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みなし残業代制での強制残業は違法!残業の拒否についても解説

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「うちの会社はみなし残業代制を導入していて、自分も毎月一定の時間は残業する前提で残業代が計算されているから、その時間の範囲内で残業を命令されたら従わないといけないのかな……」

「残業代が固定されているっていうことなら、どれだけ残業しても残業代は固定された額以上は出ないのかな……」

いいえ、それはどちらも違います。
「みなし残業代制」「固定残業代制」といった制度の名称は、言葉だけからすると誤解を生みやすい面もあり、労働者としてはどうしても自分にとって不利な方向でとらえてしまいがちです。
労働者側としても、制度の仕組みをしっかりと把握して、違法な残業や、残業代の不払いなどによる不利益を受けないようにしなければなりません。
今回は、そのためのポイントや、正確な制度の仕組みについて解説していきます。

みなし残業代制について

まず、みなし残業代制について、基本的な部分から解説していきましょう。

(1)みなし残業代制とは?

「みなし残業代制」とは、実際に残業をしていなくても、毎月固定額の残業代が支給される制度のことをいいます。
「月に●時間の残業をしたとみなして残業代を支給する」というような取り決めに基づいて、一定の残業代を含めた金額の給与が毎月支払われる仕組みです。

この制度では、みなし残業に想定されていた残業時間を超過して労働した場合には、別途残業代が支給されることになっています。

みなし残業代制は、「定額残業代制」や「固定残業代制」ともいわれることがあります。

みなし残業代制を採用する場合には、給与に含まれるみなし残業代について、その金額・想定する残業時間や、残業への対価として支給されるものである旨が明確にされている必要があります。これらが明確にされていなければ、労働者は「自分は何時間を超える残業をすれば、みなし残業代とは別に残業代を払ってもらえるのか?」が分からないからです。

みなし残業代制は、毎月ある程度の残業が見込まれる企業などで採用されることが多くなっています。
使用者側としては毎月の残業代の計算作業がスムーズになり、労働者側としても毎月安定した金額の給与が保障されることになりますから、ルールをきちんと守って運用されれば、両者にメリットがある制度であるといえます。

(2)みなし残業代制かを確認する方法

自分の労働条件に「みなし残業代制」が採用されているかどうかが分からない場合には、知らないうちに不利益を被っている可能性があります。
「みなし残業代制」が採用されているかどうかを確認する方法についても、しっかりとチェックしておきましょう。

使用者がみなし残業代制を採用する場合は、労働者との間で締結される労働契約においてその旨を明示した上で各労働者の同意を得るか、あらかじめ就業規則に明記してすべての労働者に周知する必要があります。

したがって、自分の労働条件にみなし残業代制が採用されているかどうかは、雇用契約書か、就業規則の内容を確認することで分かります。

みなし残業代制においても不当な残業の強制は違法である

みなし残業代制を採用している場合、みなし残業代として想定されている残業時間内であっても、正当な理由なく残業を強制することはできません。
つまり、みなし残業代制を採用していたとしても、当然のように一定限度の時間までは残業をさせることができる、というわけではないのです。

残業は正当な理由があれば断ることができる

みなし残業代制を採用している場合であっても、残業に違法性があるなど、残業を断ることに正当な理由がある場合には、従業員は残業を拒否することが可能です。

残業を拒否することができる「正当な理由」の例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 36協定に違反している場合
  • 業務上必要とはいえない場合
  • 労働者の健康に影響を及ぼす場合(体調不良・妊娠・出産など)
  • 労働者の私生活に影響を及ぼす場合(育児・介護など)

なお、「業務上必要とはいえない」残業とは、たとえば、翌日の法定労働時間内に問題なく遂行できるような業務であるにもかかわらず、その業務を当日のうちに行うためにするような残業のことをいいます。

また、「周囲の労働者が残業しているから、自分の業務が終わっていたとしても残業するように」といった理由で残業を強制することもできません。
これも「業務上必要とはいえない」残業にあたるといえます。

上記で示した例は、業務上必要とはいえない残業であることが明らかです。
ですが、その残業に業務上の必要性があるかないかの判断が微妙な場合もあるでしょう。

残業における業務上の必要性については、使用者の裁量が比較的広く認められることになっています。
ですから、労働者の自己判断で、「業務上の必要性がない」ことを理由に残業を拒否するのは避けた方がよいと思われます。
ただし、その残業命令がパワハラなどの違法行為に該当しているなど、むしろ残業を拒否することも相当であるというような例外的な場合は除かれます。

適法な残業命令を正当な理由がないにもかかわらず残業を拒んでしまうと、業務命令違反とみなされてしまうこともあるため、注意が必要です。

適法な残業命令か否か悩んだら弁護士などに相談しましょう。

みなし残業代制で残業した場合の残業代

では、みなし残業代制のもとで残業した場合の残業代はどうなるのかご説明します。

(1)実労働がみなし残業時間を下回る場合

実労働の時間がみなし残業時間内に収まった場合、使用者は、実際に残業した時間にかかわらず、あらかじめ固定されていたとおりの残業代を労働者に支給する必要があります。

例えば、「想定残業時間は20時間、残業代は3万円」というみなし残業代制だった場合、実際の残業時間が12時間でも、3万円の残業代が支給されることになります。

(2)実労働がみなし残業時間を上回る場合

実労働がみなし残業時間を超過した場合、使用者は、超過した分の残業代を、固定された残業代とは別に支給する必要があります。

例えば、みなし残業代制で想定しているのが「残業時間は20時間、残業代が3万円」という基準だった場合、実際の残業時間が25時間であれば、「(残業時間20時間分の残業代に相当する)みなし残業代3万円+(20時間を超過した)5時間分の残業代」が支給されることになります。

【まとめ】みなし残業代制を採用していても残業の強制は違法になることも

みなし残業代制を採用している場合であっても、使用者は、労働者に対し、取り決められた時間の範囲内であるからといって、際限なく残業をさせることができるわけではありません。

また、みなし残業代制で想定している残業時間を超過して労働した場合は、別途残業代が支払われなくてはなりません。

アディーレ法律事務所では、未払い残業代請求をお取り扱いしております。未払いの残業代請求でお悩みの方は、アディーレ法律事務所にご相談ください。

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