできません。
このように、強制力のない約束事もあります。

しかし、事前に話し合っておくことはトラブル防止にもつながりますし、婚前契約書に定めがあれば、合意内容はきちんと守ろうという動機付けにつながりますので、強制力のない内容であっても、婚前契約を締結する意義はあります。

(2)離婚の際の財産関係については特に詳しく取り決めておく

「結婚する前に離婚について決めるのは気が引ける」と思うかもしれませんが、契約結婚では、離婚の際の財産関係について、特に詳しく定めておくべきです。
なぜなら、離婚の際には夫婦関係が悪化していることが多く、財産をどのように分けるかは特にトラブルになりやすいためです。

(3)結婚後には定期的に内容を見直す

一度は契約したけれども、結婚生活を送るなかで夫婦の状況が変化すると、当初の契約内容が夫婦の実態からかけ離れてしまって妥当性を失い、契約内容の変更や追加が必要になることもあります。
そこで、当初の契約内容に、「1年ごと」など見直しの時期を決めて、定期的に契約内容の見直しを行うことも検討するとよいでしょう。

ただし、民法上、夫婦財産に関する契約は婚姻の届出前にする必要がある旨の規定があることから(民法755条)、結婚後は、夫婦財産に関する契約について、変更や一部取り消しができないのではないか、という問題があります(これは、夫婦財産に関する契約でのみ問題になりますので、家事・育児の負担や、不倫をした場合の慰謝料などについての合意は、変更・一部取り消しは可能です)。

【まとめ】婚前契約書のリーガルチェックをお考えの方は弁護士への相談をお勧めします

契約結婚は、婚姻生活における様々なトラブルを事前に防止し、スムーズで幸せな結婚生活を送ることが期待できますが、合意した内容すべてについて、法的拘束力や強制力が認められるわけではありません。
契約結婚の際には、きちんと婚前契約書を作成することをお勧めしますが、専門家でなければ法的知識に基づいた契約書の作成が難しいことがあります。
そこで、自分で婚前契約書を作成した方は、事前に弁護士などの専門家のリーガルチェックを受けることをお勧めします。
また、婚前契約書の作成方法や書くべき内容がわからないという方は、弁護士などの専門家に相談してアドバイスを受けたり、契約書の作成を依頼するなどして、必要なサポートを受けるとよいでしょう。

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